chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
葉咲透織
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2020/03/24

1件〜100件

  • 初恋をきれいにあきらめる方法

     外は晴天、夏の盛り。家から出るのも億劫になる気温だが、夏休みの空気感が、「どこかへ行かなければ」と、重圧をかけてくるような日だ。 エアコンから送り出される人工的な風に乗って、自分の部屋とは違う香りが拡散する。柔軟剤だとか香水だとか、あるい

  • 重低音で恋にオトして(16)

    <<はじめから読む!<15話 長い夏休みが終わり、十月。キャンパスはいよいよ秋めいてきて、もう一枚、上着を持ってくるべきだったな、と敬士はくしゃみをした。「フツーはガイダンスだろ……がっつり講義しやがって」 冬学期一発目の講義から、時間を延

  • 保護中: 重低音で恋にオトして(15)

    <<はじめから読む!<14話「じゃあ、い、挿れるよ」 おう、と男らしく請け負ったが、実のところ、敬士も息も絶え絶えになっていた。 尻で気持ちよくなれるのは、どうやら一部の選ばれし才能の持ち主だけだったらしい。 響一はローションをたっぷりと使

  • 保護中: 重低音で恋にオトして(14)

    <<はじめから読む!<13話 夢じゃないし、妄想でもない。響一の手指が下着の中に入ってくる。陰毛を掻き分け探すまでもなく、すぐに目当ての屹立に辿り着くと、二人同時に息を吐いた。 指先が先端に触れ、くるりと円を描き出す。他人に触れられることは

  • 保護中: 重低音で恋にオトして(13)

    <<はじめから読む!<12話 抱えられるように部屋に寝室に連れ込まれる。自分の身体に起きている不都合は、とっくに響一に気づかれている。 響一が鍵をかけた瞬間、敬士はずるずるとへたり込んだと同時に、土下座をする。「え、なに? なになに?」 突

  • 重低音で恋にオトして(12)

    <<はじめから読む!<11話 そんなに心配なら、現場に立ち会えばいい。 和音の誘いに乗って、初めて収録部屋に入った敬士は、カメラに映らない物陰で、居心地悪くぽつんと立っていた。 不安に視線をさまよわせていると、響一と目が合う。彼は「大丈夫だ

  • 重低音で恋にオトして(11)

    <<はじめから読む!<10話 結局、数回しか訪れることのなかった響一のマンションだったが、敬士は、道を覚えるのは得意だった。 大学近くに居を構えている彼の家までは離れている。電車に乗っている間も、そわそわして座っていられなかった。 エレベー

  • 保護中: 重低音で恋にオトして(10)

    <<はじめから読む!<9話「オレはとうとう、ダメかもしれない……」 試験が終わった。二重の意味で終わった。ギリギリ単位はもらえるはずだが、それ以上は無理だ。マクロ経済学のテストは、もしかしたら不可かもしれない。 自宅リビングのソファにぐった

  • 保護中: 重低音で恋にオトして(9)

    <<はじめから読む!<8話 もうすぐ期末試験の期間になるというのに、敬士はベッドに寝転んでスマホを弄っていた。 動画サイトにアクセスして、鈴ノ音屋のチャンネル登録者数を確認する。前に見たときよりも、じわじわと人数を伸ばしている。本当に、一万

  • 重低音で恋にオトして(8)

    <<はじめから読む!<7話 改めて、素面の状態で連れてこられた響一が暮らす部屋は、大学生の独り暮らしにはあはり、分不相応だ。3LDK、明らかにファミリー向けの物件で、しかも南向きの角部屋。 不躾にならない程度にじろじろと観察していた敬士であ

  • 重低音で恋にオトして(7)

    <<はじめから読む!<6話 あの日、響一自身の言葉が心に残っていると語ってから、彼はずいぶんと気を許してくれた。ようやく友人になれたのか、響一の口から敬語が消えた。 嬉しい変化であったが、もともとのお喋りの練習台という側面は鳴りを潜め(最初

  • 重低音で恋にオトして(6)

    <<はじめから読む!<5話「あれ~? 松川まつかわじゃん。それに鈴木も。お前ら知り合いだったのかよ」 耳障りな甲高い声で、しかも早口。顔を見なくてもわかる。石橋である。 少数精鋭を謳う医学部は、学生同士はみんな顔見知りなのだろう。響一は石橋

