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医新伝心 https://ishindenshinishindenshin.hatenablog.com/

医師横山啓太郎個人のブログです。 腎臓・高血圧内科に行動変容外来開設し、 現在は慈恵医大晴海トリトンクリニック所長をしています。

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2020/04/24

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  • 結論の出ない話を楽しむこと

    先日、慈恵医大と関連している企業の方々の行動変容についての講演を依頼されました。 聴衆は、医師、保健師、会社の人事の方など様々な職種の方が、聴衆です。会場に来られる方もいらっしゃいましたが、Webで視聴される方もいました。 専門的な内容は、一般の方には面白くないですし、統計をまとめたようなおざなりな話もいただけません。 また、会場だけであれば、会場参加の方と一方通行でない話し方をするのですが、それだとWebで視聴される方が退屈な場合も出てきます。 あらかじめ、会場で回答してもらう方を準備し、内容も「健康」という一変的な考え方を掘り下げていくように準備しました。特に注意したのは、結論を話すのでは…

  • 医師の視点と管理者の視点

    私の所長を務めている慈恵医大晴海トリトンクリニックでは、今も発熱患者さんを一般の患者さんと厳格にゾーニングして拝見しています。 そのために、1日拝見できる発熱患者数は限られ、受診をお断りするケースもあります。 そのような診療体制を行なっているのは、クリニックの管理上、 他の患者さんにコロナを感染させたら大変 スタッフ間でクラスター感染が起きたら大変 などの理由があります。 しかし、先日ある大手銀行に勤める患者さんに伺ったところ「コロナ感染しても本人が大丈夫であれば、マスクして窓口で働いている」ということでした。慈恵医大晴海トリトンクリニックが慈恵医大病院に属するので感染対策には高いハードルを課…

  • NEC本社ウェルネスプロモーションセンターで行動変容の話をしてきました。

    一昨日、NEC本社ウェルネスプロモーションセンターで行動変容の話をしてきました。 NEC本社ウェルネスプロモーションセンターの保健師の方は、「健診結果によって社員の方に保健指導をしているとのことですが、なかなか社員の方のマインドが変わらない」ということでの講演の依頼です。私が数年前に書いた「健康をマネジメントする」が心に刺さった保健師がいて、依頼を受けるようになったとのことでした。 1.「わかっちゃいるけどやめられない」社員の方のマインドを15分で変えることは、とても困難であること。 2.人は、善悪・損得・好き嫌いの3つの基準で行動を選択すること。 3.そして、その中で最も強力な選択基準は好き…

  • 行動変容外来の展開

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックで行動変容外来を行っています。その内容に興味を持つ方が多く、今週もNECウェルネスプロモーションセンター、株式会社 タニタの他数社で講演を依頼されました。テレビの取材の連絡もありました。 昨日は、北里大学の医学生の方が「行動変容外来のパイオニアの先生のお話を伺いたい。」と来訪されました。 医療関係者の多くの方が、生活習慣病の保健指導に頭を痛めていて、私の著書である「健康をマネージメントする」をお読みになっている様です。コロナ禍で行動変容外来の見学を希望される方をお断りしていましたが、そろそろ再開しようと思います。 しかし、行動変容外来を広げるためには、効率よ…

  • フェケアあるいはフェムテック

    今度、「会社で女性活躍推進のために知るべき健康課題のリテラシー」についての講演を依頼されました。 当初は、フェケアあるいはフェムテックのように女性の生理的な状況に対しての会社のリテラシーを上げることが主旨でしたが、フェケアあるいはフェムテックのような文言をなるべく使わないようにという希望が主催者からありました。フェケアあるいはフェムテックのような文言には女性社員あるいは男性社員の中で距離をおく人もいるだろうということから、そのリクエストが出たらしいとのことですが、正にそのような日本社会がフェケアあるいはフェムテックに対する問題を棚上げにしてきたのだと思います。 それはさておき、女性あるいは男性…

  • 19歳の少年

    私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長ですが、今年度退官となり、本日、大学の皆さんの前でお話をします。 正直申し上げて40年以上慈恵医大に身を置いて教授職を拝命できるとは思っていませんでした。 しかし、思い返してみますと一人の患者さんがきっかけでここまで来られた気がします。 それは慈恵医大で初めてのHIV患者で血友病の19歳の少年でした。当時HIVは今でいうエボラ出血熱のようで、受け持ちを希望する医師はいませんでした。私はあまり迷いなく受け持ちになりました。 しかし、治療法もなくみるみる悪くなっていきました。彼の血液検体には赤字でMと記され、病院で私と彼だけが違う世界にいるようでした。彼はま…

  • 「それはないでしょ?」3連発

    「それはないでしょ?」というふうに感じたことを3つ書きたいと思います。 愚痴に聞こえたら申し訳ありません。 1つ目は、町名変更です。私の住んでいる町の番地が昨年の11月1日から変更になりました。それまで簡単な連絡はあったのかもしれませんが、シレーっとした感じで変わってしまいました。免許書や勤務先など然るべき施設に連絡を取る必要があるとのことです。区役所に連絡すると郵便物は古い番地を入れても届くらしいですが、宅急便などはいずれ届かなくなるでしょう。ところが、新しい住所をGoogle Mapに入れると、自宅からずいぶん離れた場所に案内されます。一方、古い住所をGoogle Mapに入れると、正しい…

  • 大谷翔平選手の記者会見

    新年、暗い話題が多いので、少し明るい話題で今年を始めたいと思います。 少し前になりますが、みなさん大谷翔平選手の記者会見をご覧になりましたか?爽やかで真摯な姿勢は多くの人の心を打ったと思います。 みなさんは、どのコメントが最も心に刺さりましたか?デコピン?W 私は、大谷選手が「自分の野球人生は終わりに近づいているので・・」というフレーズが最も心に刺さりました。2023年の大谷選手の成績は、今までの大谷選手の成績の中でも特筆するべき内容でした。まだまだ、私たちの想像を超える成績を残してくれると期待している人も多いかと思います。 MVPを満票で受賞し、1000億円を超える契約金でドジャースに移籍し…

  • 自宅付近の火事を動画で見る感覚

    本日、私の家の近くで火事がありました。 私の家は、比較的古い木造家屋の密集地とマンションが混在する地域にあります。木造家屋の1つが出火元で、道が狭く近くまで消防車が入っていくことができません。そのため、比較的広い道路に消防車が停まって、ホースを延長させて消火に努めていました。消防車の数は20台を超え、交通は遮断されました。 離れた場所から、スマホからネットで検索すると煙が立ち込めていてサイレンが鳴り響いていました。家には寝たきりの母とお手伝いさんがいます。 家に電話してみると 「私の家と火元とは数十メートル離れていて、火が飛び移る危険性はなさそうでしたが、黒煙が立ち込めている」とのことでした。…

  • ジェンダー問題の多様性と医師としてのジレンマ

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックで所長を務める65歳の医師です。先日、50歳の貧血のために受診された女性の患者さんのことをお話しします。 前日、他院で健康診断を受けて、赤血球が正常の半分しかないので、すぐに医療機関に受診するように指示されて、当院を受診されたとのことです。 検査結果からは、ヘモグロビン(血色素)が7.4g/dlで、血球が正常の半分程度でした。赤血球のサイズが小さく、出血が原因の貧血であることは容易に診断できました。50歳・女性の貧血の原因の多くは月経過多です。この方には子宮筋腫があり、子宮筋腫→月経過多→貧血である可能性が高いと思われます。しかしながら、出血が原因の貧血とし…

  • 医者のスキルのピーク

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしていますが、今月65歳になりました。そろそろ定年で次の仕事のやり方を考えなくては行けません。大学にいると急がなくては行けない患者さんの対応は若い先生に手伝ってもらえますので、年齢によって衰えを感じることは少ないと思います。経験により知り合いも多いですし、敬意を持って扱ってもらえるので、あまり不自由を感じません。しかし、そのような体制がないとすると医師としてのパフォーマンスは大きく落ちると思われます。 不慣れなことに挑戦する気持ちは年齢とともに落ちています。経験を積む分、ネットから情報を得るスピードは落ちてきていることも自覚します。 医者のスキルのピ…

  • 予想のできない社会

    新型コロナウィルス感染症の7回目のワクチンとインフルエンザのワクチンを私のクリニックでも多くの来院者の方に接種しています。一方、発熱外来受診の患者さんは減っています。 9月までは新型コロナウィルス感染症が主体でしたが、何故か感染者数は減少し、10月にはインフルエンザが猛威を震っていて「この冬はどうなってしまうだろう」と心配していましたが、こちらの方も今のところ感染者数は頭打ちになっています(https://moderna-epi-report.jp)。 皆さんがマスクを外す生活に戻ってきているのに新型コロナウィルス感染症数は減少していることに明快な説明をできる方を私は知りません。また、「インフ…

