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本店・別乾坤・パラレルの短話 お好きなところをお好きなように

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2020/01/23

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  • 黄雀風

    「サイコ」その女は俺をそう呼んだ。女の目が怯えたように俺を見ると何故か俺の心は傷つけられた。意味の分からぬ言葉で喚き散らす煩いだけの女であったが。かつて師父の血を吸った鬼剣はその時と同じくスルリと滑らかに俺を貫いてみせた。その時刃紋に残る師父の残滓が悲し

  • boy with spiky hair

    「うぇ、くさっ。」「お前いつ頭洗った。」「いつだっけ…、昨日、その前…。」指を立てつつ数えるテマンの指が一本、二本…「もういいっ、来いよ。」テマンの指が四本目に差し掛かろうとして、たまりかねたトルベが引き摺るように風呂に連れて行った。あれは、安州の郷士が

  • man called the beard

    「旦那様、どうされたのです。」顔を洗いに井戸に向かった夫がなかなか戻らぬので庭先まで呼びに出たミョンウォルは盥の水を覗きこんで頻りと首をかしげる夫を見つけた。「うん。 髭を剃ろうかと…。」「どうしてでございます。」ミョンウォルは驚きのあまりつい大きな声を

  • man who is good at lying

    扎槍(さっそう) はっ 一 二 三 、一 二…次、欄槍(れんそう) はっ 一 二 三…拿槍(だっそう) はっ 一 二 三強くなり始めた日差しに眩し気に目を細める若い兵が慣れぬ槍の型をつけながら汗を散らせていた。「甲は上がってよし。乙は繰り返し始めから、全

  • 夜半深々

    今日は焼リンゴかな焼リンゴだといいな昨日、うちで遊んでいたボナを迎えに来た時ボナママが“オスソワケ”ってリンゴをたっくさん、持ってきてたから”オスソワケ”が何かいいものを貰える事だって事は私でも知ってる。家に着いたら手を洗う前にキッチンに行って…先に荷物

  • ma belle des cheveux rouges

    助けに来てやったというのにこの女人は、あろうことか俺に向かって履物を投げつける。この女人に怒ったように睨まれると俺は何故か酷くみじめな気になる。自分でも驚いたがこの女人に”サイコ”と呼ばれると胸の内に小さくはない漣がたった。女人は足を引き摺る様にして俺か

  • my soldier in dark navy

    充ち足りた溜息を漏らしながら貴方は私の肩が背中に変わる辺りに口づける。貴方に口づけられるまで私は自分の体にそんな場所があることに気付かなかった。さっきまで切実な眼差しだった貴方が、蕩けるような目をしている。その貴方が体を預けるように私を抱きしめると貴方の

  • 幻日

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  • plastic change ver2-2

    『手術は2時からだからきっと1時過ぎにあの場所を通過する。長居は危険だから直前まで映画を見てろ。これがチケットだ。』一番後ろの席を俺に指定したJは映画が始まって直ぐに前方の出口に近い席に座った。『遅れるなよ。』昨日そう言って別れたJは俺を降ろした後、自慢

  • plastic change ver2-1

    plastic change 77~Jが指定してきたのは三成中央駅の傍のコーヒーショップというあの男にしては珍しい待ち合わせ場所だった。商業ビルの10階にあるその店からはソウルの町がミニチュアのように見下ろせる。道を挟んだ向こうには、よくできたおもちゃのような弥勒菩薩も見え

  • Besonderer üblicher Morgen104.5

    あれは、公衆衛生学の授業で扱ったdataだった。二年生の時だったから2000年ぐらいのものだ。そのdataでは我が国の性体験のある男子大学生においては19~20歳が初体験の年齢の最頻値とされていた。ただそれは男性全体の平均値ではない。あくまでも“性体験のある大学生”のdat

  • しがつばか…は腐の数

    SIEBENUNDDREIBIG37在米韓国人の両親を持つイ医師は、一年程前に、大学時代の恩師に引き抜かれる形で今の職に就いた。それまではずっと米国で育ち政治的な傾向に特に顕著なものは見られない。政治にはどちらかというと無関心な典型的な理系タイプだった。ウンスの行動確認に

