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  • 島から慶応目指せちゃう!?『グリーンデイズ』(高田 由紀子)

    もっとがんばりたいという気持ちがふつふつと湧いていることに、自分でおどろく。(本文より) 割と入試で見る作家の先日発売された本。 この先生、佐渡島への思い入れがヤバい。 今作もその大好きな場所で勝負してるよ。 父を亡くした少女が、付属中受験予定の 同い年の少年の影響で聖央大にあこがれ、 それまでの生き方を変えていくって話だ。 意志の力で周囲を巻き込んでいく少女が 子どもたちに力を分けてくれそうだよ~。 金持ちが通う有名難関私大という聖央の モデルは普通に考えて慶応になるだろう。 公立高校入試などでも使われた前作より 素材文としては扱いやすいかもしれない。 目指す大学ができてがんばる子の話だし。…

  • 出題されるかもしれない新刊本(2024年6月前後)

    高田由紀子先生の『グリーンデイズ』は 23日発売予定だったんだがまだ書店に 配本されておらずどこでも買えない模様。 小6女子が同い年の親戚と行った大学に 一目惚れして頑張ろうとする話のようで 期待値が高く入手でき次第レビュー予定。 さて、6月は後半に発売ラッシュですわ。 毎回言ってるけど未読の作品が多いんで 出題向きじゃないのも多分混じってるよ。 6/3発売 『変身ー消えた少女と昆虫標本ー』(佐藤 いつ子) 少女の友人が失踪、残された手がかりは。 6/6発売 『6年2組なぞめいて』(吉野 万理子) 彩り豊かな個性が躍動する不思議な物語。 6/14発売 ☆先行レビュー済☆ 『かなたのif』(村上…

  • そうだ、風を切って進め『ブルーラインから、はるか』(林 けんじろう)

    古いママチャリで家を飛び出すのも、最高にバカバカしくて、わくわくする。(本文より) ちゅうでん児童文学賞の大賞受賞作品だ。 この賞の凄いところはハズレがないこと。 しかも、入試で出題される可能性も高い。 実際ここ数年は発売年度に多数出ている。 受賞で箔が付いた本は選び易いんだろう。 さて、今作は家にいづらい小6の少年が 図書館で出会ったいや~な小4に誘われ 無理めのチャリ旅に行くってストーリー。 先輩なのに頼りない主人公、最悪の相棒。 それがたび重なるトラブルを乗り越えて 風を切って進むなかで変わってくんだわ。 これを読むと何かに挑戦したい気持ちが ふつふつと湧いてくるんじゃねーかな? そんだ…

  • 凍える想いをあたためて『冷蔵庫のように孤独に』(村木 美涼)

    十四歳だったわたしは自分のために、何もしないことを選んでしまった。(本文より) カバーが作問者の目にとまりそうな新作。 25歳の看護師が中学生の頃に出会った 恩人との日々をある出来事をきっかけに 鮮烈に思い出すっていうストーリーだよ。 自分にまったく自信がなかった女の子が 先生の教えを大切にしながら生きつづけ 立派な女性になっていく流れがいいよ~。 描かれていたのは悲劇と胸アツの師弟愛。 俺は受容と共感がいかに大切か実感した。 ちょっとミステリ要素を含んでいるけど 上手く切り取れば素材文にもできそうだ。 大人編よりも悩める中学生編に注目かな。 文章の難易度は例の分類ではやや難相当。 俺が付けた…

  • なんでもない日々こそが尊い『川のある街』(江國 香織)

    長年愛されてきた『つめたいよるに』等、 入試定番作品のある作家の期待の新作だ。 作問者がとりあえず手にしそうではある。 短編が3つ収録されているが素材文適性 という観点では2つに注目したいところ。 1話目の目立ちたくない小3女子の話は この短編集の中で最注目になるだろうな。 とことん地味な彼女はある意味新鮮かも。 2話目は人間達とカラスの視点が混じる。 おそらく小学生は幻惑されるだろうから 初回はカラスパートを読みとばすといい。 それでも連作掌編集のように人間模様が つながるし再読でカラス話も読めばOK。 この話は小学生男女の視点も含み適性△。 3話目は俺はグイグイ惹かれたんだけど 認知症の人…

