chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 向学心がとまらない『このそらのずっとずっと向こう』(鳴海 風)

    外国では女の人も大事にされ、立派に仕事をしています。これからの日本にも、そのような女の人が必要です。(本文より) 読書感想文コンクール課題図書になった こともある作家の新作なんで読んでみた。 学びたい気持ちをおさえられない少女が 外国語を習得して自分の人生を切り拓く。 女子英学教授所の創設者がモデルらしい。 中身はおおむねフィクションだけどな? 俺のレビューの書き出しはこんな感じだ。 勝ち気で好奇心旺盛な町医者の娘が、異国事情に通じる武士の子弟と知り合い、関わるうちに、みずからも学びに目覚めていきます。女性の地位が低く、子どもでも当然のように働いていた時代が描かれているので、今の子には新鮮に映…

  • 天才児にとっての中学受験『才能の見つけ方 天才の育て方 アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ』(石角 友愛)

    親が全くギフテッドに関して無知であった場合、悲しいことですが、子どもを「扱いにくい問題児」とみなしたまま一生を終えてしまうこともあるのです。(本文より) ギフテッドとは簡単に言えば天才児だな。 尋常でないこだわりが彼らの多くにあり、 それが上手く活かせれば幸せにもなれる。 恵まれた能力を伸ばすためには、特性を 理解して環境整備する必要があるそうだ。 認知行動・整理整頓・人格形成に関わる 脳の部位はIQの高い子の方が普通より 4年も成熟が遅いってのは衝撃的だった。 このせいでギフテッドの多くは学校では 問題児と誤解され評価されにくいらしい。 アメリカと違って日本にはギフテッドに 特別な教育を施す…

  • 忘れられない7日間『図書室のはこぶね』(名取 佐和子)

    でもわたしはこの頃、つくづく考えちゃうのだ。意味のあることだけをする人生って、案外袋小路じゃないかなって。(本文より) コチラさん、たまに出題予想する方だが、 『神さまのいうとおり』みたいに前触れ なく出題首位になる本も当ててんだよな。 そんな彼の注目作品なんでチェックして みたのが、この『図書室のはこぶね』だ。 著者は中受界では全く手垢がついてない。 全体の空気に対して個人がないがしろに される場面もあってなかなか勉強になる。 主人公達がみんなのためにどう解決策を 見つけ出していくのかが注目ポイントだ。 俺のブックレビューの一部はこんな感じ。 主人公はバレー部エースの高3女子。怪我で体育祭に…

  • いいぞ、ジャイ子!『ちいさな宇宙の扉のまえで: 続・糸子の体重計』(いとう みく)

    人ってそんなに強くないから、確かめたくなるの。自分は必要とされているかとか、愛されてるかって。気持ちが弱いときほど強烈にね。(本文より) 割と入試で出ているいとうみくの新作だ。 続編だが、前作を読んでなくても大丈夫。 無遠慮でがさつな糸子と同級生の日常が 描かれているが、前作を知らない俺でも すんなり物語の中に入っていけたからよ。 作問で使いやすそうなのは、修学旅行と オーディションどちらを選ぶか迷ってる 女子のリーダー格が主人公の章かもな? 出すとしたら中堅校から準難関校あたり。 俺のレビューの最初の方はこんな感じだ。 豪放磊落な糸子と、そのクラスメイトの日々を5人の視点で描いた物語。空気な…

  • 難関狙いの本好きには『櫓太鼓がきこえる』(鈴村 ふみ)

    『櫓太鼓がきこえる』(鈴村 ふみ/集英社) 今年の公立高校入試でよく出題された本。 相撲への見方をガラリと変える衝撃作だ。 公立高と中受は作品がかぶりやすいけど、 この本は難関から最難関レベル向けだな。 相撲の取組前に、ひがしーあざぶやまー とか力士の名前を呼びあげる役割を担い 奮闘する少年を描いた熱いお仕事小説だ。 親目線では「勉強が、学歴が」と子供に 圧をかけることを考え直させるかもな? 俺のレビューの一部は以下の通りっすよ。 主人公は親の価値観の押し付けから逃れるように家を飛び出した17歳。裏方の下働きとして角界に飛び込んだ彼が、厳しい世界で様々な失敗を重ねながら成長していく物語です。 …

  • 出題されるかもしれない新刊本(6~7月)

