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2020/08/15

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  • 畠中恵/猫君

    めちゃめちゃ大雑把に言えば、ハリーポッター猫又バージョン@江戸。もちろん中身は全然違うけどぽんたがロンで白花がハーマイオニーで、かぐらがハグリットで長がダンブルドアで…とか当てはめてるとちょっと面白い。対立してる陣営から新米を集めて学園生活したり、新米の

  • 西条奈加/隠居すごろく

    商売一筋だった60年の人生一足先に「あがり」、これからは悠々自適の隠居生活と思っていたら、趣味の一つも訪ねてくる友もなく孤独を感じていたところ、孫が厄介事と共に転がり込んできて…という話。孫の千代太が連れてきた子供達にガミガミ言いつつも結局世話をしてやり

  • 伊岡瞬/仮面

    主婦の生々しい不倫話から、今をときめくイケメンタレントの秘書がどう繋がっていくのか期待しながら読んだ。犯人が記者を拉致したとこらへんから被害者同士のほんのわずかの接点が一気に繋がって面白くなったけど、最後まで見るとなんか思ってたよりしょぼい犯人だったなっ

  • 望月諒子/蟻の棲み家

    ミステリーというより社会派寄りなのかなあ…?文章が読みにくくてかなり飛ばし飛ばし読んだ。読みにくいというか同じ内容、似たようなエピソードの繰り返しが多くてダレる。特定の人物の過去や人柄を描くパートを補足したり視点を変えて何度も語るけどほとんど新しい情報が

  • M・W・クレイヴン/ストーンサークルの殺人

    えげつない焼かれ方をした焼死体が連続して発見される。イギリス中がガクブルしている中、遺体に主人公の名前がすごくわかりにくい感じに刻まれていることが分かり…という話。事件はものすごく凄惨だけど、有能だけど強引でワンマンなポー、天才だけど天然電波系コミュ障のテ

  • ディーリア・オーエンズ/ザリガニの鳴くところ

    湿地と共に逞しく生きる少女と一つの死体の物語。表紙裏のあらすじで「家族に見捨てられテイトも去っていき…」と書いてるので、父親と打ち解けるシーンもテイトと交流していくシーンも読むのが辛かった。幼いカイアが沼地から食べ物を得て、稼ぎ、傷を癒し、慰められながら

  • 冲方丁/SGU警視庁特別銃装班

    急激な銃の普及によって多発する凶悪犯罪に対抗すべく、少数精鋭の特殊部隊が組織され使命を果たすまでのお話。冒頭の吉良の制圧シーンがかっこよくその時点で引き込まれてしまうんだけど、この人の作風なのか全体的にドキュメンタリー調で物語が進行する。たびたび「あの時

  • アンソニー・ホロヴィッツ/メインテーマは殺人

    資産家の老婦人が、自分の葬儀の手配をしたその日のうちに殺された。彼女は人気俳優の母親で後ろ暗い過去もあり…という話。天才型で意味深なことばかり言う探偵役と探偵に振り回される助手役、という王道の組み合わせなんだけど、ホーソーンはホームズより感じ悪いしつんつ

  • 歌野晶午/首切り島の一夜

    嵐によって閉ざされた離島で、修学旅行の再現という趣旨の同窓会旅行が催される。主催者は直前でドタキャン。そしてその晩一人が首を切られ…という、いかにもそして誰もいなくなりそうな気配がするお話。タイトルはもちろん冒頭から明らかにクローズドサークルものが始まる

  • 西条奈加/猫の傀儡

    猫の傀儡師ミスジが人間のアジロウを操って猫町の事件を解決していく話。という設定が既にかわいい。傀儡といっても不思議なパワーで操るのではなく単に猫好きな人間の周りをウロチョロして誘導し、聞き込みなどをさせ事件を解決させるというもの。要は猫のかわゆさにものを

  • 澤村伊智/怪談という名の怪談小説

    短編ホラー小説集だけど話ごとに趣向を凝らしてるというか、それぞれ違ったテイストで面白い。ちゃんとオチがあるものが大半だけどよくわからない感じでぼかしてるものも。ただオチであっと驚かせる系は途中で「なんかこれ怪しいよね」と分かってしまうこともちょくちょくあ

  • 西条奈加/まるまるの毬

    お菓子系時代小説。一話完結のほっこり人情ものかと思いきやけっこう大きく話が動いてメインの流れも面白かった。石海がお君を孫のように過保護にしてるのが可愛かった。お君が店継ぐのは時代柄難しいんだろうけどみおつくしシリーズ好きだったのでお君には頑張ってほしいな

