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  • サイギサイギ、ドッコイサイギ。

    (この冬の雪の多さよ@津軽大沢駅)車両区があり、大鰐線の運転の要衝である津軽大沢の駅。ただし、駅は羽州街道の外れの小さな集落にあって、利用する人は少ないのか、駅員自体は無配置の駅です(車両区や饋電、保線関係の要員は配置されている)。駅の周りには住宅よりも新しい老健施設の大きな建物が目立っていて、雪をかぶった年季のある民家との対比は、なんとも東北の都市農村部の人口動態を表しているようで切ないものがあります。除雪用のスノーダンプの置かれた駅舎の入口。この冬の津軽の雪の多さは、過去の半世紀を見ても比べるものがないほどのもので、2月23日には弘前市の積雪深が160cmを記録したようです。これは1982年(昭和57年)の観測史上最大の記録なんだとか・・・この時すでに、駅舎の上の駅名看板が雪の重みのせいなのかひしゃげ...サイギサイギ、ドッコイサイギ。

  • 銀鱗踊る高架橋。

    (生徒たちを待つ@義塾高校前駅)沿線最大の教育施設である東奥義塾中学校・高等学校。弘前藩の藩校を出自とした、青森県でも有数の名門私学。その最寄り駅になっているのが義塾高校前駅。リンゴ畑の中に簡素なホーム一面の小さな駅ですが、朝は通学してくる学生の対応のためか、係員配置の時間があるようです。東奥義塾が弘前城址に近い場所から郊外の地にに移転してきたのは昭和62年のこと。義塾高校前の駅はそれに呼応する形で通学の便宜を図るために開設された駅ですが、学校の移転と駅の開業により、前年に比べて通学定期の輸送人員が年間15万人も増加。弘南鉄道的にも大きな需要の創出だったのではなかろうか。もっとも、昭和62年当時の大鰐線の輸送人員はピークアウトしていたとはいえ年間250万人を確保していたのだから、今となっては隔世の感がある...銀鱗踊る高架橋。

  • 朝の鯖石、電光石火。

    (雪の待合室@鯖石駅)昨年の夏にも訪れた鯖石の駅。国道8号線から鯖石の集落へ入る道へ折れ、その集落の道からさらに細い道に入ってようやく見つかります。大鰐線の駅は、大きな街道沿いというよりも小さな集落の中の分かりにくい場所にあるものが多く、初見では探し出すのが難しい。ちなみに、ここから一つ大鰐寄りの宿川原駅も分かりにくさは相当なもので・・・そういうところも、利用しにくさの一因になっているのかもしれない。鯖石駅へのアプローチは、バイクや小さめの自動車が1台やっと通れるかな、程度の細道のみ。そもそもクルマ社会の地方都市。少ない利用者ですら、駅までは家族がクルマで送迎することは珍しくない。そうなると、駅前のロータリーの整備とか、そういった「クルマ社会との親和性」を高めることも利用促進策の一環だったと思うのだが、な...朝の鯖石、電光石火。

  • しばれる朝の始発駅。

    (ワニモニ。@大鰐温泉駅)朝6時に大坊温泉保養センターを出て、やって来たのは大鰐温泉の駅。津軽の奥座敷と言われた大鰐温泉は、弘前藩の湯治場として栄えました。開湯800年の歴史を誇る津軽の名湯は、歴史ある雰囲気を持つ街並みで、2つの共同浴場を中心に大小の旅館で形成されています。もう一つ、大鰐町と言えば大正時代からスキーの街として有名で、街の南側にある阿闍羅(あじゃら)山の中腹には大きなスキー場(大鰐温泉スキー場)があります。私は正直存じ上げないのですが、毎年学生スキーの大会が開催されていて、町内からもスキーの名選手が数々輩出されているらしい。ちなみにバブル華やかなりし1980年代後半にスキー場を中心にしたリゾート振興に手を出した大鰐町、見事に開発に頓挫し財政再建団体にまで落ち込んだ苦い実績があります。そんな...しばれる朝の始発駅。