  • 目の見えない方の睡眠

    私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしています。11月6日までフィラデルフィアで米国腎臓学会に参加していたため、長らくブログもお休みしていました。 私は時差ボケには弱く、睡眠障害に悩まされます。 「眠れなくても目だけ閉じていれば、脳への情報量が少なくなり、半分ぐらいは寝ているのと同じなので、眠れなくてもジッと目を閉じていることは大切」と昔、誰かに教えてもらったことがあります。 そんなわけで、今回はアイマスクをして眠りに入ることにしました。すると知らない間に眠ってしまいました。 「目の見えない方はどこから睡眠を認識するのだろう?」という疑問が頭に浮かんできました。そのことが、そのような方に…

  • ストレスのコントロールとしての運動

    血圧の管理で運動は重要であると考えられています。しかし、運動してもなかなか血圧が下がらない場合も多く、患者さんは「折角、運動したのに、血圧が落ちないのか」と思いがっかりされることも多いようです。治療として運動を捉えると、その効果の低さから長続きしないような気がします。 皆さんは、ストレスのコントロールとして運動をとらえたことがありますか? 運動をすることでコルチゾールやアドレナリンが低下し、青斑核に影響を与えることによって、ストレスに対する感情がコントロールされます。心の緊張状態を和らげてくれるのです。加えて、セロトニン(幸福感を司る化学物質)やドーパミンなど、脳内の「心地良さ」に関わる神経伝…

  • 減量メソッド

    人は、10代を頂点に、活動量も少なくなり基礎代謝も落ちていきます。 ですから、本来であれば30代に入る頃には食事量も食事内容も、少しずつ変えていく必要があるのです。「まだまだ若者に負けない」とばかりに、大食、大量飲酒をするのは大間違い。人生の中で体重が最も増える時期が30−40歳です。 いわゆる中年太りです。 徐々にでも食べ方を変えていかなければ、「栄養過多」でメタボリックシンドロームや糖尿病、脳・心筋梗塞などのほか、将来的に認知症や寝たきりのリスクが高くなってしまいます。 ■「一度にいろいろやめられない」?であれば… 今回は、上手に食事をコントロールする方法を1つご紹介します。 まず、かみを…

  • 自分にとっての「ちょうどよい」を見つけるために、たった2つのことを意識して下さい。

    健康マネジメントでネックとなるのは、“習慣化”です。行動が変われば習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。 人格が変われば運命が変わる。 と言われていますが、習慣を変えることは並大抵のことではありません。「人間の脳は習慣を変えないように」設定されているのです。「わかっちゃいるけどやめられないという悪しき習慣」がたくさんあるのです。 そのために大事なのは、いきなり何かの「健康法」に飛びつくのではなく、まずは自分の体や健康状態に目を向ける意義を感じることです。これは人生100年時代に益々重要になっています。自分の健康に対するあり方を決めたら、習慣化するメソッドをご自分自身で考えていくことが大切…

  • 動機的面接法

    生活習慣病の患者さんの多くは「わかっちゃいるけど止められない。」ということで習慣を変えようとはしません。患者さんに習慣を変えてもらうには医療者としてのスキルが必要です。これは子供の教育や職場での後輩への指導についても同じことが言えるかと思います。 例えば、間食をやめられない人がいるとします。その人に「間食をやめましょう。」と言ってもほとんどの場合、有効ではありません。 誰に対しても有効な質問はないですが、医療面接の手法として幾つかの例が挙げられています。 間食をやめられる自信は10段階中で幾つですか?(例えば3と患者さんが、答えた時に、何故1ではないのですか?と質問を加えて、会話を続ける) 間…

  • 行動変容を促すキーワード

    「人間と動物の違いは何か?」という命題について、様々な回答があるかと思いますが、最適解と考えられているのが、「人は選択する。」ということです。 それでは、どの様な基準で選択するかといえば、①善悪、②損得、③好きか嫌いかの3種類と言われています。この中で、一番強く心を動かすのが、「好きか嫌いか」ということだとも言われています。 人は、「好きか嫌いか」を自由に選択できることが幸福と考えることができるとも言われています。 しかし、善悪や損得と比べて「好きか嫌いか」はとても複雑な基準であることもわかっています。「今の仕事は嫌いだ。」と言っている人も、「そもそもその仕事が好きだからやめられない。」ことも…

  • どのような老い方が良いかを考えてしまいます。

    今週の日曜日に義母が転倒して右の大腿骨を骨折しました。義母は今年の5月12日に脳梗塞になりリハビリ病院を退院したばかりでした。月曜日に手術をしてもらい今は病状は安定していますが、家に帰りたいと24時間ひっきりなしに私の妻に電話をしてきます。脳梗塞で入院した時も同様で、監禁されているというような気持ちになり、毎日泣いています。私の母も2020年に大腿骨を骨折した時に、リハビリ病院に馴染めず、自主退院をしています。母も義母もそれまでは、子供と同居していて、孫たちと毎日話をして、誰からも「幸せですね。」と羨ましがられていました。ところが、入院生活とそれまでの生活のギャップに苦しみ入院生活に耐えられな…

  • 新しい人間ドックの開発

    医学が進歩して高齢化が急速に進んでいます。しかし、健康診断や人間ドックは大きく変わっていません。 人生100年時代なのにそれに適した人間ドックがないことに多くの人は気がついています。遺伝子検査、新規生活習慣病関連分子の測定、人工知能による解析など人間ドックの差別化が求められています。 私は新しい人間ドックの開発を目指しているいくつかの会社の相談にのっています。 相談に乗ってみて感じることは、「開発者が受診者のニーズを本当にわかっているのか?」ということです。遺伝子検査で癌になるリスクがわかっても、100歳を大きく超えた時に、癌が発症するリスクとすれば、知る必要がないのかもしれません。 そもそも…

  • 言葉より姿勢

    私は、医療コミュニケーションやWellbeingについての勉強会を1−2ヶ月に1度の割合で開催しています。 社会人と医学生が、持ち寄ったテーマについて意見を交わすリモート談話会です。 先日の会では、虐待やネグレクトを受けた子どもたちの相談を受けるボランティアをしている医学生が担当でした。彼は、「虐待を受けて死にたいという子ども」の相談を受けていました。時には数時間もかけて相談を受けていたそうです。1週間のコンサルとの後に、その子供は「死ぬことをやめた」とのことです。 彼は、「皆さんの人生を変えるような言葉を教えてください。」とリモート談話会の参加者に問いました。 人が悩みを持った時には、その視…

  • 選択

    人と動物の違いは「選択するかしないかということである」という定義があります。動物は殴られれば、逃げるに決まっていますが、人は殴られても逃げるか留まるかの選択をします。「私のために殴ってくれるのかも?」という意識がDVから逃れられない理由の1つになることもあります。 そこで、選択を掘り下げるとAかBの選択だけではなく、0か1かの選択があることに気が付きます。AかBの選択は「善か悪か」「得か損か」「好きか嫌いか」の3つの基準で行われていると言われています。これに対して0か1かの選択(やるかやらないか)は、0を選べば、何も生まれないかも知れません。1を選ぶと失敗するかも知れませんが、その失敗は、次の…

  • 帰宅願望

    今年の5月に妻の母が脳梗塞になりました。慈恵医大に入院し、リハビリ病院に移りましたが、自宅に帰りたい希望が強く夜間せん妄で1日に何十回も電話してきます。妻は、「可哀想で耐えきれない」と感じていました。昼は、比較的元に戻るので、義弟はリハビリ病院の入院継続を望みました。 そこで、短期的にですが、本日、義母を私の家に引き取り、1日2回の訪問リハビリをセットアップしました。 私は、64歳の大学の医師ですが、96歳の母と自宅で同居しています。大きな負担がかかる介護ではないですが、1人で暮らすことは難しいので、私と妻が簡単な朝食と夕食を出しています。 つまり、私の家は、本日から老人ホームになりました。2…

  • プレ老人ホーム

    人生100年時代にどのように備えたら良いでしょうか?80歳でホテルのような高級老人ホームに入ることが、目標でしょうか? 何歳になっても新しい刺激を受けたいと思ってらっしゃる方が多いのではないでしょうか?それを実現する繋がりはどのようなものでしょうか? 私は、今64歳ですが、自分が80歳になった時に入りたい老人ホームは見当たりません。キーワードは世代を超えた繋がりです。同世代の人とつながることも良いですが、自分と同じように歳をとってしまい、新しい刺激から遠のいてしまうでしょう。60歳から80歳の間で、プレ老人ホームのようなグループを作り、そこに若い人が参入し、VARや自動運転などの経験を供給し、…