  • 三津田信三/みみそぎ

    最初は何だこのマトリョーシカ怪談はと思ってたけど牛の首拡張バージョンみたいな感じ?「一番怖くなるところ」に辿り付く前に次の語りが始まって永遠にオチに辿り付けない、という現象自体が「怖いところ」なんだろうけど正直まどろっこしさの方が勝ってしまった。あと記録

  • 澤村伊智/邪教の子

    カルト宗教から脱出する話。正直種明かしでのスッキリ感より残された謎とかツッコミどころの方が気になってしまった。本当の「邪教の子」や久木田との関係の種明かしのとこはなるほどな~~~となったけど、それ以外はヒントが多く途中で察してしまうことが多かった。一部の

  • 畠中恵/いわいごと

    久しぶりのまんまことシリーズ。大水とかお雪とかほぼほぼ忘れてて一巻飛ばしたのかどうかも分からない。飛ばしてないような気はするんだけど。中盤の終わりくらいまで完全にお雪ルートだったので急にひっくり返ったと思ったら即別の娘といい感じに収まったのは驚いた。でも

  • 今野敏/去就

    隠蔽捜査シリーズの6巻目やっと読めた。今回はストーカー犯罪篇。何事にも本気でテキパキ行動する竜崎が娘と彼氏のちょっとしたすれ違い?揉め事?にも本気出すのが面白かった。彼氏を自宅に呼ぶのと同時に生え抜きのストーカー犯罪対策係を二人ともなって帰宅する警察署長

  • 道尾秀介/いけない

    ダークな感じの短編集。正直一話目を読んだ段階では小さい規模の叙述トリックやりたかっただけ?と思ってしまったけど全部の話がちょっとずつ繋がっているタイプの作品で、読み進めるほどじわじわ面白さと不気味さが増してくる感じが好みだった。系統としては「鬼の跫音」に

  • 有栖川有栖/捜査線上の夕映え

    作家アリスと探偵火村先生シリーズの長編。事件自体はシンプルで何か劇的な演出や凝った趣向がある訳でもなく、被害者の人間関係もいまいち希薄、とりあえず接点がある人を洗っていくしかないけど進歩してるのかしてないのかイマイチ分からなくて意外と厄介…みたいな話。読

  • 澤村伊智/怖ガラセ屋サン

    本当に怖いのは人間だと思った?残念!物理的に干渉してくる怪異です!!!当たり前だろ!!!!たかが人間如きがやれることなんて限られてんだよ!みたいな感じの現代ホラー短編集。必殺仕事人的な趣もあり基本的に因果応報なので、全体的にじっとりした空気が漂いつつも読

  • 三津田信三/赫衣の闇

    エリートだが職場に恵まれず行く先々でオカルトな目にあい職を転々とするモトロイさんと行く戦後の暮らし紹介シリーズだ!今回はさんざん密室密室と煽ったもののトリックそのものはドドドドドシンプルだし、というか明確な証拠や証言もないしすべてはハッキリしないまま終わ

  • 有栖川有栖/濱地健三郎の幽たる事件簿

    いつの間にか新作が出てた心霊探偵シリーズ。前作の内容ほぼ覚えてないけど特に問題なかった。オカルト×探偵といううさん臭さのマリアージュみたいな職業だけど濱地先生の圧倒的常識的紳士オーラでいちゃもん付けられたりするようなことがないのでそのへんのストレスはない

  • 宮部みゆき/子宝船

    ずっと読みたかった文庫屋シリーズ二作目。いつもの一話完結型かと思ってたらけっこうがっつりメインのお話があったしまだ謎が色々残ってる感じだった。お蓮についてはああいう化け物サイコパス的な悪役は生死不明で終わるが定番なのでいいんだけど、村田屋の過去の事件がほ

  • 法月綸太郎/頼子のために

    最愛の娘を殺された父親が残した、やや短絡的だが切実な復讐劇の記録。と思いきや…。ぱっと見とりたてておかしくもない手記の違和感を指摘して現実との確認や対比をしながら過去を探っていく構成が面白かった。手記の中では「悲しい過去を持ちつつも愛に溢れた幸福な家庭」

  • 原田マハ/風神雷神

    謎の多い絵師俵屋宗達が実はキリシタン大名の少年使節団と共にローマに行っていた!!?という新解釈美術史物語。ほんまかあ??と思いつつも原田マハの作品はこういう系統の話が一番好き。最初に歴史的事実として四人の少年の行く末が語られてるので、彼らが出会いぶつかり

  • 西條奈加/秋葉原先留交番ゆうれい付き

    足だけの幽霊として舞い戻った主人公が秋葉原の凸凹おまわりコンビと共に町で起こった事件を解決しつつ自分の死の真相を突き止める話。オタク文化描写が若干くどい感じはしたけど全体的にコミカルで面白かったし母親との再会は泣いちゃった。玲奈の元ネタがすごい気になるん