  • 玫瑰思色

    「違うな…。」ヨンは手に取った赤い玉を掌で転がしたり日に当てて光の具合を見た後直ぐに興味を失ったように仰々しい羅紗の布包みにその玉を戻した。― またか…マンボは呆れたように溜息をつくと無駄のような気がしたが「そいつぁ、めったに出回るもんじゃないんだぞ。そ

  • 投果夫問

    「いい香りですね。」「あら、いらっしゃい。」開けたままの扉に大きな影が差すと甘い匂いの広がる部屋の中が少し狭く感じる。「さっき薬草園で棄てるっていうから貰ってきたのよ。虫食いとか傷とかがあって薬に出来なかったのね。これを捨てるなんてもったいないでしょ?こ

  • le matin pour les deux

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  • la nuit de les deux

    ― 今日はそうなんだ。部屋に入ってきた時から、何とはなしにヨンからそんな気配がした。ヨンの所在無げな様子にも気づいていたが、知らぬふりで作業を続けて忙しく手を動かし、ウンスは手元から目も上げなかった。「まだ終わらないのか。」「うん。」― 目を見たら負けち

  • 2016 white day ヨン

    天界からお連れするとき、天門近くの宿から逃げ出したこの方を連れ戻すとき、そして、チョルの屋敷で倒れそうになったこの方を後ろから抱き止めたとき…。それから…。この方の柔らかな重みが少しずつ俺の中に積もっていく。微かに、静かに、俺も気づかぬくらいに。一片…一

  • 2016 white day ウンス

    追えば逃げる。気付けば合う。合うから追う。追えば逃げる。気付けば…。黒目勝ちの静かな目が見ているのは、…。トクマンさん。ああ、トクマンさん、叱られちゃう。頭…叩いた。でも、大丈夫。目の奥が笑ってた。次に見ているのは、…。チェ尚宮。今、「まずい。」って顔し

  • 羽翼2 chocolat très doux

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  • 羽翼 chocolat amer

    泣いていた。目覚めた俺は頬を伝う自分の涙に気付いた。あの方を失ってからもう一年だ。今でもあの方の姿を寸分違わず描くことができる。あの朝、自分の腕の中で眠るあの方の白い背に翼を捥(も)がれた痛々しい傷跡のような対の窪みが、仄やかに影を作っていた。あの時は、

  • 朱夏 chocolat doux

    寺へ向かう参道の入口に、参道とは別の細い小道があって、沢のほうに続いている。夏の夜、沢へ下っていくとそこは蛍の繁殖地になっていた。近くまで行くと蛍の光で沢の場所が知れるほどだった。その日の夕刻、タルとヨンはメヒを誘って蛍を見に行くことになった。タルが白蓮

  • Cadeaux de Noël 開京 1356

    約束を守るにはチュホンに少々無理をさせることになりそうだ。それに、「テジャン、すまないが。」いつものことながら、またチュンソクに仕事を振ってしまった。「お待ちなのでしょう。どうぞ、後は私が。」「いつもすまない。」ヨンは、手綱を持ち直してチュホンの腹を軽く

  • Cadeaux de Noël 開京 1351

    「王妃様、トギ、チェ尚宮に武閣氏のお姉さんたち…」ウンスは急に言葉を切ると何もない宙を見つめた。そして、独り満足そうに微笑むと「王様、チャン侍医、テマン君…」再び独り言ちた。そして、また言葉を切り、「あっ。ねぇ、王様に何か差し上げる時ってしきたりとか何か

  • 萌蘖

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  • 迂達赤のための応急処置講座 心肺蘇生術

    非番の迂達赤が雁首そろえて医仙の話にいちいち頷くと気を良くした医仙はさらに滑らかに弁舌をふるった。此度の講座は、事前に医仙と隊長との綿密な打ち合わせがあっての開催故、チュンソクは他の隊員と共に聴講するだけでよかった。しかも助手は”気の毒にも“トクマンが務