  • 重低音で恋にオトして(5)

    <<はじめから読む!<4話「響一、こっちこっち!」 SNSでの癖で、「キョウ」と呼びかけそうになって、一度飲み込んだ。所在なさげにしている響一に、手をひらひらと振る。「敬士くん。お待たせしました」 あからさまにホッとした表情を見せる彼に、敬

  • 重低音で恋にオトして(4)

    <<はじめから読む!<3話 自室のベッドの上、スマホを前にしてちょこんと正座した敬士は、緊張していた。 おかげで、待ちわびていたコール音とともにスマホに手を伸ばしたのはいいが、手が滑って落としてしまった。 一瞬、「やば!」と思ったが、コール

  • 重低音で恋にオトして(3)

    <<はじめから読む!<2話 土下座をなんとかやめさせた敬士は、キョウ……本名・鈴木すずき響一きょういちと、リビングダイニングのテーブルを挟んで向かい合った。 響一は、茶を出してくれた。湯呑みを持つ手が、カタカタと細かく震えており、敬士は慌て

  • 重低音で恋にオトして(2)

    <<はじめから読む! 目を開ければ、見知らぬ天井だった。 敬士がヤリチンと呼ばれる人種なら、隣に見知らぬ女性が……というシーンである。しかし悲しいかな、敬士は童貞。ベッドには、他人の温もりはない。 しばらくぼーっと、前夜のことを思い出してい

  • 重低音で恋にオトして(1)

     四人兄弟の三番目として生まれて、今年で二十一年。 そのおかげか、空気を読む能力には長けていた。 年上の新入生相手にどう対応すべきか悩んでいる先輩とか、タメ口になっては語尾だけ「……ッす」と、中途半端な敬語に直す同級生。 彼らの前ではおどけ

  • 不幸なフーコ(36)

    <<はじめから読む!<35話「おい。野乃花。遅刻するぞ」「遅刻するのは哲宏だけでしょ。私は余裕だもん」 自転車での道のりは、哲宏の学校の方が遠い。私はすでにショートカットルートを開拓しているのだ。もう少し遅くに出ても平気である。 春になり、

  • 不幸なフーコ(35)

    <<はじめから読む!<34話 冬休み中に謝らなければならない人は、もうひとりいる。 青い顔をしていた私に、「ついていこうか?」と、哲宏が申し出たが、断った。私が向き合わなければならない問題だ。これ以上、哲宏を煩わせるわけにはいかない。 待ち

  • 不幸なフーコ(34)

    <<はじめから読む!<33話 思い立ったが吉日、私は風子の家に向かった。彼女の祖父母にどう思われているかわからなかったので、呼び出しは哲宏にしてもらった。「天木、今は出かけてるって」 今日は朝から冷え込んでいて、空もどんよりと曇っている。雪

  • 不幸なフーコ(33)

    <<はじめから読む!<32話 次の日から、少しずつ私は、普通の生活リズムを取り戻していった。 朝起きて、昼に活動し、夜に眠る。その繰り返しは、どんな手段よりも、私の心と身体を正常な状態へと近づけていく。 朝食の席に姿を現した私を見て、綾斗は

  • 不幸なフーコ(32)

    <<はじめから読む!<31話 学校を休む理由のレパートリーって、実はほとんどない。お腹が痛いとか、頭が痛いとか。 熱のあるなしは、体温計で測ればすぐに数値化されてバレてしまうが、痛みや気分は自分の感じ方の問題だから、誰も強く言えない。 母親

  • 不幸なフーコ(31)

    <<はじめから読む!<30話 文化祭二日目は、途中で帰ってしまった。当番もまだ残っていたのに、すべて投げ出した。具合が悪いとか、適当な理由をつけることはできた。 けど、電車の中でスマートフォンを片手に、誰に連絡をすればいいのか、わからなかっ

  • 不幸なフーコ(30)

    <<はじめから読む!<29話「なんであんたがいるのよ!?」 ヒステリックに叫ぶと、周りにいた人たちが何事かとこちらを向く。そして目つきの悪い学ランの金髪男を視界に入れると、慌てて視線を逸らし、そそくさと逃げていく。 風子は周囲の様子など気に

  • 不幸なフーコ(29)