  • 道尾秀介/スケルトン・キー

    スカした感じのサイコパスな主人公が色々大変な目に遭ってちょっとまともになる話。この世界、無造作に人を殺していくタイプの凶悪なサイコパスが集結してて治安が悪すぎる。最終的にはちょっとしたバトロワ状態。まあそのうち四人は血縁者だし、サイコパス遺伝説を肯定論も

  • 横関大/再会

    仄暗い秘密を共有する子供たちが大人になり殺人事件が起こる。その犯人は幼少期の秘密を知っているとしか思えない人物で…という話。犯人は自分達幼馴染の誰かに違いない、という状況から怪しい人物が二転三転していくさまはハラハラさせられるのだけど、そこまで予想を裏切

  • 近藤史恵/胡蝶殺し

    急逝した先輩歌舞伎役者の息子の後見人になったがややモンペ気味な母親が付いてるうえに同い年の自分の息子よりめちゃめちゃ優秀で…という話。面白かったんだけど主人公の立ち位置を思うと終始胃が痛い。タイトルも物騒でどんな泥沼が待ち受けてるんだ…と終始ビクビクしてた

  • 村田沙耶香/変半身

    みんなが憧れるイケてる夫婦のためのノルマとか伝説プロデューサーは極端だなあ…と思いながらも同時に「ここまではならんやろ」と思える範囲だったんだけど、千年祭の話になると極端どころかぶっ飛びすぎてて頭がおかしくなりそう。そして千年祭みたいな狂った世界を突き付

  • 宮部みゆき/魂手形

    去年出た三島屋シリーズ第七弾やっと読めた。どの話も切ない感じのほんのり怖い話でとても好みだった。「火焔太鼓」は兄と兄嫁目線だと更に複雑で壮絶だったんだろうなと思う。「一途の念」は妻としての愛情通り越して執念って感じで、強すぎる想いは一種の脅威でもあると感

  • 横関大/K2

    何考えてるかわからんイケイケワンマン刑事黒木と優等生刑事神崎のコンビが色々事件解決していく話。一話完結でサクサク事件解決していくタイプの話は気軽に読めて好みではあるんだけどキャラ萌えできたらもっと楽しかったんだろうな~と思う。いつの間にか裏で暗躍して仲間

  • 京極夏彦/書店弔堂 破暁

    京極堂系ホラーかと思って読み始めたけどどっちかというと明治維新前後の歴史や文学が好きな人向けだろうか。迷える客人が不思議な古本屋弔堂を訪れ、主と対話していくうちに何かを悟り「自分だけの一冊」を手に入れるっていうよくある構成の一話完結型だけど、その客人が悉

  • 荻原浩/楽園の真下

    南の島で不自然に連続する自殺者と突如現れた巨大なカマキリ。その関連とは一体…!?なあらすじからしてバイオミステリ系でバックに怪しげな製薬会社でも絡んでるのかと思いきや、まさかのカマキリ大戦争だった。オチといいまさにB級パニックスプラッタ映画って感じの話でこ

  • 宮部みゆき/きたきた捕物帖

    文庫屋の下っ端で、岡っ引きの跡取り未満というどちらも見習いな北一が頑張る話。最後まで読んでも文庫屋はまだまだこれからだし岡っ引きには正当な見習いですらないので早く続きが読みたい…!おかみさん出陣の話めちゃかっこよかったし、北一はしばらく文庫屋の方頑張って

  • 澤村伊智/予言の島

    比嘉姉妹シリーズだと思ってたけどそうじゃなかった。昔ながらの言い伝えとか地方に伝わる土着のナンタラカンタラとか、そういうちょっと不思議な物事は実は昔の人々が必要に駆られて編み出したきわめて合理的なものなのでした…系の話はお約束だけど、この人の話はそこにプラス現代

  • 三津田信三/忌名の如き贄るもの

    いかにもという雰囲気の難解難読な地名や名前がワラワラ出てきてわくわくしながら読んだ。慣れるまで時間かかったけど。最後の種明かしはあまりにもあっさりだったけどそこに至るまでの不気味さやうんちくが面白かった。犯人の動機はサイコパス診断でよくある葬式で一目惚れ

  • 米澤穂信/Iの悲劇

    某有名海外ミステリを彷彿させるタイトルなのでどんな大作なのか…Iとは何なのか…と期待しながら読んでいたらまさかの「Iターンの悲劇」で笑っちゃいました。いい意味で。いやこれはこれで現代の切実で逼迫した問題なんだろうけど…。田舎暮らしの現実を描きつつ市長のメン