  • 迂達赤のための応急処置講座 止血術

    「矢傷は無理に引き抜くと鏃の返しで神経まで傷つけることがあるから…。トクマンさん、ちょっとそれ貸して。」トクマンから受け取った矢を手にしたウンスが「その場で無理に引き抜かず。傷口にが広がらないように、この長い部分…箆のっていうの?」矢を示しながら居並ぶ髭

  • 迂達赤のための情報管理術

    「弩」「五十張」「弓」「六十二張」兵舎の武器庫において次年度の予算請求に備えた備品台帳と実数とを照合中のトルベとトクマンだったが…。「トクマン、次の帷子は?」「ええっと、どこだっけかな。」トルベを待たせたまま、もたもたと収納庫をひっくり返すトクマンに苛立

  • 迂達赤のための…

    「次。」「チョ・トクマン、行きまーす。」テャー上段に構えた木大刀を完全に振り下ろす前にその刀身を通してトクマンの腕に強い衝撃が走った。そして、痺れる程の痛さの中手の中の木大刀が何時の間にか宙を飛んでいたのに気付いた。― 傍によることすら出来なかった。「次

  • 迂達赤婦人之会 緊急連絡

    秋冷の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は迂達赤婦人之会の活動にご理解とご協力を賜りありがとうございます。さて、既にお聞き及びとは思いますが、此度、皇宮に置きまして危急の事態と相成り、今上及び王妃の御身の安寧を図るべく迂達

  • 迂達赤婦人之会 明月初陣

    「お義母様、これでよろしいですか。」チュンソクの母は部屋に入ってきた嫁に何か言わねばと思ったが暫くは言葉が出ずにいた。「お義母…さま? おかしゅうございますか。」「いえ、そういうわけではないのよ。」そう、いつもの通りミョンウォルは可愛かった。早くに嫁いで

  • 迂達赤のためのビジネス天界語講座 第二回

    「えー、本日は天界語について、えー医仙殿に講義して頂くことになって…。」先日頓挫した天界語講座が医仙の要望によって再び開かれることになった。しかし、チュンソクは正直なところやらずに済むならその方がいいと思っていたのでこの事で眠れぬほどの心労を負っていた。

  • 迂達赤のためのビジネスメイク講座

    「おおー、これはすごい。」「でしょ?」ウンスは手持ちの化粧道具を駆使して、トクマンの額に大きな痣を作って見せた。「それに、この傷もとても作り物には見えませんよ。」トルベが、チュソクの頬に出来た傷に顔を近づけてしげしげと見ていた。「ああ、でもそっちはあんま

  • 迂達赤のためのビジネスマナー講座

    典医寺に向かうヨンの足が自然と速くなっていく。今朝通った時に東屋の傍の桜の花が何輪か咲いていた。以前、桜が好きだと言っていたウンスの言葉を記憶していたヨンは、暖かくなってからは、毎朝桜の樹を確認していた。『桜の花はね、咲き始めるとあっという間に散っちゃう

  • 迂達赤のためのビジネス天界語講座

    迂達赤兵舎食堂にて「天界語講座」開催中講師 迂達赤副隊長 特別講師 医仙「本日は『ぱーとなー』について学んでいく。」チュンソクは居並ぶ迂達赤を見渡した。最近、迂達赤から医仙の警護をするにあたり「医仙の言葉がわからず警護に支障を来たすおそれあり」との声が

  • 凍雨霏霏 余話

    温かい部屋を一歩出ると急にひんやりとした外気が首筋を撫でていく。慌てて出てきたため外衣を置いてきてしまった。後ろからついて来るチェ尚宮の乱れた足音も聞こえていた。きっと、心配して外衣を持ってきているとわかっていたが立ち止まって確認するのも、もどかしい。何