  • 平川の 名湯ぷかり 風邪知らず。

    (黄金の稲穂揺れて・・・@津軽ウインターイルミネーション列車)「冬の田んぼアート」を楽しんだ後は、このイベントに合わせて増発された臨時電車で弘前へ。黄金の稲穂を模したイルミネーションを配した車内は、照明を落として幻想的な世界。ちなみに、乗車には別途料金500円を所望されました。手土産に小さなお手ぬぐいのグッズ付きでしたが、正直別途料金を取って運行しているせいか、車内の乗客はまばらです。やはり臨時電車というのもあるし、別料金を取るというスタイルだと利用率はそこまでいいとは言えなかったかなあ・・・。弘南鉄道なりの増収策なんでしょうけどね。それなら、もう少ししっかりとおカネを取って「けの汁列車」みたいなイベント列車で運行した方が良かったのかも。けの汁列車、コロナで中断していて2025年の今シーズンから5年ぶりに...平川の名湯ぷかり風邪知らず。

  • 凍て付いた光の中で。

    (ささやかなイルミネーション@田んぼアート駅)津軽を訪れた週末は、田んぼアートで地元のスノーアーティスト集団による「冬の田んぼアート」が開催されていました。「道の駅いなかだて」に隣接した会場は、夜のライトアップを目当てに多くのお客さんが来場していましたが、弘南線も田んぼアート駅に土日は臨時停車をおこなって会場アクセスへの便宜を図っていました。スノーアートとは、スノーシューを履いて雪原を踏み固め、雪に模様を描いて陰影でデザインを浮かび上がらせるアートというもの。夏は、普通の稲に赤米や古代米などを混ぜて稲の色の違いで表現するのが「田んぼアート」なのですが、今回は稲は関係ありません。田んぼアート駅に隣接した「弥生の里展望所」から見下ろすスノーアートはどんなもんなんでしょうか・・・?入館料300円を払ってエレベー...凍て付いた光の中で。

  • 津軽慕情。

    (津軽夕景@新里~館田間)この山の姿を見れば、「きっと帰って来るんだと、お岩木山で手を振れば・・・」と思わず口ずさんでしまう。日本に「〇〇富士」はいくつもありますけれども、その立ち姿から津軽富士と例えられるのが津軽の名峰・岩木山。津軽平野のどこから見てもその姿を仰ぎ見ることのできる母なる山は、すっきりとその姿を見せる独立峰でもあります。陣取ったのはお馴染み新里~館田間。平川の鉄橋から小さな築堤を緩く降りて来るシーン、このアングルだとレールの右奥に雄大な津軽富士のお姿がガッツリと見える、私的にはお気に入りの弘南線の名撮影地です。弘前へ上がって行ったラッセルコンビ、黒石の駅までの返却回送(?)シーンを狙います。回送を待っている間に矢立峠の方向に太陽は落ち、夕暮れの近付く津軽平野は、それこそ分刻みで足元から寒さ...津軽慕情。

  • その存在に比類なし。

    (黒装束、冬の西日に輝かせ@館田~新里間)午前中は雪国らしい寒々とした曇天だったが、午後になってだいぶ陽射しが戻ってきた津軽平野。冬の陽射しは、午後三時を過ぎて早くも赤味を帯びながら傾き始めた。田んぼアートで見かけたラッセル、おそらくは弘前までの一往復でしょうから、ある程度先回りすれば捕捉できそう・・・ということで、朝に展開した館田駅付近へ。田舎館~平賀までは南北に向いている弘南線の線路は、平賀の先で大きくカーブして弘前までは東西方向に走っていますので、順光で捉えるならこの辺りかなあという見立て。弘南のラッセル、カラスのように真っ黒なので、逆光や日陰で撮影したら完全にドボン食らうのでねえ。汽笛一声、館田の駅を発車するラッセル編成、高度の低い冬の陽射しを浴びて真っ黒なボディを艶めかせるキ104。飛ばす雪もな...その存在に比類なし。

  • たんげあずまし、赤と黒のエクスタシー。

    (きららの午後@境松駅)田舎館の駅から浅瀬石川の長い鉄橋を渡ると、電車は黒石市に入って境松の駅。駅自体が浅瀬石川の堤防上に架かるようにあって、その下を小さな用水路が東へ向かって流れています。弘南線の中でも地味な存在の駅ですが、駅の横に大きく枝を伸ばす桜の木が見事で、春の季節に訪れてみたいものです。浅瀬石川の右岸の境松の集落は黒石市街の東の外れという位置にあって、駅前の道を行くとそのまま黒石の中心街にある「こみせ通り」に続いている。良く晴れて暖かかったこの日の午後、境松の集落の人たちは降り積もった雪の片付けに追われていた。多少気温が高ければ、雪も柔らかくて片付けやすいのだろうか。それとも、昼間に溶けて夜に凍ってを繰り返し、ガッチガチに固まって扱いづらくなる前に・・・ということか。どうせ夜までウロウロしてしま...たんげあずまし、赤と黒のエクスタシー。