  • 横関大/沈黙のエール

    留学を間近に控えた若き美人パティシエの元に、突然親戚を名乗るクソ生意気な小学生が現れて!?…という、ドタバタホームコメディでも始まりそうな状況から一転、普通に殺人事件が起こる。でも不思議と作品の雰囲気はそこまで暗くならず、懐かしく温かく爽やかでもある

  • 篠田節子/仮想儀礼

    職も妻子も失った男が宗教興す話。・荻原浩の「砂の王国」のレビューでこの作品が同じ宗教系として名前を挙げられてたので気になって読んでみた。確かに宗教モノとして見ると、本作の方が信仰というものの得体の知れなさや危うさ、信仰が浮き彫りにする人の汚さをえげつ

  • 山田宗樹/ギフテッド

    未知の臓器を持つ者、いわゆる異能力者が現代に同時多発的に現れ始めたら?というよくあるやつ(新世界よりとかヒロアカとか)の、その黎明期を描く話。最初から最後まで事態は悪くなる一方でどんどん話が進んでいくので、これどうやって収めるんだ??的な意味で続きが

  • 横関大/仮面の君に告ぐ

    殺人事件から一年、入れ替わり、蘇り、タイムリミットと少し不思議な現代ファンタジー盛りだくさんなミステリ小説。本編は楽しく読んでたけどラストの「一年後」のどんでん返しでえっ?ってなってしまった。犯人は「殺人は依頼されたもの」と主張してるから、慎介とは顔

  • 山田宗樹/嫌われ松子の一生

    大昔にドラマ化してた気がするけどそっちは未視聴。松子視点の過去パートと松子の過去を探る甥視点の現代パートを交互に描く構成に、「松子を殺した犯人は誰か」というミステリ要素や明日香の意味深な言動を混ぜ、単調にならずに一人の女の人生を読ませるという工夫がす

  • 歌野晶午/間宵の母

    ブラックでホラーな幻想小説的な趣かと思いきや、最後にはちゃんと種明かしパートがあって面白かった。間宵父の所業は気付きたかったなあ!アオパートで説明されると言われてみればそれしかないなって感想。謎解き部分はスッキリしたけど結局間宵の母に関わった人はもれ

  • 山田宗樹/百年法

    不老長寿の技術が普及し老化を克服した日本では、処置を受けてから百年後に死ななければならない。その第一世代の期限が間近に迫っていた…というところから始まる話。・けっこう分厚い上下巻だけど面白くて一気に読んでしまった。日本がベースとはいえ近未来SFでほぼフ

  • 澤村伊智/恐怖小説 キリカ

    作者が読者に怪異をけしかける話を読んだと思ったら今度は作者が読者を殺しに行く話だった…ホラー界隈物騒な作者多すぎない???本当に怖いのは化け物より人間…ではなくホラー作家説。キリカが架空の存在ということはわりと分かりやすかったけどあまりにも主人公がぶ

  • 三津田信三/そこに無い家に呼ばれる

    いつもの作者が主人公の実録系シリーズ…ではなく作者が読者に怪異をけしかける系シリーズ…?だったのか…?三頭会パートが良くも悪くも長く、面白そうな作品も知れてわりと好きではあるんだけど、「マジやべーぞこの件深入りするとまじやべーぞ、最悪読者も巻き込まれ

  • 中野京子 早川いくを/怖いへんないきものの絵

    いつもの中野京子氏の「怖い絵」解説を、主に「へんないきもの」視点から早川いくを氏が教えを乞うような形で対談していくコラボみたいな作品。早川いくをという人のことは全然知らなかったんだけど、「へんないきもの」の解説本をいくつも出してるみたいなのでそっち方

  • 折原一/死仮面

    突然死した夫は実は偽名で左腕がなかった。夫の残した小説を読み解きながら彼の故郷を訪ね過去を探る。というお話なんだけどこれ…最終的にはR-15G特殊性癖夢小説みたいな・・・?仲良くない少年探偵団風の作中作を挟みつつ、そこからヒントを得て雅代パートが展開して

  • 澤村伊智/などらきの首

    比嘉姉妹シリーズ短編集。全話視点主や活躍するキャラが変わるし怪異のテイストもそれぞれ違うので最後まで楽しく読めた。個人的にこのシリーズに入ったのが「ししりば」からだったから琴子が主人公だと思ってたけど、どっちかというと真琴が中心で彼女を取り巻く愉快な

