原題は「WE BEGIN AT THE END(終わりより始まる)」。三十年の刑期を終えた幼馴染ヴィンセントが町に戻ってきたことにより、新たな事件が…という話。ミステリーというより過去を清算するために残された時間であがく男と、復讐心に駆られた少女の成長を描く人間ドラマ的な面
返却された本に押し花の栞が挟まっていた。その花を調べるとトリカブトだとわかり…という話。図書委員コンビの二作目だけど前作の記憶が9割なくて、松門の意味深な態度とかがまじで何も思い出せなくてちょっと悲しい。美容院行ってカリスマ美容師の悪事を暴くか何かしたエピ
冲方丁初のホラーということだったので期待しながら読んだ。題材というかメイン出てくるのが建設業、それも親族経営の小さな会社っていうのが嫌~なリアリティがあってよかった。がっつり神職とか村の訳知り霊感ババアが解説してくるタイプの話も好きだけど、こっちのがビジ
カササギ殺人事件の続編。前作のことは探偵の名前に仕掛けがあったことくらいしか覚えてなかったけど問題なく読めました。前作の時は作中作と現代編の切り替えのたびに「いいから続き読ませてよおおお!」と身悶えしてたけど今作は今作で渦中の作中作をなかなか披露してくれ
アステカ信者の麻薬密売人の話。…というとざっくりし過ぎなんだけど他にまとめ方が分からない。アステカの神や儀式の話は面白いし、裏社会のあれこれやバルミロの逃亡劇も興味深い。…が、それだけ。中盤くらいまで話が何か動きそうだな?と思ったら視点が入れ替わって別の
石油プランテーションの職員全員が無残な死体で発見された。凶悪ウイルスと戦う自衛隊員と感染症学者の行く末は!!??…というバイオミステリかと思いきやまさかのシロアリパニックでした。この流れ、某カマキリパニックを彷彿させる。いやどっちも全然笑いごとじゃないし
御手洗シリーズ海外編。全体的に漂う不思議な雰囲気が面白かったけど、トリックは古典的×単純の組み合わせでそれでいいんか?感はある。あえて古典的ドシンプルトリックに戻ることが逆に良いのかもしれないけど本文の長さの割りに合わないというか…「スカボロゥの祭り」の
盲目少女の波瀾万丈だけどどこか平凡な日常もある物語。最初は小川糸節全開の癒し系キラキラ物語かな?と思いきやじわじわと不穏な気配が漂い始め、孤独なゴミ屋敷サバイバル編に突入し落差がすごい。そしてゴミ屋敷編を生き残ると一気にやってくる、障害者の現実。障害者と
比嘉姉妹短編集。・「鏡」のラスト無自覚モラハラ夫なんとなく改心したのか?そこまで改心したようには見えないけど…?と思ってたら「ぼぎわん」の夫だったんですね、完全に忘れてた。結局未来は変えられなかったってことか。・ナチュラルに虐げられる現代女性への救済話が
刀城言耶が出てくるのにいつもの感じのタイトルじゃないんだ?と思ったら本人は最後まで登場しなかったので番外編的な立ち位置なのかな。因習村の怖ろしい怪異と思いきや実は人為的な事件ででも説明付かないところもほんのりあって、というタイプの短編集でサクサク読めた。
凶悪おばさんに一家が洗脳される話。実際の事件が題材らしい。話の内容も洗脳の手口の詳細と発覚の流れ(このへんはフィクションだろうけど)までやったらそこで終了、という感じで面白いというより胸糞悪さの方が残った。無理って程ではないけどエログロ排泄と不潔・下品な
記憶を失ったクソガキと生首侍の不思議な旅物語。ほんのり心温まるイイハナシダナー系のお話かと思えばそうでもなく、時に現実は厳しい。あおの国の病とか雪国の血吹雪とか結局何なんだよ???ってなったけど考察すれば色々と解釈の仕様もあるのかもしれないし、特にないのかもしれ
めちゃめちゃ大雑把に言えば、ハリーポッター猫又バージョン@江戸。もちろん中身は全然違うけどぽんたがロンで白花がハーマイオニーで、かぐらがハグリットで長がダンブルドアで…とか当てはめてるとちょっと面白い。対立してる陣営から新米を集めて学園生活したり、新米の
商売一筋だった60年の人生一足先に「あがり」、これからは悠々自適の隠居生活と思っていたら、趣味の一つも訪ねてくる友もなく孤独を感じていたところ、孫が厄介事と共に転がり込んできて…という話。孫の千代太が連れてきた子供達にガミガミ言いつつも結局世話をしてやり