  • 新しい産業

    先日、YouTubeで堀江貴文さんが、「何故、戦後の高度成長期に日本が経済大国になったか?」ということに2つの理由を挙げていました。 1つ目の理由は「戦後は、それまでの指導者が一掃され新しい世代の新しい指導者が出現した」こととのことです。なるほど、その通りと思います。 もう1つの理由は「戦後、日本が航空産業の参入が制限されたため、航空産業に流入していた優秀な人材が、自動車や電器の開発に注力した。」とのことでした。それでトヨタやソニーが大企業として育ったということを初めて知りました。おそらくドイツのメルセデス、BNW、フオルクスワーゲンも同じ理由で力を得ていったのでしょう。戦勝国が航空産業に力を…

  • ダイハード

    12日金曜日に義母が脳梗塞で救急入院しました。 軽い麻痺ですが、入院中、認知も進み、また新たな介護が始まります。 退院後、市谷で少しの間、引き取ろうとも思い、自宅で介護を続けている実母に伝えたところ、 「私は良いけど、お母様が気を使うから、自分は出ていっても良いわよ。」と驚愕の返事が返ってきました。 私が「どこに行くつもり?」と聞くと「姉のところでも行くわ」と答えが返ってきました。 カオスです。 実は、昨年、義父が軽い脳梗塞になり、やはり慈恵に救急入院したこともありました。 次から次へと押し寄せてきます。 映画のダイハードのようです。 当方もスキルがどんどん上がってきて「なんでも来い」という気…

  • 脳梗塞、心筋梗塞は地震と同じで、即座に対応することが勝負

    私の義母が、5/12に脳梗塞で、慈恵医大に緊急入院した時のお話をします。 義母は義父と2人暮らしで、隣に義弟夫妻が、住んでいます。 5/12の午前中のゴミ出しは、普段通り、できたそうですが、昼前に体が左に傾くようになり、お嫁さんが心配して義弟に申し送ったところ、夕食時には転倒したとのことでした。 私が22時ごろ、「人志松本の酒のつまみになる話」を観ようと準備していると隣の部屋から妻の声がしてきました。 「吐き気はどうか?めまいはないか?力が入るのか?視野欠損などないか?喋りづらくないか?」などと細かく聞いていました。 元々、義母はメニエル病でふらつくことはあったので、鑑別診断を聞いていたのです…

  • 0.5人分の医師の働き方

    私が勤務している慈恵医大では、女性医師の割合が増加しています。 首都圏の私立の医学部は、小中高一貫の私立の女子校あるいは男子校の入学者が多くを締めます。 これらの学生が医師になると、自分が子供の頃に親にしてもらっていたことを踏襲したい気持ちが芽生えること、あるいは同級生のママさん医師がQOL重視で医師を続けるスタンスに大きく影響を受けることから独身時代とは労働に関する取り組み方が変わってきます。。 そして、ママさん医師は幼稚園や小学校の送り迎えのために朝の定時出勤ができなくなってしまいます。 子供の送り迎えは父親がやっても良いと思いますが、現状は母親が担っているようです。 子育てのために大学を…

  • 開業医と在宅医

    私は64歳大学病院で医師をしていますが、退職も近いので開業をすることも考えています。私が以前勤めていた虎の門病院の先輩の先生は69歳で開業し、現在79歳で、現役で働いていらっしゃいます。先日、私は、そのクリニックで開業に関する様々なことをお聞きしました。 その中で、気になった一言がありました。「在宅医とケアマネジャーには注意をした方が良い。」ということでした。長い間、開業医が一生懸命見ていた患者さんが、高齢で通院が難しくなると、一人での通院が難しくなり、通院につきそうご家族の負担になります。そうすると区の高齢者相談センターからケアマネジャーが紹介されます。そして長年通ったクリニックではなく、ケ…

  • 桜を見せて見送りたい

    私は大学病院で医師をしていますが、癌、循環器疾患、脳卒中や感染症の患者さんは、冬に具合の悪くなることが多く、私が研修医の頃から「〇〇さんには、最期に桜を見せてあげたい。」と思い治療にあたりました。それは40年近く前の話ですが、今でも「桜を見せてあげたい。」と思い、働いている医療スタッフが多いかと思います。 私の父は大腸がんを患い自宅で亡くなりましたが、桜のシーズンには何度も花見に行きました。私だけでなく、姉の家族も桜を見に連れて行ったので、最期の春は4−5回花見をすることになったと思います。父が桜を見て笑顔になっていたことを思い出します。 しかし、今になって思うと「父は家族にために笑顔になって…

  • 時代を覆っていた空気

    先日、ノーベル賞作家の大江健三郎さんが亡くなりました。 ノーベル賞文学賞といえば、毎年、村上春樹さんが受賞するのではないかと騒がれますね。 私は、若い頃から村上春樹さんのファンでした。良く、村上春樹さんが経営するパブに足を運びました。 ご存知のように日本で初めてノーベル賞文学賞を受賞された川端康成さんです。川端康成さんは1972年に72歳で自殺しました。その時、私は14歳でした。中学の授業で「正当化される自殺はあるのか?」というテーマで話し合ったことを覚えています。 実は、その2年前の1970年には三島由紀夫さんが自殺しています。その時、三島由紀夫さんは45歳でした。三島由紀夫さんは市ヶ谷の自…

  • 過重労働の面談

    私は、産業医として数社と契約しています。 残業が大変でストレスを感じている従業員の方との面談についてお話しします。 もちろん残業時間を適切に抑えることは大切ですが、その前提のもと次のように進めていきます。 ストレスの感じ方は様々ですので、産業医は、先ず、時間通りに出勤できているかを伺い、その後に食欲、睡眠、加えて遊んでいるかを聞きます。 会社でストレスを感じている人は、会社が全てと考えてしまいストレスが増加してしまいます。 仕事や会社に依存状態であると言えるでしょう。実は沢山のことに依存状態になれば、「こだわり」から逃れることができます。 仕事以外で楽しいかどうかは大きなポイントです。なるべく…

  • 産業医の報酬

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしている64歳の医師です。先日、ある会社から「産業医になってくれないか?」と依頼がありました。「産業医の報酬」とネットで検索すると会社の従業員の数で報酬額に差があるだけでなく、報酬に大きな幅があることを知りました。私の給与は大学としての役職や経験で定められてきました。 産業医の仕事は、法令遵守に寄与することと健康経営に社風を変えることに寄与することの2大別されます。殆どの産業医は前者しか行いませんし、多くの会社のニーズもそこにあります。 法令遵守は社員の健診の受診率の向上、ストレスチェック、残業の調整などがあります。私は行動変容外来を行なっているので…

  • コロナの波

    私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの医師ですが、定期的に中央区のPCRセンターで発熱患者さんのPCR検査をしています。 昨日が当番でしたが、1人も発熱患者さんの来院がありませんでした。 現在、新型コロナウィルスの新規感染社数が減少しています。しかし、その理由がわかりません。 約3ヶ月ごとに新規患者数はピークを迎え、その後収束していきます。 新規患者数はワクチンやマスク、季節の修飾は受けるでしょうが、今回の減少傾向は、いずれも関係ないように思います。専門家でも腑に落ちる説明をしている方はいらっしゃらないようです。 医師として新型コロナウィルスの感染を捉えた時に、私たちが今まで理解していた事柄が不…

  • 患者さんと医師の関係

    私は、大学病院で行動変容外来を開設しました。行動変容外来は、患者さんの血圧などのデータだけでなく、生活を取り巻く職場や家庭の状況を伺い生活習慣を改善していただくことを目指しています。患者さんもどんな医者にも家庭のことなどを話す訳ではないので、外来を続けていくうちに患者さんと医師の距離が近づいていきます。 1ヶ月や2ヶ月に1度の外来だけでは十分な時間が取れないので、患者さんに私の携帯番号やメールアドレスを教えたくなることがあります。しかし、医療界では、患者さんに自分の連絡先を教えることはご法度に近いことです。 今更ながら、私は「それはどうしてだろう?」と考えることがあります。 常に連絡が取れる訳…

