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2020/06/26

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  • 芥川龍之介 あばばばば

    学校の教師が出会った煙草屋の女性は・・・。1923年。17分。子供を持った女性のたくましさを描いた作品か。あばばばばというタイトルのつけ方がうまい。有名な作品だが、今回初めて読んでみた。難解ではない。...

  • 小酒井不木 玉振時計の秘密

    汽船会社支配人の死の真相に、少年科学捜査探偵が挑む。1927年。20分。玉振時計とはいわゆる振り子時計の事。この時計の仕組みを知らなくちゃ解決には結びつかない。「少年倶楽部」掲載とあるから少年向けの探偵小説の類。気軽に読める。...

  • 坂口安吾 ニューフェイス

    引退した力士が開業したトンカツ屋が舞台の読み物。1948年。31分。流れるような文体で物語が進んでいく。戦後のしたたかな生きる、ずぶとい女というものもうまく描かれている。もう一度ゆっくりと坂口安吾を読んでみたい気になった。...

  • 萩原朔太郎 夏帽子

    若き日の甘酸っぱいような見栄と過ちと後悔と。9分。若者の心情を細やかに描き、さわやかな作品に仕上がっている。偽りはしない程度に、それとなく思わせぶりな服装をする事は誰しも経験があるような。...

  • グリム うまい商売

    ある農夫の話なのだが・・・。15分。正直言って話の内容がよくわからなかった。いったい何が言いたいのか・・・。作中に明らかにユダヤ人を揶揄した部分がある。翻訳では「ユダ公」と呼称されている。今の時代なら発禁になっていても不思議ではないような気がする。...

  • オー・ヘンリー 罪と覚悟

    金庫破りの名人が最後に取り組んだ大仕事とは?20分。アメリカ版大岡裁きといったところか。読んだ100人のうち100人すべてが納得するとは限らない結末だが。オー・ヘンリーは生涯270篇以上の作品を残したとか。けど、青空文庫で読めるのは3編だけ。もっと掲載してください。...

  • 岸田劉生 ばけものばなし

    妖怪・幽霊の類に関する考察的随筆。1924年。29分。岸田劉生といえば「麗子像」で有名な画家。妖怪・幽霊などの化け物について、画家らしい視点からアプローチしている。読んでいて気付いたのだが、彼と同じような事を言っている人がいた。→ 有吉弘行のsunday night dreamer...

  • 江戸川乱歩 算盤が恋を語る話

    少し昔の話で言えば、ポケベルを使った愛の告白物語ということになるのだろうか。1925年。20分。友人に推奨されたので読んでみた。男性側の心情もうまく描かれており、オチも程よく落ちていて確かに面白い。友人が言うとおり、作品に登場する公園は三重県鳥羽に実在するものだが本文中には何もヒントらしきものもない。私も公園名を検索してやっとわかったというのに…。彼はどうやってそれを329214415521。謎だ。...

  • コナン・ドイル ライギット・パズル

    一枚の破れた紙片を握りしめたまま銃殺された農場使用人の死の真相にホームズが迫る。40分。ライギットとはイギリスの地名らしい。パズルは破れた紙片の事か、あるいはこの殺人事件のからくりをパズルと言っているのか。そこのところよくわからない。青空文庫で読んでいたのだが、初めて「挿絵」が登場した。青空文庫に挿絵があるなんて初めて知った。小説中の挿絵については否定的な意見(本の内容から自分が抱いていたイメージと...

  • 江戸川乱歩 一枚の切符(一部ネタバレあり)

    列車に轢かれて死んだ博士夫人の死の真相やいかに。1923分。36分。切符とは受け取り切符の事。今で言えばレシートか。事故現場で発見されたレシートにより死の真相があばかれる。最後の一文は「ニヤリと笑った」。こういう含みのある終わり方をすると話の内容が倍に膨れあがる。うまい技法だと思う。...

  • 押川春浪 南極の怪事

    南氷洋にまで漂流した船に乗ったひとりの人物。彼の運命やいかに。1905年。43分。「中学世界」という本に掲載されたとあるとおり、青少年向けの冒険小説の類。奇想天外ではあるが、七五調で畳みかける語り口は読んでいて心地よい。今から110年以上前の青少年は、こういうものを読んで未知の世界に胸躍らせていたのでしょう。...

  • 豊島与志雄 二等車に乗る男

    その男が二等車に乗る理由とは?16分。何かもっと発展しそうな気配はあるものの・・・。二等車・三等車、青い切符・赤い切符、汽車と電車が並走、などの言葉が出てくる。鉄道にはまったく興味がないのでわからないけど、いつ頃の時代なんだろう。...

