猟場内に猪と鹿が混在している場合、猟犬は逃げ惑うだけの鹿を追いたがるもの。こんな話をよく耳にしますが、その度に「そんなことはないよ」と実際の状況を説明します。確かに これだけ鹿の生息密度が高ければ、真っ先に鹿を発見して追ってしまうのは仕方のないこと。でも「追ってしまう」と「追いたがる」は別の話で、それを混同してはいけない。勢子が上手く導けば「猟犬は、むしろ猪を追いたがる」と実感しているだけに冒頭の...
さて、洗濯物を取り入れましょう。補修した猟服を洗って干しておいたのです。仕事で遅くなったものの、乾燥には絶好の気候で乾き具合はいい感じ。ではキレイに たたみましょう。って、違うやんかコレ。たためんわ。カチカチやねん!どうやらピンチハンガーを間違えたようです。。。と、わざとらしいボケ突っ込み、ゴメンナサイ。鹿アバラにタコ糸をチチワにして取り付けて、それを洗濯バサミに挟んで吊るしたのは数日前。天候が味...
ご飯のおかずに好し。酒の肴にも文句なし。もちろん、そのまま食べてもヤメられない止まらない。みんな大好き鹿肉竜田揚げ♪その昔、鯨肉竜田揚げが国民食だったように、現代では鹿肉竜田揚げが国民食⁉くらいに国家を上げて鹿肉を食せば、鹿も本来の生息密度に戻るはず。そんな鯨肉の赤身と鹿肉は共通点が多いと感じます。だから どちらも竜田揚げと相性がいいのかな。そこで今日は鹿肉で竜田揚げを作ることにしました。まずは漬け...
シカ肉は濃い目の味付けが私の好み。なので、スペアリブも甘辛の濃い目で。スペアリブ(アバラ)1㎏に対しての煮汁は こんな感じで調整しました。醤油 150ml酒 150mlみりん 150ml水 500mlおろしニンニク 5片おろし生姜 30gハチミツ 大さじ5砂糖 大さじ1まずはスペアリブをキレイに水洗い。そうしたらフライパンで表面を焼きます。...
増え過ぎたニホンジカを本来の生息密度に戻すための間引き事業『ニホンジカ管理捕獲』「美味しくいただく分だけを獲り、自然の恵みに感謝する」との狩猟の本質からは大きく外れています。でも、そんなことを言ってはいられない程に事態は深刻。時には農業の根幹が揺らぐレベルにまでニホンジカによる食害が及ぶこともあります。よって、私たち狩猟者はニホンジカを獲り続けるしかない。獣害を減らすことが狩猟者の唯一の社会貢献で...
ニホンジカの一網打尽作戦の段取りで、昨日は猟場を下見。管理捕獲が継続中でもあることから、タツ配置は完全な鹿シフトとしました。朝のミーティング通りの布陣を迅速に敷き、静かに作戦が開始。猟犬たちを放すとスグに鳴き出し、その後は山々に木霊する銃声が両斜面から絶え間なく。と、同時に無線も。尾根にいた勢子の私は頭の中で捕獲頭数を計算。引き出しや解体の事を考え、午前中の早い時間で猟を中止しました。やはり鹿たち...
いつもは猟犬の訓練がてらに猟を行う山。しかし、ここ数年はシカ山と化してしまい、一銃一狗はお休み状態。そんなシカだらけ山でも巻狩りを行うと、継続中のニホンジカ管理捕獲として意味のあるものとなります。ミカン農家さんからは「とにかく獲って」と懇願されてしまいましたし。そこで、この日曜日もまた強力な助っ人猟隊と共猟することに。今日はそのタツ配置の確認に猟場へと向かいました。って、いきなり落石や倒木で通せん...
昨夜、犬舎移設地のベッドで横になりながらラインの動画に見入ってしまいました。浜松の猪狩師 鈴木厚雄さんからラインで この猟期の成果を送って頂いたのです。今は亡き私の師匠とは猪犬つながりの盟友でもある鈴木さん。その御年を感じさせない猟運びで、猪犬マコと共に次々と大イノシシを仕留める様は圧巻の一語に尽きます。また、このマコが凄い。鹿児島の猪狩師が作出し、仕込み上げられた状態で鈴木さんの所へやって来たマコ...
少し前の出来事です。私は大イノシシ泥棒にされてしまったことがあるのです。流れとしては・・・括り罠に掛かっていた100㎏超と思われる大イノシシに、私の猟犬がアタックをかけてしまい、その大イノシシが罠抜け。それを追った猟犬が隣の山で今度は50㎏ほどのイノシシに当たってしまい、そのイノシシに追い換えて鳴き止め。GPS頼りに何とか追いついた私は、そのイノシシを仕留めたのでした。そんな事の始まりは次のとおり。括り罠...