主婦の生々しい不倫話から、今をときめくイケメンタレントの秘書がどう繋がっていくのか期待しながら読んだ。犯人が記者を拉致したとこらへんから被害者同士のほんのわずかの接点が一気に繋がって面白くなったけど、最後まで見るとなんか思ってたよりしょぼい犯人だったなっ
ミステリーというより社会派寄りなのかなあ…?文章が読みにくくてかなり飛ばし飛ばし読んだ。読みにくいというか同じ内容、似たようなエピソードの繰り返しが多くてダレる。特定の人物の過去や人柄を描くパートを補足したり視点を変えて何度も語るけどほとんど新しい情報が
えげつない焼かれ方をした焼死体が連続して発見される。イギリス中がガクブルしている中、遺体に主人公の名前がすごくわかりにくい感じに刻まれていることが分かり…という話。事件はものすごく凄惨だけど、有能だけど強引でワンマンなポー、天才だけど天然電波系コミュ障のテ
湿地と共に逞しく生きる少女と一つの死体の物語。表紙裏のあらすじで「家族に見捨てられテイトも去っていき…」と書いてるので、父親と打ち解けるシーンもテイトと交流していくシーンも読むのが辛かった。幼いカイアが沼地から食べ物を得て、稼ぎ、傷を癒し、慰められながら
急激な銃の普及によって多発する凶悪犯罪に対抗すべく、少数精鋭の特殊部隊が組織され使命を果たすまでのお話。冒頭の吉良の制圧シーンがかっこよくその時点で引き込まれてしまうんだけど、この人の作風なのか全体的にドキュメンタリー調で物語が進行する。たびたび「あの時
資産家の老婦人が、自分の葬儀の手配をしたその日のうちに殺された。彼女は人気俳優の母親で後ろ暗い過去もあり…という話。天才型で意味深なことばかり言う探偵役と探偵に振り回される助手役、という王道の組み合わせなんだけど、ホーソーンはホームズより感じ悪いしつんつ
嵐によって閉ざされた離島で、修学旅行の再現という趣旨の同窓会旅行が催される。主催者は直前でドタキャン。そしてその晩一人が首を切られ…という、いかにもそして誰もいなくなりそうな気配がするお話。タイトルはもちろん冒頭から明らかにクローズドサークルものが始まる
猫の傀儡師ミスジが人間のアジロウを操って猫町の事件を解決していく話。という設定が既にかわいい。傀儡といっても不思議なパワーで操るのではなく単に猫好きな人間の周りをウロチョロして誘導し、聞き込みなどをさせ事件を解決させるというもの。要は猫のかわゆさにものを
短編ホラー小説集だけど話ごとに趣向を凝らしてるというか、それぞれ違ったテイストで面白い。ちゃんとオチがあるものが大半だけどよくわからない感じでぼかしてるものも。ただオチであっと驚かせる系は途中で「なんかこれ怪しいよね」と分かってしまうこともちょくちょくあ
お菓子系時代小説。一話完結のほっこり人情ものかと思いきやけっこう大きく話が動いてメインの流れも面白かった。石海がお君を孫のように過保護にしてるのが可愛かった。お君が店継ぐのは時代柄難しいんだろうけどみおつくしシリーズ好きだったのでお君には頑張ってほしいな
最初は何だこのマトリョーシカ怪談はと思ってたけど牛の首拡張バージョンみたいな感じ?「一番怖くなるところ」に辿り付く前に次の語りが始まって永遠にオチに辿り付けない、という現象自体が「怖いところ」なんだろうけど正直まどろっこしさの方が勝ってしまった。あと記録
カルト宗教から脱出する話。正直種明かしでのスッキリ感より残された謎とかツッコミどころの方が気になってしまった。本当の「邪教の子」や久木田との関係の種明かしのとこはなるほどな~~~となったけど、それ以外はヒントが多く途中で察してしまうことが多かった。一部の
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原題は「WE BEGIN AT THE END(終わりより始まる)」。三十年の刑期を終えた幼馴染ヴィンセントが町に戻ってきたことにより、新たな事件が…という話。ミステリーというより過去を清算するために残された時間であがく男と、復讐心に駆られた少女の成長を描く人間ドラマ的な面
児童養護施設を舞台にした(非)日常ミステリ短編連作。人が死ぬ物騒なミステリばかり読んでるとちょっと荒む、でも「ココアをどうやって淹れたか」みたいな日常過ぎるミステリは謎に興味を持てなくてつまらない…という時にちょうどいい塩梅の作品だと思う。子どもたちはだ