  • 敗者たちの気迫『俺たちの箱根駅伝』(池井戸 潤)

    勝敗はどんなスポーツにもある。だが、勝者だけが輝くのではないはずだ。(本文より) 入試ではあまり見ない大物作家の最新作。 上下巻合わせ700ページには怯んだが、 頻出の駅伝モノなのでチェックしてみた。 『十二月の都大路上下ル』なども含めて このテーマは今年も良く出ていたからよ。 駅伝を描いた作品の例 『あと少し、もう少し』(瀬尾 まいこ) 『タスキ彼方』(額賀 澪) 『風が強く吹いている』(三浦 しをん) 『駅伝ランナー』(佐藤 いつ子) 『白をつなぐ』(まはら 三桃) 『襷を、君に。』(蓮見 恭子) 結論から言うとシーンが次々に流れてく 下巻よりも問題文の素材に選ぶとしたら 人物の掘り下げが…

  • はずむ、ふくらむ恋心『ナカスイ!海なし県の海洋実習』(村崎なぎこ)

    ナカスイの授業って、とても不思議。いままで国語数学英語・・・・・それが勉強というものだと思ってたから。(本文より) 今年の聖光学院で出た作品の続編ですわ。 より軽妙になりサラッと読めるテイスト。 女子ウケ全振りの乙女小説って印象だな。 前作と比べると学び要素が控えめになり かわりに恋要素が前面に打ち出されてる。 男どもにはついていくのがつらいかもな。 まぁ女の子の楽しい読書にピッタリだよ。 おそらく素材文適性は前作のほうが高い。 こんな学びがあるのか!という新鮮さは 今作にもあるので読めば世界が広がるよ。 俺のレビューの序盤だけ以下に付けとく。 シリーズ二作目は前作よりも弾けてる! 普通な自分…

  • 自分を貫く勇気『あしたをみがけ 姫川中学校みがき部』(横沢 彰)

    どんな石ころだって、磨けば輝いてくる。(本文より) 今年の1月からこれまでに3冊出ている こんな部活ありますシリーズの1つだよ。 糸魚川中学に実在する研磨部がモデルだ。 どうやら日本に一つしかない部活っぽい。 ま、そんな世にも珍しい部活の物語だが 地味男子の地味な学校生活が描かれてて 正直、途中で読むのをやめそうになった。 ちょ~っと盛り上がりに欠けていたから。 けど、バレー部が関わってくるあたりで おっ!となって後はずっと熱中できたよ。 後半以降で盛りかえすのでそれを念頭に アッサリ切らないことをお勧めしたいな。 素材的に特にすすめたいのは9~10章。 陽キャの意外性に触れる11章もよさげ。…

  • 青春のエール『アルプス席の母』(早見 和真)

    一人の選手の野球生命は、もっと言うとその子の人生は、たかが高校野球のために潰されるべきじゃない。(本文より、少年の憧れ校の監督の言葉) やたらいい評判をきくので読んでみたよ。 家族愛という言葉だけでは言い表せない エモーショナルさ溢れる物語だったわ~。 ストイックな野球少年の母親が主人公で 中学編が2割程度、メインは高校編だよ。 受験対策って点での優先順位は低いけど 多くはないものの素材になる箇所もアリ。 親思いの少年の本心が垣間見える部分や 子供同士のウルッと来るやりとりとかな。 印象的だったのは大人同士の嫌がらせを まるで中学の教室のようと母が思う場面。 大人になれば、居場所も逃げ場も自分…

  • 出題されるかもしれない新刊本(2024年5月前後)

