以前、若手の猟仲間から「理想の猟芸って どんなの?」と聞かれたことがあります。猟芸とは、主には猟犬の猪へのアプローチや対峙の仕方のことで、そのパターンは様々。また単独猟や一銃一狗と巻狩りでは、求められる猟芸が大きく異なるため、一概には答えられない。質問をしてきた若手は猪狩師ではなかったため、とりあえず狩猟スタイルを確認。すると「単独での猪狩り」と直球ストライクな返答。「おっ、わかってるな」と思いつ...
何となく気持ちも新たな今猟期。猪犬たちとの一体感を心置きなく楽しめる単独猟。今まで続けてきた巻き狩り、いわゆるグループ猟とは異なる狩猟の魅力にハマっています。しかし、こうやって単独猟を普通に行えるのも先輩猟師方のおかげ。巻き狩りを通して、その基本の様々なことを教えて頂きました。また実際を目の前で検証できた経験が今期の単独猟に大いに役立っています。本当に先輩猟師の方々には感謝の言葉しかありません。と...
両親にシカ肉の燻製を食べてもらおうと、今日は朝から伊豆の山中に行ってきました。ただし、同じ伊豆の山中でも、猟場とはエライ違い。都会から移り住んだ人の多い、垢ぬけた住宅地なのです。ところが、今はその住宅地が何処もかしこも大変な状態に。イノシシだらけなのです。ハッキリ言って猟場の何倍も生息しています。しかし、この住宅地一帯は銃猟禁止で罠猟も原則禁止。その「罠猟の原則禁止」がミソで・・・自分の敷地内なら...
なんとも「エンニオ・モリコーネ」の旋律が聞こえてきそうな題目。それにしても今日の猟犬たちは凄かった。我が家の横の道。ドップラー効果を伴って走り去る救急車。その大音量のサイレン音に負けじと、猟犬たちが一斉に力いっぱい遠吠えを。近所の、ご高齢の方が倒れられての救急搬送。私には、その猟犬たちの遠吠えが「挽歌」に聞こえてしまったのです。。。さて、ここからは題目と全く関係ありません。今日は猟犬たちの犬舎改築...
いつも思う、悩ましいことです。同じような猟果を上げさせてくれる猪犬でも、やたらとケガをする犬と、そうでない犬がいます。すぐに口を使おうとする、いわゆる「咬み犬」は別にして「鳴き犬」と称される猪犬でも、その差は歴然。ただし「鳴き犬」とは言え、獲物によっては咬みに行こうとする場面は多々あります。よって「鳴き犬」と「咬み犬」とは、完全に分けられるモノでもありません。使役する上で、猪犬個々の猟芸を、血筋に...
月並みな言葉ではありますが、一年が経つのは早いものです。それこそ、あっと言う間。しかし、そのあっと言う間に世の中が変わってしまった。私にとっては、ちょうど一年前のあのイベントが・・・人混みの中で楽しんだ最後となってしまったのです。『マッドマックス コンベンション』なんとも怪しげなイベントでした。会場には、ぶった切り銃身の水平二連や、クサリの付いた鉄球を持ち歩く来場者たち。ヒューマンガスのお面を被っ...
先週の猟で、ちょっとした問題が生じていました。2頭の3段角の大シカを追っていたコーシンとトラ。その2頭のうち、1頭の大シカを追い続けたトラが、どうやらしくじったようなのです。私のもとへと戻って来るのが早かったため「あれ?」と。その場で、おおよその見当がつき、家に戻り、適切な処置を施しましたが。その後のGPSデータを解析して「あっ、ここでヤラれたな」と、なんとなく分かりました。猟場の境にある水量の少...
「燻製シカ肉を作る」の続きです。風乾工程の間に寝床に着いた私。何度か起きて、乾き具合を確認してみました。気温は10℃と問題は無かったのですが、湿度が80%と高め。当初は風乾時間を6時間と見積もっていましたが、もう少し様子を見ることに。最終的には8時間を要しました。やはり洗濯物と一緒で、風乾も湿度が大きく影響します。その時点で朝になってしまったため、風乾の済んだシカ肉を密封容器に入れて冷蔵庫へ。本当...
自然から授かった尊い命。その命をありがたく美味しく頂く料理の一つ「燻製」今回はシカ肉を使用して新たなる「味」を試してみることにしました。燻製には熱燻、温燻、冷燻とありますが、今回は冷燻でシカ肉を「生」状態で味わってみることに。刺身やタタキとは一味違った食味を模索してみます。そこで思い付いたのがスモークサーモン風仕上げ。今までに様々な種類の鮭鱒と、それに合ったソミュール液や塩など、20年近く試作を続...
