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医新伝心 https://ishindenshinishindenshin.hatenablog.com/

医師横山啓太郎個人のブログです。 腎臓・高血圧内科に行動変容外来開設し、 現在は慈恵医大晴海トリトンクリニック所長をしています。

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2020/04/24

  • 虚構を作る技術

    先日、声優の増山江威子が亡くなりました。 キューティーハニー、峰不二子、バカボンのママなど、多くの声で私たちを楽しませてくれました。私自身、アニメのテロップでお名前を拝見するぐらいでした。私が最も印象的なのはルパンIII世の峰不二子役です。若々しい声を覚えています。 驚いたのは、今回の訃報で紹介された増山さんの年齢です。享年88歳でした。 1977年の『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』より、峰不二子役を沢城みゆきさんに交代する2011年まで演じたそうです。ということはおやめになる前は74歳で峰不二子を演じていたことになります。 視聴者は74歳の増山江威子の声で、峰不二子の若々しさをリアルに感…

  • 非風非幡

    禅問答の興味深い例文に「非風非番」という例文があります。 幡とは旗のことです。 風になびく旗を見た二人の修行僧が、「あれは風がなびかせているのだ」「いやあれは、旗がなびいているのだ」と言い争って譲りませんでした。 同じ現象を見ても理解が異なることがあります。 この場面では、高僧が「あれは風が揺らしているのでも、旗がたなびいているのでもない、君たちの心が動いているのだ」と説いて二人を納得させたとのことです。 私たちは目の前の現象を理解しようとしますが、「起こっている現象をどのように感じるか?」が神に与えられた人間の能力です。 「考えるな、感じろ」というのは「燃えよドラゴン」という映画でブルース・…

  • 大学の中枢の高齢化

    先日、日本の社長の平均年齢が発表され、若年化が進み50代半ばになったとのことです。そのことで日本経済のグローバル化も進み、海外からの評価も高まるとのことです。 翻って大学医学部の中枢のメンバーは、ベテラン教授から選出されることが一般的です。そうなると1番若手で60歳を超えています。大学医学部の中枢のメンバーのベテランになると70歳代のことが殆どと思われます。しかも医学部の教授は、学問の専門家で経営はアマチュアです。さらに言うなら、医学部は、内科、外科など細分化していて、その科の教授が科の運営については主導権を持っています。 縦割りで科の運営に大学の中枢部が手を突っ込むことが難しい構造があります…

  • 結論の出ない話を楽しむこと

    先日、慈恵医大と関連している企業の方々の行動変容についての講演を依頼されました。 聴衆は、医師、保健師、会社の人事の方など様々な職種の方が、聴衆です。会場に来られる方もいらっしゃいましたが、Webで視聴される方もいました。 専門的な内容は、一般の方には面白くないですし、統計をまとめたようなおざなりな話もいただけません。 また、会場だけであれば、会場参加の方と一方通行でない話し方をするのですが、それだとWebで視聴される方が退屈な場合も出てきます。 あらかじめ、会場で回答してもらう方を準備し、内容も「健康」という一変的な考え方を掘り下げていくように準備しました。特に注意したのは、結論を話すのでは…

  • 医師の視点と管理者の視点

    私の所長を務めている慈恵医大晴海トリトンクリニックでは、今も発熱患者さんを一般の患者さんと厳格にゾーニングして拝見しています。 そのために、1日拝見できる発熱患者数は限られ、受診をお断りするケースもあります。 そのような診療体制を行なっているのは、クリニックの管理上、 他の患者さんにコロナを感染させたら大変 スタッフ間でクラスター感染が起きたら大変 などの理由があります。 しかし、先日ある大手銀行に勤める患者さんに伺ったところ「コロナ感染しても本人が大丈夫であれば、マスクして窓口で働いている」ということでした。慈恵医大晴海トリトンクリニックが慈恵医大病院に属するので感染対策には高いハードルを課…

  • NEC本社ウェルネスプロモーションセンターで行動変容の話をしてきました。

    一昨日、NEC本社ウェルネスプロモーションセンターで行動変容の話をしてきました。 NEC本社ウェルネスプロモーションセンターの保健師の方は、「健診結果によって社員の方に保健指導をしているとのことですが、なかなか社員の方のマインドが変わらない」ということでの講演の依頼です。私が数年前に書いた「健康をマネジメントする」が心に刺さった保健師がいて、依頼を受けるようになったとのことでした。 1.「わかっちゃいるけどやめられない」社員の方のマインドを15分で変えることは、とても困難であること。 2.人は、善悪・損得・好き嫌いの3つの基準で行動を選択すること。 3.そして、その中で最も強力な選択基準は好き…

