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2020/06/26

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  • 芥川龍之介 彼

    友人であった「彼」の短かった生涯について書かれた文章。1927年。15分。実話なのか創作なのかはわからないが、全体を通してどんよりとした空気が漂っている。読み終わると、何やら読後感には鈍い痛みが含まれている。...

  • 岡本綺堂 明治時代の湯屋

    明治時代の湯屋・銭湯についての解説である。1938年。13分。今から120年ほど前の銭湯について書かれた文章である。当たり前だが、今のスーパー銭湯とは大きな違いもある。客は普通の入浴料以外にもいろいろな名目のおひねりなどを支払っていたようである。ちなみに私が初めて東京の銭湯に入ったのは1970年代の終わり頃。湯銭は145円だった記憶がある。...

  • 寺田寅彦 鉢が団子をこしらえる話

    題名通りの内容である。そのまま、蜂が毛虫を潰して団子状にしていく様子を克明に描いている。1921年。9分。蜂や毛虫の生態を描きつつ、人間をも含めた自然界の営みへと思考を巡らせていく。科学者でもある筆者の観察眼は鋭い。...

  • 蘭郁二郎 足の裏

    やや猟奇的な性格である浴場の経営者が主人公の作品。1935年。14分。江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」とどちらが先に発表されたかは知らないが、少し似た傾向にある。朝の7時に読んだが、こういう作品は深夜に読むに限る。...

  • 九鬼周造 外来語所感

    大正時代に書かれた随筆。外来語に否定的な立場をとっている。14分。100年ほど前に書かれた文章であるが、中に登場する外来語には全く見覚えのないものも含まれている。アーベント、プロフペラスなどである。小池さんに限らず誰しもが使いたがると思われている外来語だが、日本語のほうが使いやすいために自然淘汰されていく外来語も数多いのかもしれない。...

  • 鈴木三重吉 胡瓜の種

    詳しい事情はわからぬが、生活に困窮したため引っ越しをせざるを得なくなった主人公の心情が綴られている。10分。童話作家・鈴木三重吉の印象とはまた違った作風の小説である。主人公の心情を思えば、「胡瓜の種」という題名の付け方は絶妙である。...

  • 国木田独歩 鹿狩り

    大人に混じって鹿狩りに同行した少年の回想記。1898年。20分。純粋な子供の目を通して鹿狩りの残酷性を浮き彫りにした作品かというと、決してそういうわけではない。回想記ゆえ、ほんのりとした甘酸っぱさが残る。...

  • 小川未明 めくら星(一部ネタバレあり)

    弟がかわいがっていた小鳥を逃してしまった目の不自由な娘は継母に家を追い出され・・・。1919年。17分。悲劇というわけではないが、哀しい哀しい結末であり余情が漂う。[めくら]は差別用語だから云々の話はこの際言及しない。この物語では侮蔑・差別的な感情で[めくら]という言葉を使っているわけではないので。...

  • 寺田寅彦 物売りの声

    さまざまな物売り・行商人の掛け声、呼び声についての考察である。1935年。15分。物売りを列挙すれば、豆腐屋、納豆屋、豆売り、玄米パン売り、苗売り、辻占売り、あんま、朝顔、鯉屋、竿竹売り、千金丹、七味唐辛子売りなどである。85年前の時点でそのような物売りの声はだんだんと廃れていっていると記されている。今の時代は言わずもがなである。私自身 は、豆腐と竿竹売りの拡声器を通した売り声だけは聞いたことがある。...

  • 海野十三 恐ろしき通夜

    夜半、実験室内に集まった三人の男たちの複雑に絡み合った告白の行方は一体どうなる?1931年。44分。内容は違うが、韓国映画[オールドボーイ]を想起させた。昨日の[三つの痣]に引き続き、食事前には閲覧注意。...

  • 江戸川乱歩 一人二役

    男の思いつきから始まった一人二役という芝居は、果たしてどのような結末を迎えるのか。1925年。19分。話の展開によっては、喜劇にも悲劇にも変わりうる可能性がある。そうか、なるほど 。乱歩はその方向に話を持って行ったのか。...

  • 小酒井不木 三つの痣

    法医学者の頬に残る痣の理由とは何か。1926年。34分。解剖を主題とした小説だから、かなりグロテスクな内容である 。食事前には読まない方が無難かと思われまする。...

  • 坂口安吾 南京虫殺人事件

    密輸業者と思しき一人の女性が殺された。その事件の真相とはいったい?32分。南京虫とは女性ものの腕時計のことを言うらしい。それにまつわる殺人事件なのである。他の作品でもそうだが、坂口安吾の文体は非常に読みやすい。...