今日は嬉しい出来事がありました。カノとのイノシシ猟は残念ながら不猟に終わりましたが、その後がバッチリ!まずは朝一番で昨日のシカ掃討作戦を遂行した猟場に行き、見切りを開始。ところが早々にイノシシの抜け足を発見。少し中に入って見てみるも、シダボサの中から猟場の外へと続くイノシシの生足。この辺では、イノシシの新しい足跡を生足(なまあし)と呼んでいます。どうやら昨日の騒ぎで、イノシシは寝家を変えてしまった...
今日は昨日と打って変わって絶好の狩猟日和。少し風が吹いてくれると、昨日の雨しずくが落ちて、ボサの中を進みやすいのですが。贅沢も言っていられません。猟場付近の山は低山なので、紅葉はまだ始まったばかり。さて、シカ山でイノシシを獲るための事前準備をはじめるとします。コーシンとトラの夫婦コンビでシカの掃討作戦。シカを蹴散らしてから、和犬のカノでイノシシを獲りに行こうという皮算用。実際にはコーシンとトラがシ...
一昨日、ちょっと面白い話がありました。銃の所持許可更新の必要調査の一つ、管理状況確認と面接等のために警察官が我が家に来た時の出来事です。夕方、予定時間どおりに我が家に着いた警察官。猟犬たちが一斉に鳴き出しての熱烈歓迎。なんともゴージャスな呼び鈴です。その呼び鈴から逃れるために、我が家の中に慌てて避難する警察官。マスクをしていても、その風貌から若さが伝わってきます。家に上がって・・・「あの~、え~っ...
来週の土日に予定している猟場は、シカの多いシカ山。猟場内にはイノシシの寝家もあるのですが、まずは先にシカが起きる山なのです。よって洋犬のコーシンとトラを連れて、まずはシカの掃討作戦を。ところが・・・和犬のカノは、シカに対してはどうも淡白。それはそれでアリだとも思っているのですが。開けた火山灰の多いシカ山で、何度かシカを追わせてしまったせいか?フルスピードで逃げ回るシカに翻弄され続けて、シカ嫌いにな...
それにしても、この方はスゴイ。男の私から見てもカッコイイいのです。それに、とても二期目のハンターとは思えません。以前も書きましたが、どれをとってもプロフェッショナル。あえて「女性ハンターさん」などとの気遣いは無用。でも、この方のことを何とお呼びして良いのやら。「タマちゃん」とか「ゴルゴ姉さん」などと勝手なことをブログでは書いていますが・・・今回もゴルゴ姉さんにしておきましょう。ところで、このゴルゴ...
山での機動力や膝への負担を考えると、体重増は勢子の場合、命取りに。もちろん猟犬たちのケガや命にも関わります。「あともうチョット早ければ・・・」なんてことは意外とありますから。ある種、責任感にも似た心構えが勢子には求められるのです。それは自己管理も含めて厳しいものなのです。もはやその厳しさは「鍛錬」とも呼べる類のモノなのでしょう。。。そこで、いきなりですが・・・日本人なら誰もが知っている永谷園の「お...
熱帯魚飼育が下火になって、もう何年になるのだろう。自然災害に伴う停電により、多くの熱帯魚飼育愛好家が、その趣味から離れてしまったようです。こちらでも、輪番停電などにより飼育を諦めざるを得なかった人が、私の周りだけでも何人もいました。私は、その前には魚の飼育をヤメて爬虫類を飼い始めていて、難は逃れましたが・・・慌てて、昔ながらの電源のいらない石油ストーブを購入。ところが今は、狩猟や猟犬でバタバタしだ...
う、腕が上がらん。昨日の猟で、15kgほどの子イノシシを手でブラ下げて下山。そうしたところ、朝になって左手に力が入らないことに気が付き焦ります。たかだか小一時間ほどのことでしたが・・・我ながら情けない。それに猟犬たちにも申し訳ない。やむを得ず、今日は出猟を見送ることにしました。コーシンなどは、猟車に付着したドロ汚れを頻りと嗅いで気分を高めていたのに。山の土のニオイが分かるのです。朝になって・・・出...
