2020年12月
某月某日。理事長に呼ばれ、昇任選考に合格したことを告げられた。 5月の段階では、年数をクリアしたので試しに受けてみようかな、とそれくらいの気持ちであった。 皮肉なものである。こんな働き方はもう嫌だ!と見切りをつけた途端に「あなたの働きを認めますよ」だなんて。そして、なりたい人もいるだろうに(現に勤務校に数回受験して今年も残念な結果の人がいる)、せつこのようなやる気のない人が引っかかってしまうなんて申し訳ないとも思う。 身もふたもないけれど、昇任選考に合格したことで正直気持ちが楽になったのは確かだ。転職するぞという気持ちは変わらないが、内定が出なければ出ないでプランBを考えよう、くらいには楽にな…
行事と行事の合間、あるいはテストとの合間、しばらくの安穏が訪れる。週に一度くらいは定時で帰っても、残りの日で何とか仕事をさばける、そういう期間が。逆に言えば、行事やテスト、成績・所見の締日が近づくに連れ、もはや定時帰りなど不可能。あれほど忌避していた延長保育も使わざるを得ない、しかも使った上で、夫の権三郎と最後の最後までどちらが迎えに行くかの駆け引きも辞さない、そんな季節が来ようとしていた。 電話が鳴る。 職員室は忙しい。無言の電話取れプレッシャーが若手を苦しめた。 若手ではないが下から二番手のせつこが出る。 また例の保護者からだった。 電話しながら権三郎にラインを送る。「また電話きた、えんち…
2020年12月
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