タイトル通り殺人鬼フジコが幼少期からいかに歪み、殺人に至っていったかを描いた話。元々スタート地点がいじめ&虐待、一家皆殺し事件の生き残りというどん底ではあるものの、ものの見事にキレーに転落していくさまは「嫌われ松子」を思い出した。藤子は松子ほどスペック高
ルッキズム、醜形恐怖症など、他人には分かってもらいにくい生きづらさを抱える若者たちが、それぞれの問題を乗り越えるために過去の事件を洗い直す…という話。過去の事件をメインで描きつつ、作中作に隠された謎も同時にチラつかせて読ませていく構成で、先が気になってど
少女が失踪し、その彼氏が「自分がやった」と遺書を書いて自殺して終わったとされていた事件を、JKが自由研究の題材として調べ直す話。徐々に明らかになっていく被害者の裏の顔、真相に近づく主人公の口を封じようとする謎の脅迫者、そして意外な真犯人と対決…と、流れはか
乙一の別名義のやつ。道迷いというか知らん間にどこかに瞬間移動してしまう不思議体質の旅作家とその連れが、行く先々で不思議な村や事件に迷いこみ…という連作短編集。時代ははっきりとは書かれてないけどたぶん江戸時代くらい。人々の文化水準はそのくらいだけど言葉は時
クローズドサークル×ゾンビもの…?というのか?トンデモ設定な世界観をベースにミステリーというのがこの人の作風だけど、今回は輪をかけて好き放題やってるような気がする。個人的にはアリだと思うけどちょっと反則みも感じる微妙なライン。この人の話だからヒロインが死
ある一日を一定期間突然ループしてしまうという特異体質の主人公。遺産相続で揉めてる祖父が死ぬ日にその体質が発動してしまい…という話。設定的には祖父を救うため(+身内から犯罪者を出さないため)に何度もトライ&エラーで試行錯誤を繰り返し、その過程で新しい情報を
殺戮する民と殺戮から逃げる民。絶望から生まれた魔物が国を滅びに導くのを止める話。被差別民のタゼーレン視点はなかなか理不尽で酷い目に遭い続けるんだけど、温かい人間関係とたまにある弓での反撃のおかげでそこまでイライラすることなく楽しめた。終盤以外は。タゼーレ
一つの体を共有する双子の少し不思議な話。あらすじにも目次にも「とにかく双子は没落する!」と書かれていて実際見事な没落ぶりだったが、貴族なのに(貴族だから?)どこか飄々として、酒飲んで逃避してる姿ばかり描かれているからかそこまで悲壮感はなかった。なんかこう
ドラマ「ゲームオブスローン」の原作。とりあえず上巻まで読んだ。話の内容はドラマで見て知ってるから改めて原作読まなくてもいいかな、と思ってたけど…ドラマの最終章だけは納得できなくて…!!聞くところによるとゲームオブスローンは原作に忠実なものの途中で話が追い
死刑を逃れるために毒見師となって最高司令官に仕えることになった少女の話。無性にファンタジー読みたい欲がまだまだ収まらず色々調べてるうちに見つけた作品。ファンタジーなのはそうだけどなんか海外のラノベっぽさがあるというか少女小説っぽかった。最後は毒見どころじ
持ってるだけで人格を疑われそうなタイトルだけど中身もちゃんと頭がおかしい。グロテスクというより下品だし汚いしうんこちんちんゲロおしっこばっかでふざけてるとしか思えない文章だけど、話の筋はちゃんと面白いのがなんか腹立たしくてうける。本格推理小説作家の頭脳に
ひそかにライバル視していた同期が公安に移動後、懲戒免職からの行方不明に。納得できない主人公は上層部に不信を抱き、同期を救うために動き出す…という話。真面目で上昇志向もそれなりにあり、上司の言うことはよく聞く優等生。という、社会人としては優秀だけど刑事とし
何度も実写化されてる超有名作だけど意外と観たことなかった。最近貸金庫十億円横領したのが女性だったってことで二重に話題になってたけど、この話でも「銀行の横領は女性が多い」「銀行も客も警察の介入を嫌がるのでなかなか表沙汰にならない」というようなことが書かれて
虫系ミステリ短編集。気楽に読めるおやつ枠。虫系と言っても細かく虫の描写したり虫がトリックに使われるタイプの話ではなく、虫に関するエピソードトークをちょっと交えるくらいなので虫苦手でも全然平気。探偵役で虫オタクのエリサワもさかなクンさんみたいな感じの嫌味の
あらすじとしては杉森くんを殺して少年院に入る前に、やりたかったことをやりつつ杉森くんとの過去を振り返る女子高生の話。なんだけど実態はあけすけに言えば、いじめや家庭環境に問題を抱えてメンヘラ化した本人ではなく、そんなメンヘラに依存されて自分も病んじゃった人