少し遅れての初猟。今日はカノと山へ。さて、どんなドラマが待っているのかな。まずは日当たりの良いカヤボサに向かいます。獲物の新しい足跡が多いのですが、殆どがシカのモノ。どうやらここはイノシシはお留守のよう。ならば、お次は尾根向こうのシダボサを当たってみましょう。と、あれ? お久しぶりのジムグリちゃん。なんともキレイな個体です。カノのことなど放ったらかしで、しばらくの間、見入ってしまいました。驚かせち...
今までに使役した中で二頭だけ面白い猪犬がいました。勢子請負人として、自分の犬も含めて関わってきた猪犬たち。その中でも猟芸をシッカリと観察することが出来たのは40頭余。和犬から洋犬、そしてミックス犬までの様々な犬種において、その面白い猟芸を示す猪犬2頭は、いずれもミックス犬でした。一頭はプロットと紀州犬のミックスで、メスの当時5才。(別猟隊のM親方の猪犬で、名前はサリー)もう一頭はビーグルと紀州犬の...
こちら静岡県では、猟期初日に銃の暴発で、自分の膝を撃ち抜いてしまった人がいたようです。なんか痛そう。どうやら脱砲忘れが暴発の原因だそうで・・・「あっきょさん、脱砲は大丈夫ですか?」と銃検の前に確認されてしまいました。そして銃検が終わり、次は所持許可更新申請の書類を担当者に提出。銃使用明細簿の書き方について、事細かに使用目的を訂正させられました。猟期中は「管理捕獲」ではダメなんだと。例え「管理捕獲」...
毎年寒くなりだすと俄然ヤル気になってくるのが燻製作り。なんでヤル気になるのかと言いますと、燻製作りの工程の一つ「風乾」に都合の良い気温と湿度になるからです。蒸し暑い時季に風乾を行うと、腐敗や乾燥不良が懸念されますので。どうしてもと言うことであれば冷蔵庫などでも風乾は行えますが・・・庫内のニオイが着いてしまったり、乾燥させ過ぎたり、外に出したときに結露してしまったり。自然な仕上がりとするのが難しくな...
あ~今週は何だか面倒くさい。銃所持許可の更新があるのです。それと春に行えなかった銃検査も同時に。毎度のことながら必要書類を書いたり、色んな証明書を揃えたりと厄介なことばかり。本籍が東京なので身分証明書一つとっても取り寄せるのが面倒。前回の時などは返信封筒が届かずに焦りました。調べてもらったところ、こちらの郵便局の不手際が原因だったのですが。そもそも何で身分証明書で破産確認なんて必要なの。お金が無い...
大物猟において、使用弾が「原則スラッグ弾のみ」となって久しい、こちらの地域。全国的にも同じ状況なのでしょうか。とくに有害・管理・認定などの捕獲業務では、6粒や9粒のバラ弾の使用を禁止しています。それでも決まり事を無視する者は後を絶ちませんが。「とりあえずは散弾銃なのだから」との思いはありますが、犬持ちの私としては複雑な心境です。私自身は勢子なので、バラ弾を使用することはありません。狩猟を知らない方...
「猟師の仁義」なんて言葉は過去のモノなのか。以前は存在した「巻き狩り猟師」と「罠師」との不文律。それが今は崩壊状態。互いの暗黙の棲み分けが乱れたままに。巻き狩り猟師が高齢となり、罠師に転身してしまったのも大きな要因です。つまりは銃猟も罠猟も同じ猟師。猟師の中には自分さえ良ければ、後の事は何も考えないガメツイ輩もいるということ。そして、それを後押ししてしまっているのは報奨金制度。いつも書きますが、そ...
どんなに考えても、なかなかワンコたちに届かない犬小屋の寒さ対策への思い。そして未だに思い浮かばぬ妙案。あれやこれやと試しているうちに、どんどん寒くなってきました。もう風邪をひいたって知らないよ~!先日の毛布は一瞬でボロボロ。ならばとダメもとで段ボールを敷いてみたら、やっぱりダメ。まるでイリュージョン。朝になったら犬舎内から消えていました。どうもテレポーテーションした先は、ミカサとマルコのお腹の中。...
グループ猟を行っていると、様々な場面で見えて来る狩猟者個々の技量の差。その中でも射撃技術には大きな差があります。それこそ天と地ほどの。銃声が聞こえれば、必ず獲物が転がている射撃上手の猟師。一方、とても「猟師」とは呼べない、鉄砲が鳴っても獲物に命中することが殆ど無い人。そんな人は、獲物が来ても気づくことすら出来ないこともしばしば。何度もそんな場面を見てきました。「おいおい、気が付けよ~」と。そのまま...