  • 三津田信三/逢魔宿り

    実録系ホラー短編集。今回も怪異の正体とかはスッキリしない系。でも建物の構造とか儀式めいたものがかなり具体的に説明されるので、多少ご都合になってももうちょっと何らかの回答がほしかったなーと思ってしまった。おこもり山の話と「よびにくるもの」は全然違う話に

  • 横関大/ルパンの娘

    これ深キョンがやってたやつだ!と思って借りた。つってもドラマは未視聴なんだけど、キャラクターがみんな個性的で生き生きしてて面白かった~。両家族が仲良く打ち解けていく過程と、(全員ではないけど)それぞれが本領発揮いくところが特に面白い。全体的にコミカル

  • 澤村伊智/ずうのめ人形

    比嘉姉妹シリーズだけど琴子は出てこない。相変わらず怪異が派手に暴れはするけど最終的にはげに怖ろしきは人間よ系ホラー。結局何だったんだろうね、リホという人間は…。可哀そうな境遇に生まれ付いたせいで歪んでしまったのか、元々そういう性質だったのか。たぶんそ

  • 歌野晶午/死体を買う男

    乱歩と朔太郎がコンビで謎を解く!という作中作とその作品を取り巻く作家達の話。乱歩視点の部分は乱歩っぽい(というほど読んでないが)やや古風な文体で人によっては読みにくいのかもしれない。個人的にはこのへんが無理なく楽しめる境界線って感じかな。時代とかもこ

  • 三津田信三/赫眼

    実話系短編ホラー小説集。短いのも含めて12編もあり、一つ一つは気軽にサクサク読めるホラー。実話系なのでお話としてはスッキリせずオチもよくわからないままの話が多め。この正体をハッキリさせず、怪異を怪異として残しておくことで得体のしれない怖さを煽る感じは

  • 浦賀和宏/彼女の血が溶けてゆく

    浦賀和宏作品なのにシスコンも近親相姦も性的に倒錯してる人もいない…だと…?まあ若干疑惑の人はいるっちゃいるが…話がものすごくテンポよく進むのでサクサク読めた。そこそこ納得できる真相も見つかってスッキリした~!と思いきや、最後の最後まで新たな証言がぽん

  • 島田荘司/ロシア幽霊軍艦事件

    最初の手紙から伏線らしきものが無数にちりばめられていてワクワクしながら読んだ。アナの奇行が延々と語られる内容は明らかに他の島田荘司作品で見たことあるやつというか、これこの人が好きな脳外科やらロボトミー手術やらそのへんの話では?とメタ的に分かっちゃった

  • 三津田信三/凶鳥の如き忌むもの

    島で行われる怪しい儀式、消える人々、意味深な伝承…とあらすじだけでワクワクしてくるホラーミステリ。その実態はものすごくシンプルなだけに残酷だった…いやそんな…20分かそこらでどうにかなるの??怖すぎる。拝殿とか神殿とかの様子が事細かに描写されるけどス

  • 今邑彩/つきまとわれて

    前に登場した人物が次の話に出たりでなかったりしつつ展開していく短編集。とはいえそれがキャラクターの深堀になってるかと言われればそうでもない。最終章以外では別に前の話をちゃんと覚えてなくてもよいので、キャラが続投してるとかは良くも悪くもあんま関係ないと

  • 川上弘美/古道具中野商店

    古道具一つ一つに何かエピソードがあって系かと思ったけど、どっちかというと「中野商店」で働く人々のゆるい日常と色々な恋愛模様。って感じの話だった。のんびりした雰囲気や登場人物達のことはわりと好きなんだけど、でもやっぱ恋愛が絡んでくると主人公(ヒトミ)と

  • 泡坂妻夫/しあわせの書

    表紙で空飛んでるおじいちゃんはいかにも怪しげだけどこれもけっこう続いてるシリーズなのかな?なんだか訳アリなメインキャラ達の過去に興味を持ちつつ面白く読めた。カルト教団の内部に入り込んで、やはり訳アリな面々と断食修行というスリリングな状況のせいでずっと

  • 畑中恵/いちねんかん

    湯治に行った両親に代わり若旦那が一年間店を守る話。当たり前だけど親がいない代わりに若旦那が頑張る場面が増えてるし、妖怪たちもいつも以上に張り切ってる感が微笑ましく楽しかった。疫病の話でえげつない味方を付けるとことか最後の賊の話で兄や無双するとこ好き。

  • 折原一/模倣密室

    密室殺人マニアの無能おっさん刑事と(たぶん)有能若手刑事コンビがドタバタしながら謎を解く話。基本主人公の黒星がえらそうなこと言いながら空回りしてるうちに若手刑事が事件を解決していく、というスタイルなのかな?謎は面白いしサクサク読める文章だけど、主人公