  • あら、ビックリ

    まだ、子供が小学生の頃、母と娘2人と4人で近所の焼き鳥屋に行った時のことです。 狭い店で、繁盛しているので、奥の席に座っているとトイレなど立つときには、手前の人に声をかけて、椅子をずらして移動する必要がありました。 私の奥の男性が、トイレに立つとイキナリ「邪魔なんだけど。」と言って私の椅子を押しました。随分と酔っ払っていて千鳥足になっていました。 一人であれば、「急に椅子を押すのは失礼じゃないですか?」などというかもしれませんが、小さな子供連れであったので、どの様に反応するか迷いました。反論する選択はないと思いましたが、そのまま黙っていたり、謝ることは、子供の教育上良くないと感じました。そこで…

  • コロナに罹患

    私は64歳の大学の医師です。私のコロナ罹患についてお話します。 2023年1/12に長女が腹痛を伴い38.7度の発熱し、1/13に慈恵医大でPCRを受けましたが、陰性でした。同時期に妻と次女が咳をし出しましたが、熱は36度前半で、コロナ感染で大学に迷惑をかけることをはばかったため経過を見ていました。 1/18に長女が38.2度の発熱があり、1/19再度長女がPCRを受け、陽性と判定されました。 1/20私は倦怠感はありましたが平熱で抗原検査も陰性でした。私と妻が念の為にPCRを受けたところ陽性を確認。大学の感染対策室に連絡したところ、1/27抗原定量検査で陰性が確認されるまで出勤停止となりまし…

  • ルッキズム

    世の中は、多様化を善として、容姿などの見かけの良さを評価することを悪とする風潮が覆ってきている印象を受けます。いくつかの大学でもミスコンが廃止されている様です。 一方で、政治家を含めて人前に出る職業の方の印象は以前より評価されている様な気がします。昔の佐藤栄作総理大臣の次の候補者として、三、角、大、福、中といって三木氏、角栄氏、大平氏、福田氏、中曽根氏の5名が挙げられていましたが、ルックスが良いかどうかなどは話題にも登りませんでした。今は、アウトプットが求められるので政治家の外見は無視できない要素です。 総論で外見重視はダメと言いながら、実際には外見重視になっている世の中に違和感を感じます。 …

  • 縦割り医療

    水準を保ち均一な医療を提供するために各学会はガイドラインを基に診療することを提唱しています。ガイドラインの元になるのが論文であり、査読という関所を通過したことにより論文の公正さが担保されると考えられています。 この医療の体系をevidence based medicine(EBM)と呼び、どの医者が見ても一定に量が提供できると信じられています。 しかし、そのようなマニュアルができると、自分の専門以外の疾患に手を出すことは医療者のリスクに結びつくので、急速に縦割り医療が一般的となってしまっています。 そのことに拍車をかけたのが、新型コロナウィルス感染症の流行です。 熱がある患者さんを診ると他の患…

  • 国民の政治に対するリテラシーの強化

    新型コロナウィルスの1日あたりの死者数が初めて400人を超えたと、12/27のネットニュース出ていました。今、1日あたりの死者数が過去最高になっているという事実に驚きを感じます。東京都の新規感染者数は1日の1万5千人程度ですが、感染者の保健所への届け出が確実になされていない今は、1日数万人の新規感染者数が出ているのではないでしょうか? 1ヶ月間で東日本大震災の死者数を超える勢いです。 そのような状況で、近々、中国から観光客がやってきます。国民の新型コロナウィルス危機感は薄らぎ経済優先の政策を受け入れるようになりました。 私たち国民の感覚は状況によって大きく変わります。 ロシアのウクライナ侵攻後…

  • 幸せな死に方

    私は、64歳の医師ですが、今まで大学病院を中心に勤務をしてきました。2000年以降、在宅医療が推進され、自宅で最期を迎えることが幸せだと考えられてきました。「大病院で点滴が何本も繋がれて、最期を迎えるより、住み慣れた自宅で人間らしい死を迎えること」が「良し」とされました。しかし、今は大学病院でもいたずらに延命治療は行わず、患者さんの苦痛をとる医療が浸透しているので寧ろ自宅で最期を迎えるより、在宅医療で疲弊しない家族に見守られて迎える最期というのも選択の一つだと思います。しかし、これらは自分というより家族との関係で選択されるものかもしれません。 自分で選択することは、「最期まで自分の成長を求める…

  • 余命の考え方

    私は現在64歳なので平均余命から考えると、後20年程度でこの世を去ることになります。20年前といえば40代であり、それほど昔という感じはしないので、あっという間に80歳を超えることになります。 しかし、私はこれからクリニックの開業やベンチャー企業の起業なども考えています。人生の残り時間から出来ることを考えると何もできない感じがします。 先日、40歳前後のビジネスマンと医学生とZOOM会議をしました。私が、これからクリニックの開業やベンチャー企業の起業なども考えていることに驚いていました。 私は、みんなが驚くことに驚きました。 患者さんを診ても90歳の人でも2−3年で亡くなるとは考えていないよう…

  • 医学における真実の見出し方

    現代医学の常識は、臨床研究において統計によって解析され、その結果が論文化され、治療ガイドラインに反映されます。 大型の臨床研究は莫大な費用がかかるため製薬会社によって行われます。薬Aを使用した10000人と薬Bを使用した10000人を比べ合併症の頻度や死亡率を比較しています。統計により僅かな差でも有意な差と評価されれば、それがガイドラインに反映され、殆どの医師がガイドラインに沿った治療を行います。 しかし、それが僅かな差であれば、次の研究で逆の結果が出ることがあります。この事実は新型コロナウィルス感染症によって明白になりました。当初、マスクは無効である。アビガンは魔法の薬である。ということが言…

  • 物差しに縛られることを選択する。

    私は64歳の医師です。今回新型コロナウィルス感染症に関する我が国の対応の不適切さに驚きを感じ、海外に投資した方が良いだろうと考えました。デジタル水準の低さを目の当たりにしました。丁度、大学を退職後のことを視野に入れると米国株で資産運用することは正しいと思いました。2021年の10月から米国株の購入を開始しました。しかし、その後ウクライナ紛争と米国のドル高によって株価は乱高下しています。私は経済に疎いので世界経済について学ぶのは良い機会だと思っていました。ウクライナ、コロナ、様々な事柄が株価に影響します。 しかし、最近気がついたことは、自分がお金という物差しに縛られていることでした。寝る前にダウ…

  • 調理師の徒弟制

    私は、64歳の医師です。先日、フレンチレストランのシェフと食事をしました。32歳で、素敵なレストランを開いたことに興味があったことと、応援したい気持ちで数回通っています。 ある時、シェフの方から「今度食事をしませんか?」とお誘いを受け、九段下のフレンチレストランでランチを取りました。私は四谷のレストランの経営状態が心配でしたが、私の予想に反して、すでに彼が13件の店のオーナーであることを知りました。 彼の志は「調理師の徒弟制に風穴を開けること」でした。調理師の世界はパワハラが横行し、加えてそのパワハラを容認する気風があるそうです。彼のインスタにはパワハラの報告があり、パワハラにあった調理師を、…

  • 調理師の徒弟制

    私は、64歳の医師です。先日、フレンチレストランのシェフと食事をしました。32歳で、素敵なレストランを開いたことに興味があったことと、応援したい気持ちで数回通っています。 ある時、シェフの方から「今度食事をしませんか?」とお誘いを受け、九段下のフレンチレストランでランチを取りました。私は四谷のレストランの経営状態が心配でしたが、私の予想に反して、すでに彼が13件の店のオーナーであることを知りました。 彼の志は「調理師の徒弟制に風穴を開けること」でした。調理師の世界はパワハラが横行し、加えてそのパワハラを容認する気風があるそうです。彼のインスタにはパワハラの報告があり、パワハラにあった調理師を、…

  • 思いがけない評価

    私は63歳の医師です。 腎臓・高血圧内科に所属し、長年、大学で診療に携わってきました。 自慢話になってしまうので、ブログにするかどうか迷ったお話をご紹介します。 先日の外来で、30年以上透析をされている患者さんを拝見しました。透析は近くのクリニックでされていますので、1年か2年に1度大学でしかできない心臓の検査やCTの検査をするために私の外来にいらっしゃいます。 私は定年間近なので、その患者さんに「あと、1年半で定年になり、外来を診ることはできなくなります。」とお話しすると、その患者さんが「寂しくなりますね。」とおっしゃっいました。私は「〇〇さんを、もう37年ぐらい拝見させていただいていること…