もしも こちら地元が就職先ならば、私と狩猟を共にしたであろう息子。ところが就職先は他県。第一志望の企業に決まったこともあり、本人は大喜びなので、親としても嬉しい限り。そんな息子は現在大学4年で、研究室にてバタバタの毎日を送っているようです。でも卒業したら更に忙しくなり、こちら伊豆に帰って来ることすらままならないはず。本人曰く、最終面接で静岡県東部に支社を構えてくれるよう要望したそうですが(笑)。しか...
こちらの地域で「あれ?このイノシシ、少し痩せてるな」なんて個体は豚熱(豚コレラ)に感染していることが多々あります。血液による検査結果が陽性だった場合、県はすぐに報告してくれるため確認できるのですが。でも「すぐ」とは言っても検体の発送時間等を考えると数日は要するもの。なので、その間に肉を食べてしまうこともあり、私は今までに3回、そのパターンがありました。個体によっては普通に美味しく食べられる、何の違...
黒魔術グッズのお店『ラパンアジル』のヨッシーさんに特別注文した お昼ご飯。あぁっ、、、違った、フレンチレストラン『ラパンアジル』だった。早速、いただくことにしました。富士山をバックに・・・いやいや、こっちが主役。シューターズ・サンドウィッチのロングバージョン。中身は どんなかな。ジビエ料理の色々がタップリと入っている♪驚くほど重かったため、全部は食べ切れないと判断。ナイフで半分にカットして残りは家で...
板挟みの私は参ってしまいました。役場からの要請で有害鳥獣捕獲を実施する事となり、急遽その段取りを任された私。しかし、その実施場所は先輩罠師の猟場。断り無しにいきなり・・・では申し訳なさ過ぎる。よって電話を。とりあえず了承を得ましたが・・・先輩罠師が仕掛けた実施場所の箱罠の餌に、猪が餌付きだしたとのこと。一般狩猟での捕獲と有害鳥獣捕獲では、その目的が異なるため、あまりに忍びない。打開策を話し合うため...
猟犬の雌雄混合飼育は気が抜けません。メスが発情期に入ると、そのラブラブ フェロモンによりオスはメロメロ。そんなオスたちは興奮状態が続いて気が荒くなり、小競り合いが増えてしまいます。それはメス同士でも同じで困ったもの。どちらもエスカレートすると、後々引きずることもあり、楽観はできません。また猟犬の場合は一旦ケンカにスイッチが入ると、水を掛けたくらいではどうにもならない場合もあり大変。よって1頭でも発情...
煮込みタイプの猪スペアリブは様々な味付けで楽しめます。「この味付けじゃないとダメ」なんてことは無く、どれもがお好みレベル。猪スペアリブには、そんな包容力があるのです。因みに、今までに試した味付けは・・・塩煮、甘辛しょう油煮、赤ワイントマト煮、おでん出汁煮、そして、寄せ鍋の残り汁煮。猪スペアリブとの相性は、どれもが甲乙つけ難く、夢中で食べ続けてしまう美味しさでした。そんな中、今回試したのは鶏白湯しょ...
巻狩りにおいて、猟犬を引く勢子の存在は絶対。よって勢子は強い立場にあると言えます。だからこそ求められる勢子の人間力。でも、その人間力の先にあるのは何なのだろうと。最終的には後継者を育てることなのだと考えていますが。私の場合は幸運でした。今は亡き師匠は後継者になりうる狩猟者を探し続けていたのです。そこへ相対的に若手だった私が入隊。勢子役としての狩猟教育が始まったのです。そんな師匠の人間力は、三重県の...
今日は富士山が真っ白。私はバイク通勤で凍えてしまいました。車で出社した若手に外気温を聞くと「3℃でした♪」と。急に寒くなり過ぎ!こんな日の夕飯は、お鍋にしましょう。本当は猪鍋にしたいところでしたが・・・業スーで半額処分の鶏肉を大量に買っていたため、今晩は とり鍋に。その とり鍋のツユは、同じく業スーで買った『鶏白湯しょうゆ鍋』〆は うどんで・・・とも思いましたが、ピンと来たのイノシシの背骨。このツユで煮...