死ぬと近くにいた別の体に精神が乗り移る…という特殊な血筋の3きょうだいが同時期に死んでしまい、てんやわんやする話。あらすじを知らずに読んだんだけど、冒頭からしばらくは入れ替わったことを明言せずに進むもんだから読みにくくて仕方なかった。主人公(視点主)は
「理想の家族」を守るためにタイムリープするがその度に「成功した方」と「失敗した方」で人格と世界が分裂していく…という話。あらゆる平行世界が存在する的な話はよくあるけど、主人公の人格まで分かれて脳内ライアーゲーム大会というのが普通のタイムリープものとは一線
短編集。表題作はレトロだけどそれ以外はSF。・夜の記憶海の描写がすごかったけど主人公のお魚(?)形態がどういう形なのかいまいち想像できなかった。でも人間パートの「人類が地球から追放される」みたいな話は怖面白かった。・呪文SF×オカルトでこの本で一番好きかも。
返却された本に押し花の栞が挟まっていた。その花を調べるとトリカブトだとわかり…という話。図書委員コンビの二作目だけど前作の記憶が9割なくて、松門の意味深な態度とかがまじで何も思い出せなくてちょっと悲しい。美容院行ってカリスマ美容師の悪事を暴くか何かしたエピ
冲方丁初のホラーということだったので期待しながら読んだ。題材というかメイン出てくるのが建設業、それも親族経営の小さな会社っていうのが嫌~なリアリティがあってよかった。がっつり神職とか村の訳知り霊感ババアが解説してくるタイプの話も好きだけど、こっちのがビジ
カササギ殺人事件の続編。前作のことは探偵の名前に仕掛けがあったことくらいしか覚えてなかったけど問題なく読めました。前作の時は作中作と現代編の切り替えのたびに「いいから続き読ませてよおおお!」と身悶えしてたけど今作は今作で渦中の作中作をなかなか披露してくれ
アステカ信者の麻薬密売人の話。…というとざっくりし過ぎなんだけど他にまとめ方が分からない。アステカの神や儀式の話は面白いし、裏社会のあれこれやバルミロの逃亡劇も興味深い。…が、それだけ。中盤くらいまで話が何か動きそうだな?と思ったら視点が入れ替わって別の
石油プランテーションの職員全員が無残な死体で発見された。凶悪ウイルスと戦う自衛隊員と感染症学者の行く末は!!??…というバイオミステリかと思いきやまさかのシロアリパニックでした。この流れ、某カマキリパニックを彷彿させる。いやどっちも全然笑いごとじゃないし
御手洗シリーズ海外編。全体的に漂う不思議な雰囲気が面白かったけど、トリックは古典的×単純の組み合わせでそれでいいんか?感はある。あえて古典的ドシンプルトリックに戻ることが逆に良いのかもしれないけど本文の長さの割りに合わないというか…「スカボロゥの祭り」の
盲目少女の波瀾万丈だけどどこか平凡な日常もある物語。最初は小川糸節全開の癒し系キラキラ物語かな?と思いきやじわじわと不穏な気配が漂い始め、孤独なゴミ屋敷サバイバル編に突入し落差がすごい。そしてゴミ屋敷編を生き残ると一気にやってくる、障害者の現実。障害者と
比嘉姉妹短編集。・「鏡」のラスト無自覚モラハラ夫なんとなく改心したのか?そこまで改心したようには見えないけど…?と思ってたら「ぼぎわん」の夫だったんですね、完全に忘れてた。結局未来は変えられなかったってことか。・ナチュラルに虐げられる現代女性への救済話が
刀城言耶が出てくるのにいつもの感じのタイトルじゃないんだ?と思ったら本人は最後まで登場しなかったので番外編的な立ち位置なのかな。因習村の怖ろしい怪異と思いきや実は人為的な事件ででも説明付かないところもほんのりあって、というタイプの短編集でサクサク読めた。
凶悪おばさんに一家が洗脳される話。実際の事件が題材らしい。話の内容も洗脳の手口の詳細と発覚の流れ(このへんはフィクションだろうけど)までやったらそこで終了、という感じで面白いというより胸糞悪さの方が残った。無理って程ではないけどエログロ排泄と不潔・下品な
記憶を失ったクソガキと生首侍の不思議な旅物語。ほんのり心温まるイイハナシダナー系のお話かと思えばそうでもなく、時に現実は厳しい。あおの国の病とか雪国の血吹雪とか結局何なんだよ???ってなったけど考察すれば色々と解釈の仕様もあるのかもしれないし、特にないのかもしれ