  • 恋愛について

    私は、63歳の医師ですが、1ヶ月に1度、医学生、医療者と一般社会人がWellbeingについて語る談話会をしています。 10/24のテーマはWellbeingと恋愛です。 「恋愛の初期のワクワク感」は何でしょうか? このワクワク感が何年も続く方もいらっしゃるかもしれませんが、私の経験上長くは続きません。パートナーを愛しているかとかいう問題ではなく、「恋愛の初期」は今までの「自分と違った世界に連れてってくれる感覚」を持っていると思います。 旅先で素晴らしい景色を観て圧倒される感覚と似ている感じがします。どれほど素晴らしい景色でも、その場所に住むとなると仕事のことなど現実的な問題が出てきます。恋愛…

  • 社会の進むスピードと人間関係

    私は63歳の医師です。腎臓・高血圧内科に所属し、長年大学で医学教育に携わってきました。腎臓・高血圧内科に入局する若い医師に、何故「腎臓・高血圧内科を選んだのか?」と聞くと昔は、「学問として腎臓が面白いから」、「腎不全の患者さんの救命はやりがいがあるから」と答える医師が多かったと思います。 ところが20年ぐらい前から「腎臓・高血圧内科は雰囲気が良いから、同級生で仲の良い友達が入ったから」などの回答がポツポツで始めました。私は、先輩も同僚も数年でメンバーが変わってしまうことから「一緒に働く人との相性で自分の進む道を決めるやり方」に疑問を持っていました。 しかし、定年間近になり、次の職場を選ぶ際に最…

  • 国の方向性

    約20年間、日本人の平均賃金は殆ど増加していないとのことです。物価の上昇速度も遅かったため、国民の平均賃金は殆ど増加していないことに気づかなかったとのことです。欧米ではラーメンが3000円時代に入っているとのことです。しかし、知らないうちに日本人の平均賃金は韓国に抜かれてしまいました。 日本の産業がどうして停滞し、今後どのようにして行ったら良いかの理念を話す政治家がいません。 理念がわからなければ、国民は政府の方針に共感できません。政府は、国の方向性を国民に問う努力をして欲しいと思います。マスコミもその努力を怠ってはならないと思います。 2022年10月6日時点の医師横山啓太郎個人の意見です。

  • 解剖実習

    医学部では、臨床実習を行う前に献体頂いたご遺体の解剖実習を行なっています。ホルマリンで保存されたご遺体は血管の状態も随分変化していますが、医学生が人の体に初めてメスを入れる実習となります。医学生は不慣れなため途方に暮れて、ホルマリン臭に苦しみながら実習を進めていきます。ご献体頂いたことを考えると不謹慎かもしれませんが、医学生にとっては苦行です。医師になるための関所と言っても良いかもしれません。 今では考えられませんが、私たちが医学生の時は解剖実習で手袋をはめることすら許されませんでした。医学生の感染のリスクを考えるとあり得ない指導方法ですが、自己犠牲の精神を叩き込まれました。 しかし、現在は動…

  • 世間というかたまり

    我が国の新型コロナウィルス感染症の死者数は1日あたり約100人で、以前高い数値となっています。しかし、政府は水際対策を緩め、感染者数の全例調査を止めようとしています。世間もコロナ疲れか経済を回すという合言葉のもと、昨年のような自主規制を行う風潮になっていません。 1日あたり100人でもウィルス感染症対策を緩めていくというベクトルは誰が決めているのでしょうか?それは、政府でもマスコミでもありません。政府は国民の目の色を伺い、政策を進めて行っています。マスコミも国民の目の色を伺うというスタンスは同様です。国民の目の色はもちろん政府の方針やマスコミの報道姿勢に影響を受けます。 政府の方針、マスコミの…

  • 自分の成績を隠す政府

    新型コロナウィルス感染症の新規感染者数は減少に転じていますが、死者数は相変わらず高い水準です。 それでも経済を回さなくては他国との経済競争で埋没していくことが予想されます。政府は感染者数の全例調査の実施を定点観測に変更する方針を立てました。感染した時の自粛期間も短縮することを発表しています。オミクロン株BA5になって人に感染させる期間が短縮したというエビデンスもないままの変更です。 2020年春から2年余り、新型コロナウィルス感染症に対して政府もさまざまな対応をしてきました。その対応について一定の検証もなされているでしょう。しかし、その検証について国民は知らされていません。接触感染よりは空気感…

  • ワクチンのキャンセル

    政府は10月からオミクロン株BA1および2に対応したワクチンの接種を発表しました。 「9月にワクチンの予約をしている方が、キャンセルして10月以降に新しいワクチンを打つべきか?」ということについてみなさん迷われると思います。正解を示すようなエビデンスはありませんし、政府も指針を公表していません。 しかし、先日保健所から連絡があり、「9月にワクチンの予約をしている方にクリニックからキャンセルするかの意向を聞いて対応するように。」とのことでした。 ワクチン予約者全員にクリニックから連絡することは途轍もない労力を要します。しかも判断基準は示されないまま素人の方が簡単に決定できるとは思えません。 政府…

  • 新型コロナウィス新規感染者数を定点観測

    政府は新型コロナウィス新規感染者数を全数把握から定点観測にする方針を示しています。一方で、海外からの入国の緩和、無症状感染者の自宅隔離の停止など従来とは大きく異なる緩和政策を提案しています。保健所にも登録されない前提では、本人が新型コロナウィス感染者でも症状が軽ければ通常の日常生活を送り、再び感染の大きな波を作るリスクがあるでしょう。 一般的に、制限を解いてリスクが大きくなる可能性がある時は、むしろ観察を注意深くすることに力点を置くべきです。現在、第7波もピークを越えつつあります。 今ならば、感染者診断時に入力項目を減らせば、医療機関は全数把握に耐えられると思われます。 入力を簡便にせず、全数…

  • 世代間ギャップ

    新型コロナウィルスの感染再拡大が起こっていますが、以前と比べて、感染症の皆さんの捉え方も最近変わってきています。私は、新型コロナウィルスの感染について医学生と積極的に話をするように努めています。 新型コロナウィルスの感染により、医学生の授業は一変しています。 病院内で新型コロナウィルスの感染拡大が起きないようにリモート授業が主体となっています。そのため 学生間、特に先輩・後輩の交流が希薄になり、母校への帰属意識・愛校心が希薄になりがち。 クラブ活動が自粛されるのでアルバイトをする学生が増える。 という傾向があります。 それでも、新型コロナウィルス感染拡大開始から3年経って、少しずつクラブ活動も…

  • 医学生のアンケート

    私の妻は、ある私立医大の生理学教室で医学生を教えています。実習では水分を沢山摂った時に、尿の成分がどのように変化するかを解析する実習を長年しています。40年前に私が医学生だった時も同様の実習を行なった記憶があります。 妻は実習の最後に学生に実習の感想を記載するアンケートを収集することを指示したそうです。その回答の中に「自分の尿を男性の医学生が解析するのは不愉快である。」というものがあったそうです。 妻は、びっくりすると共になるほどとも思い、「だったら、その場で言ってくれたら良いのに。」と娘に言ったそうです。すると娘は「アンケートを出すように言われたので、無理やりコメントを出す場合もあるので、大…

  • 看護師の退職

    新型コロナウィルス感染症拡大で新規感染患者数が大幅に増加しています。 多くの大学病院で、看護師の退職者の割合が増加しているそうです。その中でも新型コロナウィルス感染病棟勤務の看護師の退職者の割合が多いと聞きます。 医療者は、自分の休みを減らして重症患者さんを診ることは覚悟しています。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大以前は、患者さんを診ることで、自分が感染することは全く想定していませんでした(米国で新型コロナウィルス感染症に対応しているCDCは軍隊の一部です。細胞兵器に対応する部門です。)。 新型コロナウィルス感染病棟勤務の看護師の退職の割合が多いが多いことは合点がゆきます。 しかし、良く話…

  • 新型コロナウィルス感染症治療薬に処方

    現在、新型コロナウィルス感染症の経口抗ウィルス治療薬として2剤承認され、現在国産の治療薬の申請を政府が審議中です。 国産薬はウィルスの増殖は抑制できる可能性はあるものの症状改善に明確な効果が示されていないという疑義から審議が延びています。 現在使用できる経口抗ウィルス治療薬でバキロビッドという薬があります。しかし、この治療薬を扱える薬局が少なく、現在は院内処方が可能な大きな病院のみで処方されることが多くなっています。 高価な薬なので、感染者全員に処方することはできませんが、私はハイリスクの患者さんには処方したいと考えています。 そのために、製薬会社に施設登録をして慈恵医大病院に申請し、さらに動…