こちらの地域では、狩猟に鋸は欠かせません。倒木・枯れ竹を切る鋸と、解体に使用する鋸の2種類あれば十分ですが。先週末の枯れ竹を切り進みながらの猟でも大いに役立ってくれました。そんな倒木・枯れ竹を切る鋸も、今までに色々と試してきましたが・・・ひょんな事からナイスな製品に出会い、思わず買い揃えてしまいました。犬舎移設地で犬舎と訓練スペースを作るにあたり、伐採する必要があった鬱蒼とした森林。その作業を前に...
今日は いつもお世話になっている猟隊との共猟。私の猟場は、ある程度人数が揃わないと どうにもならない猟場が点在します。そんな猟場には籠城するが如く、外に出ない獲物がいるもの。ほぼ一年中実施している括り罠(管理捕獲)の影響が大きいものと思われますが。異変を感じた彼らは警戒するがあまり、移動を控える傾向にあるのです。その状況に変化を与えるのが猟犬。一気に動きを与えます。それを想定してのタツ配置。猟犬を入...
今日は家内に叱られてしまいました。「減量して走るの速くなったんじゃないの?ミカサが可哀そう。なにやってんの。もっと頑張んなさいよ」と。そんな今日の猟はと言いますと・・・まずは道を塞いだ枯れ竹を切り進み、猟場へと到着。猟犬はビープロのミカサ。1頭ででもイノシシに圧を掛けて、シッカリと鳴き止めしてくれる母犬コーシン譲りの猟芸を有しています。そんなミカサがイノシシを起こし、追跡を開始。向かいの山の斜面で...
本当にクマには くまってしまいます。あっ、困ってしまいます。。。私の猟場でも目撃報告があり、どうしたものかと。猟犬たちとカチ合ったら大変。おそらく私が対峙現場に到着するまでは、その攻防は終わらないでしょう。でもクマは撃ちたくない。生息分布を懸命に広げようとしている「だけ」のクマを。それに下手に撃って反撃されて、私の整った顔に傷でも付いたらどうしましょう。。。いや変わらないか。山梨県の猟仲間にクマに...
犬舎移設地に建つ築50年の古家。この古家をリノベーションして完全無欠の猟師小屋にしてしまおうと計画しています。敷地内には解体場と残滓埋却穴、そして犬舎を完備。古家内は数人が宿泊できるようにして、ダイニングには大きなテーブルと薪ストーブを設置。コンロや燻製器も ぬかりなく。プロパンのガスコンロとは別に、イワタニの『炙りや』と、自宅の玄関に鎮座している自作燻製器を持って行く予定。と、そんな構想なのです。...
食品小売り業界の異端児、業務スーパー。食肉の異端児、ジビエ。この個性の強い二つが融合すると、きっと素敵なモノが生まれるに違いない。ならば、まずは王道から試すか。とのことで、業スーのPB商品、その名も『業務シチュー』をシカ肉で作ってみることにしました。加熱調理時間が限られていたため、シカ肉は短時間で軟らかくなる背ロースを使用。ジャガイモは茹でてある物を用意。まずは、それぞれを一口大にカットして炒めます...
こちらの地域ではニホンジカの管理捕獲が5年間延長されました。理由を聞いてみると捕獲実績が上がっていないとのこと。私としては「やはり そうなるか」と思った次第。野生動物の身の危険における対応能力を侮ってはいけません。太古より連綿と種をつないできた彼らには、人が想像する以上の感覚が備わっているはず。確かに以前よりはニホンジカの生息密度が下がったように思います。括り罠の多い山裾に危険を感じ、山の高い場所に...
一般的に玉ネギは肉を軟らかくする効果がある・・・と、されています。しかしそれは、その成分が肉にある程度 染みわたってのこと。軟らかくする成分の濃度と、細胞に接触させる時間が要となるのでしょう。つまり、肉に対する玉ネギの量と漬け込み時間しだい。今回はシカ肉500gと、中玉1個分の擦りおろし玉ネギで試してみました。シカし、、、既に ここからが難しい。シカ肉は、性別や年齢によって肉質が随分と異なります。飼料や...
イノシシを好み、シカはあまり相手にしないビープロのトラを先導犬に。一方の生徒は三重地犬の零。零の能力は、まだ未知数。分かっているのは母譲りの強烈な瞬発力とスピード。あとは生体への反応が鋭すぎること。今日は、そんな零に まずはトラとの同調訓練を行いました。イノシシならば、いつもベタ追いのトラ。時には横並びで追うこともあります。ところが先にシカに当たってしまい、それに零が続き・・・GPS上での2頭は まるで...
