クラシック音楽や絵画など、興味のあることについて考え、文章にまとめて投稿することを続けております。
かなり硬派のブログです。 偏屈おやじが、人生の残り時間を費やして、さまざまなことについて考える、というコンセプトです。 記事は、それぞれ、けっこう長文です。かわいい写真なんか、一枚も出てきません。 それでもよかったら、どうぞ、ご覧ください。
カテゴリ「このサイトについて」の2020年5月10付けの記事で予告させて頂いた復刻版【キムチ通信】の第21回配信です。今回は、第21編である「第20号『サービス』」をお届け致します。この地球上には、もはや存在していない、30年前の韓国ソウルの空気を味わってみてくださいませ。★★★ 復刻版【キムチ通信】 引用開始 ★★★ 近くて遠い国、韓国。 首都ソウルには、日本人が嫌いできらいでしようがない、という12...
ルネサンス期に相当する、日本の「戦国時代」に描かれた作品のうちから、さらに別のものをもう1つご紹介致しましょう。洛中洛外図屏風(歴博甲本)(左隻)この作品は、当時の管領であった細川高国が、将軍である足利義春を擁して都を牛耳っていたとされる、1525年頃の京都の景観である、と言われおります。この段階では、すでに、日本全国は、千々に乱れており、都の治安も、実際に高国の掌中にしっかりと握られていたのかど...
そりゃ、やっぱり、「バロック音楽」といれば―――このフレーズの後に続くものは、ひとそれぞれに異なるのでしょうけれど、かなりの数のひとが「ヴィヴァルディの四季」を挙げるのでしょうね。わたしとしても、バロック音楽の紹介をするに当たって、これを外すわけにはまいりません。前稿で紹介したアルビノーニと同じく、ベネチア生まれであって、ほぼ同じ時代に活躍した人物ですが、貴族の家柄であったアルビノーニとは異なり、庶...
わたしは、ゴッホの絵が好きです。特に、日本語では、「収穫」というタイトルが付いた作品が好きなのですが、正確には、「ラ・クローの収穫風景」というのでしょうか――南仏アルル近郊の田園風景を描いたものですね。ゴッホ:ラ・クローの収穫風景そもそも、わたしは、自分がゴッホの絵を好きだ、という事実に気づいておりませんでした。たまたま、あるときに、好みの絵を何点か自分の部屋に飾っておきたいかな、と思ったことがあっ...
カテゴリ「このサイトについて」の2020年5月10付けの記事で予告させて頂いた復刻版【キムチ通信】の第20回配信です。今回は、第20編である「第19号『外資系』」をお届け致します。この地球上には、もはや存在していない、30年前の韓国ソウルの空気を味わってみてくださいませ。★★★ 復刻版【キムチ通信】 引用開始 ★★★ 近くて遠い国、韓国。 首都ソウルには、日本人が嫌いできらいでしようがない、という120...
すでに紹介した「最後の晩餐」の後に刑死したイエスは、3日後に復活しますが、結局は、昇天し、神のもとに帰ります。そして、神の国が到来した際に、キリストは、再臨し、ひとびとを裁くことになります。つまり、神との約束を守った者を天国に召す一方で、約束を守らなかった者を地獄に落とすということになるのです。このような、天国に召したり、地獄に落としたり、する、キリストの行為を「最後の審判」と呼んでおり、この様子...
すでにお話し申し上げたように、バロックという時代は、まずは、オペラによって幕が開いております。したがって、「初期バロック」、「中期バロック」、および「終期バロック」というように、通常は、その時代が三分割される、バロック期のうち、「初期バロック」においてみるべきものは、主には、オペラ作品ということになります。しかし、こちらも前々稿においてお話し申し上げたように、時間の経過と共に、オペラから器楽曲が分...
「ジストニア」という病気をご存じでしょうか?この病気には、全身性と局所性という、ふたつのタイプが存在しているようですが、本稿において対象としているのは、局所性ジストニア(フォーカル・ジストニア)と呼ばれているものです。楽器演奏者に多く発生しており、症状としては、楽器を演奏する際に指が自由に動かなくなる、というものです。典型的なのがピアニストであって、同じ指使いの練習を何度も何度も反復練習しているう...
カテゴリ「このサイトについて」の2020年5月10付けの記事で予告させて頂いた復刻版【キムチ通信】の第19回配信です。今回は、第19編である「第18号『金浦空港』」をお届け致します。この地球上には、もはや存在していない、30年前の韓国ソウルの空気を味わってみてくださいませ。★★★ 復刻版【キムチ通信】 引用開始 ★★★ 近くて遠い国、韓国。 首都ソウルには、日本人が嫌いできらいでしようがない、という12...
このカテゴリの前稿においては、戦国期の日本画について極めて簡単に紹介致しましたけれど、いい機会なので、この際、このような室町期以降の日本画を成立させることになった背景について、こちらも極々簡単に、紹介しておきたいと存じます。日本における絵画の歴史を考えた場合に、中国から伝来した唐絵(からえ)や日本で描かれた仏画などが、そのルーツになるのではないか、と思われるのですが、これらをもとにして、平安時代に...
