母怖し

母怖し

「君のお母さんは君に意地悪だよね!」結婚30数年、苦楽を共にして来た夫に言われた。なんとシンプルな響きだろう。そうか母は私に意地悪なのだ。物心がついた時から母の顔色を伺っていた。学校からの帰り道、一緒に歩くお友達の会話は上の空に私の心の中は母の心模様を探っていた。その癖は今も抜けない。結婚をしてからも母の干渉攻撃で何度も泣かされ、心療内科、霊能者、占い師、一体これらに幾ら使ったか知れず。80を過ぎ心身共に弱った母との心の距離は縮まったように思っていたがそれは錯覚だった。私は母の地雷を踏んでしまった。母怖し