ふっと考えてみます。猟隊に所属するにおいて、最も大切な心得は何なのだろう。それは貢献意識ではないのかと。「猟隊内で自分が役立てることは何か」この意識が猟隊内の調和を育み、それが安全かつスムースな猟行につながる。そして、お互いの信頼を強固なモノにするためにも、それは欠かせない。昨日に共猟した猟隊は、いつもの事ながら、阿吽の呼吸で猟の流れが見事に噛み合っている。そんな中、各自が次々と先読みして動いてい...
久々に山を登ると疲れます。今日はもうクタクタ。猟犬たちもハッスルし過ぎてクタクタ。でも移動しやすかったな・・・新調したスパイク足袋はナイス。それと、ヨッシーさんが作ってくれたシューターズ・サンドウィッチもナイス。猟を終えて海辺で頂きました。一汗かいた後はこれまた旨い!ごちそうさまでした♪そして肝心の猟果は雌ジカ2頭。う~ん、ビミョー。それでも久々の猟で皆の笑顔が絶えなかったのが何より。楽しい一日とな...
ジビエ料理の師匠と待ち合わせ。今日は師匠のお店に伺いました。沼津駅北口にバビルの塔のようにそびえ立つ建物。その名も『ココチホテル』2階に上がると黒魔術グッズのお店が。。。よく見ると、店名は『フレンチ ラパンアジル』と。おぉここが師匠のお店か。。。てっきり怪しいお店だと。。。早速、師匠から試食品を頂き・・・電動アシスト自転車にまたがり、我が家へと猛ダッシュで帰還。早く食べたかったので。試食品の箱には...
こちらの地域では今日から猟期となったものの私は仕事。だからと言う訳ではありませんが、タメ息が止まらない。いつ撃たれても おかしくない状況での勢子はやりたくないのです。当たり前ですが。猟場内の道を覚えない、タツ場を覚えない、そして猟犬など全く見分けられない。そんな有り様なので無線の内容も理解できない。稀ではあれ、その様な狩猟者は存在します。そして、これが「しょうがない」で済まされている事に驚きを覚え...
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猟場内に猪と鹿が混在している場合、猟犬は逃げ惑うだけの鹿を追いたがるもの。こんな話をよく耳にしますが、その度に「そんなことはないよ」と実際の状況を説明します。確かに これだけ鹿の生息密度が高ければ、真っ先に鹿を発見して追ってしまうのは仕方のないこと。でも「追ってしまう」と「追いたがる」は別の話で、それを混同してはいけない。勢子が上手く導けば「猟犬は、むしろ猪を追いたがる」と実感しているだけに冒頭の...
今年も子犬の世話でバタバタしていましたが・・・気がつくと、もはや制御不能なほどに激しくなってきた今回の2頭。もうワルワルなんてもんじゃない。生後3ヶ月半の子犬ってこんなに強烈だったかな。お婆ちゃん犬のコーシンが子犬だった頃のことを思い出してみると…確かにワルワルだった。先輩犬のヤマがノイローゼになるほどにコーシンも激しかったのを思い出します。でもヤマは幼いコーシンに揉みくちゃにされても決して怒らなか...
「熱中症になるのは気合いが足らないからだ!気合いだ!気合いだ!」と、いつも声高に言っている私。でも熱中症は気まぐれ。熱中症になりそうな時にならなくて、熱中症にならなさそうな時になったりもする。日中の気温が30℃にもなる初夏の捕獲業務で大汗をかきながら真面目に頑張る勢子の私。でも以前のように熱中症で尾根で倒れて、カラスの餌食になることは無くなりました。。暑さに慣れて、体力もレベルアップしたのでしょう。...
狩猟で酷使している私の猟車。林道での横転や大木への激突などもありました。もはや満身創痍の状態。でも猟車のスズキ キャリイは一生乗り続けるつもです。ところが…猟場の下見中に岩に乗り上げてしまい、下回りを強打したことが原因で面倒なことになってしまいました。フロントのシャフトブーツが破れて、取付金具も変形。そこで、いつもお世話になっている整備工場で直してもらうことに。すると驚きの事実が判明。純正品のシャフ...
この日曜日のニホンジカ管理捕獲は県境の標高の高い奥山。私はこの地域には苦い思い出があるため、長らく猟犬を引いていません。「なんだ、犬を連れて来なかったのか」と言われても、頑なにすっとぼけ続けた8年間。「いや、また皆さんに迷惑をかけちゃうんで」と。鹿の大群を猛追した猟犬たちが隣の県まで行ってしまい…回収したのは日が暮れてから。数十名の隊員たちが その帰りを待っていてくれたのです。そして先輩方が「お疲れ...