ちょっとメンドクサイお話を致します。それは、「音律」の話、つまり、「調律法」の話です――うわっ、こう言っただけで、もう逃げだすひとがいるみたいですねえ。そうそう、メンドクサイですよねえ、これ。われわれが、現在、通常、使用している、「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」という音階は、「完全五度の集積を繰り返すと、12回目には、元の音に戻ってくるようになっている」とされております。しかしながら、これは、「...
死ぬまでに全巻読破したい、と考えて、数年前から、近所の図書館に所蔵されている昭和45年度版の新潮日本文学全集を読み続けております。現在読んでいるのは、第13巻「室生犀星集」ですが、これを読むに当たって、期待していたことがありました。それは、ひさしぶりに「靴下」という詩を読むことができるな、というものでした。十代の頃、わたしは、室生犀星と萩原朔太郎の詩が大好きでした。二人の詩集を常に持ち歩いて愛読し...
このカテゴリ「サクッと聞いてみませんか」においては、冒頭、初稿でグレゴリオ聖歌について解説した後に、第2稿で、早速、バロック時代に突入しております。原稿を書いているときには、「ま、これくらいでいいかしら」くらいの軽い気持ちで書いていたのですが、いま、しみじみとこのあたりの原稿を読み返すと、グレゴリオ聖歌(8~9世紀ごろ)からバロック期(17~18世紀)へのタイムワープ(時間旅行)が、いくらなんでも...
本稿は、「【完結書庫】美について」の補完稿です。わたしは、60余年も前に、四国の田舎に生まれ、まずまず、貧しい、と言えそうな家で育ちましたから、子供の頃には、身の回りに、オシャレなものなど、なんにもなかったように思います。そういうなか、カレーライスを食べるときには、いつも、母親が「西洋皿(せいようざら)を出してこんとなあ」と言って、「みずや(現在で言うところの食器棚のようなもの)」から、カレーライ...
本稿は、「【完結書庫】美について」の補完稿です。江戸期に入って、さまざまな絵師が登場し、近世日本画の歴史を彩ることになるのですが、本稿においては、彼らの一部を点描風にご紹介してみたいと思います。まずは、「粉本主義」に陥って停滞した江戸の狩野派(江戸狩野)の状況に、ふたりの絵師が反旗を翻します。彼らは、狩野派に別れを告げ、自らの信じる画道を歩み始めるのですが、そのひとりが、久隅守景(くすみ・もりかげ...
本稿は、「【完結書庫】美について」の補完稿です。安土・桃山期において一世を風靡した、狩野永徳が率いた「狩野派」という画家集団は、政治的な嗅覚において、非常に優れた部分を持っていたようですね。というのも、秀吉亡き後、激化した豊臣派と徳川派の対立の中において、狩野派は、自集団の生き残りを図るべく、自らを東西の二派に分割し、1つを豊臣派に従属させる一方で、残りの1つを徳川派に属させる、という政治的な曲芸...
このカテゴリにおいては、すでに、ボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチの作品についてご紹介しておりますが、本稿では、少しばかり視線を極東に戻して、この当時の日本の絵画の状況について眺めておきましょうか。ボッティチェリの生年は、1445年です。レオナルドの生年は、1452年です。日本では、1467年の「応仁の乱」をもって戦国時代に突入したと言われているようですので、ボッティチェリやレオナルドが活躍...
前稿において紹介した「通奏低音」という特徴に加えて、バロック音楽のもう1つの特徴として、「対位法」というものが存在しております。本稿では、この、もう1つのバロック音楽の特徴について紹介してみたいと思います(内容が、かなり専門的になってしまいます。その一方で、わたしは、ちゃんとした音楽教育を受けたことがありません。したがって、ひょっとしたら、間違ったことを言う可能性もあります。その際は、ご容赦くださ...
このカテゴリ「サクッと聞いてみませんか」においては、現在、バッハやヘンデルなどに代表されるバロック音楽の作品をランダムに紹介しているわけですけれど、本稿では、少しだけ視線を元に戻して、バロック時代の幕開けの時期についてお話ししてみたいと思います。すでにご紹介申し上げたように、バロック時代に先行する「ルネサンス」時代においては、音楽といれば、やはり「声楽」、ということになっておりました。例の「グレゴ...
本稿は、「【完結書庫】生死について」の補完稿です。「生きる意味がわからない」とか、「人生、どう生きたらいいのか、わからない」とか、と言うのが好きですよね、わたしたち。人生の持つ「意味」や「目的」がわからない。これは、当たり前のことです。だって、そんなもの、そもそも存在していないんですから。われわれ人間が現在生きている、その原因は、2020年5月21日付けの記事「すべては、ハジメちゃんの戦略」におい...