    <<はじめから読む!<28話 一日目の土曜日は、校内の生徒しかいない。そこまで盛り上がるようなものでもなく、仲間内でやりとりした各模擬店の食券を使って飲み食いをしたり、自分の当番のときは、「いらっしゃいませー」と声を張り上げてみたりした。 

  • 不幸なフーコ(28)

    <<はじめから読む!<27話 文化祭までの日々は、長く感じられた。 普通はあっという間だった、というのだろうけれども、私は早く日常に戻ってほしかった。 風子のクラスに様子を見に行けば、ギャルたちがわざと聞こえるように、嫌味を言ってくる。かと

  • 不幸なフーコ(27)

    <<はじめから読む!<26話 真っ直ぐ家に帰らずに、哲宏の家に寄った。庭に自転車があるのを確認してから、ピンポンを押す。 インターフォンのカメラに私が映っているのが見えたのだろう。返事はなく、ただ、ガチャ、と鍵が開く音がした。「お邪魔します

  • 豊嶋玲子に関する考察

    『豊嶋とよしま玲子れいこは、A県出身の女優だった。昭和〇〇年に上京し、Xという劇団に所属した。地元では評判の小町娘だったが、舞台では主役はおろか、せりふのある役につくこともほとんどなかった。 彼女が有名なのは、女優としての功績ではない。日本

  • 不幸なフーコ(26)

    <<はじめから読む!<25話 文化祭の出し物は大きく分けて三種類。展示とステージ発表と模擬店だ。文化部は自分たちの日頃の成果を発表する舞台として、作品展示をしたり、体育館ステージで音楽や演劇を行う。 クラスの出し物は、ほとんどが模擬店だ。共

  • 不幸なフーコ(25)

    <<はじめから読む!<24話 夏休みが終わるまでに、私は哲宏と仲直りをすることがなかった。 風子の宿題の手伝いも、私だけが風子の家に行き、自分の家に呼ばなかった。哲宏と私の間に何があったのか、風子は何も気づいていない。 哲宏も哲宏だ。 綾斗

  • 不幸なフーコ(24)

    <<はじめから読む!<23話 小学校五年生。宿泊研修のときのことだった。 少年の家、とかいう宿泊施設が郊外にあり、そこで一泊二日、外でご飯を食べたりスタンプラリーをしたり、とにかく自然と触れ合う学校行事である。 転校してきてから一年経っても

  • 不幸なフーコ(23)

    <<はじめから読む!<22話 花火大会以来、風子はスマホを見つめてちょっとおとなしくしていることが増えた。 心配するふり、何も知らないふりで、「どうしたの?」と、声をかける。 しょんぼりと眉を下げた彼女は、「崇也センパイ、返事してくれないの

  • 不幸なフーコ(22)

    <<はじめから読む!<21話 私は、金髪男と二人きりになった。 人混みの中、背の高い男はよく目立った。夜の河川敷、屋台の灯りを金髪が反射する。美容院に頻繁に行っているわけでもなさそうで、その輝きは美しいとはとても言えない、まばらなものだった

  • 不幸なフーコ(21)

    <<はじめから読む!<20話 花火が打ち上がるまで、あと一時間半もあるというのに、観覧席は大勢の人で賑わっていた。 なんとか座れる場所はないかと探していると、風子が「あっ」と声を上げ、手をぶんぶんと振り回した。巾着を持ったままだったので、た

  • 不幸なフーコ(20)

    <<はじめから読む!<19話 花火大会当日。私は風子の家に、少し早めにやってきた。「野乃花ちゃん、おいで」 私を含めた何人かで花火に行くのだと風子が報告したところ、祖父母は喜んだ。 何せ、手のかかる孫娘である。小学校のときからまともな友達は

  • 不幸なフーコ(19)

    <<はじめから読む!<18話 勉強会はその後は和やかに再開された。綾斗をなだめながら、夕方になり、母親が帰宅する前に風子を帰す。「哲宏の教え方、わかりやすかったでしょ?」「うん!」「また教えてもらいたいよね?」「うん!」 よし、これで言質は

  • 不幸なフーコ(18)