一ヶ月ほど前に移設犬舎の訓練区画で捕まえたヒキガエルの亜成体。雌雄の判別をしてみると、メスの特徴が出始めていたため「ヒキ美ちゃん」と命名。観察も兼ねて しばらく飼育してみることにしました。エサやりは専ら自然任せ。古家の玄関灯下に飼育ケージを置くと、勝手に蛾や小さな甲虫がその中へと落ちるため、ヒキ美ちゃんはせっせと舌を伸ばして お食事を。舌の伸ばす際に「ペチッ」と舌の発射音がするのが面白い。射程距離は...
不思議なもので、世の中にはウリ科の食物が大好きな人と全くダメな人が居るようです。考えてみれば、どんな食べ物にも好き嫌いはあるものですが、ウリ科の食物は身近なだけに その違いが目立ちます。我が家でも息子は大のウリ科嫌い。キュウリだけではなく、メロンやスイカもダメ。あの共通したニオイが受け入れられないのだとか。カットしたマスクメロンを前に「いらない」と皿を押し戻す姿の何と気の毒なことよ。その瞬間「待っ...
毎年、猟犬たちの体調や仕上がり具合に応じて出猟や予防接種のタイミング等を調整しています。しかし、ここ3∼4年は豚熱の影響もあって猪狩りの方は休止状態。また勢子役が激減する中で、各猟隊が協力し合っての合同猟が増えため、一銃一狗や少人数での出猟は減る一方。そんな中で一時期は日本犬(三重地犬)のみの飼育に徹して、その中から個々の特性や気質を鑑みて一銃一狗に使う犬と巻狩りに使う犬とに分ける予定でした。しかし...
猟場の事前調査の努力に応えてくれるかのように、遠方からも多くの猟師たちが応援に駆け付けてくれた昨日のニホンジカ管理捕獲。まさに鉄壁の布陣と言えます。隣山への逃走ルートを塞ぎ、前進守備の中タツには凄腕猟師たちを配置。その布陣はまるで大阪の陣の真田丸が如く。全員が赤備えで気合いもバッチリ。いや、オレンジ備えか…そして尾根上には全国大会上位者のライフルマンたち。つまり極めて優秀な狙撃兵を見通しの良い場所...
巻狩りにおいて、囲み役や その配置場所を「タツ」「マチ」「タツマ」などと呼びます。また、これらタツの目安となるのが「通り」「ウツ」と呼んでいる獲物の通り道。山から山への日常的な移動に使う通りや、水を飲みに行くためにだけ使う通り等々。一般的には日常的な移動の通りを逃走ルートとするため、その見極めは大切です。そんなタツの場所が決まったら、次に考えることはタツ役同士で撃ち合わないための位置取りやバックス...
まずは玉ネギとニンジンを炒めて、先に煮込みを開始。主役の猪肉は、塊のまま表面を軽く焼いて肉汁の流出をストップ。塊肉のまま鍋に投入します。ちょっと猪肉の量が多かったかな。で、30分ほど煮たら塊肉を取り出します。やはり1.5kgは多かったな。カレールーの箱裏に書いてあった量の3倍だもの。でも取り出した塊肉は煮る前と殆ど同じ大きさで、肉汁を蓄えたまま火が通った状態。小さく縮んでしまった肉とは違って筋繊維間の空間...
「シェー! もう やめてほしいザンス!」「そんな つぶらな瞳で見つめてもダメ」でもヤメられない止まらない地底探検への穴掘り。懸命に掘り進めるホマレ。そこへ作業効率をアップさせようと、サカエが連結。ツインパワーで土をかき出します。その後ろで様子を見ていたコーシンの顔に土が直撃。ほら出入口が土だらけになっちゃたじゃない…って、脱走禁止!よし、言うことを聞かないのなら奥の手じゃ。父ちゃんを侮るでないぞ。前...
まだまだ続くニホンジカ管理捕獲。県担当者と猟友会上役の方々から新たなる実施区域の調査依頼を受けて、猟仲間たちと共にタツ配置のマーキング等を行いに猟場へと向かいました。標高400m程の低山を囲む巻狩りとなるため、今回も かなり大がかりな捕獲となります。こんな事もあろうかとタツ配置場所に通じる林道を復旧整備しておいて正解でした。基本的には猟場に詳しい先輩に教えて頂きながらの調査。次々とマーキングして行きま...