  • 発熱患者難民

    コロナの隔離期間の短縮を求めるブログを7/20に書いたら。本日隔離期間の短縮が発表されました。 ところで、私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックでは発熱外来をおこなっていますが、発熱の方と一般の患者さんはゾーニングによって隔離されています。そのため1日で拝見できる患者数は数人です。 一方、発熱の方は抗原キットで陽性になった時には医療機関を受診するように会社から求められるのですが、発熱患者さんを診るキャパシティーはクリニックにはなく、断られることが多いようです。 感染患者数が増えれば、皆さんの感染のリスクは高まります。オミクロン株の感染形式の主体はマイクロゾーム感染で、換気が悪ければ一般…

  • 新型コロナウィルスの感染再拡大で思うこと

    新型コロナウィルスの感染再拡大が起こっていますが、以前と比べて皆さんの捉え方も様々ではないでしょうか? 新型コロナウィルスは弱毒化しいているものの高齢者への感染は重症化するし、後遺症のリスクもある。 子供は成長や熱中症の観点からマスクは外すことが推奨される。 無症状の感染者も多く存在するし、自分が感染してしまうと家族も含め10日前後の自宅待機が必要となる。 ことは、周知のこととなっていると思います。 高齢者への感染は重症化するし、後遺症のリスクもあることから、4回目のワクチン接種が急がれています。しかし、私の外来には3回目の接種後3ヶ月で新型コロナウィルスに罹ってしまった患者さんが受診されてい…

  • 体内システムがリセットするよう刺激を与える

    “寒中水泳”やサウナが体に良いと考えられています。 極端な温度に短時間でも体を晒すことは、細胞にストレスを与え、断続的断食と同様に、サーチュインと呼ばれる長寿遺伝子を活性化させることが期待されています。例えばウォーキングをする人なら、10~30秒ほど早歩きするのと、通常のペースで長く歩くのを交互にやるといいそうです。 朝食を抜き、13時に昼食を食べ瞑想しましょう(できたらフリースタイルリブレで血糖を測定し、低血糖になっていないことを確認しましょう)。18時から20分ほどジョギングかスクワットをして冷たいシャワーを浴びる。19時から赤ワインを飲みながら夕食(野菜や果物、魚、脂肪の少ないタンパク質…

  • DNAの長寿スイッチをオンにする

    食生活やその他の習慣が生物学的年齢を若々しくする方向に導くことができる可能性があります。 最近のヨーロッパにおける研究では、野菜や果物、魚、脂肪の少ないタンパク質、ナッツ、マメ類、オリーブオイルなどを多く摂る地中海ダイエットを1年間実践した人は、生物学的年齢が約1.5歳若返得ることが報告されています。 モデルの方が盛んにナッツを推奨しているのはこのことが根拠でしょうか? 長寿研究では、タンパク質の摂りすぎはmTORと呼ばれる老化を速める酵素を活性させることがわかっています。肉を制限し、豆類や大豆など植物性タンパク質を多く摂ることが推奨されています。 世界保健機関(WHO)は、肥満やメタボ、2型…

  • 長寿の秘訣

    「長寿の秘訣は?」と聞かれたら皆さんはどのように答えるでしょうか。 最近の研究では チョコレートを毎日食べるとか、缶ビール500mlを飲むとか、あるいは好きな仕事をするとか、友達をたくさん持つといったようなことが長生きに有効であるという結果が出ています。 これは、チョコレートやビール自体が体に良いというのではなく、チョコレートやビールを買える経済的な状況を見ているだけだという評価もあります。 そうであっても、世界中の科学者たちも100歳以上生きる長寿の鍵について研究しています。 後ろ向きのな思考では楽しく歳を重ねることはできないですし、体も衰えていきます。そこで、どうすれば長生きできるかを理解…

  • 新型コロナウィルス感染症の現状

    新型コロナウィルス感染症の第6波が落ち着いてきており、皆さんの新型コロナウィルス感染症の捉え方も人によって大きく異なると思います。 今までの飲食店に制限を設けた人流抑制は適切だったのか? 4回目のワクチン接種はした方が良いのか? 感染者はこれからどのように推移していくか? 行動制限はいつまで必要か? など、さまざまな疑問が湧いてきます。 これらのことを考える前に、まず整理しておきたいことがあります。 それは、現在の新型コロナウィルス感染症新規感染者数と1年前の新規感染者数では意味するところが、大きく異なるという点です。 発表されている実数より遥かに多い感染者がいる可能性があることが想定されます…

  • 医療のパラダイムシフト

    私は1985年に大学を卒業し、医師になったので今年で37年医療に携わっていることになります。その間、大きく進歩した医療分野もあれば、ほとんど変わらない医療分野もあります。 それは医療の進歩といえば、医療技術の進歩を想像することが多いかと思いますが、本日は医師―患者の関係のシフトについてお話ししたいと思います。 私が医師になった1985年から1990年中盤までは癌の患者さん本人に癌の告知をすることは殆どありませんでした。癌の患者さんには前癌状態であるという説明のもと家族と命を助けることを主眼とした医療がなされました。患者さん本人が真実を伝えられていないので、主治医以外の医師が患者さんや家族と接す…

  • 65歳からの挑戦

    私は、現在63歳で慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしています。定年まで後2年となりました。40年間大学に身を置き、大学での臨床、研究、教育の仕事を任されていました。定年後はもっと自由な、「自分が患者になったときにかかりたいクリニック」を作るのが今の夢となっています。 しかし、私が考える「自分が患者になったときにかかりたいクリニック」は今まで世の中に存在していないので、そのコンセプトの認知までに時間がかかるでしょう。 私が働けるのは後10年程度と思われるので、多くの友人が、「そのようなクリニックの開設は難しいだろう」とアドバイスをくれます。私自身も経済面から厳しい挑戦になることは予想ができ…

  • 不安定な社会で私たちができること

    ロシア軍のウクライナ侵攻が毎日マスコミに取り上げられ、数多くの専門家がコメントしています。 私は、国際情勢に詳しくないので、専門家のコメントに納得することも多いのですが、将来のことを問われると明確な解答を述べる専門家が少ないことがわかります。今後の方向性には、国内外の政治、経済、軍事あるいは災害や感染症によって不確実な出来事が大きすぎる気がします。例えばゼレンスキー大統領の身辺に何かが起きたり、原発事故や軍事上のアクシデントによってどのように世界が進むかが全く見えません。 米国大統領がトランプ氏であったら、ドイツの首相がメルケル氏であったら、など考えても不確実な点が多いと思います。 軍事の専門…

  • 相手の印象を指摘する。

    私が行動変容外来を行なっていることが原因かもしれませんが、多くの方の相談を受ける機会があります。 相談の中に「Aを行うのとBを行うのとどちらが良いでしょうか?」のような選択を求めるものがあります。 選択は動物の中で人間だけが行う作業です。人に殴られた時に人間以外の動物は逃げることを選択しますが、人間だけは「自分のことを考えてくれたので殴ったのではないか?」と判断を選択します。 人が選択する場合に3つの基準で選択すると言われています。それは「善か悪か」「損か得か」「好きか、嫌いか」です。 しかし、この中で最も強く人の感情を動かすのは「好きか、嫌いか」だと思います。 我々は、人から相談を受ける時に…

  • ロシア人の平均寿命

    ロシアによるウクライナ侵攻について毎日報道され、気持ちを重くしている方が多いと推察します。 私もその一人です。皆さんはロシア人の男性の平均寿命をご存知ですか? なんと、68歳だそうだそうです。 https://honkawa2.sakura.ne.jp/8985.html 主要欧米国の男性の平均寿命は79歳ですので10年短命ということになります。 これは、寒さのせいではありません。アイスランドの男性の平均寿命は80歳を超えています。それでは、プーチン大統領は何歳だかご存知ですか?69歳です。つまり、ロシア人の男性の平均寿命を超えているのです。 次のロシア大統領選は2024年です。彼が平均寿命を…

  • 医師の性差による問題

    現代は性差よって画一的な意見を述べることはリスクがあります。特に性差問題に関する教育を受けていない私が、医師の精査問題を述べることは覚悟がいることです。 数年前に医学部受験で女性に比べて男性が加点されていることが、大きな問題となりました。文科省の指導があり、ほとんどの大学が受験における性差別を排除しています。 しかし、医療ではその仕事の適正によって、性差を考えなくてはならない場面があります。大きな外科手術では筋力・体力が必要ですし、心臓カテーテル検査は、被曝することから女性医師に敬遠されることが多いです。 一方、患者さんの話を聞く能力は女性の方が優れているという印象を持ちます。私が所長を務める…