グループ猟には欠かせない車載無線機。もちろん単独猟でも何かと役立ちます。おそらく普通の大物猟猟師であれば、猟車には車載無線機を装備しているハズ。そこで気になるのが車載無線機の取り付け位置。これは車種や無線機のタイプ、そして「好み」によっても色々。果たして、どこに取り付けるのが一番良いのか悩みます。つまり、どこに取り付けても一長一短。よって最終的には、やはり好みの問題か。今まで多くの先輩方の車載無線...
今頃になって言われても・・・・・と、困ってしまう電話が先週ありました。「あの子はあなたの子よ」とか・・・「以前、貸したお金を返して」などの類の話ではありません。深海底引き網漁で有名な漁師町。その漁師町の猟友会分会副会長からの電話でした。この副会長の所属する猟隊とは、猟期中の狩猟や管理・認定捕獲でも共猟することがあります。したがいまして、私は副会長にいつもお世話になりっぱなし。また毎猟、勢子の私を労...
そう言えば・・・・・私の猟仲間のベテラン猟師に、大変な目に遭われた方がいました。今から10年以上前の話のようですが・・・山梨県内での猟行中に、熊に襲われてしまったそうなのです。その時の熊の攻撃により残ってしまった顔面や腕の深い傷跡。私はそれを見て、血の気が引いたのでした。改めて熊の力の強さを知ったのです。「熊を見つけたら、やたらと撃ってはいけない。 熊を逆上させるだけだ。 落ち着いて心臓を狙うんだ...
50代になり、年を追うごとにアチコチにガタが来だして焦る私。運動量を少しでも増やそうと、エレベーターは使わず、どこに行くにも自転車。極力、車やバイクには乗らないようにしています。なにしろ筋肉を使っていないと、どんどん力が無くなってしまう。腕も足も細くなってしまう。そして一度落ちてしまった筋肉は、若い頃のようには戻らない。嘆かわしいことに、太くなるのは胴回りだけ・・・つまり腹が出る。視力だってキビシ...
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以前、若手の猟仲間から「理想の猟芸って どんなの?」と聞かれたことがあります。猟芸とは、主には猟犬の猪へのアプローチや対峙の仕方のことで、そのパターンは様々。また単独猟や一銃一狗と巻狩りでは、求められる猟芸が大きく異なるため、一概には答えられない。質問をしてきた若手は猪狩師ではなかったため、とりあえず狩猟スタイルを確認。すると「単独での猪狩り」と直球ストライクな返答。「おっ、わかってるな」と思いつ...
今回のカノのお産で三重地犬の繁殖は一旦ストップ。カノは台雌としての役目を引退させて、あとは運動程度に山に連れて行く のんびりとした生活を送ってもらうことにします。本当にお疲れ様でした。この二回目のお産ではメスの子犬3頭のうち2頭を手元に残すため、一回目の子の駿河と併せて次の世代にバトンを繋げられるメスは3頭に。この中から私の理想とする猟芸に最も近いメスと、猟師仲間さんが苦労して存続させてきた猪犬血筋と...
先日、犬舎移設地近くの公共駐車場での出来事です。空きスペースに いすゞビッグホーンを停めたところ、その横に驚きの車が。なんと、いすゞ117クーペ。それも希少な初期型!わかる人には分かるマニア垂涎の車。ビッグホーンから飛び降りた私は、117クーペのドライバーさんにまずは挨拶を。そして「1.6Lのツインカムエンジンの初期型ですね!」と間髪入れずに。続けて車内を覗き込み「純正のウッドステアリングだ! よろしければ...
♪この木なんの木 気になる木 かなり弱った木ですから かなり危険なことになるでしょう この木なんの木 気になる木 犬が集まる木ですから 犬がケガすることもあるでしょう この木なんの木 気になる木 倒れたら柵が壊れますから 倒れた場所から犬が逃げるでしょう♪とのことで、犬舎移設地の柵内で立ち枯れしたコナラを伐採することにしました。昨年は弱々しいながらも葉が生えていたコナラ。しかし、今年はとうとう芽吹かず...
昨日は須山射撃場へと行ってきました。『フィールド射撃競技』と呼ばれるクレー射撃の地区大会の進行係を任された私。大会をスムースに進めるために奔走する一日となりそうな予感。ところが選手の皆さんは心得たもので、淡々と競技が流れてゆく。さすがはベテランさん揃い。そんなことだったので、選手の中には私に動画の撮影を依頼する人まで。「お~い、あっきょ君、頼むよ♪」や「次は自分のも撮ってくれる♪}などと。進行係だか...