  • 行動変容外来の展開

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックで行動変容外来を行っています。その内容に興味を持つ方が多く、今週もNECウェルネスプロモーションセンター、株式会社 タニタの他数社で講演を依頼されました。テレビの取材の連絡もありました。 昨日は、北里大学の医学生の方が「行動変容外来のパイオニアの先生のお話を伺いたい。」と来訪されました。 医療関係者の多くの方が、生活習慣病の保健指導に頭を痛めていて、私の著書である「健康をマネージメントする」をお読みになっている様です。コロナ禍で行動変容外来の見学を希望される方をお断りしていましたが、そろそろ再開しようと思います。 しかし、行動変容外来を広げるためには、効率よ…

  • フェケアあるいはフェムテック

    今度、「会社で女性活躍推進のために知るべき健康課題のリテラシー」についての講演を依頼されました。 当初は、フェケアあるいはフェムテックのように女性の生理的な状況に対しての会社のリテラシーを上げることが主旨でしたが、フェケアあるいはフェムテックのような文言をなるべく使わないようにという希望が主催者からありました。フェケアあるいはフェムテックのような文言には女性社員あるいは男性社員の中で距離をおく人もいるだろうということから、そのリクエストが出たらしいとのことですが、正にそのような日本社会がフェケアあるいはフェムテックに対する問題を棚上げにしてきたのだと思います。 それはさておき、女性あるいは男性…

  • 19歳の少年

    私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長ですが、今年度退官となり、本日、大学の皆さんの前でお話をします。 正直申し上げて40年以上慈恵医大に身を置いて教授職を拝命できるとは思っていませんでした。 しかし、思い返してみますと一人の患者さんがきっかけでここまで来られた気がします。 それは慈恵医大で初めてのHIV患者で血友病の19歳の少年でした。当時HIVは今でいうエボラ出血熱のようで、受け持ちを希望する医師はいませんでした。私はあまり迷いなく受け持ちになりました。 しかし、治療法もなくみるみる悪くなっていきました。彼の血液検体には赤字でMと記され、病院で私と彼だけが違う世界にいるようでした。彼はま…

  • 「それはないでしょ?」3連発

    「それはないでしょ?」というふうに感じたことを3つ書きたいと思います。 愚痴に聞こえたら申し訳ありません。 1つ目は、町名変更です。私の住んでいる町の番地が昨年の11月1日から変更になりました。それまで簡単な連絡はあったのかもしれませんが、シレーっとした感じで変わってしまいました。免許書や勤務先など然るべき施設に連絡を取る必要があるとのことです。区役所に連絡すると郵便物は古い番地を入れても届くらしいですが、宅急便などはいずれ届かなくなるでしょう。ところが、新しい住所をGoogle Mapに入れると、自宅からずいぶん離れた場所に案内されます。一方、古い住所をGoogle Mapに入れると、正しい…

  • 大谷翔平選手の記者会見

    新年、暗い話題が多いので、少し明るい話題で今年を始めたいと思います。 少し前になりますが、みなさん大谷翔平選手の記者会見をご覧になりましたか?爽やかで真摯な姿勢は多くの人の心を打ったと思います。 みなさんは、どのコメントが最も心に刺さりましたか?デコピン?W 私は、大谷選手が「自分の野球人生は終わりに近づいているので・・」というフレーズが最も心に刺さりました。2023年の大谷選手の成績は、今までの大谷選手の成績の中でも特筆するべき内容でした。まだまだ、私たちの想像を超える成績を残してくれると期待している人も多いかと思います。 MVPを満票で受賞し、1000億円を超える契約金でドジャースに移籍し…

  • 自宅付近の火事を動画で見る感覚

    本日、私の家の近くで火事がありました。 私の家は、比較的古い木造家屋の密集地とマンションが混在する地域にあります。木造家屋の1つが出火元で、道が狭く近くまで消防車が入っていくことができません。そのため、比較的広い道路に消防車が停まって、ホースを延長させて消火に努めていました。消防車の数は20台を超え、交通は遮断されました。 離れた場所から、スマホからネットで検索すると煙が立ち込めていてサイレンが鳴り響いていました。家には寝たきりの母とお手伝いさんがいます。 家に電話してみると 「私の家と火元とは数十メートル離れていて、火が飛び移る危険性はなさそうでしたが、黒煙が立ち込めている」とのことでした。…