  • 凍雨霏霏

    ― 雪…?灰色の空を見上げると、白い欠片がふわふわと落ちてきた。乾いて軽い雪は地面を白く刷いたように埋めていく。ウンスが手で受けると雪は夢のように消えてしまった。後には微かな冷たさしか残らない儚い雪だった。一昨日から急に寒くなった。火が入った為、典医寺で

  • 雪膚花貌

    鈍色の空は今にも雨が降りそうだ。― いや、この寒さでは雪になるか…。空を見上げたヨンは、またウンスの顔を思い浮かべた。近頃は何かにつけて、それが習い性になっていた。勿論、こちらの都合でこの地に留まる事になってしまった…という申し訳なさから、彼女の事を気遣

  • 泡雪

    「用意できた?お父さんはもう車で待ってるわよ。」丁度一週間前に高熱を出した娘は母の言葉にマスクの奥でもごもごと曖昧に返事した。「お粥を入れてるけど食べられればおかずも食べてね。」母の差し出したランチジャーを受け取る娘の手はまだ少し熱っぽい。治りきっていな

  • 淡雪

    空から降ってくる白い花弁は、何かに触れる前に儚く消えてしまう。小学生の頃、雪が降ると校門まで母が迎えに来てくれた。もっと小さな頃、朝起きて庭に雪が積もった事が知れると一目散に玄関の戸を開けた。そうすると父が作った小さな兎がウンスを待っていた。差し出した掌

  • 雪紅梅ver2

    ふと目覚めると、余りの静けさにこの世の音が全て消えてしまったかのような錯覚を覚えた。自分の耳がおかしいのかと声を出してみると「あー。」あたり前だが夕べと変わらず聞こえた。― 馬鹿だなそう思うと少し笑えた。底冷えのする空気のせいで部屋の中にいても自分の息が

  • 雪紅梅

    ふと目覚めると余りの静けさにこの世の音が全て消えてしまったかのような錯覚を覚えた。自分の耳がおかしいのかと声を出してみると「あー。」あたり前だが夕べと変わらず聞こえた。― 馬鹿だなそう思うと少し笑えた。底冷えのする空気のせいで部屋の中にいても自分の息が白

  • 射干玉

    机に向かって作業する私の部屋でいつものように護衛についていた貴方は窓辺に佇んで何事か考えているようだった。私はなぜか満ち足りた気持ちになりながら徳興君の持ってきた”華陀の書”に集中していた。「この数字は、絶対西暦だと思うんだけど…。ね、テジャ…ンッ。」不

  • 月読

    典医寺の貴女の部屋から月のない空を見上げる。 今宵は新月だ。 貴女はといえば先程から、何やら天界の言葉を繰りながら、徳興君の持ってきた書を解読しようとされている。そして、貴女は…時折、顔を上げて俺に微笑まれる。その深い意味もない微笑は何時もながら俺の喉の奥

  • 偃息

    空を切った腕が柔らかく褥に落ちてウンスはヨンがいるはずの隣が冷たく空虚な事に気付いた。部屋を見回すと、月の仄明るい光を浴びて何も纏わぬヨンが立っていた。その均整の取れた筋肉質の体はギリシャ彫刻を思い起こさせた。― ダビデ像だ…私のダビデが立ってる。蒼白い光

  • 白雨余花

    どこかで誰か…そう、若い女が笑っている声がした。早朝の空に甲高く響くその声は妙に癇に障る。おそらく、その声に見え隠れする“あざとさ”がそう思わせるのだ。その笑い声は意中の男に聞かせる為…のような気がした。不思議な事だが、女は女のそんな気持ちを敏感に感じ取

  • 驟雨

    雨が降る。雨の匂いがする。 そう思った途端、ザーッ大粒の雨が落ちてきた。 ここ暫く雨がなく、皆が凶作の心配をしてたからひとまず安心だ。 東屋はあっという間に雨のカーテンで囲われてしまった。 今日はあの人は来ないだろうか。 あの人は日向の匂いがする。 いつ気づい