「壊れて直せなくなった時が別れの時」そう心に決めて乗り続けている いすゞ自動車のビッグホーン。この排気量2550㏄直4ガソリンエンジンの年式車両は、いったいどのくらい生き残っているのだろう。20年以上も同型車と出会ったことが無いため、日本に現存する車両は極めて少ないものと思われます。よって純正部品は欠品だらけでリビルド部品も少ない。走行に支障をきたす部分が修理不能であったり、パーツが入手できない場合は手放...
子犬が人の存在を理解し始めた証拠ではないかと考えているウレション。生後一ヶ月半となり、今がまさにそんな時期のチビちゃんたち。抱き上げると手の平が濡れるようになってきました。でも私にとって子犬たちのオシッコは聖水も同然。気が付くと手も洗わずに食事を取っていたりと。そんな可愛くて仕方のない子犬たち。飼い主となってくれる猟仲間さんたちも思いは同じ。「今日、子犬たちを見に行ってもいいかな♪」と、入れ替わり...
猟期中の合同猟および有害鳥獣捕獲や管理・認定捕獲での市町の合同業務において、長年にわたり尽力されてきた勢子長。しかし、そんな鉄人のような勢子長も歳には勝てない様子。それを感じ取っていた私は、なんとか勢子長のレベルに達しようと懸命に頑張ってはいるものの、まだその足元にも及ばず。未熟者の私を猟犬たちがフォローしてくれているだけで、勢子長のように猟運び全体を考えた緻密な犬引きが出来ていません。巻狩りでは...
獲物解体で使用している古い斧。その昔は薪割り用だったと思われるため、微妙な力加減を要する使用には重過ぎて適していませんでした。よって、まずは刃部を軽量化。また樫の柄は丈夫なものの、握り感覚が私の好みではなかったため、作り直すことに。グリップ感覚に優れる鹿角を材料にできないかと。しかし前回書いたように鹿角の構造上、刃部の穴への直接差し込みは明らかに強度不足。そこで樫材との接合を試みたわけです。接合面...
家内が北陸へ旅行した友人からお土産を頂いてきました。石川県の『まつや』が製造する『とり野菜みそ』が それ。冬期になると近所のスーパーでも見かけるナイスな味噌。鍋の素としても抜群の旨さを発揮してくれます。その商品名からすると具材は鶏肉専用。今までに何度もこれで美味しい鶏鍋を作ってきました。そう、これが本当に美味しいのです♪と思っていたら、なんと!この『とり野菜みそ』の『とり』は「野菜や栄養をタップリと...
先日、防潮堤の道を通りかかり直面してしまった悲しい自転車事故。もう一人の方と応急処置やレスキュー隊の誘導を行ったものの、事故に遭われたご高齢の方は助かりませんでした。各ニュースで取り上げられていましたが、事故直後とは言え、やはり発見時には既に手遅れだったようです。今日も通りかかると・・・何事も無かったかのように静まりかえる その現場。バイクを下りて手を合わせました。私はその出来事を両親にも話し、注...
猟仲間たちと計画的に行った今回の三重地犬のブリーディング。産まれる前に子犬は6頭で雌雄の比率な半々と予想。その場合、オス3頭メス1頭の行き先が決まっていた気の早い私たち。因みに私は将来を見据えてメス2頭を手元に残す予定でした。そうしたところ・・・これが大当たりのビンゴ!産まれたのはオス3頭のメス3頭で、毛色も皆さんの希望通り。「メスが欲しい。毛色は誤射され難い色なら何でもいい」と昨年から切望していたKさ...
今日は衝撃的な出来事があったため、書かずにはいられませんでした。いつもの海沿いの通勤路をスクーターで家に向かっていた時のことです。その道は防潮堤の上に位置し、普段からサイクリングを楽しむ人も利用しています。私は海を眺めながら のんびりと走行していました。すると100mほど前方に人らしき物を発見。近付くと一人が倒れており、もう一人が懸命に心肺蘇生を行っていました。驚いた私はスクーターを止め、心肺蘇生を行...
私の薄給ではレクサスは買えませんが、ニクサスなら買えます。ニクサスとは岐阜県は関市の誇る刃物メーカーが作り上げた一品。トンカツ専用のスジ切り器の製品名です。刃物の一種でもある彫刻刀。その彫刻刀は児童数の減少に伴い減産を余儀なくされました。そこで刃物メーカーが彫刻刀の製造技術を応用して、このニクサスを開発。最高レベルのスジ切り性能を有することに成功したのです。私はこのニクサスのおかげで様々なジビエを...