  • クリニックの実感

    新型コロナ感染者数が、先週を超える日がポツポツあり、第7波の可能性が危惧されています。 東京都の新型コロナ感染者数は8千人前後でこれは第5波のピークの倍以上の数値です。しかし、私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックの発熱外来受診患者数は、現在もそれほど多くありません。むしろお子さんから職員の感染が続いていて医療スタッフに複数名の感染者が出ています。この数は第5波とは比べ物にならないぐらい多い印象です。 80%の高齢者の3回目のワクチン接種が終わり、子供へのワクチンが進まない今、高止まりを抜け出すことは出来そうにありません。 現在、新型コロナ感染症に対する経口薬は2種類あります。国産の経…

  • スマートフォンでの毛細血管の測定

    私は、老化を「外的な負荷を処理できなくなること。柔軟性を失うこと。」と定義しています。 塩が処理できないことが高血圧に、糖が処理できないことが糖尿病に、脂質を処理できないことが脂質異常症に繋がります。この柔軟性は何によって規定されているのでしょうか? それは、処理する細胞の機能と糖や脂質をその細胞に運ぶ毛細血管量に規定されると考えています。実はその細胞自体も毛細血管によって栄養を受けて機能するので、毛細血管量が低下することは体の柔軟性を失うことと直結します。毛細血管量の減少は、臓器を選ぶことはありません。脳の血管、心臓の血管、腎臓の血管、あるいは皮膚の血管も同様に減少していきます。ですから、脳…

  • 近未来リモート診療

    近未来リモート診療 新型コロナウィルス感染症は日本がIT後進国であることを私たちに教えてくれました。米国の振り込み詐欺はAIがディープラーニングで進化した対応をする音声システムで行われるようになってから、それまで人が行っていた時よりもはるかに効率よく相手をだますことが出来るようになったそうです。 医療の世界でも同じようで保健指導を人間が行うのとバーチャルアドバイザーが行うのとどちらが有効であるかという研究報告が、Mueller先生から報告されました(JAMA Intern Med 2020 Sep 28)。 その結果、バーチャルアドバイザーと人間のアドバイザーは、いずれも歩行時間を週に2時間超…

  • 医療者のマスク

    新型コロナウィルス感染症の第6波による新規感染者数が徐々にではありますが、減少しています。 変異株の出現など不確定要素はあるものの、新型コロナウィルスもいつかは一般的な風邪と同じになっていくことを多くの研究者が予想しています。 しかし、感染症に対する恐怖心は、個人個人で大きく異なるので、新型コロナウィルスが弱毒化してもマスクをつけ続ける人は一定数いらっしゃると思います。そして、その方々は、相手にもマスクをつけることを希望するはずです。 もしそうであれば、今後医療者は診察時にはマスクを外すことは出来ないことが予想されます。 新型コロナウィルス感染症は症状が出る前に人にうつすので、無症状でもマスク…

  • 忙しい時こそ、心に余裕を

    どの仕事も同時並行で進んでいくことが多いかと思いますが、医師も何人かの患者さんの問題に同時に対応しなくてはなりません。特に新型コロナウィルス感染症蔓延期では、スタッフやスタッフの家族の感染と勤務状況を調整する必要があります。 先日、外来の最後の予約の患者さんがいらっしゃらなかったので、キャンセルと判断し、病棟のコロナの患者さんに面談に行っていました。 そして外来に帰ってきたところ、最後の予約の患者さんが「40分待たされた」とご立腹でした。 普段は、怒るような患者さんではない方です。私が席を外して5分後にいらしたようでした。 「私がもう少し、待っていたら良かったですね。病棟の面談は5分で終わった…

  • 日本の新型コロナウイルスの感染状況

    新型コロナウイルスのパンデミックが起こっている中で、我が国の感染者数と感染による死亡者数は極めて低いと報道されていました。 しかし、年始から第6波に見舞われ、それまでは1日の新規感染者数が1000人でも多いと感じていたのに今では1万人を超える日が続き、その数に驚くことはなくなりました。 本当に我が国の感染者数は少ないのでしょうか? ロイターのサイトでの紹介によると世界で最も1日新規感染者数の多い国はどこだと思いますか? 1位韓国、2位ドイツ、3位ベトナム、4位ロシア、5位日本です。 https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-a…

  • 新型コロナウイルスの経口治療薬(パキロビッド)

    新型コロナウイルスがインフルエンザウイルス並みになるには、抗インフルエンザウイルス薬であるタミフル(オセルタミビル)のような、新型コロナウイルスにも有効な経口治療薬の出現が必要です。 本年2月に承認されたパキロビッドは、新型コロナウイルスの重症化を防ぐことで期待されています。 しかし、厚労省からの通達では ○令和4年2月28日以降の取扱いについて ・本剤を扱える医療機関は、院内処方が可能な病院及び有床診療所 (試験運用期間からの新型コロナ病床確保医療機関を引き続き含む) となっています。 つまり、処方できるのは、院内処方が可能な病院及び有床診療所ですので、クリニックが薬剤を使用して重症化を防ぎ…

  • 戦争と感染症

    ロシア軍がウクライナに侵攻し、ウクライナを制圧しようとしています。多くの国がロシアの行動を避難しているものの有効な手立てが見つからないと報道されています。ロシアと西欧諸国が武力衝突する可能性は低く、ロシアへの経済制裁により、ロシアの侵攻を止めようとしています。 しかし、経済制裁は制裁する側にも大きなダメージを与えます。特にヨーロッパのエネルギー供給はロシアに大きく依存しています。 このダメージに耐えられるかは、国の体力が維持されていることが必要です。新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、世界経済は疲弊しています。そのタイミングを狙ってプーチン大統領が動いたという印象が持たれます。 それ…

  • 3回目のワクチン接種後2週間は自重しましょう

    新型コロナウィルス感染症3回目のワクチン接種で我が国は大きく遅れを取りました。オミクロン株が2021年末に発見された頃は、日本の1日の新規感染者数は東京でも10名前後と落ち着きを見せていたので、このような事態は予想ができませんでした。ワクチンの確保に出遅れてしまったのかもしれません。 おそらく、今週から来週に感染のピークを迎えそうですが、速やかに新規感染者が減少しなければ、入院ベッドの確保はさらに困難になっていくでしょう。 そんな中ワクチン3回目のワクチン接種をそろそろ予定されてらっしゃる方も多いと思います。ファイザーが良いとかモデルナが良いとか迷ってらっしゃる方もいると思います。副反応は個人…

  • 感染に対する我が国の危機管理。

    変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、新型コロナウィルス感染症の爆発的な感染拡大が起こっています。 私は、新規感染者数の増加を我が国のPCR検査能力では感知できないことを1月15日のブログで発信しましたが、残念ながら予測通りになってしまいました。 若い人感染疑いの人にPCR検査が回らないことが危惧され、「検査をしなくても診断できる。」というコメントが厚労大臣からも発信されましたが、検査をしていない感染者の濃厚接触者はどうなるのでしょう? それだけ、PCR検査が十分行われていないのに、陰性証明で多人数の会食を認めようとする東京都の方針は受け入れられるものなのでしょうか? 感染者の増加のス…

  • 欧米スタイルを真似るのはタイミングが早すぎます。

    変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、新型コロナ感染症の爆発的な感染拡大が起こっています。 私のクリニックでもワクチンを2回接種して、リモートワークの方でもPCR検査で陽性になってしまう患者さんがおられます。オミクロン株の感染力は強く、今までとは全く異なり、身近まで感染の脅威がきていることが認識できます。 オミクロン株が弱毒化したことが、感染者数を上昇させていると思われます。軽症の感染者たちが社会活動性も高いので、感染爆発に寄与しています。 欧州では、感染者数を抑えるよりは集団免疫を得ることに舵をとった印象を受ける国にもあります。 しかし、英国と日本の感染状況は全く異なります。 日本の…

  • 日本で新型コロナ感染症の新規感染者数が1日20万人に及ぶのでしょうか?

    変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、新型コロナ感染症の爆発的な感染 拡大が起こっています。 英国やフランスでは新規感染者数が20万人に及んでいます。人口比で考えると日本では1日30万人になっても不思議はありません。 我が国の1月4日の新規感染者数が1151名であったのに1月14日には18864人と10日間で10倍に増えてしましました。このペースで上昇すれば、2月には1日30万人になっても不思議はありません。 しかし、私はそのようなことが確認できないと考えています。 現在の我が国の1日平均のPCR検査数が10万だからです。2週間程度でこの検査数を2倍にしても感染者の増加に追いつきません…

  • 中国やサウジアラビアの選手は今どこにいるのでしょうか?

