初夏・植物/柿はカキノキ科の落葉高木で、北海道をのぞく日本全土に分布。6月頃、黄色味をおびた白い合弁花をつける。若葉と一緒に咲くため目立たないが、地面に落ちた花を目にする。雌雄同株。 ふるさとへ戻れば無冠柿の花 高橋沐石 父が倒れた。母によれば、もう若くはないのにろくに休みもと...
三夏・動物/ちいさな半球形で背中に斑点がある虫。赤や黒、黄など色はさまざま。よくみられる7つの黒い斑点のあるナナホシテントウはアブラムシを食べる益虫。 のぼりゆく草ほそりゆくてんと虫 中村草田男 まだ原っぱが身近にあった時代。放課後、いろんな虫を捕まえたり、観察したり。 いくら...
初夏・植物/バラ科の落葉低木。山野に自生。晩春、白い花が咲く。初夏、たわわになる黄金色や暗紅色の粒状の実は食用。 書庫までの小径木苺熟れてゐる 山口青邨 若葉が陽をさえぎって、すこし湿り気のある小径を歩く。研究室にこもっていたからいい運動だ。 みずみずしい酸素濃度の濃い空気に全...
三夏・天文/青葉の繁るころに吹きわたるやや強い南風。 うごかざる一点がわれ青嵐 石田郷子 ドローンで上空から自分自身を撮影しているような光景。 吹き荒れる風を全身に受け、強い意志のかたまりとなったような「われ」。 私にとって、それはひとつの憧れだ。 二十五の夏、私はアイルランド...
初夏・植物/バラ科の落葉または常緑の低木。5月頃、香り高い花を咲かせる。茎には鋭い棘がある。園芸品種はきわめて多く、花の色も形もさまざま。 自らへ贈るくれなゐ強き薔薇 櫂未知子 きょうからは好きな時間に起きて、好きなように働いて、好きなところへ出かけ、好きなものだけを食べ、もち...
初夏・時候/緑が濃くなり、初夏の花々が咲き、夏らしくなること。生活面でも夏らしさが感じられるようになる。 夏めくや卓布にふるる膝がしら 田中裕明 子供のころ、暑くなってくると、両親がなにかちょっと思いきった感じで茶の間の炬燵を片づけ、簡単にはひっくり返せない長方形のごつい座卓を...
初夏・植物/花が散り若葉となったころの桜。陽光をあびた葉桜はことにうつくしい。 葉桜の中の無数の空さわぐ 篠原梵 これまでさまざまな場所で葉桜を目にしてきたであろうが、この句から思い出されるのは新学期のころ。 親しかった友とクラスが分かれ、さびしく不安な気持ちと、新しいクラスに...
初夏・時候/立夏をすぎた5月。新緑のうつくしい、すがすがしい時季。 江戸絵図の堀の藍色夏はじめ 木内彰志 水の都だった江戸。当時の絵図で目をひくのは、町を区切るように縦横にのびる堀や運河のあざやかな藍色だ。 絵図片手に、現在の街並みと比較しながらの散策。 東京のいまの堀を藍色と...
晩春・時候/すぎゆく春を惜しむこと。自然も生活も明るく活気ある季節に感じるさみしさがある。 パンにバタたつぷりつけて春惜しむ 久保田万太郎 退院してひさしぶりに帰ってきたわが家。 桜はとうに散り、庭の草花も花のさかりをすぎて、葉の勢いが増している。 今朝は陽ざしが強く、あたたか...
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