    出たばかりの『俺たちの箱根駅伝』だが 池井戸潤先生は界隈注目ではないものの 書店で存在感を示し続けることが確実だ。 駅伝は入試頻出テーマってこともあるし 作問者が手に取っても不思議じゃないな。 上下巻で約4千円は俺にはキツいんだが。 さて、5月も注目作品がバンバンくるよ。 毎度言ってるように未読作品が多いから 出題向きじゃないのも多分混じってるよ。 5/9発売 ☆先行レビュー済☆ 『学校に行かない僕の学校』(尾崎 英子) 中2男子が森の中の学校で見つけたもの。 5/23発売 『6days 遭難者たち』(安田 夏菜) 高校生の日帰りゆる登山で起こるまさか。 5/23発売 ☆先行レビュー済☆ 『ぼ…

  • わかり過ぎる親たちの葛藤『君の背中に見た夢は』(外山 薫)

    中学受験?思い出すだけでゾッとする。いやもう考えただけでも無理、二度とやりたくない。(一章冒頭より、慶應中等部に息子を入れた母親の述懐) 小学校受験を描きあげた話題の新作だよ。 パワーカップルの妻がお受験にはまって 周囲が見えなくなっていくストーリーだ。 慶應幼稚舎、洗足、横浜雙葉、カリタス、 学習院などが実名で登場しまくるんだわ。 出題候補じゃないし子供には薦めないが、 親目線では学びと共感が詰まっていたよ。 特に合格請負人みたいな先生の言動には うなづくしかないものが多々あったな~。 模試の好成績に浮かれる親への言葉とか。 まず最初に言っておきます。今回の結果は忘れてください。(本文より)…

  • 最頻出作家が上野に降臨、そしてテレビでは・・・

    5/5は村上雅郁先生に会えるチャンス。 前作の『きみの話を聞かせてくれよ』が 少なくとも15校で出たときの人ですわ。 入試問題に採用した15校 駒場東邦、海城、学習院中等科、立教女学院、横浜雙葉、大妻、日本女子大附属、昭和女子大昭和、栄東、専修大松戸、同志社女子、修道、佐久長聖、東山、帝塚山、その他公立高校入試などでの採用もあり 現場は上野の森親子ブックフェスタだよ。 14:30~16:00フレーベル館の ブースでサイン会をしてくれるってんだ。 この催事、幼児向け作家の列は割と込む。 一方で、YA作家はポツーンとなり易い。 だから色々と話したければまさに絶好機。 6月に出る新作の宣伝をするって…

  • 見よ、この魂の輝きを『再会の日に』(中山 聖子)

    わたしは、自分の家のややこしい事情を、友だちや先生には知られたくない。(本文より) 受賞歴豊富だけど入試ではあまり見ない ベテラン作家の4月に出たばかりの作品。 中学受験界隈での注目度は低そうだけど これは稀に見るエモさのストーリーだよ。 しかも素材文適性が中盤から急上昇する。 この本に先生方が気づけるか未知数だが 教室、駅周辺、屋上、植物園など各所で 出題者が惹かれるであろう場面があった。 具体的には5、7~10、13~14章。 特に少し荒れるシーンが描かれる9章や 14章は素材文適性がMAXだった印象。 8・10・13章も〇印がつくレベルだ。 文章は平易だが姉妹の心情に寄添うには 高い共感…

  • 美味しさぎっしり『要の台所』(落合 由佳)

    周りとちがうからって仲間はずれにしたり、からかったりするやつらのほうが、どう考えたっておかしいだろ。なのになんでそいつらに合わせてやらなきゃならないんだい。(本文より) 何でもズケズケ言う老婆の物言いが爽快。 今年、普連土学園で出た作品の続編だよ。 自分に自信のない中1の女子が夏休みに やりたいことを見つけてがんばるって話。 前作より先にこれを読んでも問題はない。 平易すぎた前作より対象年齢が高めゆえ 今作のほうが入試素材には適していそう。 特に主人公が優しさの押し売りに気づく 三章のシーンなどはちょっとアリかもね。 他にも問題文なる箇所はあるだろうけど。 ま、そういうのは抜きにして食育になり…

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