鹿角で斧の柄を作れないものか。少し考えただけでも難易度が高そう。鹿角は中心部が密な状態ではないため、外側を削って刃部に差し込んだ場合、強度不足となることが容易に想像できるのです。唯一、角の根元の部分は密な無垢状態ですが、それとて数センチがいいところ。刃部に差し込む長さ程度しか強度が保てないはず。よって差し込んだ付け根から折れてしまうでしょう。やはり一般的に使用されている硬い樫は柄材として優れている...
毎日の食事がドライドッグフードのみでは可哀そう。犬の栄養バランスは そんな単食でもいいとは思いますが、胃液を吐き戻す頻度を考えると慢性的な胃もたれとなっている様子。そこで獲物肉と野菜を煮て、煮汁ごとドライドッグフードの上にかけて与え続けたところ、胃液を吐き戻す回数が明らかに減少。それを以て胃もたれが軽減されたと考えています。以来、我が家では ずっとコレ。ところが もっと胃腸の調子が良くなり、糞の状態...
いつも頼りになる先輩猟師の方々。その中で、タツ役として私が信頼を置いている一人でもあるSさんが、いつもの如く卓越した判断力を見せてくれました。昨日の有害鳥獣捕獲の対象地域は、ひと山丸々で かなり広い。ところが参加できる隊員が少なく、どうしたものかと。そこで猟場の渡り(獲物の出入口的な場所)にタツ配置をガッチリと固めることにしました。題して『締めタツの関所作戦』本来ならば猟場の中にも何ヶ所かタツ(中タ...
長い間続けてきたニホンイシガメの繁殖と放流。友人のカメの研究者から、とある地域でニホンイシガメが激減しているとの嘆きの調査報告を聞き、一念発起。その調査に同行して雄と雌を確保。そこからニホンイシガメの繁殖が始まったのでした。産まれた子ガメは3∼5年飼育して十分に大きくしてから放流。この方が格段に生存率が高いのです。今日はそんな放流日。同水系の放流ポイントに向かいます。静かで安全なこの水辺。これくらい...
優れた猟犬を子犬のうちから見分ける方法。これが知りたくて多くの先輩猟師に聞いて回ったことがあります。すると皆さん それぞれに持論を語ってくれる。雌雄、毛色、気質、体格 等々の違いによりアレコレと。ところが誰一人として明確に言い切る先輩はいない。「うちの血筋は そんな傾向にあるんだよね」が いいところ。今は亡き私の師匠も「いい犬に出会うのは宝くじに当たるようなもんだ」と見分け方を教えてくれない。中島猪犬...
子に乳を与え続ける母犬カノの健気な姿。その命の源とも言える乳を出すために、タップリと食べて水分補給も頻繁に行っている。母犬と子犬にとって新鮮で衛生的な水はとても大切なのです。しかし子犬たちには そんなことは分からない。運子ちゃんを踏んだ足で水容器の中に入ってしまうことは毎度のこと。よって母犬用の水容器を寸胴に変えて縁を高くすることで それを阻止。ところが子犬たちは成長するにしたがい、その縁をも越えよ...
私の自慢は優れた嗅覚。大抵のモノはダメですが、嗅覚だけは良いのです。「オレの鼻は警察犬並みにイイんだ」との父の言葉が頭に残っていることから、その鼻の良さが遺伝したものと思われます。そんな私の嗅覚は日常生活や仕事にも活かされて大いに役立っていますが、時には仇となることも。猟犬や家族の すかしっ屁などは、どんなに微量で無音でも感知。とくに三重地犬の金剛は、すかしっ屁の常習犯。「おっ、金剛、やったな~」...
毎日の世話の中でも、猟犬たちへの声掛けは必ず行っています。気が付いたら普通の発声で独り言を・・・との最近の私の危うい症状?とは異なり、あくまでも躾の一環として。それに対して全頭が場面ごとの言葉を理解しようと私を見つめてくる。私の様子を伺ったり考えたりで、目がキョロキョロと。ラブリーな お目々の動きで、一生懸命に考えている。中でもユキカゼ号は面白い。庭での出来事ですが・・・他の犬を呼びに行ってくれる...