  • ジェンダー問題の多様性と医師としてのジレンマ

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックで所長を務める65歳の医師です。先日、50歳の貧血のために受診された女性の患者さんのことをお話しします。 前日、他院で健康診断を受けて、赤血球が正常の半分しかないので、すぐに医療機関に受診するように指示されて、当院を受診されたとのことです。 検査結果からは、ヘモグロビン(血色素)が7.4g/dlで、血球が正常の半分程度でした。赤血球のサイズが小さく、出血が原因の貧血であることは容易に診断できました。50歳・女性の貧血の原因の多くは月経過多です。この方には子宮筋腫があり、子宮筋腫→月経過多→貧血である可能性が高いと思われます。しかしながら、出血が原因の貧血とし…

  • 医者のスキルのピーク

    私は、慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしていますが、今月65歳になりました。そろそろ定年で次の仕事のやり方を考えなくては行けません。大学にいると急がなくては行けない患者さんの対応は若い先生に手伝ってもらえますので、年齢によって衰えを感じることは少ないと思います。経験により知り合いも多いですし、敬意を持って扱ってもらえるので、あまり不自由を感じません。しかし、そのような体制がないとすると医師としてのパフォーマンスは大きく落ちると思われます。 不慣れなことに挑戦する気持ちは年齢とともに落ちています。経験を積む分、ネットから情報を得るスピードは落ちてきていることも自覚します。 医者のスキルのピ…

  • 予想のできない社会

    新型コロナウィルス感染症の7回目のワクチンとインフルエンザのワクチンを私のクリニックでも多くの来院者の方に接種しています。一方、発熱外来受診の患者さんは減っています。 9月までは新型コロナウィルス感染症が主体でしたが、何故か感染者数は減少し、10月にはインフルエンザが猛威を震っていて「この冬はどうなってしまうだろう」と心配していましたが、こちらの方も今のところ感染者数は頭打ちになっています(https://moderna-epi-report.jp)。 皆さんがマスクを外す生活に戻ってきているのに新型コロナウィルス感染症数は減少していることに明快な説明をできる方を私は知りません。また、「インフ…

  • 目の見えない方の睡眠

    私は慈恵医大晴海トリトンクリニックの所長をしています。11月6日までフィラデルフィアで米国腎臓学会に参加していたため、長らくブログもお休みしていました。 私は時差ボケには弱く、睡眠障害に悩まされます。 「眠れなくても目だけ閉じていれば、脳への情報量が少なくなり、半分ぐらいは寝ているのと同じなので、眠れなくてもジッと目を閉じていることは大切」と昔、誰かに教えてもらったことがあります。 そんなわけで、今回はアイマスクをして眠りに入ることにしました。すると知らない間に眠ってしまいました。 「目の見えない方はどこから睡眠を認識するのだろう?」という疑問が頭に浮かんできました。そのことが、そのような方に…

  • ストレスのコントロールとしての運動

    血圧の管理で運動は重要であると考えられています。しかし、運動してもなかなか血圧が下がらない場合も多く、患者さんは「折角、運動したのに、血圧が落ちないのか」と思いがっかりされることも多いようです。治療として運動を捉えると、その効果の低さから長続きしないような気がします。 皆さんは、ストレスのコントロールとして運動をとらえたことがありますか? 運動をすることでコルチゾールやアドレナリンが低下し、青斑核に影響を与えることによって、ストレスに対する感情がコントロールされます。心の緊張状態を和らげてくれるのです。加えて、セロトニン(幸福感を司る化学物質)やドーパミンなど、脳内の「心地良さ」に関わる神経伝…

  • 減量メソッド

    人は、10代を頂点に、活動量も少なくなり基礎代謝も落ちていきます。 ですから、本来であれば30代に入る頃には食事量も食事内容も、少しずつ変えていく必要があるのです。「まだまだ若者に負けない」とばかりに、大食、大量飲酒をするのは大間違い。人生の中で体重が最も増える時期が30−40歳です。 いわゆる中年太りです。 徐々にでも食べ方を変えていかなければ、「栄養過多」でメタボリックシンドロームや糖尿病、脳・心筋梗塞などのほか、将来的に認知症や寝たきりのリスクが高くなってしまいます。 ■「一度にいろいろやめられない」?であれば… 今回は、上手に食事をコントロールする方法を1つご紹介します。 まず、かみを…