  • 川上弘美/神様

    不思議な感じで冷静に考えると意味がわからないけどなんとなくあったかい雰囲気があるような気がする短編連作。というあやふやな感想だけどわりと好きな話だった。くまの話、コスミスコミコ、花野あたりが特に好き。

  • 荻原浩/砂の王国

    所持金三円のホームレスにまで転落した元サラリーマンが、宗教を興して人生を取り戻そうとする話。序盤の過酷なホームレスパートはリアルで痛々しくそこだけでも読み応えがある。一発逆転の契機になるのは結局運(競馬)かよと思わんこともないが、ホームレスの身で数万

  • 澤村伊智/ぼぎわんが、来る

    色々な意味で話題になったホラー映画「来る」の原作らしい。なお映画は未視聴。「ししりば」もそうだったけど今回もしっかり物理的に怖い派手なホラー。ぼぎわんという怪異がやばいくらい凶暴で物理的に危険なうえに、電子機器を駆使して接触してきたりおびき出したりす

  • 井上夢人/ダレカガナカニイル…

    読んでる途中でだいぶ間が空いてしまった。タイトルで「不気味な屋敷に自分以外の誰かがいる…」みたいなミステリーを想像してたけど実際は自分の中に誰かがいる、というSF(少し不思議)系の話。オチはけっこう衝撃的だけど、全体としては正直微妙だったなあと思ってし

  • 貴志祐介/ISOLA 十三番目の人格

    多重人格の少女の中に現れた物騒な人格にエンバス(テレパス)能力者が挑んでいく話。浩子先生を味方につけた後、当然のように千尋が心を開いて一緒に多重人格セッションに参加してるからなんか読み飛ばした?ってなっちゃったけど、これはつまりそれぞれに「先生/本人

  • 町田康/浄土

    文章の癖が強すぎて小説ってわりとなんでもありなんだなと思わせてくれる人。現実っぽい話なのかな~と思いきやわりと狂ってる。ガタロって一体何なんだ…。古事記パロみたいな話と本音街の話が好き。本音街行ってみたい。

  • 川上弘美/蛇を踏む

    蛇を踏んだら女の姿になり、お前の母親だよと言い出して私の部屋に住み着いた。わから…ない!意味が分からない!これが文…学…?とにかくまったく意味がわからないし隠された意味を考えるとかも趣味じゃないので本当にわからない。訳の分からなさでは最後の「惜夜記」

  • 折原一/グッドバイ 叔父殺人事件

    続きが気になってサクサク読んだ。怪しい人物二人については分かりやすいが、最後の種明かしのところでは素直になるほどね~となった。が、よくよく考えたら露骨に怪しい二人両方ともが先入観による叙述トリックなのはなんか単純すぎるような気もした。あと犯人の行動、

  • 井上夢人/風が吹いたら桶屋がもうかる

    面白かった~!「新感覚役に立たない日常ミステリ」って感じだろうか?これタイトルでだいぶ損してる気がする。目次(章タイトル)も風が吹いたら~の全文でどんな話かまったくわからないし、やっつけ仕事のようでぱっと見まったく面白そうに見えないというか…。低能力

  • 澤村伊智/ししりばの家

    この家に入ると頭がおかしくなる。というシンプルでわかりやすく凶悪なホラー。なんちゃら姉妹シリーズというのがありその主役(比嘉)の過去が描かれているというのも特徴らしい。個人的にはこの人の作品はこれが初めてでそっちについてはまったく知らないけど普通に読

  • 有栖川有栖/山伏地蔵坊の放浪

    山伏が全国各地で遭遇した殺人事件の謎を解いていく短編集。実際にアリかどうかはさておき、見ず知らずの人間を気安く家にあげたり自分の事情を語る展開には、山伏みたいな特殊な職業(?)な主人公はまあ適してるんかなと思った。いやまあもっと現実的に考えたら服とか

  • ほしおさなえ/天の前庭

    思ってたよりスケールの大きい超SF?と思って読んでても「教団」とやらに接触するような機会がとんとなく、結局仲良し四人組でわちゃわちゃ話してる間にわりと小さくまとまった。…というような印象。最終的には狂信者先輩の妄想が9割、でもユノとユノママ(ユナ)に

  • 有栖川有栖/壁抜け男の謎

    色んなジャンルの短編…というか掌編集?やっぱ基本的には探偵役が主人公のプチミステリーって感じのが多いし、そっち系の話が安定して面白かった。「ジージーとの日々」は一応叙述トリック?なんだろうけど逆に混乱したというか、変に捻らないので普通にイイハナシダナ