雨降る森の中、移設犬舎の古家で一人黙々と焼く猪肉。半径200m以内には自分しか居ないとのヘンな優越感。森を独り占めした気分になれるのです。そして森の一部にもなっている。そんな森から授かった恵みを力いっぱい美味しくいただく。猪肉は やはり焼肉が一番。今回の部位は肩ロース肉とホホ肉とタン。そう言えば未だに食器を用意していなかったな。学生の頃から使っていたラーメン鉢が一つあるだけ。我が家の食器は全てセットな...
体をかがめて暗闇の中を進んで行く。まるでノストロモ号の排気ダクトの中でエイリアン狩りを行っている感じ。そして「ぐわぁ~っ!」と、自分が狩られる…でも私はダラス船長とは違って経験豊富な凄腕猟師だから大丈夫。。まずは強力なライトで視界を確保!武器は火炎放射器…ではなくて草刈り鍬と炭スコップ。これは何となく負けている気がする…なので強力掃除機で撃退!って吸ってどうするの。ゴーストバスターズじゃあるまいし。...
「積載量 積めるだけ」なんてステッカーが貼ってある貨物車を時々目にします。そんな茶目っ気ある文句に微笑ましい気持ちにもなりますが、これがインドやパキスタンだったら大変。彼らは本当に積めるだけ積みます。とにかく怖いもの知らず。また、スクーターならベトナムやタイだって凄い。家族全員でスクーターに乗ったり、荷台に大きな豚を積んだりもする。私の愛車、ベトナム・ホンダ製のディオ110は、それら過積載を想定しての...
先日に実施されたニホンジカ管理捕獲の対象地区は隊員たちにとっては馴染の山。皆がそれぞれに鹿の逃走ルートを把握しています。また、猟期中は私たちが合同猟を行う猟場なので、手堅く成果を上げられる間違いない山でもあるのです。今回は静岡県猟友会会長はじめ、県職員の方々も参加しての大がかりなもの。よってタツ役は私たちが猟期中に行う巻狩り時の4倍も。鉄壁の囲みと言えます。おまけに参加者の多くが凄腕猟師で、射術に...
移設犬舎に建つ古家。今はこの古家で一人楽しく暮らしています。本来ならば「一人寂しく」となるのでしょうが、そのようなことは全くありません。明るい間は野鳥のさえずりの中、様々な作業に没頭し、休憩の度に猟犬たちと戯れる。暗くなって静まり返ると、今度は「この森には私一人だけ」との不思議な満足感に包まれます。都会の喧騒を離れて…って、離れ過ぎな感じがたまらなく気持ちが良いのです。ただし、そう思えるのも普通に...
職場から移設犬舎に戻ると子犬区画の地面には大きな穴がボッコリと。私が体育館座りで余裕で腰まで入れそうな大きさに驚きます。子犬区画には世話係として お婆ちゃんのコーシンも一緒。おそらくオテンバ盛りのサカエとホマレに手を焼いたコーシンがストレスから掘ったものか。呆れた私はコーシンに「いい歳して穴なんて掘らないでよ」とボヤきます。コーシンは私の言葉を理解できるため反省を…と思ったら戸惑いの表情に。「あれ?...
子犬の名前について家族からクレームが付いてしまいました。「なんで同じ名前にしちゃうの?」と。「ユキカゼ号にはユキカゼ号の思い出が、フミにはフミの思い出がある」とのことなのです。そりゃそうだ。それにユキカゼ号もフミも新しい飼い主さんの事情によっては我が家に戻って来ることも考えられます。現に今回のEさんの件でも「リハビリが上手くいかなかったらゲンを引き取ってくれないか」と言われてしまいましたから。コー...
我が家の犬舎横の道端に生えていた謎の植物。大きく育ってしまい ご近所さんの通行の妨げとなりだしたため、刈ることに。ところが庭にその植物を捨てたところ、犬たちが引っ張り出してムシャムシャと食べだしたのです。「もしや♪」と葉を齧ってみると、これが結構イケル♪粘り気があるあたりはツルムラサキにも似ている。でも毒性は大丈夫なのだろうか。今までに野草で このような植物を見たことが無かったため、調べてみることに。...
三重地犬の子犬、シオちゃん♪マチちゃん♪そして フミ君!みんな可愛い顔して もうワルワル!子犬が複数頭であっても躾のコツを掴んでいる私は、今まで全頭上手くいったと実感しています。ところが、このワルワルな3頭には そのコツが通用しない。とにかく激し過ぎるのです。そこでジックリと観察を続けたところ、あることに気が付きました。今までは数頭に一頭の割だった斬り込み隊長のような怖いもの知らずの子犬。それが今回の子...