  • 自分にとっての「ちょうどよい」を見つけるために、たった2つのことを意識して下さい。

    健康マネジメントでネックとなるのは、“習慣化”です。行動が変われば習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。 人格が変われば運命が変わる。 と言われていますが、習慣を変えることは並大抵のことではありません。「人間の脳は習慣を変えないように」設定されているのです。「わかっちゃいるけどやめられないという悪しき習慣」がたくさんあるのです。 そのために大事なのは、いきなり何かの「健康法」に飛びつくのではなく、まずは自分の体や健康状態に目を向ける意義を感じることです。これは人生100年時代に益々重要になっています。自分の健康に対するあり方を決めたら、習慣化するメソッドをご自分自身で考えていくことが大切…

  • 動機的面接法

    生活習慣病の患者さんの多くは「わかっちゃいるけど止められない。」ということで習慣を変えようとはしません。患者さんに習慣を変えてもらうには医療者としてのスキルが必要です。これは子供の教育や職場での後輩への指導についても同じことが言えるかと思います。 例えば、間食をやめられない人がいるとします。その人に「間食をやめましょう。」と言ってもほとんどの場合、有効ではありません。 誰に対しても有効な質問はないですが、医療面接の手法として幾つかの例が挙げられています。 間食をやめられる自信は10段階中で幾つですか?(例えば3と患者さんが、答えた時に、何故1ではないのですか?と質問を加えて、会話を続ける) 間…

  • 行動変容を促すキーワード

    「人間と動物の違いは何か?」という命題について、様々な回答があるかと思いますが、最適解と考えられているのが、「人は選択する。」ということです。 それでは、どの様な基準で選択するかといえば、①善悪、②損得、③好きか嫌いかの3種類と言われています。この中で、一番強く心を動かすのが、「好きか嫌いか」ということだとも言われています。 人は、「好きか嫌いか」を自由に選択できることが幸福と考えることができるとも言われています。 しかし、善悪や損得と比べて「好きか嫌いか」はとても複雑な基準であることもわかっています。「今の仕事は嫌いだ。」と言っている人も、「そもそもその仕事が好きだからやめられない。」ことも…

  • どのような老い方が良いかを考えてしまいます。

    今週の日曜日に義母が転倒して右の大腿骨を骨折しました。義母は今年の5月12日に脳梗塞になりリハビリ病院を退院したばかりでした。月曜日に手術をしてもらい今は病状は安定していますが、家に帰りたいと24時間ひっきりなしに私の妻に電話をしてきます。脳梗塞で入院した時も同様で、監禁されているというような気持ちになり、毎日泣いています。私の母も2020年に大腿骨を骨折した時に、リハビリ病院に馴染めず、自主退院をしています。母も義母もそれまでは、子供と同居していて、孫たちと毎日話をして、誰からも「幸せですね。」と羨ましがられていました。ところが、入院生活とそれまでの生活のギャップに苦しみ入院生活に耐えられな…

  • 新しい人間ドックの開発

    医学が進歩して高齢化が急速に進んでいます。しかし、健康診断や人間ドックは大きく変わっていません。 人生100年時代なのにそれに適した人間ドックがないことに多くの人は気がついています。遺伝子検査、新規生活習慣病関連分子の測定、人工知能による解析など人間ドックの差別化が求められています。 私は新しい人間ドックの開発を目指しているいくつかの会社の相談にのっています。 相談に乗ってみて感じることは、「開発者が受診者のニーズを本当にわかっているのか?」ということです。遺伝子検査で癌になるリスクがわかっても、100歳を大きく超えた時に、癌が発症するリスクとすれば、知る必要がないのかもしれません。 そもそも…

  • 言葉より姿勢

    私は、医療コミュニケーションやWellbeingについての勉強会を1−2ヶ月に1度の割合で開催しています。 社会人と医学生が、持ち寄ったテーマについて意見を交わすリモート談話会です。 先日の会では、虐待やネグレクトを受けた子どもたちの相談を受けるボランティアをしている医学生が担当でした。彼は、「虐待を受けて死にたいという子ども」の相談を受けていました。時には数時間もかけて相談を受けていたそうです。1週間のコンサルとの後に、その子供は「死ぬことをやめた」とのことです。 彼は、「皆さんの人生を変えるような言葉を教えてください。」とリモート談話会の参加者に問いました。 人が悩みを持った時には、その視…

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