  • 須賀しのぶ/革命前夜

    冷戦時代の東ドイツに留学した日本人ピアニストと彼をとりまく音楽家達の物語。まさに激動。という感じで熱かった…。ただ舞台が舞台だけに音楽:革命比は4:6くらいかもしれない。いや終盤になると3:7か?魅力的な音楽の描写はたっぷりあったけど、肝心のマヤマの

  • 岩井志麻子/ぼっけぇ、きょうてぇ

    岡山の方言で「とても恐い」の意味らしい。山陰岡山ホラー短編集。森山東の「お見世出し」のレビューに「面白いけど遊女視点の語りのホラーは『ぼっけぇ、きょうてぇ』とまったく同じで惜しい」的なものが散見されて気になり、こっちも読んでみた。が、同じなのは本当に

  • 千早茜/西洋菓子店プティ・フール

    甘くて可愛くてキラキラお菓子…がたっぷり描かれているけど、それを取り巻く人間関係はそんなに甘くない。食べ物系、それもお菓子がメインになるとキラキラほっこり系のヒューマンドラマを想像するけど、この話は程よく苦めでスッキリしない後味。良くも悪くも人間味

  • 宮部みゆき/黒武御神火御殿

    三島屋シリーズ聞き手が変わって再始動の巻。あくまで「体験談を聞く」というていだから仕方ないんだろうけど、最初の二つの話「泣き黒子」と「姑の墓」は、いまいちスッキリしない終わり方でモヤモヤが残った。結局泣き黒子の女は誰だったんだろう…本当にたまたま居つ

  • コーネル・ウールリッチ/黒い天使

    美人妻が夫を救うために危険な探偵行為に走る話。主人公が美人で有能で肝っ玉もあるためサクサク話が展開する…のは別にいいんだけど、ちょっと周りが親切すぎる&有能すぎてさすがに主人公に都合がよすぎる世界なのでは…?と思うところもちょくちょくあった。汚い裏社

  • ピエール・ルメートル/傷だらけのカミーユ

    カミーユ警部の三部作完結編。タイトルがタイトルだけにまた胸糞エンドなのでは…と警戒してたけど、そこまで最悪な結果ではなくてよかった。いやカミーユからしたらタイトル通り傷だらけなんだけどあそこで最後に彼女が出てきた方がご都合っぽくなるだろうしこれくらい

  • 森山東/お見世出し

    表紙はビビらせてやろう感がすごい露骨なホラーって感じだけど、中身は京都弁の語りによる回想が主流の短編集。京都・祇園の文化と京都弁のおかげでむしろ品があるというか、全体的にマイルドな雰囲気で落ち着いて読めるホラーって感じがした。最後の話はかなりえげつな

  • 倉知淳/猫丸先輩の推測

    久しぶりの猫丸先輩シリーズ。いわゆる日常系ミステリで人が死ぬような物騒な事件は起こらないのだけど、適度に気になる謎の詰め合わせ、かつ猫丸先輩の語り口が面白くするする読めた。本気で「いやどうでもいい関係ないし…」ってなるのは最後のサンタくらいで、それ以

  • 千早茜/透明な夜の香り

    天才的嗅覚の持ち主だけど性格にやや難ありのカリスマ調香師の元で働くことになった訳アリ女性の話。生理中は休みもらえて化粧品やシャンプーなど身に着けるものは雇い主から完全支給、毎日ハーブをふんだんに使ったおしゃれなお菓子や朝食などをレシピ通りに作り雇い主

  • 中野京子/名画の謎 歴史の陰謀篇

    名画の謎シリーズ三巻目。今回も「名画と共に見るヨーロッパの歴史背景」という感じだから世界史勉強中の学生なんかにいいんじゃないかなと思った。ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーのアルプスを越えるハンニバルの絵はまさに絵画ならではのド迫力!って感じで

  • 今野敏「転迷」

    組織や個人間の縄張り意識や上限関係が絡みに絡みまくる事件がいっぺんにおこり、何が何だか分からなくなった何かを少しずつ解明していく、まさに竜崎の本領発揮!っていう事件でとても面白かった。皆無意識のうちに色んなしがらみにがんじがらめになって身動き取れない

  • 法月綸太郎/法月綸太郎の消息

    挫折と言うとちょっと違うが約半分だけ読了。というのも四作品のうち二作品がミステリというよりミステリオタク向け作品で、今の私が読んでもよく分からないしあんま楽しくないかなと思って潔くリタイヤすることにしました。具体的に言うとドイルやアガサが作品に残した