    変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、爆発的な感染拡大が起こっています。 しかし、「オミクロン株は弱毒化している。」「既に第5波を経験して慣れている。」ということで、今までとは随分風向きが違います。マスコミも危機感を煽りすぎという批判もあり、論調が変わってきました。なんとなくぼんやりした感じです。 おそらく第6波は今までと全く異なる状況になるかとは思いますが、顛末を予想できる人はいないと思います。 情報が溢れているようで、欲しい情報がありません。ワクチンの2回目あるいは3回目接種のブレークスルー感染の頻度が分かりません。オミクロン株の感染力が強いのは飛沫感染か接触感染か空気感染かも不明…

  • 新型コロナウィルス感染症の濃厚接触者の扱いについて。

    変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、爆発的な感染拡大が起こっています。 オミクロン株の感染拡大の大きさは予想がつきませんが、もはや3回目のワクチン接種を進めてもその拡大を抑えられないことは、欧米のデータから予想されます。 もし、オミクロン株に感染の主流が置き換わり、弱毒化しているという予想が成り立つのであれば、まず起こるのは重症者の増加による医療崩壊ではなく、感染者及び濃厚接触者の隔離によるインフラの崩壊です。 今後日本でも数万人以上の感染者が出た場合に、一体濃厚接触者はどのくらい出るのでしょうか? 私は、他国と同じようにワクチンを2回接種している濃厚接触者の隔離期間を短くすることが…

  • 新型コロナウィルス感染症は後1ヶ月が正念場です。

    変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、爆発的な感染拡大が起こっています。 オミクロン株は3回目のワクチン接種である程度の感染は抑えられるものの、抗体の減少速度からみて、感染抑制効果は数ヶ月も持たないことが予想され、ワクチン接種だけでは感染拡大は防げないと思います。 実際に米国で医療従事者の10%が感染したという報告や沖縄で300人以上が感染あるいは濃厚接触者になった事実を考えると3回目のワクチン後のブレークスルー感染も一定数いると思われます(医療者は3回目の接種が終わっていると思われます)。 米国や欧州では20万から100万人の新規感染者数となっていますが、死者が数百人から千人程度であ…

  • 数年後の新型コロナウィルス感染症に対する選択

    明けましておめでとうございます。 新型コロナウィルス感染症の新規感染者数が増加に転じています。第6波が近々来ることは避けられない状態です。 変異株がデルタ株からオミクロン株に置き換わり、感染力が4倍程度増加したと報道されています。 「数年から10年程度で新型コロナウィルスはいつか従来の風邪ウィルスレベルの重症化しかもたらさないウィルスに変化していくこと」は、従来から言われていました。一般的にウィルスは、ウィルス自体が繁殖していくために、感染力は増す一方重症化しないように変異していくことが予想されています。もし、強毒性になれば、ウィルスに感染した人が他人にうつす前にウィルスに感染した人死んでしま…

  • 新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬の手に入れ方

    新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬が承認され、今年中にクリニックでも処方可能になるというニュースがあります。私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックでも新型コロナウィルス感染症患者さんを拝見しているので、このニュースは朗報でしたが、現場での問題点を12月20日のブログに掲載しました。 12月20日の時点では、全く先が見えませんでしたが、「経口治療薬の手に入れ方」がわかりました。 経口治療薬モルヌピラビルを処方するには、処方を希望するクリニックが厚生労働省に申請します。また、登録後に、発売元のMSDにも連絡します(ここまではクリニックがすることなので患者さんには関係ないかもしれませ…

  • 新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬

    新型コロナウィルス感染症に対する経口治療薬が承認され、今年中にクリニックでも処方可能になるというニュースがあります。私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックでも新型コロナウィルス感染症患者さんを拝見しているので、このニュースは朗報であり、クリニックとしても適切な対処が必要と考えています。 しかし、薬剤が承認されても大きなハードルがあります。 患者さんが陽性と診断された後にどのように治療薬を取りに行くかということが、見えてきません。 当院では新型コロナウィルス感染症の疑い患者さんは、発熱外来で唾液PCRをやって頂き、帰宅後にPCRの結果をお伝えしています。経口治療薬は発症早期に使用すること…

  • 第7の習慣:刃を砥ぐ~4つの側面の進化~

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第7の習慣:刃を砥ぐ~4つの側面の進化~ 「習慣として身につけ意識せずともできる」状態になるように働きかける 第…

  • 第6の習慣:相違点を重視して、相乗効果を発揮する

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第6の習慣:相違点を重視して、相乗効果を発揮する 患者さんの主体性を引き出すには、患者さんの個性を尊重することが…

  • 第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される 患者さんの身になって、相手の話を聴くことが大切 自分の言い分・指示…

  • 第4の習慣:Win-Winを考える

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第4の習慣:Win-Winを考える 医療者と患者さんとのWin-Winの関係を築くことが大切 7つの習慣において…

  • 第3の習慣:重要事項を優先する

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第3の習慣:重要事項を優先する 事柄に優先順位をつけることに習熟する 私たちにとって「健康」は、人生の重要事項の…

  • 第2の習慣:終わりを思い描くことから始める

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第2の習慣:終わりを思い描くことから始める ゴールを明確にした健康管理 生活習慣病患者の行動変容において、「終わ…

  • 第1の習慣:主体性を発揮する

    このブログは、7つの習慣を生活習慣病診療でどのように用いたら良いかの私の考えを紹介するものです。もし、医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。医療者のマニュアルを医療者以外の方がお読みになるのも良いのではないでしょうか?ただ、医療者のマニュアルなので「患者さんに気づかせる」など上から目線に見える記述はご勘弁ください。 第1の習慣:主体性を発揮する 生活習慣病のリスクを、自分のこととしてとらえる スティーブン・R・コヴィーが提唱す…

  • 医療版7つの習慣とは

    はじめに 「7つの習慣」は、優れた人格の養成が成功には重要であるとする人格主義に基づき、スティーブン・R・コビーが過去の成功者たちの行動・思考を分析し長期にわたって望む結果を獲得し続けるためのエッセンスをまとめて書籍化した成功への法則です。私はこの法則が医療にも役立つものと考えて行動変容外来を設立しました。これから数回のブログでそのことを説明していきたいと思います。 医療者ではい方は医療者を自分の健康に目を向ける立場(自分の健康を俯瞰して見る立場)、患者さんを自分の健康に対して目を向けたいけれど仕事などで時間に追われているもう一人の自分(普段の自分)と考えてみてください。 コヴィーは『7つの習…

  • 人間ドック受診前の発熱について

    私が所長を務める慈恵医大晴海トリトンクリニックは人間ドックや健康診断を行っています。コロナ禍では、人間ドック受診前14日間平熱であることが受診の条件としています。前もって受診する方には案内でその旨を伝えているのですが、数日前発熱していても来院してしまう方がいらっしゃいます。 そのうち殆どの方は、事務の説明のもと帰宅いただけるのですが、中には「自分は絶対コロナではないので受診したい。」と言って帰宅のお願いを聞いてくださらない方がいらっしゃいます。 そうすると所長の私がご説明とお願いをすることになります。先週も2名の方が、どうしても人間ドックを受けたいと希望されました。 新型コロナウィルスは様々な…

  • メモの力は素晴らしい

    母が入院中に大腿頚部骨折になり、介護保険申請や自宅の改装など「てんやわんや」です。そこで、「子供のサポートは苦にならないのに、親の介護は負担になるのは何故か?」について考えてみました。 子供は成長の過程で、ゴールが見えるが、親の介護は、いつまで続くか解らない。 子供のサポートは自分が行うことが明確だが、親の介護は他の兄弟など誰がやるかは明確でない。 子供のサポートは夫婦でできるが、親の介護は配偶者に遠慮がある。 職場も子育てには理解があるが、親の介護に対してはサポート体制がない。 子供は成長によって明るい気持ちを与えるが、親の能力が失われていくことが寂しい。 子供の体重は軽いが、親の体重はそこ…

  • 2021年も10月になり、残るところ3ヶ月

    2021年も10月になり、残るところ3ヶ月です。今年は新型コロナ感染症とオリンピックの年でした。今となっては、オリンピックが新型コロナ感染症感染拡大にどの程度影響を与えたか解りませんが、オリンピックが待ち遠しいというより、オリンピックが大きなリスクの象徴であったと思います。 海外の人々は東京オリンピックをどう観たのでしょうか?海外でのオリンピックの時期のオリンピック以外のニュースは、やはり新型コロナ感染症だったのでしょうか?無観客のオリンピックをみてどのように感じたのでしょうか? 日本人には検証するという習慣が抜けているように思えます。コロナ接触アプリでITの遅れを国民が感じ、ワクチン確保も他…

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