私は素人の一狩猟者であってプロ猟師ではないため、獲物肉の販売に関する許可は得ていません。よって猪肉や鹿肉の販売はできず。また猟犬の繁殖は血筋存続が目的であり、販売を目的としていません。したがいまして、血筋存続に協力して下さる方にのみ子犬や仕込み犬を差し上げている状況です。そんなことなので、ブログ写真においては誤解を招かぬように解体場面などは極力掲載しないようにしています。以前に何度か猪の解体シーン...
私の職場では新型コロナウイルスによる病欠者が目立つようになってきました。エアコン使用による部屋の閉め切りが それを助長しているのかもしれません。いずれにしても夏季の第一次長期休暇を前に職場はテンテコ舞い。人材不足が深刻な問題となっている中で、更に人が足りない状況となり、皆がバタバタ。でも長期休暇は何が何でも休んでみせる。休日返上なんてまっぴらごめん。私は出勤日より休日の方が断然に忙しいため、休日は...
先日、近所のスーパーで半額にて購入した 丸のままのボイル豚足。1本はその日のうちに美味しく頂きました。ところが残りのもう1本はチルドルームに入れていたのに 3日ほどで残念なニオイに。ただでさえ悪くなるのが早い豚足。半額品ともなれば最大級の警戒をしつつ、早めに食べるべきでした。普段から「SDGs 命!」などと声高に言っておいて、これでは豚ちゃんに申し訳ない。とりあえず丸のまま洗ってみましたが・・・まだ少し臭う...
今年の冬で9歳になるビープロのメスのコーシン。発情期が来たものの、どうやら排卵はしていない様子。でも発情フェロモンはプンプンに発散しているようで、オス犬たちはメロメロ。犬もある程度の歳になると排卵は止まるようですが、発情は一生続くとのことで、なんだか不思議。その生態に意味があるのだろうか。祖先であるオオカミの存続において、この状態に優位性があったからに他ならないとは思うのですが。コーシンは早めに引...
最高気温が40℃とは何事なのだ!あまりの暑さにバリカンで頭を丸刈りにしてしまいました。ついでに子犬たちも丸刈りにしてあげたいくらい。暑すぎて大人しくなってしまったのです。今は扇風機で何とか凌いでいる状態ですが。でも少し体が冷えてると、大人しくしていた分を取り返さんとばかりにハッスルするのは如何なものか。子犬は冷やし加減が難しいのです。。。脱走禁止!エサも今は猛暑仕様。獲物肉と野菜を煮て一旦冷まし、後...
実直な猟犬のミカサ。人に例えるならば「真面目な働き者」といった感じで、私に似ています。。。今日はそんなミカサが猟師仲間さんへの元へと旅立ちました。その役目は先導犬として頑張ってもらうため。猟師仲間さん宅には生後4ヶ月になるプロットハウンドが飼われています。名前はスカイちゃん。とても可愛い女の子。そのスカイちゃんの先生役がミカサなのです。なんかイヤな予感がする。禁断の愛が。。。ミカサ、教え子に手を出...
狩猟を始めるにあたっては、まずは猟友会の先輩方を頼るのが一般的。右も左も分からぬ中で好き勝手に猟を始めれば、トラブルを引き起こすであろうことは誰でも察しがつくでしょうし。猟友会の会員になることは、狩猟を始める第一歩でもあるのです。問題は そのあと。「良好な人間関係の先に本来の狩猟がある」と私は強く感じています。「狩猟を行うために人を頼る」ではなく、あくまでもお互いに信頼し合えるような人間関係を構築...
生後3ヶ月半となった三重地犬の子犬たち。そろそろ躾を始めようかと考えて、1頭ずつ分けることにしました。初めのうちは寂しいのか、互いに鳴き合ったりもしましたが、程なくすると静かに。食事をゆっくりと取れるため「単独も悪くない」と気が付いたようにも見えます。毎度のことではありますが、単独飼育に移行した方が断然飼いやすい。やはり1対1だと互いの距離が一気に縮まります(これは物理的に)。マチちゃん近いよ。そして...
趣味的なことにアレコレと手を出す私ではありますが、実は一番の趣味は釣りなのです。小学二年生の時に貯水池でフナを釣って以来、もう釣りに どハマり。あの日の記憶は今でも鮮明に残っています。その後、進路においては紆余曲折あったものの、最終的には 釣り→魚類→水産との流れで その道を突き進み、挙句の果てには原点に立ち返り 脱サラして釣具屋を共同経営。傾きかけた釣具屋を買い取り、懸命に働き続けたところ、スタッフた...