  • 菊池寛 三人兄弟

    時代設定は平安時代。3人兄弟のそれぞれの運命を描いた話。1919年。30分。「赤い鳥」掲載とあるから子供向けの物語。3人の絡み合った運命を描いているのだから、もっと伏線やら結末の意外性とかあってもよさそうだが、割とあっけなく終わっている。けれど、物語というのはそれくらいさっぱりしたものの方がいいのかもしれない。作者の思いなどを無理に押し付ける作品は何となく鬱陶しいから。...

  • 鈴木三重吉 やどなし犬

    野良犬と肉屋の店主との絆を描いた作品。1924年。25分。子供向けの物語。ただ、愛犬家の人は読まない方がいいかもしれない。「フランダースの犬」とかこういう話はちょっと苦手。...

  • 小泉八雲 ろくろ首

    地域の伝承を作品化したものか。18分。よく漫画などで見るろくろ首は首が伸びた妖怪だが、ここでは胴体と頭は切り離されていて頭部だけが単独行動をしている。全文を小泉八雲が書いたとすると、彼の日本語能力はたいしたもの。ものすごく難解な日本語を駆使している。...

  • 種田山頭火 草と虫とそして

    草や虫、身近な自然に対して注がれる山頭火の目。1941年。9分。山頭火といえば俳人のイメージしかなく、こういう散文も書いていたのを初めて知った。自然に対する見方は何となく枕草子を彷彿させる。作品中に「一匹とんで赤蛙」という句がある。やっぱりうまいなあ、と感じる。...

  • 寺田寅彦 浅草紙

    傍らにあった浅草紙から広がっていく、やや人生論めいた随筆。1921年。9分。浅草紙とは下等な再生紙の事。ふと見つけた浅草紙に、その原料となったさまざまな古紙の形跡を認め、そこから彼の哲学的な思索が始まっていく。浅草紙なんて言葉、今回初めて知った。今で言えばトイレットペーパーみたいなものなのね。...

  • 岡本かの子 みちのく

    仙台四郎(作中では四郎馬鹿と表記)と彼に関わりのあったある女性の話。1938年。19分。比較的短い文章で畳みかけるように語られているため読みやすい。仙台四郎の名前は知っていたが、その詳細はこれを読んで初めて知った。岡本かの子は「芸術は爆発だ」の岡本太郎の母親。強烈な個性の持ち主であったそうだが、文章からもそれが伺える。...

  • 小川未明 夕焼け物語

    3人の娘がそれぞれの願いを・・・という、アンデルセンの和風っぽい(と言っちゃ失礼だな)童話。14分。童話のスタイルとして大事なのは「色」「台詞」「小動物」「なんとなくミステリアスな存在(このお話ののぞきからくり屋とか)」なんじゃないかなと、この話を読んでいて思った。あと、大きさの表現方法もかな。手のひらとか握りこぶしとか、そんな子供にも分かりやすい大きさの比喩が大事。...

  • 野村胡堂 銭形平次捕物控 贋金

    一晩のうちに千両箱の中身がすべて贋金にすり替わってしまった事件に平次が挑む。平次といっても服部平次の方じゃない。1952年。36分。こういう時代物を読むといろんな昔の地名、習慣、風俗など現代では使わなくなった言葉が出てくる。パソコンもない時代にこういう知識はすべて書物から得ていたんだろうなあと思うと、昔の人の読書量が推測される。資料もいっぱい持っていたんでしょうね。ところでこの話に例の有名な平次の投げ銭...

  • 織田作之助 起ち上がる大阪

    大阪空襲からの復興を目指す大阪人気質を描いた作品。1945年。12分。「負けへんで」「やられてもへこたれへんで」という大阪人の粘り強さを描いているが、これが発表されたのは1945年4月なので、まだ終戦は迎えていない。戦時中の作品。「夫婦善哉」などにも共通するけれど、この人の文章は流れるようなリズムがあって好き。確か、野坂昭如もこの人の文体に影響を受けた云々の話をしていたような気がする。...

  • 牧野信一 夏ちかきころ

    どうしようもない友人の話。1926年。42分。どうしようもない友人だけれど、その友人に対して一種の親近感を覚え、また自分との類似点を見つける主人公なのだろうか。作品中に「文学の病に憑りつかれ」という個所がある。なんとなくその気持ちはわかる気がする。別に私が文学に精通している訳ではないが。...

  • 林芙美子 帯広まで

    踊り子とバイオリン楽士、ふたりの関係をつづった小説。1936年。34分。女性というのは強い、いい意味でのしたたかさがあるなあという感想。踏まれても踏まれてもなおたくましく生き続ける雑草のような女性の生きざまを描いている。「花の命は短くて苦しき事のみ多かれど 風も吹くなり雲も光れり」は彼女の名言だが、その精神を如実にあらわしている。...