    <<はじめから読む!<17話 哲宏はすぐに、凜莉花の様子を見に行った。私も行くと立ち上がりかけたが、「やめとけ」と制止されて、座り直した。 ちゃんと謝罪できていないから、と言い募ったが、彼は首を横に振る。「あいつはこじらせてるだけだから。そ

  • 不幸なフーコ(17)

    <<はじめから読む!<16話「私もわかんないんだってば」 風子が来ていることを知ると、途端に渋り始めた哲宏を、電話じゃ埒が明かないと直接迎えに行った。「私が文系なの、知ってるでしょ」 基本の基本で躓いている風子にわかりやすく教えてあげられる

  • 不幸なフーコ(16)

    <<はじめから読む!<15話「どこが可哀想なの?」「え」 母親に捨てられて、祖父母に育てられているというのはかなり不憫だ。それに、彼女自身の性格もあって、なかなか友達ができないということも説明した。「だって、おじいちゃんやおばあちゃんに可愛

  • 不幸なフーコ(15)

    <<はじめから読む!<14話 哲宏と風子を交流させるという思いつきは、計画の時点で頓挫した。何せ、通っている学校が違う。電車通学ならば、偶然を装って出くわすこともできるが、哲宏は自転車で近道をして通っている。 何もできないまま、終業式の日に

  • 不幸なフーコ(14)

    <<はじめから読む!<13話 スマホを取り出して母に連絡してみるものの、既読にすらならなかった。今日もどこかで何かしているのだろう。専業主婦だというのに、ちっともじっとしていない。ボランティアか、老人ホームに入っている曾祖母の見舞いか。 曇

  • 不幸なフーコ(13)

    <<はじめから読む!<12話「フーコ。ちゃんと真っ直ぐ帰りなさいよ!」 体育の授業があったから、今日は朝から放課後まで、ずっとジャージ姿だ。着替える手間が省けたので、さっと風子の教室まで行って、ぴしゃりと言った。「わかってるよ。部活、頑張っ

  • 不幸なフーコ(12)

    <<はじめから読む!<11話 学校のテスト期間というのは、どこも似たようなもの。一応、探りを入れてみれば、例の工業高校もテスト中だ。駅で彼を見つけて、クッキーを渡すにはこの機会が望ましい。相手が部活やバイトをやっていたりしたら、帰宅時間も不

  • 不幸なフーコ(11)

    <<はじめから読む!<10話 心底呆れたように、信じられないように、風子以外の誰かが聞けば、そんなニュアンスを感じ取っただろう、「はぁ?」である。 しかし、ここにいるのは風子だけだ。他人の心の機微には、人一倍疎い。 彼女は身をくねらせると、

  • 不幸なフーコ(10)

    <<はじめから読む!<9話 部活終わりのジャージのまま、風子の家に行った。 小学生の頃から変わらない佇まいに、安堵と同時に言いようのない不安や焦燥に駆られるのは、私だけだろうか。 天木家は変わらない。でも、周りはどんどん進んでいく。そして、

  • 不幸なフーコ(9)

    <<はじめから読む!<8話 毎日七時間目まで授業を受けた後に、部活に参加するのは、正直身体がしんどい日もあった。逆によかったことは、部員が少ない上に無理を言って入部してもらったという経緯が香織先輩からみんなに伝わっていて、あれこれと気を遣っ

  • 不幸なフーコ(8)

    <<はじめから読む!<7話 五月の連休も明けて、高校生活も少し慣れて、落ち着いてきた。哲宏の大きなお世話のアドバイスをよそに、私は相変わらず、風子と一緒に登下校をするだけの学校生活である。 一応、風子にも「部活とかしなくていいの?」と聞いて

  • 不幸なフーコ(7)

    <<はじめから読む!<6話 転校してきた風子に、両親がいないということは、割とすぐに広まっていた。 参観日のときに、ひとりだけ祖父母が来る。周りの母親たちに比べて年老いた自分を恥じることなく、風子の祖母は堂々と振る舞っていたし、風子も嬉しそ

  • 不幸なフーコ(6)

    <<はじめから読む!<5話「今日も天木んちに寄ってきたのか?」 放課後の私の行動を見てきたかのように言うが、中学からの習慣を知っているだけだ。「そうだけど」 何か悪いことでも? という態度を崩さない私に、哲宏は深く溜息をついた。「いい加減、

  • 不幸なフーコ(5)