  • 倉知淳/ドッペルゲンガーの銃

    お飾り警察官僚ポンコツ兄と、駆け出し女子高生ミステリ作家妹のドタバタ謎解き中編集。この人の話ってキャラクターを推してくるタイプの話多いけど、死神刑事に続き今回の兄妹もいまいちハマらなかったなあという印象。謎解き自体は面白いんだけど二人のやり取りを見る

  • 堀江敏幸/その姿の消し方

    古い絵はがきに残された謎めいた詩を追いかけるお話。「あとは切手を、一枚貼るだけ」で知った人。なので内容はよくわからなくてもなんとかく文章の雰囲気だけ楽しめたらいいな~と思いつつ借りた。曇りガラスの向こうを覗いてるような不思議な雰囲気。ぶっちゃけ私は詩

  • 冲方丁/天地明察

    日本の暦を作った人のお話。とりあえず「将軍やえらい人相手に碁を指導したり見せたりする」専門の職業?業界?があるということにまず驚いた。まだまだ知らないことがいっぱい江戸時代。数学というか数字が苦手なので暦や算術については説明されてもさっぱりわからんし

  • 折原一/異人たちの館

    けっこう分厚めだったけど先が気になって一気に読んだ。伏線はわりと分かりやすく、誰と誰の血縁関係とか誰が誰を殺したかとかはおおむね読んでる途中でわかり、種明かしパートでもそこまで大きな衝撃はなかった。…が、それ以上に予測不能で凶悪なのが淳の自己愛と母の

  • 荻原浩/押入れのちよ

    ほのぼのしんみり系、不気味系、ギャグ系と色んな話が入ってる短編集。表紙のちょっと不気味な感じから怖い話ばっかりなのかと思ってたけど、表題作の「押入れのちよ」は意外とほのぼの系でその次の「老猫」のがもっと怖い…というより不気味?気持ち悪い?感じだった。

  • 倉知淳/皇帝と拳銃と

    犯人視点+証人視点で死神みたいな刑事が活躍する短編集。一話目がまるまる見たことあるやつでデジャブ?と一瞬思ったけど以前読んだ短編集で一度見たやつだった。ミステリで犯人側の視点を特に見たい、という願望は個人的には別にないけど普通に面白かった。ただ雑誌と

  • 中野京子/名画の謎 ギリシャ神話篇

    色々シリーズあるようだけど順番確認するのめんどくさくてとりあえずギリシャ神話から。永遠の中二病だから神話大好き~!って思ってたけど、ぶっ通しで読んでると荒唐無稽すぎてややダレた。私もそこまで中二じゃなかったらしい。「怖い絵」から続けて読んでるからよく

  • 法月綸太郎/赤い部屋異聞

    古今東西色んなミステリのオマージュ短編集。一話ごとにあとがきスペースがあり、そこで解説と共に元ネタの紹介を色々やってくれたので、また読みたい本リストが増えた。表題作が乱歩の「赤い部屋」だから同作者や超メジャーどころで固めてくるのかと思いきや、わりと新

  • 今野敏/心霊特捜

    霊的な現象を解決するのが専門の警察R係の短編集。自由奔放なメンバーといいゆるさといい、雰囲気的にはSTシリーズとよく似てた。扱ってる内容はSTシリーズよりさらにぶっ飛んでるのに、比較的警察内での風当たりが優しいというかそれなりに頼られてるのは鎌倉という土

  • 荻原浩/噂

    広告会社が新商品を売り出すために都市伝説的な噂を流すと、それを模倣したような殺人事件が起こり…という話。主人公は刑事で連続殺人事件で~っていう設定から普通のミステリを期待してたけど、どっちかというと推理ものというより無責任な噂が思わぬ結果を呼び寄せ手

  • 小川洋子/約束された移動

    今回も意味はちょっとよく分からない系の短編集。どことなく仄暗い雰囲気が漂いつつ、主人公達があまり不幸な目に遭わずに済んだのはちょっとホッとした。「元迷子係の黒目」の主人公だけはそれ絶対やらかすやつってわかってた。

  • 今野敏/疑心

    妻子持ち中年おじさんが自分を慕う若い美人秘書にドキマギしたり嫉妬したりとか見苦しすぎて早くいつもの竜崎に戻ってくれ~~~と思いながら読んでた。その戻り方がまた竜崎っぽく訳の分からない感じで安心した。あの問題(?)の意味は分かっても何故立ち直るかが本

  • 小川糸/ライオンのおやつ

    文章はそんなに多くもなく、難しくもないので、半日も集中すれば読みきれる内容なのに、泣き過ぎて読めない。人生最期のときを終末医療専門のホスピスで過ごす人たちの物語。いやもうほんと誇張じゃなく最初から最後まで泣きっぱなしだった。数行読んではいったん本を閉

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