  • 中島敦 山月記

    内なる臆病な自尊心と尊大な羞恥心によって虎と化した男の話。1942年。17分。中島敦の山月記。虎が出てくるという所までは知っていたけど読んだことはなかった。なぜ彼は虎になったのか、今になって自分に当てはめて読んでみると、彼に対する哀れさと同情の念をを禁じ得ないものがある。心の中の臆病な自尊心と尊大な羞恥心かあ。作者自身もそういうものを自分の中に感じていたのかな。「この作品は1942年に発表され、彼は芥川賞候...

  • 江戸川乱歩 疑惑 (一部ネタバレ)

    全体を通して二人の人物の会話形式で構成されている作品。1925年。48分。こういう会話形式の作品は読みやすい。推定読書時間は48分となっているが、実際はもっと短い時間しかかからなかった気がする。内容については乱歩らしく、深層心理などのテイストを絡めてある。けど、私なら聞き手の人物を犯人にしたかった。「え?本当は彼が犯人だったの?」という感じで。実は妹と恋仲で・・・とか。ま、私が考える事だからつまんない内容...

  • 夢野久作 いなか、の、じけん

    九州の片田舎で起こった、どことなく間抜けでくすっと笑えるような事件を20話ほど集めたオムニバス作品。1927~1930年。夢野久作といえば「ドグラマグラ」。といっても読んだこともないので内容は知らない。けど、なんか難解そうなイメージ。一方この話は簡潔に完結してて面白い。90年も前の3面記事を題材にしているとか。結構人が死んだりもしているが、どことなくペーソスとユーモアにあふれた事件簿。「田舎の事件」ではなくて...

  • 徳田秋声 町の踊り場

    姉の葬儀に参列した主人公の心情や故郷、故郷の人々への思いなどをつづった作品。1933年。27分。作品中に「ステッキを持って」という個所があるが、そういや今ではおしゃれのためにステッキを持って歩いている男の人ってあんまり見ないな。健康上の理由から杖を持っている人は大勢いるけれど・・・。また「魚田」という食べ物の名前も出てくる。私も知らなかったので調べてみたら、ああ、そういう食べ物なのね。さて、何でしょうか...

  • 国木田独歩 怠惰屋の弟子入り

    名前は知らないが、アルフォンス・ドーデーという人の短編を翻訳したもの。17分。なまけ者に憧れた少年が、なまけ者に弟子入りをするという話でアフリカを舞台にして「上には上がいる」という内容の寓話だが、どことなく中国・日本あたりの民話にもありそうな感じ。国木田独歩といえば「武蔵野」「牛肉と馬鈴薯」が代表作。両作品とも高校の時に読んだ記憶が確かにあるがまったく内容は覚えていない。今思えば「牛肉と馬鈴薯」って...

  • 宮沢賢治 茨海小学校

    茨海小学校(正確には茨海狐小学校を訪れた農学校先生のお話。読んでいて思うのは「宮沢賢治は自然が好きで、お茶目で空想好きな人だったんだろうなあ」という事と、この話はぜひとも挿絵つきの本で読んでみたいという願望。もしかすると私が知らないだけで、絵本としても発刊されているんだろうか。あと、ひとつわからなかったのは、登場する狐の名字にはすべて「武」の字が使われているという事。武山やら武田やら・・・。「武」...

  • 森鴎外 高瀬舟

    京都府を流れる高瀬川を行く囚人護送船のお話。1916年。24分。「森鴎外の代表作といえば?」という文学史の問題が出されたら、多くの人が「高瀬舟」「舞姫」などの作品が挙げるだろう。もちろん私もそう。けど、実際に「高瀬舟」も「舞姫」も読んだことはなかったので、今回読んでみた。短編で30分もあれば読める。話の内容もわかりやすい。ただ、なんとなくモヤっとした終わり方をしている。その方が余韻があっていいのかもしれな...

  • 新美南吉 和太郎さんと牛

    愛知の農村を舞台にした物語。作品中、「ぬくとい(暖かいの意)」などの愛知の方言がでてくる。36分。和太郎さんが飼っている牛は痩せて老いさらばえた老牛。読み進めていくうちに「ごんぎつね」を思い出して、なんか悲しい終わり方をするんじゃないかなといやな気持になる。年のせいか、ああいう悲しい話はあまり読みたくない。けど、読み終わってすっきり。こういう終わり方をしてくれると嬉しい。...

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