    <<はじめから読む!<4話 風子を家まで送り届けた。 高度経済成長期、という歴史の授業でしか知らない時代に、この辺りは開発され、住宅が並び立ったという。 彼女の家は、その頃に建てられたもので、外観は当時のままだ。近所の小学生たちは、ここを「

  • 不幸なフーコ(4)

    <<はじめから読む!<3話 ひらり手を振って教室を後にする。茅島さんは結局戻ってこなかった。たぶん、教室が無人になってから、こそこそと鞄を取りに戻ってくるに違いない。合わせる顔もないだろうから。 三階の教室を出て、早足で階段を降りる。一階の

  • 不幸なフーコ(3)

    <<はじめから読む!<2話 進学した高校は、公立高校の滑り止めとして機能しているような学校だ。特進コースですらそんな有様だから、クラスの何人かは新学期への期待感ゼロの、沈んだ顔をしていた。 中学の同級生の茅島さんは、まさしくそのタイプだった

  • ジャニーズWEST・デビュー8周年に寄せて

    ジャニーズWEST、デビュー8周年、おめでとうございます。そして、いつも私たちファンに寄り添ってくれて、一緒に歩いてくれて、ありがとうございます。10周年もそのまた先もずっと、同じ歩幅で歩いていけますように。ジャニーズと私そもそも私は、どち

  • 不幸なフーコ(2)

    <<はじめから読む!「天木あまぎ風子! 四つ葉のクローバーを見つけるのが得意です!」 一学年二クラスしかない小学校だった。一度も同じクラスになったことがない同級生であっても、顔見知りだし、昼休みには、クラスの垣根を越えて遊んでいた。 新学年

  • 不幸なフーコ(1)

     ぬるい風が、真新しいスカートを翻していく。中が見えるのだけは阻止しなければならない。視界内に人影は見当たらないが、どこで誰が見ているか、わからないのだから。「フーコ。そろそろ行かないと。入学式から遅刻は、シャレにならないって」 傷ひとつな

  • ラスボス予定の聖騎士に求婚されています(村崎樹)

    学生時代は文庫ばかり買っていたので、ノベルスを買い始めたのが最近なんだけど、リンクスって一段組と二段組と、書籍によって両方あるんですね-、というのが最近の発見でした。「ラスボス予定の聖騎士に求婚されています」(村崎樹)↑Amazonに飛びま

  • 俺のカレシがいちばんかわいい(二本松志野)

    もうこの漫画がめちゃくちゃ好きなんです。どのくらい好きかと言えば、pixiv版読んで即お気に入り→FANBOXで支援開始→同人誌版(電子)を購入と、順調にステップを踏んで応援してきたので、商業化して超喜んだファンのひとりです、はい。まひかお

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(57)

    <<はじめから読む!<56話 ベリルは気にしないと言ったが、シルヴェステルはしばらく経っても、遺跡に人間族の調査団を送ることができなかった。ベリルが守ろうとした人たちの先祖が眠る墓所だ。荒らすような真似はしたくない。 ベリル自身は、本当にど

  • 保護中: 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(56)

    <<はじめから読む!<54話「ベリル。そこは」「これまではされるばかりだったので……俺だって、シルヴィに気持ちよくなってもらいたいんです」 上目遣いで「ダメ?」と尋ねられては、分が悪いのは明らかにこちらだ。「わかっていてやっているだろう」 

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(55)

    <<はじめから読む!<54話 文字通り飛んで戻るなり、シルヴェステルはベリルを寝所に連れ込んだ。カミーユたちに帰還の報告をすることもなく、性急に彼の部屋まで引っ張っていって、ベッドに押し倒す。「ちょっと、陛下……んむっ」 唇に噛みついて、舌

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(54)

    <<はじめから読む!<53話「そこでセーラフィールは、王女を見初めました」 竜は愛情深く、独占欲の強い生き物。それはあの暴虐な王も、例外ではなかった。王女は当然拒んだ。力尽くで事を進めたが、心までは落ちない女に、セーラフィールは苛立ちを覚え

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(53)

    <<はじめから読む!<52話 馬車では長旅になるところ、空を飛べばあっという間であった。 シルヴェステルは、空高くから落下したベリルの心の傷を気遣ったが、まったく平気だった。恐怖の記憶よりも、これからのことで胸の下あたりが痛い。 最初はゆっ

