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某「Popeye]などが大好きだけど、、、なシティボーイに送る総合情報ブログを目指しましたが、しばらく書評が増えそうです。

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2020/01/04

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  • 純文学1000本ノック 97/1000 吉村萬壱『クチュクチュバーン』

    どうも、こんにちは。 今回は芥川賞作家でもある吉村萬壱が文学界新人賞を受賞した『クチュクチュバーン』です。 1.ざっくりあらすじ 人間が周囲のものに同化したり身体が収縮するなどして、通常考えられているような意味を失った世界の話。人間たちは変化の恐怖におびえながら暮らしているが、登場人物たちもつぎつぎに変化していき、唯一規則を保っていた地域も崩壊し、最終的にシマウマと同化したシマウマ男が、同化し集合体と化した人間の群れを見ることに徹する。シマウマ男は集合体に取りこまれ、爆発しあたらしい世界へと移行してからも前世の記憶を保持していて、自殺をくりかえす。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 三人称のかた…

  • 純文学1000本ノック 96/1000 埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』

    どうも、こんにちは。 今回は死ぬまで書きつづけた未完の大作『死霊』で有名な埴谷雄高が、谷崎潤一郎賞を受賞した作品『闇のなかの黒い馬』です。 1.ざっくりあらすじ 作者自身とおもわれる主人公は、不眠症をわずらっており、夢を中心としてその周辺でおきる夜の世界の事象を通して、昼の世界におきる事象をながめようとした観念的であり実験小説的な短編連作の作品。 2.作品解剖 (1)文体 はじめは大江健三郎などに近い句点がすくなく、どこで区切られているのかわかりにくい文章だと思ったが、特異な単語選びから作品に通底する「闇」や「夜」の気配が描かれている。身体的な描写においても、ていねいに描かれており、とくに最後…

  • 純文学1000本ノック 95/1000 九段理江『悪い音楽』

    どうも、こんにちは。 今回は文学界新人賞を受賞した『悪い音楽』です。 1.ざっくりあらすじ 中学校の音楽教師をつとめる主人公の三井ソナタは、昔から人の心があまり理解できず、浮いた存在である。ある日、偶然居合わせた中学生同士のもめごとから面倒な保護者対応などの仕事を任せられてしまう。その件が終わった後、今度はルームメイトとも相手の気持ちを理解しないことから喧嘩をしてしまい、合唱コンクールの練習では自分の担任クラスの女子生徒から非難され指導の立場から降りる。合唱コンクールの当日、不意におきた地震により、担任クラスの発表が中断された。そこで、ソナタは「大地讃頌」という曲につけた振り付けから大地が地震…

  • 純文学1000本ノック 94/1000 青野暦『穀雨のころ』

    どうも、こんにちは。 今回は文学界新人賞を受賞した『穀雨のころ』です。 1.ざっくりあらすじ 高校生四人の詩的群像劇という雰囲気。サッカー部を病気により休んでいるハツは、サッカーの才能がなく、あるとき美術部のエミに声をかけられモデルになり、自分も絵を描く楽しさに目覚める。エミは自分の性格に嫌悪しながらも素直なハツを絵に描き、詩の勉強会で惹かれていた講師に告白する。サッカー部のキャプテンでハツと仲のいいヒビキは、水のように固定されない自分像に嫌悪しながらも周囲にあわせて生きている。やがて、幼馴染でマネージャーをつとめるアサに惹かれていることに気付く。大学生の彼氏に思うように求められていないことに…

  • 純文学1000本ノック 93/1000 三木三奈『アキちゃん』

    どうも、こんにちは。 今回は文学界新人賞を受賞した『アキちゃん』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公のミッカーは、小学生時代つねに一緒にいたアキちゃんのことを強く憎んでいて、そのことを回想していく。アキちゃんは周りに取り入り自分より下だと思った人には強くあたるような人で、中盤でじつはアキちゃんが男だということが明かされる。主人公は呪いたいほど憎んでいたが、小学五年生のときに親の都合で引っ越して、大学に入ってから噂でアキちゃんが中学生になってひどい目にあったことを知る。 2.作品解剖 (1)文体★★★ 回想の形をとった一人称で、語り手である未来の主人公が書いていることを意識している。言葉と言葉の…

  • 純文学1000本ノック 92/1000 田村広済『レンファント』

    どうも、こんにちは。 今回は文学界新人賞を受賞した『レンファント』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公の弘明は、子どもが生まれたとき、植田という中学時代の同級生に殴られて右目を怪我したことを思い出していた。弘明は子どものへその緒を切るときまで、そのことを考えていた。それから弘明は育休をとり、主夫的な生活をはじめた。子どもの翔太は病院に通っても日増しに湿疹がふえた。弘明は最後にたどりついた病院で、女医からステロイドを断つことをすすめられた。それと同時にレンファントという一番強力なステロイドももらった。弘明は悩みながらもステロイドを断つことにするが、仕事とうまくいかない子供への失望で疲れた妻に冷た…

  • 純文学1000本ノック 91/1000 奥野紗世子『逃げ水は街の血潮』

    どうも、こんにちは。 今回は文学界新人賞を受賞した『逃げ水は街の血潮』です。 1.ざっくりあらすじ 主人公の工藤朝子は顔のかわいさによって地下アイドルになり、若くて将来有望な社会学者とも付き合っている。二十六歳で若さとかわいさの価値の下落を感じ、昔からあった男性社会への嫌悪感もあいまり、新宿の業界人がつどうバーを襲撃、放火し、そこにいた同じアイドルグループの星島ミグをつれて、温泉街に逃げる。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 一人称で、主人公の独白的な意識をおもに、短く、歯切れよく描いていく。冒険した文体だと思う。表現でおもしろい箇所は多いが、全体的には現代的な俗語の強さに頼っているようにも感じ…

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