この駿河湾では3月の中旬よりシラス漁が解禁となり、波の穏やかな日は早朝より漁が行われています。沖合より流れ込んだ海流が浅瀬まで入り込み、東西に分かれる駿河湾の潮流。どうやら、その潮流が分かれる辺りが漁場のようで、岸より急深な場所の多い駿河湾では、波打ち際のちょい先がポイントのよう。なので投げ釣りや遠投カゴ釣りで、ボケっとしていると、仕掛けを根こそぎ漁船に持って行かれてしまうことも。非情のライセンス...
思わぬ展開となってしまった犬舎移設計画。したがいまして計画は振出しに戻り、GWに予定していた様々な作業は中止。本当は、その過酷だったであろう作業を、射撃大会に向けての筋力アップに活かそうと考えていたのです。そう、あの映画ベスト・キッドの少年のトレーニングのように。ミヤギ氏の自然な形での練習方法に倣えば、私だって。。。きっと。。。でも、寝GWだったため、筋力はダウン。おまけに太ってしまった。これでは来週...
先日、NHKのとある番組でニホンオオカミを取り上げていました。それを観ていた私の心は森の中へと誘われ・・・猟場の風景が頭の中で巡り、意識の中でニホンオオカミと同化していたのです。なんて書くとカッコイイのですが、これホント。動物専門の画家さんが骨格標本などの資料を基に描いたニホンオオカミ画。その素晴らしい出来映えに感動しての境地でした。と同時に、ニホンオオカミが絶滅してしまった要因を猟師の立場で考えて...
コロナ禍により海外バイヤーが思うように来日できなかった爬虫類即売会。そのおかげでハラガケガメの繁殖個体が売れずに困ってました。ヤモリやカメの仲間を繁殖させて販売することを副業としていた私。以前は猟犬たちの飼育費用など余裕で補える販売額でしたが、このコロナ禍の3年間は ほぼゼロ。でも今年は大丈夫かな。なんとか売れるといいのですが。そんなことで今日はカメの水替えを。とは言え水槽が30ほどあるため、作業は...
実家から持ち帰った小玉スイカ。食後のデザートとして美味しくいただきました。しかし、いつも思うのですが、スイカを食べた後に残る皮は結構な量。生ゴミとして廃棄するものの、何となく勿体ない気も。それに質量も水分量も多いため、焼却場では足手まといな廃棄物となるはず。焼却処理のために多くの化石燃料を使用し、二酸化炭素の排出量を増やす。もっと地球に優しい処理方法はないものだろうか。そこで思い付いたのが、猟犬た...
イノシシ肉と豚肉は、どっちが美味しいのか。よく耳にするのは「本当に旨いイノシシ肉を食べたら、もう豚肉なんて食べられない」との言葉。これはある意味、間違いではないと私も思います。しかし、本当に美味しい豚肉を食べても同じことが言えるのだろうか。私の答えは「もはや比較する意味の無い別の食べ物」と、なります。自然の中を自分の力だけで力強く逞しく生き抜いてきたイノシシ。養豚業者さんが試行錯誤を重ねて丹精込め...
長きにわたって続けてきた犬舎移設のための土地探し。自分で動くと、とにかく上手くいかない。やはりその道のプロに任せるのが間違いないとの判断で、雑地売買の得意な不動産屋さんにお願いすることにしました。実はこの「雑地売買の得意な不動産屋」というのが思いのほか少ないのです。猟師仲間の知り合いの知り合いの、これまた知り合いの・・・で、やっと巡り合えた♪早速、連絡を取って幾つかの物件を見に行ってきました。まず...
猟犬の入手は犬屋と呼ばれる猟犬ブリーダーから購入するか、仲間内での繁殖個体を分けてもらうのが一般的。自ら繁殖させての猟犬の確保や血筋存続などは、よほどの事でもない限り着手しない方がいいように思います。これは「世話や飼育費が大変」との理由よりも、交配においての様々なノウハウと、繁殖後の責任の双方が問題となってくるからです。血筋の相性によっては、良い犬同士を交配させたにも関わらず、イマイチな犬しか作出...
犬舎移設作業が待った状態となったため、草刈りも中止。しかし草刈り作業で汗を流したい気持ちは収まらず。このメラメラと燃え上がる草刈り欲を、どうすれば抑えられるのだろうか。それはGWで帰省中の学徒の息子も同じ。よって二人で猟師小屋の草刈りへと出陣することに。まずは私が刈払い機にて作業開始。息子は熊手と三角ホーで仕上げ作業。小一時間ほどでキレイさっぱりとなり、私たちの草刈り欲は満たされました。頑張った息子...