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(52)

    <<はじめから読む!<51話 幸い、竜型でシルヴェステルが暴れたのはわずかな間だった。人的被害も死者はなく、怪我をした兵士たちも、三日も入院して治療を受ければ完治した。 後宮は全壊したし、それ以外にも破損した箇所は多かったが、物は直すことが

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(51)

    <<はじめから読む!<50話 肉体が暴れ回っている間、シルヴェステルは暗闇に浮かんだ殻の中にいた。ナーガの幻術を可視化するとこうなるのか。やけに冷静な自分に嗤いすら漏れた。 ナーガの言うとおり、すべて壊してしまった方がよかった。竜人も人間も

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(50)

    <<はじめから読む!<49話全部、思い出した。シルヴェステルたちと出会う前のこと、すべて。 お転婆な王女のころころと変わる表情も、あまり自分に懐いてはくれなかったが、それでも気遣ってはくれた、やんちゃな王子のことも。 それから自分と同じ顔を

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(49)

    <<はじめから読む!<48話 びりびりと空気を震わせる咆吼とともに、後宮の崩壊が始まった。城で懸命に働いていた人々は、一瞬動きを止めた後、混乱に陥った。窓の外にいるのは竜。銀の鱗で全身が覆われた巨竜だ。悲哀すら感じさせる声を上げ、幼子のよう

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(48)

    <<はじめから読む!<47話いい場所だ。今度は王子と二号も連れてこよう。「あら、ダメよ一号。ここはわたしと、×××と、一号の秘密の場所にするの!」 王女の可愛らしい我が儘に、一号は頷くほかなかった。 ここでしばらく休んでから、城に帰ろう。あ

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(47)

    <<はじめから読む!<46話 何度もぼんやりすることに、痺れを切らした王女は、「もういい!」と、機嫌を損ねた。「一号じゃなくて、×××と遊ぶわ」 王女が呼んだのは、十日ほど前に拾った白い蛇であった。王宮の庭に現れたときには怪我をしていたが、

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(46)

    <<はじめから読む!<45話「おい。一号、一号? どうしたんだよ、ぼんやりして」 一号と呼ばれた青年は、ハッとして声の主の顔を見た。自分と同じ顔の男は、明るい緑色の目を心配そうに曇らせている。 途端に、ずいぶんと長い夢を見ていたことを思い出

  • 蒐集家(コレクター)

     それは、一人の女だった。私は棒立ちになり、一歩も動けないまま息を呑み、見つめていた。 彼女は豊満な肉体のすべてを露わにしていた。一糸纏わぬ女など、私は人生の中で母以外に見たことはなかったし、それすら幼い頃の記憶を掘り起こさなければ出てこな

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(45)

    <<はじめから読む!<44話 ベリルは死んでいなかった。慟哭のあまりに我を失いかけていたシルヴェステルを再び現世に戻したのは、カミーユの叫び声であった。「ベリル様は、まだ生きておられます!」 脈も呼吸も弱々しいが、確かに生命の灯は、小さいな

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(44)

    <<はじめから読む!<43話「陛下。あなたは今、正気じゃない。ナーガの幻術にはまっているのです」 幻術? なんだそれは?  そんなこと、ありえない。ナーガは唯一の味方だ。今こうしている最中もきっと、自分の後ろに控えているに違いない。何か間違

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(43)

    <<はじめから読む!<42話「カミーユ。次の書類は? ……カミーユ?」 目を通していた紙面から顔を上げ、シルヴェステルは肩を落とした。側近で親友のカミーユを解任し、自宅での謹慎を命じたのは自分自身だ。しかもすでに数週間が経過しているというの

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(42)

    <<はじめから読む!<41話 いまだ。 ベリルは勢いよく飛び出す。カミーユに手を出させるわけにはいかない。 膝のばねを駆使して、下からナーガの顎に向かって頭突きする。普通の人間ならば、自分もダメージを食らうところだが、ベリルは頭部も頑丈にで

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(42)

    <<はじめから読む!<41話 いまだ。 ベリルは勢いよく飛び出す。カミーユに手を出させるわけにはいかない。 膝のばねを駆使して、下からナーガの顎に向かって頭突きする。普通の人間ならば、自分もダメージを食らうところだが、ベリルは頭部も頑丈にで