  • 雨障

    「雨で気鬱ですね。」その日は朝から陰鬱な曇天だったが昼前になって雨が降り出してしまった。ここ数日、こうした鬱々とした雨の日が続いていた。「そうかなあ。 私は雨って好きよ。 私の実家は農家だから。」典医寺の屋根から規則正しく滴り落ちる雨粒がなにかの鼓動のよ

  • 瓊花

    「母さん、母さん。」賑やかな市の往来でふと気付くと独りぼっちになっていた。さっきまで傍にいた筈の母は何時の間にかいなくなって何度呼んでも自分を迎えには来てくれなかった。「まったく…子供でもできる遣いなのに…。こんな天気の悪い日はシウルかジホにやらせればよ

  • 弥初花

    その種を植えた時には、まだ妻とは呼べなかったその人がまたこの手に還ってきた。「康安殿から貰ってきたのよ。」開いた掌には、こんもりと小さな赤い実が盛られていた。いつか共に見たあの花が実を付けたのだ。何かに包むとか、籠に入れるとかすればいいのに康安殿からここ

  • 一花

    その花を見つけたのは偶然だった。終わってしまった季節を惜しむように上を向いて歩いていて転びそうになって手をついた。アスファルトを歩き慣れた足は、ここではよく転びそうになる。― この子に手をつかなくて本当に良かった。けなげに咲いた小さな花が笑うように風に揺

  • 残光 afterglow

    隣に並ぶその人の顔が、周囲と同じ金赤の濃淡に溶けていく。家々の立ち並ぶ市井の街並みの中、酒楼の角に灯が点り始めるとどこからか煮炊きの匂いが漂ってきた。まだ学堂にも行かぬ頃であった。朝起きて外が晴れていれば、朝餉もそこそこに家を飛び出した。そして、近所の子

  • 天女散花

    「はっ。」カーン「はっ。」カーンヨンが規則正しい動きで薪を割る度にその肌を流れ落ちる汗が午後の陽に煌めいて四方に飛び散った。上着をはだけたヨンの上半身の筋肉が力を込めて動くにつれて滑らかに躍動する。所々に肥厚性の瘢痕が白い軌跡を伸ばすその肌は隆起したかと

  • 瓊玉

    「眠そうですね。」先に立って歩いていたヨンは、後ろを振り返って、遅れ気味のウンスに気付くと少し歩を緩めた。「うーん、眠い。でもこの時間でないとねぇ。」少し汗ばんだウンスの首筋で結んだ汗の玉から眩しそうに目を逸らしたヨンは、ウンスの歩の先にあった石を爪先で

  • 筐底

    手持ち無沙汰なヨンが、手すさびにウンスの体に手を這わせる。隈なく愛でるように撫でるその様子は欲望に燃える男のそれではない。むしろ自分の所有物を電車の模型や野球選手のカードのコレクション満足げに眺める少年に近い。”これは俺のものだ。 どうだ、いいだろう”と

  • LE BAISER

    逃げないのに私は逃げたりなんてしないのに貴方は頬を両手で挟み込むようにすると濡れた瞳で近づいて来る。私は最初、貴方を見つめ返すけれどずっと貴方を見ていたいけれどいつも途中で胸が痛くなって目を閉じてしまう。まず熱い息がかかって私の胸がまたギュウッと掴まれた

  • 「トギ、一緒に食べないの?」ウンスの問いかけに首を振ったトギは身支度をすませると慌ただしく出ていった。そして、もの問いたげなウンスと目が合ったチャン侍医も「私もこれから恵民局に行って新しい散職と会わなければいけなくて…。」済まなさそうにそう言うと忙しそう

  • Guimauve

    「何してるんだ。」遅くなって帰宅したヨンの夕食の相手をしながら「ちょっと腕のお肉がね」ウンスは左腕を上げるとその二の腕の肉をつまんでみせた。「その“肉”がどうしたんだ。」まくれ上がった袖から出た白い肌の弾力は勿論ヨンのよく知るところだ。煮魚を箸で器用にほ

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