  • 豊島与志雄 牛乳と馬

    別荘地で知り合った、馬に乗った青年の正体とは。31分。2日に1度、一升瓶に入れた牛乳を購入するというシーンが出てくる。話の本筋には全く関係ないが、冷蔵庫のない時代にどうやって牛乳を保存していたのかちょっと気になった。...

  • 川田功 乗合自動車

    凄技を持つ掏摸[すり]のやった仕事とは。11分。掏摸はもちろん犯罪であるから称賛はできないが、痛快な話ではある。ただ若干一部差別的な表現があり、そこは賛同できない。...

  • 野村胡堂 奇談クラブ[食魔]

    食道楽の伯爵が5人の客を招いて食宴を開いた。その時のお話。31分。題名が題名だけに一部グロデスクではあるが、しかしその中にも一服の清涼剤的な内容も含まれる。清濁相殺といったところか。...

  • 菊池寛 出世

  • 鈴木三重吉 金魚

    貧しい文士とその妻の生活。11分。読んでいる最中に、どことなくチューリップの[サボテンの花]という歌が思い出された 。当人達の心情思えば、胸が痛く哀しい。...

  • 田中貢太郎 参宮がえり

    伊勢から豊橋へ帰る船旅の最中、二人の親子に起こった出来事とは。21分。思わずゾッとするような結末。お伊勢参りをした後なので身を清めたであろうに。...

  • 中村地平 宮崎の町

    宮崎の町についての紀行・紹介文。5分。宮崎には一度も行ったことがない。フェニックスやら蘇鉄という名前がでてきて南国情緒が感じられる短文であるが、もうこの先訪れることもない町なんだろうな...

  • 小山内薫 梨の実

    真冬に[梨の実を取って来い]と言われた大道芸のおじいさんは・・・。8分。中国の短編小説を読んでいるような雰囲気。読み進めるうちに思い出した。遠い昔に一度読んだような気がする。...

  • 太宰治 座興に非ず

    おのれの行く末を思い、ぞっとしていてもたってもいられなくなった筆者は上野方面へと歩いて向かう。5分。たった5分の短文だけれど、かなりインパクトは強い 。特に最後の一文にはざわざわとする。確かに座興に非ず。...

  • 林芙美子 田舎がえり

    関西から広島にかけての旅行記・エッセイ。18分。広島・尾道は林芙美子が学生時代を過ごした町。 もうすでに流行作家であったろうに、なぜか三等寝台で旅行をしている。...

  • 小川未明 猟師と薬屋の話

    薬屋から熊の胆の注文を受けた漁師は、熊を撃つために山奥へ入って行くのだが。14分。久しぶりに[くまのい]という言葉を聞いた。あの黒くて苦い熊の胆のこと。今でも富山の薬売りさんは、薬を担いで全国を回っているのだろうか。お土産の紙風船などを持って 。...

  • 沖野岩三郎 にらめっくらの鬼瓦

    雑誌に収録された児童小説。1925年。14分。ライバル同士の瓦屋が、相手に負けじと自前の鬼瓦を強靭化していくのだが・・・。ほっこりとした物語である。 100年前の子供達も、そんな思いで読んでいたのであろう。...

  • 古川緑波 牛鍋からすき焼きへ

    肉、とりわけ牛肉料理についてのいわゆるグルメ談義。13分。牛鍋とすき焼きの違いやら、関東・関西の名店の味について色々と語られている。筆者によると、牛鍋は関東、すき焼きは関西発祥なのだとか。どちらにせよ読んでいるうちに腹が減ってきた。...

  • アルフォンス・ドーデ 村の学校(実話)

    ドイツ領となった、フランスの小さな村の学校でのお話。1931年。14分。副題には実話とあるけれど、フランス人の作家だからドイツに関して相当な憎悪の念がある模様。ドイツ人教師のことを鬼畜が如く描いている。 [赤い鳥]掲載ということなので、何も知らない少年少女がこの作品を読んだら、ドイツに対して相当な悪印象を持つんじゃないかな。...

  • 新美南吉 正坊とクロ

    サーカス団の軽業師正坊と熊のクロのお話。1931年。12分。別にクロが死ぬわけじゃないけれど、それでも悲しい結末なので後半は読みながら目が潤んでいた。自慢じゃないが、こういった人間と動物の絆を描いた物語にはめっぽう弱い。...

  • 小酒井不木 痴人の復讐

    殺人倶楽部という名前の集会で、一人の眼科医が行った告白とは。1925年。17分。ややもすると、江戸川乱歩を彷彿させるような作品。グロテスクな内容を含むので読む際はご注意を。...

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