昨日、犬舎移設予定地の草刈りを始めようとしたところ、思わぬ展開となってしまいました。ある意味、幸運だったようにも。この土地の地主さんと私、そして隣の区画の地主さんと三人で世間話をしていたところ、こんな話に。ひょんなことから「それを考えたらマズイな」と、三人顔を見合わせてタメ息を。毎日の犬の世話や、私が寝泊まりすることも想定した中での問題点が浮上したのです。隣の区画を見せて頂くと、そこには激しい土石...
ここ数年、私の職場では人材不足が続いています。様々な面で大企業には遠く及ばないため、無理もないのですが。そうは言っても今年も15名の新入社員が入社して、GWを前にそれぞれの配属先に着任し、頑張っているようです。私は所属する部署全体の社員教育を任されており、何かと苦労が絶えません。中でも問題社員には一喜一憂することが多く「三歩進んで二歩下がる」なんてことも頻繁に。だからといって手を抜くわけにはいかない社...
さて、どうしましょ。当初、犬舎移設地の作業を始めるにあたっては、一人でコツコツと行う予定でした。ところが思いもよらないことに、強力な助っ人の方々が作業手伝いの名乗りを上げて下さったのです。でも恐れ多くて「お願いします!」なんて言えない。GW中に申し訳ないのです。ところが皆さん「GWは何もヤルことが無いからさ♪」と言って下さいます。先輩方の中には土建業者さんもいるため、心強いったらありゃしないのですが。...
犬にも人間と同じように反抗期のようなモノがあります。とくにオス犬にその傾向が強く表れるようで、これをそのままにすると、後々に厄介な事にもなるようです。先輩猟師の中には、直接的に「飼い犬に手を咬まれる」状態となってしまった人が数人いて、どの方も同じような犬との接し方。少々接し方が甘すぎる上に、気まぐれな躾に違和感を覚えます。やはりメリハリある犬との接し方と、一貫したブレの無い躾は大切。これは愛玩犬で...
頭の中では着々と進んでいる犬舎設置計画。敷地内には・・・犬舎、猟師小屋、解体場と、あとは畑を作りキャンプ場も設ける。思いつくものは何でも作りたい!とくにキャンプ場は絶対に面白い。『猟師体験キャンプ村』なんて名前を付けて一風変わった事をやってみるのもアリ。テントは10張りくらいは可能かな。BBQ肉は、イノシシ肉とシカ肉を無料サービス!の食べ放題!野菜は畑の物を好きに使ってOK!近くに温泉施設もあるから快適...
こんな猟犬だらけの家なのに、ある生きものだけは逞しく生き抜いています。毎年のように子を増やし世代を重ねているヤモリたち。時には猟犬に発見されて食べられたり、猫のウメにオモチャにされてしまったり。そんな悲運のヤモリもいますが、なぜかヤモリには魅力的な我が家。その要因を探ってみました。まずはカーポート屋根下の流木が、彼らの寝場であり産卵場となっています。まれに赤ちゃんヤモリが落ちてくることも。燻製器の...
この日曜日、実家を後にして向かったのは犬舎移設予定地。GWから始めようと考えている作業を前に、敷地内の確認を行いました。考えている作業の流れは、こんな感じ。敷地内の障害物等の撤去。草刈り(猟隊戦士カルンジャーに作業依頼)。各設置場所の計測と地ならし。外周の柵と犬舎設置作業の同時進行。水タンクの設置。電気の引き込み手続きと猟師小屋の設置。残滓を埋立処理するための大きな穴掘り等。これを次の猟期までに完成...
静岡より多くの乗り物を乗り継ぎ、なんとか式場に到着。静かに眠るA君に別れを告げることができました。と、同時に「オレがそっちに行くのは、もう少し待ててくれ。その時は酒の準備も頼むな」とも。「当ったり前じゃん!」と、A君のいつもの口調が聞こえてくるような爽やかな遺影に合掌。奥様と娘さんに挨拶をして、友人と式場を後に。都心に移動して、友人とA君を偲んで一献傾けました。美食家だったA君。そのA君の喜びそうな生...
先週に声を聞いたのが最後となってしまいました。19日の早朝に友人A君は帰らぬ人に。この日の朝、A君にラインを送ろうとメッセージを打ち込んだものの、送信をタッチできず。なぜか「送信してはいけない」と感じてしまったのです。でも、まさか。早すぎる。A君とは同じ中学と高校で、毎日一緒に通学し、部活動も同じでした。その後、A君は工学系へ、私は水産系へと別々の道に進学。ところが社会人となり、お互いが東京町田に戻って...