    入試頻出作品は前年の春から夏にかけて 出版された本になるケースが多いんだわ。 逆に秋以降発売の本が出ることは少ない。 夏ごろに作問する例が多いらしいからな。 桜蔭中みたいに秋から冬に出た本からも 出す例ってのは稀だと考えていいわけよ。 となればこの時期の新刊には要注目だろ。 レビュー前なんで入試向きじゃないのも 混じってると思うがこれが今気になる本。 借りられたものから順にレビュー予定だ。 『ちいさな宇宙の扉のまえで: 続・糸子の体重計』(いとうみく)6/1発売 『跳べ、暁!』(藤岡陽子)7/5発売 『トーキングドラム 心ゆさぶるわたしたちのリズム』(佐藤まどか)7/5発売 『星屑』(村山由佳…

  • コレ、凄いよ『シャンシャン、夏だより』(浅野 竜)

    いろいろ大変なことが多くて、農業には未来がないように思えるけど、それは浅い見方でね。もっと長い目で見たら、農業には、明日はなくてもあさってがあるんだって。(本文より) ちゅうでん児童文学賞の大賞だった作品だ。 前年の受賞作品は今年の出題校数5位だが、 この本はそれ以上に素材にしやすそうだわ。 友情、成長、格差、という頻出のテーマに、 農業という今の子には新鮮な要素も加わり、 しかも、大人が読んでも面白くためになる。 食に感謝をする気持ちが芽生えたりもする。 文学賞の大賞作品ともなるとやっぱ違うわ。 以下に俺のレビューから一部引用してみた。 主人公は米作り農家の小6男子。自由研究でクマゼミの生態…

  • だらけ小6男子、目の色を変える『風の神送れよ』(熊谷 千世子)

    『風の神送れよ』(熊谷 千世子/小峰書店) 地域に伝わる伝統行事にやる気のない子が 駆り出され責任ある立場になって変貌する。 子どもたちが協力し合い共に成長する話だ。 いかにも出題者が好みそうな要素を含むが、 読書感想文コンクールで高学年課題図書に なっちまったんで回避されるかもしれんな。 中堅校から準難関校レベルまでの物語文に 慣らすには丁度よさそうな作品ではあるが。 俺のブックレビュー簡易版は以下の通りだ。 長野県南部の集落で400年にわたり受け継がれてきた子どもだけの神事が描かれています。主人公は地域で唯一の6年生男子。伝承を信じる気になれず、任された大役を重荷にしか感じていなかった彼が…

  • コピーライターと小6女子の不思議な関係『ソラモリさんとわたし』(はんだ 浩恵)

    言葉にできない思いってあるし、それは言葉と同じくらい大切。(本文より) 図書館司書がやたらと推すから読んでみた。 新人の新作なんで出題実績はトーゼンない。 面白すぎるんで調べてみたらフレーベル館 ものがたり新人賞大賞作品だったんだな~。 少女がコピーライターから言葉を輝かせる 工夫を学び、自分の殻をやぶっていく話だ。 平易だし中堅校狙いの子にピッタリかもな。 以下、俺が書いたブックレビューの一部だ。 言葉数の少ない6年生の女の子が主人公。自分の殻にこもっていた彼女が、子どものように無邪気な大人との交流を通じて、表現することの愉しさに目覚めていきます。大人目線では、“子どもを一人の人間として尊重…

  • 子どもの気持ちに寄り添った『#マイネーム 』(黒川 裕子)

    駒場東邦等で使われた実績のある作家だが、 公立高校入試でも割と出題されてるようだ。 高校で出る作品は中学入試でも出てくるし、 『天を掃け』あたりは最注目作品っぽいな。 この先生、はてなブログを持ってたりする。 令和二年(2020年)国語入試出題情報まとめ さて、今回紹介する本の主人公は怒りん坊。 やり場のない怒りにはちゃんと理由がある。 父が離婚で出て行き母は心を病んでしまい、 本人は慣れない苗字に違和感しかない日々。 ただでさえ思春期にこれじゃ仕方ないよな。 そんな中から突破口を見つけていくんだが。 子ども達が協力して何かを成し遂げようと 奮闘する展開には、学びがあると感じたわ。 たくさんの…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、児童書☆読み合わせさんをフォローしませんか?

ハンドル名
児童書☆読み合わせさん
ブログタイトル
中学受験と児童書と
フォロー
中学受験と児童書と

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用