昨日は3年ごとの狩猟免許更新のための講習に行ってきました。周りを見渡すと、今回が最後の更新になるであろう ご高齢の先輩方も多い。「歳なんだから やめろって家族がうるさいんだよ」と少し寂しそう。でも ご家族のお気持ちも十分に理解できます。狩猟は危険を伴いますから。人生の区切りのためにも、3年ごとの更新は意味があるのでしょう。昼過ぎに講習が終わると、同席していた会長が役場からの捕獲要請を伝えてきました。猪...
猟犬用のGPS発信機と受信機は今や無くてはならない存在です。狩猟事故防止や猟犬の命を守るにおいて、これほど心強いモノはありません。「便利なモノを手に入れてしまった以上、人類はもう後戻りはできない」との お決まりの流れに当てはまる物の一つに。つまり車や電話やパソコンといった利器と同じ。その運用のために法律が新しく制定され、今もなお改正が続いているのです。ところが運用上の不備における法律改正の狭間で、理不...
我が家の三重地犬の血筋存続計画において、次なる段階に入りました。まずは将来に向けての我が家の繁殖可能なメスが3頭となり、猟師仲間の元へと貰われて行った4頭を含めると7頭となったことで「最後の1頭」との危機的な状況は脱しました。そこでオスたちを別猟隊へと旅立たせ、武者修行を行いつつ、そちらの方の各系統の種親となってもらうことに。せっかく猪犬に仕込み上げても、こちらの地域では豚熱の影響が長引いたこと等によ...
これで三日目。日曜日は休診日なのにもかかわらず、父を診て下さった主治医の先生。抗生剤と栄養剤の点滴が父の窮地を何度救ってくれたことか。毎度のことながら感謝の言葉しかありません。父は今年で89歳。心臓弁の手術から10年以上が経過し、本人は「座して死を待つのみ」と雑音の混ざり出した心音に腹を決めています。「死の迫った老人でありながら、国家に高額な医療費を支出させてはならない」と。しかし今回の急性前立腺炎は...
今日の昼休みに母からの電話がありました。父が倒れたと。持病の急性前立腺炎が再発して、またもや動けなくなってしまったようなのです。仕事を早目に切り上げたものの、行く手を阻む線状降水帯による強烈な雨。車がアチコチで立ち往生する中、水しぶきを上げて突き進む愛機インターセプター。「マジで浮く!」と焦りながらも、なんとか実家へ到着。バイクは冠水に強い。その間、病院には家内が連絡を。こともあろうに母のスマホの...
いつもと違う格好だと、意外と警戒する犬たち。人を判断するには、声やニオイより容姿が最も手っ取り早いからなのでしょう。とくに緊張状態の犬は、その傾向が強いのです。これは日本犬も洋犬も個体差はあれ、同じ反応を示す比率は変わらないように思います。なので仕込み途中の若犬には、あえて猟友会のベストと帽子の出で立ちで接する場合も。この出で立ちに普段から慣らしておくと、若犬が初陣で戸惑わなくなります。なにせ見知...
毎日欠かさずに行っている猟犬全頭の触診。知らぬ間にケガをしていたり、腫れていたり、マダニがついていたりと。何でも早期に発見するには触診が一番だと実感しています。「なんだか この辺りが少しヘンなんだけど」と早目に素振りでも見せてくれるといいのですが。犬は よほどでないとメッセージを発してくれませんから。「我慢強い」とでも言いますか。そんな中、今年の春先にビープロのコーシンのお乳に小さなシコリがあるのを...
我が家の家計を支えているカメの繁殖販売。ここ数年は猟犬のバタバタで休業状態でした。それでも昨年はストックしていたハラガケガメのおかげで、家内に年貢を納めることができました。そんなカメの販売については、いつもお世話になっているレップフォレストの店主さんに全てを任せています。幅広い人脈と巧みなセールストークで大抵は完売してくれるため、私にとっては頼れる人。でも私が忙しさを理由にカメ繁殖をサボり続けたた...
60歳での一次定年退職が あと1年半に迫る中で、色々と考えてしまいます。昨今の人材不足により私の職場も厳しい状況にあり、その対策として一次定年退職後も月々の給与は減額されない規定に変更。それが65歳までとなったのが2年前。そして今年からは65歳での定年退職が撤廃されて、70歳まで その条件が適用。先日、人事課からの達しがありました。あの世に行くまで働けというのだろうか。これぞまさしく終身雇用。。。私自身、以前...