  • 平賀の街の染みる味。

    (雪原を行く@柏農高校前駅)赤い待合室がチャームポイントの、柏農高校前の駅。通学時間には多くの学生たちが乗り降りをした駅のホームは、朝の輸送力列車のために非常に長いものになっている。ただ、既に朝の輸送力列車を止めてしまった駅のホームは、2両編成の電車が止まる場所以外は除雪もされないままだ。津軽の白く染まる沃野の中を、遠くから弘南線の電車がやってくる。見渡す限りの白い世界だが、この雪が涵養する豊かな水が大地を潤し、春の雪解けが田園を潤し、夏の陽射しが稲穂を育て、秋の実りに繋がっている。また、雪で冷やし込まれることによって病害虫が息絶え、土壌が清浄化される効果もある。そして雪の下でじっと冬を越す小さな動物や昆虫は、春の訪れを前に動き始めて、雪混じりの田んぼの土をせっせせっせとこねくり回し、ふっくらと空気を含む...平賀の街の染みる味。

  • 雪に負けるな、津軽の林檎。

    (雪原の高架橋を行く@津軽尾上~尾上高校前間)弘南線のハイライトの一つ、尾上高架橋。浅瀬石川から引き込まれた用水の走る田園地帯を、古いコンクリートモルタルで跨ぎ越す350mの高架橋です。バックに岩木山を望む高架橋の姿は、弘南線随一の撮影地として有名。ちなみに、高架橋のレールはレベル(水平)で敷かれているかと思わせておいて津軽尾上から尾上高校前へ向かって僅かな下り勾配になっていて、手前の水田と岩木山を雄大に広角で撮る構図を作ろうとするとなかなか水平が出しづらかったりする。この日の午前中は岩木山も雲隠れしていたので、おとなしく尾上高校前側から撮影しましたが、望遠レンズで圧縮すると、尾上の高架橋も歴戦のツワモノという感じでなかなかガタガタとした路盤と橋脚が浮き彫りとなって味わい深い。もちろん補強工事などはなされ...雪に負けるな、津軽の林檎。

  • 早寝・早起き・朝湯で暮らす。

    (地方私鉄の厳しい現実@館田駅)館田駅の待合室に掲示してあった従業員募集の告知。2025年問題という団塊世代の高齢化による労働力不足は、否応なしに地方私鉄の現場にも押し寄せています。そもそも公共交通機関は「売上」である運賃を国交省による認可により定められた事業ということで、なかなか営利性のみを追求した形にはしにくいものです。大手私鉄は別事業として不動産や建設、小売り、流通などをグループ会社で持つことによる収益の補完構造が成立していますけども、地方私鉄はなかなかそのようなコングロマリット的な事業体系は形成できず、慢性的な低賃金にあえいでいます。地方の過疎化は、乗客減少にもつながりますけど、労働環境の悪化にも直結していて・・・運転士もそれを支える技術職も高齢化し、再雇用などをかけて騙し騙し職場のシフトを回して...早寝・早起き・朝湯で暮らす。

  • 弘前の朝を始める。

    (この冬の津軽の雪@弘前駅前)朝6時の弘前バスターミナルから、雪の街を歩いて弘前駅へ出る。駅前通りのバスターミナルに続く歩道には、年末年始から降った大雪が積み上げられていた。私が津軽にお邪魔する一週間前から比較的暖かかったらしく、これでもだいぶ溶けてしまったらしいのだが、うず高く積もった雪の歩道を歩くと、中途半端に溶け気味の雪は足元で緩んで結構歩きづらい。このくらいの気温だと、昼間に溶けて夜の寒さで凍ってを繰り返してミラーバーンやブラックアイスバーンになってしまうから大変だろうな。一応今回の津軽行も二日間レンタカーを借りているのだが、レンタカー屋が開くのが朝8時なので少し時間がある。それまで、朝の弘南線にでも揺られて来ようということで。弘南鉄道の弘南線は、弘前駅の城東口という「あんまり栄えていない方」から...弘前の朝を始める。

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