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  • ひと・もよう学序曲(治水と説話)

    若尾五雄の独創的な着眼点は、巷間彼の業績として伝えられている「鉱山民俗学」や「河童は渦巻である」ではない。 若尾の説の分かりにくさ、とくに論証の弱さとしてとらえられた所は、そうした彼の思考の結節点に至る様々なプロセスが無視され、語呂合わせなどで直感的に推理されたと受け取られた点にある。 昭和33(1958)年12月、かれが『和泉民俗』に載せた最初の論考は「久米田池の伝説と史実」であった。そこから「和泉国府の伝承」、「岸和田狼王と水の神」、そして「土木工法の伝承」といったトピックに論が進んでいく。「鉱山」「鬼」「河童」といった枝葉末節においても、基本的な思想として「治水」「水利」についての研究が…

  • 「ひと・もよう学」巻頭言――2024年、若尾民俗学の継承

    今をさかのぼること30年前、ある老人が大阪・岸和田でその生涯を終えた。 もと産婦人科医。生涯を懸けて「物質民俗学」なる学問をとなえ、岸和田の史跡研究から発展した「松浦佐用姫伝説は土木工事伝承」「鬼・修験は産鉄民」「河童は渦巻である」などの主張をみずから発行するミニコミ誌で発表し続けた。まだ鉱山業を知る人物が日本列島に点在した昭和30年~40年代、ときには所属する医師会の旅行に便乗するなど、フィールドワークを綿密に重ねていた。其の説は(偏屈な彼の気性もあってか)はじめ首肯する人物は多くなく、少しでも興味を示した人間には彼の質問攻めに遭い、そのミニコミ誌――『和泉民俗』『泉州情報』が毎日のように送…

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