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(41)

    <<はじめから読む!<40話 誰もいなかったのである。 全員が同じ時間に休憩を取るとは考えにくい。職務怠慢か。 いや、人間生まれのシルヴェステルのことを軽んじてはいても、竜王の命令に背けば、怒りを買う。よくて失職、悪くすれば極刑に処される可

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(40)

    <<はじめから読む!<39話 首には所有の証の首輪を嵌められ、足首の枷は長い鎖でベッドに繋がれた。ぎりぎりで部屋から出られない長さで、引きずるにはベッドは重すぎる。身体は丈夫でも、力は一般的な人間族並のベリルでは、無理に脱出することは不可能

  • 前へならえ

     運動部の新入生なんて、だいたい先輩面をしたい二年生から、体よく使われるに相場が決まっている。 どうでもいい自慢話を「さすがっすね」と持ち上げなければならない。あるいは、ストレス解消の的にされたりする。 特に、レギュラー争いに一ミリも関わっ

  • 保護中: 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(39)

    <<はじめから読む!<38話「ベリル。カミーユと娼館に行ったというのは、事実か?」 誰が、そんなことを。 言いかけて、退出するナーガの態度を思い出す。自分はナーガには、あの日あったことを話していない。青い顔をしたジョゼフを思い出して、彼が情

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(38)

    <<はじめから読む!<37話 雨が降りそうだ。 つい今し方まで晴れていたのに、急激に増えた黒い雲を見上げて、ベリルは首を傾げた。 自由に城内を歩くことを制限されているベリルにとって、庭園の散歩は唯一の気晴らしであったが、中止して部屋に戻るこ

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(37)

    <<はじめから読む!<36話「陛下……陛下」 土木工事の優先順位を争う領主たちの主張を書いた書状の精査に集中していたら、声をかけられた。ベリル、と顔を上げたシルヴェステルだが、残念ながら輝く笑顔はそこにはない。 露骨に肩を落として残念がるシ

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(36)

    <<はじめから読む!<35話「兄は絶対に生きているはずです。ミッテランに連なる者が、そんなに弱いはずがない」 真剣な表情で兄を追い求めるカミーユに、ベリルが抱いたのは同情ではなく、違和感であった。「探して、どうするつもり?」 生き別れどころ

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(35)

    <<はじめから読む!<34話「探しているのは、腹違いの兄です」「お兄さん?」 ミッテランといえば、当主は現在宰相を務めている、名門の家系だ。ベリルが直接顔を合わせる機会はないが、夜会で慇懃な挨拶を受けた。シルヴェステルとは表面上は対立してい

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(34)

    <<はじめから読む!<33話 マリアンヌの手引きによって連れてこられたのは、やはり娼館であった。彼女の生きる世界は狭い。市場に買い物にだってたまに出かけるが、日の当たる場所では生きられないと知っているから、すぐに路地裏の花街へと戻ってきてし

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(33)

    <<はじめから読む!<32話「いや。好きな人に渡すプレゼントだから、自分で稼いだ金で買わなきゃ」 好きな人。 ジョゼフの言うそれは、当然ナーガのことである。初めて見た瞬間に、心奪われたと言っていた。確かにナーガは美しく、優しい。ジョゼフより

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(32)

    <<はじめから読む!<31話「わぁ」 まったく異なる風景に、思わずベリルは子供っぽい声を上げた。庶民向けの店からやや高級な店まで、まさしく玉石混淆である。広場には市が立ち、屋台が並ぶ。 出稼ぎに来た田舎者も、お忍びの貴族も、この場所を闊歩す

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(31)

    <<はじめから読む!<30話「それではベリル様、参りましょう」 差し出された手を取ろうとしたら、見送りにやってきたシルヴェステルによって阻まれた。彼の手は、人間の手より断然大きく、力強い。ぎゅう、と思いきり力を込めて握られて、ジョゼフは悲鳴

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(30)

    <<はじめから読む!<29話 時折、カミーユを通じて手紙でベリルの様子を報告してくるので、それだけは役に立っているといえるか。 むしゃむしゃと一心不乱に菓子を食べ続けるシルヴェステルの肩に、隣に座ったベリルはもたれかかった。擦り寄って甘えて

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(29)