本稿は、「【完結書庫】生死について」の補完稿です。仏教全般にわたる、最も重要な概念を1つの漢字で表せば、それはなにか?この質問に対する回答は、恐らく、「空」ということになるのだろうと思います。そうです、「色即是空」というときの「空」です。この漢字の意味するものは、当たり前の言葉で言えば、「むなしい」ということですよね。「色即是空」における「色」とは、「この世の中のすべてのこと」というくらいの意味で...
本稿は、「【完結書庫】生死について」の補完稿です。前稿では、わたしが考える「サトリ」というものの本質についてお話し申しげましたが、ひょっとすると、「あのねえ、あんたが言ってる「サトリ」の内容は、オレ(アタシ)が考えているものとは、ちょっと違う」という感想をお持ちになったかたが、いらっしゃるかもしれませんね。つまり、「サトリ」というものについて語られる際には、よく、たとえば、「作務(さむ)の最中に、...
本稿は、「【完結書庫】生死について」の補完稿です。このカテゴリの前稿においては、盤珪さんの言葉を解析することによって、人間は、(その他の生き物も同様ですが)、そのままでホトケである、と結論付けました。しからば、ここで言うところの「ホトケ」とは、なんでしょうか? 当然、それは、「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」とか、「阿弥陀仏(あみだぶつ)」とか、というところの「ホトケ」とは、ちょっと違いますねえ。つ...
過去のわたしの生活において、デジタル的な要素などというものは、そもそも、そんなに存在していたわけではありません。いまとなっては20年も前のことになりますが、会社員時代には、コンピュータシステムの営業職を担当しておりましたから、それなりのデジタル的な知識を持ち合わせてはおりましたけれど、それは、あくまで仕事に必要な知識として持っていただけのことであって、当時のわたしの生活がデジタルな生活であったわけ...
実は、アルビノーニさんが、昨夜、わたしの夢に出てきてくれました。彼曰く、「まさか、ニセモノの紹介だけで終わってしまって、本物のわたしの作品の紹介をすっ飛ばしたりは、しないでしょうねえ?」いやあ、危なかったわあ。よく出てきてくれました。ご指摘のとおり、ニセモノの紹介で満足し、わたし、アルビノーニさんの本物の作品の紹介をうっかりすっ飛ばしてしまうところでございました。ベネチア貴族の家系に生まれたアルビ...
ルネサンスという文化運動は、ひとことで言えば、キリスト教が出現する前の段階において、すでにヨーロッパに存在していた、人間中心の、古代ギリシャ・ローマの時代に思いを致し、神様一辺倒になってしまっていた当時の中世ヨーロッパ社会を人間中心のものに再び引き戻そう、という運動であったのではないか、とわたしは考えております。つまりは、あまりに肥大化した宗教権力に対して、ひとびとが「No」を突き付けた、というこ...
カテゴリ「このサイトについて」の2020年5月10付けの記事で予告させて頂いた復刻版【キムチ通信】の第18回配信です。今回は、第18編である「第17号『僑胞』」をお届け致します。この地球上には、もはや存在していない、30年前の韓国ソウルの空気を味わってみてくださいませ。★★★ 復刻版【キムチ通信】 引用開始 ★★★ 近くて遠い国、韓国。 首都ソウルには、日本人が嫌いできらいでしようがない、という1200...
本稿は、「【完結書庫】生死について」の補完稿です。「生死について考える」という、このカテゴリにおいては、すでに過去15回にもわたって、お話し申し上げております。そして、その過程においては、「宗教」というものについても考えてみましたし、「いのち」というものについても、考えてみました。これらの思考過程は、そのいずれもが、最終的には、「生死とはなにか」、つまり、「人間とはなにか」、を究明することを目的と...
このところ、このカテゴリにおいては、テレマン、バッハ、ヘンデル、パッヘルベルなどのバロック音楽を継続的に聴いてまいりました。したがって、まだまだ、「なじみ深い」というところまではいかないにしても、「バロック音楽」なるものが、どういうものであるのかについて、みなさんそれぞれに、イメージが出来上がりつつあるのではないかと想像致します。そういうタイミングで、ご紹介申し上げたいのが、「アルビノーニのアダー...
ルネサンスの画家と言えば、やっぱり、レオナルド・ダ・ヴィンチですよね。1452年に、イタリアはトスカーナのヴィンチ村に生まれたレオナルドは、画家のみならず、科学者としても有名ですね。画家としてのレオナルドは、完璧主義者であって、作品が完成しても、気に入らなければ、破棄したり、なんども書き直したり、長年にわたって加筆したり、していたようですね。その結果、現在に残っている作品は、わずかに15点ほどしか...
本稿は、新設したカテゴリ「よしなしごと」の口開けの記事ですが、あれですねえ、世の中には、すごい女性がいるもので、知れば知るほど、驚かされるのですけれど、そういう女性のおひとりが、幸田延(こうだ・のぶ)さんですね。このひと、1889年(明治22年)に、19歳で、日本初の音楽留学生として、アメリカに渡っています。ボストンのニューイングランド音楽院に入学して、バイオリン、ピアノ、そして、和声学を学んだよ...
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