書くことは自分を確立するための良い手段であり、良いトレーニングとなる。これまでの体験やそこで感じたこと気づいたことをエッセイ調で書きます。プラス創作超短編も掲載していきます。ここで表現したことに、何かを感じていただければ幸いです。
午後三時。太陽がそろそろ帰り支度をし始め、昼とも夕方ともつかない気配が訪れる。乾いた土の匂い、乾いた葉っぱが擦れる高い音、……、公園のベンチに腰掛け、乾いた空気に潜む秋の薫りを静かに堪能する。冷え込んでいる日にも関わらず、太陽の柔らかい光と共につかの間の
小高い丘の上に立ち並ぶ住宅街からは、乱立するビル群が地平線に張り付く影絵のようになって、遥か遠くに眺めることができた。太陽は完全に沈み切っていた。しかしその名残のせいで、影絵の輪郭は、まだオレンジ色の層に覆われ、そこから上層は淡い水色からダークブルーへと
各国の発掘調査隊が集まった。
「マサル、っていうんだ。そいつの名前」「覚えてるですか?」「ああ、忘れられんね…」ジャスのBGMの音量があまり届かないバーカウンターの片隅で、マスターを相手に、人生も半ばを過ぎた中年男が、このところ、その人生も少し狂いかけていることに対して一人ごちていた。ま
Y氏は遊園地の施設係員である。客が乗り物に乗るときの誘導をしたり、チケットを切ったり、お客の列を整理したりする。彼の担当はメリーゴーランドだった。メリーゴーランドはY氏一人でほぼ全ての作業を賄えた。最近はメリーゴーランド目当てに来てくれる客はめっきり減った
ミミとララは双子だった。そしてミミとララは……。いくら双子とはいえ、成長する過程においていつしか個性が芽生え、お互いの特徴も違ってくるはずなのだが、二人はあまりにも酷似していた。体形はもちろん、髪の色も質も、目の色も、爪の形も、好きな食べ物も細部に渡って
ルーベンス《神々の会議》1622-24年、ルーヴル美術館万物を創造した神々が終結し、会議が開かれている。今まで自分たちが創り出したものが適正に運航しているかどうかを検討し、その中で必要なものは残し、不必要なものは消滅させることを決定するための会議だった。宇宙や惑
M氏は窓の修理屋だ。大きい窓に小さい窓。四角だったり丸かったり、出っ張ったりへこんだりしている窓。押して開く窓、内側や横に引いて開ける窓。乱暴に扱われ、壊れてしまった窓。夏、太陽の容赦ない熱に焼き付けられたり、冬の寒さに凍てついてしまったりと、その風雪を長
精神世界の人々の間では、来年からは ‟風の時代” となるらしいのだ。風の時代とは、横のつながりを大切にし、直観を先鋭化させられる人々が生きやすくなるということだ。そして、過程と結果では結果が重要視され、対立や競争ではなく、協調の時が来るのだと。今までは‟
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