    <<はじめから読む!<28話「陛下。お茶はいかがですか?」 眉間に皺を寄せて唸っているところに、明るい声がかけられた。彼が持つトレイの上からは、黒茶のいい香りが漂ってくる。ふと時計を見ると、午後の業務を始めてから、すでに二時間が経過している

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(28)

    <<はじめから読む!<27話 ナーガが淹れ直した茶を受け取ったジョゼフは、しきりに恐縮していた。一応ベリルが後宮の主のはずだが、ジョゼフはナーガの男とは思えない美貌に心奪われたのだろう。友の語らいには邪魔でしょうから、と部屋の隅に退いた彼の

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(27)

    <<はじめから読む!<26話「ナーガは、竜人? それとも人間?」 生活をともにしていても、ナーガは謎めいた存在である。自分よりもだいぶ高い背丈だが、竜人にしては線が細い。目を閉じたままの生活を自分に課している彼に、上司は力仕事を任せなかった

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(26)

    <<はじめから読む!<25話 自室に戻ったベリルに、ナーガは胸を撫で下ろした。「ああ、ベリル様。急にいなくならないでくださいませと、あれほど」 それほど長い付き合いではないが、シルヴェステル以上に一緒にいる男である。これは長くなりそうだと判

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(25)

    <<はじめから読む!<24話「いいんですか。あんな約束して」 呆れたカミーユの小言は、聞き飽きている。ベリルを拾ってから、「陛下は甘すぎます!」と、何度苦言を呈されたことか。 仕方ないではないか。笑顔が見たくて、つい甘やかしてしまう。晩年の

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(24)

    <<はじめから読む!<23話 妃を後宮に迎えたからといって、王の仕事が休みになることはない。どころかますます忙しくなったのは、シルヴェステルから後宮に行く時間と気力を奪い、その間にベリルを懐柔してしまおうという算段だ。 実際、繋ぎを取ろうと

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(23)

    <<はじめから読む!<22話「私は、人間の母から生まれた」 竜王は、竜人族ではない。本性は、硬い鱗に覆われた巨大な身体の竜そのものだ。 王が衰えると、国のどこかで竜王となる者が産み落とされる。人型は仮初めの姿だ。必然的に、産まれたばかりの竜

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(22)

    <<はじめから読む!<21話 すっきりとした目覚めを迎えるのは、いつぶりだろうか。 定期的に供給される女たちを抱いて、腹の底が冷えるような孤独を紛らわせていたが、ベリルを連れてきてからは、とんとご無沙汰であった。自慰で吐精するのもむなしく、

  • 保護中: 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(21)

    <<はじめから読む!<20話 精液を飲んだことで、理性がまた弾け飛んだのだろう。シルヴェステルは、枕元に用意されていた香油の瓶の蓋を開けようとする。ただ、興奮で手元が震えていて、なかなか開けることができない。ベリルは代わりに開けようと手を伸

  • 保護中: 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(20)

    <<はじめから読む!<19話 裸の胸を這いずり回る手は、ひどく冷たかった。擦られている側の自分の皮膚は、徐々に熱を帯びているというのに、シルヴェステルの手は、時間が経ってもひんやりとしている。 そのかわりといってはなんだが、彼の目は熱を帯び

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(19)

    <<はじめから読む!<18話「大丈夫です」「あれだけ咳が止まらなかったのだぞ。毒の影響に違いない」 ぐっすり眠ったおかげか、ベリルの身体から疲労は消えていた。空気に混じっていた毒を摂取したのではなく、毒を飲まないようにと肉体が警告してくれて

  • 孤独な竜はとこしえの緑に守られる(18)

    <<はじめから読む!<17話 ふっと意識が浮上する。「目が覚めたか?」 身体を起こそうとすると、シルヴェステルに止められる。もうすっかり見慣れた自分の部屋の天井に、深く息を吐き出す。ベリルはどうしても気になって、もぞもぞと寝返りを打ち、身体

ブログリーダー」を活用して、葉咲透織さんをフォローしませんか?

ハンドル名
葉咲透織さん
ブログタイトル
いろ葉書房
フォロー
いろ葉書房

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用

フォローできる上限に達しました。

新規登録/ログインすることで
フォロー上限を増やすことができます。

フォローしました

リーダーで読む

フォロー