某「Popeye]などが大好きだけど、、、なシティボーイに送る総合情報ブログを目指しましたが、しばらく書評が増えそうです。
純文学1000本ノック 106/1000 春見朔子『そういう生き物』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した春見朔子の『そういう生き物』です。 1.ざっくりあらすじ 高校のころ同級生だった薬剤師の千景とまゆ子はひさしぶりに会い、千景の誘いで一緒に住みはじめた。千景は仕事をしながら、大学の恩師の先生にたまに会いに行く。まゆ子は叔母のスナックでアルバイトしている。ある日、央佑という先生の孫が家にきて、カタツムリを飼いはじめる。まゆ子は女の姿をしているが、性別的には男で、高校時代に千景と付き合っていた。二人はいま恋仲ではないし、理解し合わないところはあるが、それなりに生活していく。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 三人称的一人称で、千景とまゆ子両方の視点か…
純文学1000本ノック 105/1000 金城孝祐『教授と少女と錬金術師』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した金城孝祐の『教授と少女と錬金術師』です。 1.ざっくりあらすじ 薬学部の学生である久野は、禿げ頭の江藤教授から育毛剤の共同研究をもちかけられた。久野は親戚から受け継いだ古い薬局のなかに油の研究室をもっていたからだった。久野は教授から油研究の先輩である永田を紹介され、その教え子である不思議な中学生の荻ちゃんと知り合い、別の場で現代の錬金術師とも知り合った。荻ちゃんは色盲で、久野がそのことに触れてしまい、行方不明になる。久野は荻ちゃんを見つけだす。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 主人公の久野による一人称だが、冒頭と後半の一部分には語り手不明の人物…
純文学1000本ノック 104/1000 黒名ひろみ『温泉妖精』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した黒名ひろみの『温泉妖精』です。 1.ざっくりあらすじ 幼少期から自分の容姿にコンプレックスをかかえていた主人公の絵里は、整形をくりかえしヨーロッパ人のフリをして地方の温泉宿に泊まることを趣味としていた。毒舌温泉ブロガーのゲルググが何度も訪れている温泉にきたが、期待外れだった。そこに泊まっていた口の悪い中年男の影と会う。絵里は影がゲルググだと気づくが偏屈な性格に幻滅する。しかし、ふたりは次第に近づき、絵里の提案で一緒に露天風呂で朝日をみる。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 三人称的一人称で、回想がちりばめられている。場面の切り替わりや出来事の起こ…
純文学1000本ノック 103/1000 足立陽『島と人類』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した足立陽の『島と人類』です。 1.ざっくりあらすじ 常日頃から身につけたものを脱ぎ捨て裸になることを志向するヌーディストの未來夫は、大学教授として授業で裸になり停職に追い込まれる。マンションの一室に集まってくるヌーディストたちと張り込んでいた記者の男をつれ、妻とボノボが待つ島へ向かう。島で妻は人とボノボによる新しい生命を誕生させようとしていて、ペニスがボノボに似ているという理由で記者がその生殖に利用される。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 三人称で、未來夫と記者のふたつの視点にわかれて描かれ、書き手の視点はあまり出てこない。インテリのもったいぶっ…
純文学1000本ノック 102/1000 奥田亜希子『左目に映る星』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した奥田亜希子の『左目に映る星』です。 1.ざっくりあらすじ 小学生のころに勉強も運動も完璧な上、大人びた吉住という少年と出会った主人公の早季子は、コンプレックスだった左目だけの乱視という悩みを共有することで孤独感を解消した。中学生になってから吉住はコンタクトをいれて、人格も変わり、大人になってからも早季子は昔の吉住に焦がれていた。早季子は人と深く付き合わず、たまに一夜限りのセックスをして過ごしている。そんなとき、同じ乱視の宮内というアイドルオタクの男と知り合い、自分の孤独を共有できるかもしれないという想いで近づいた。宮内とは価値観がずれてばかりい…
純文学1000本ノック 101/1000 米田友歌里『トロンプルイユの星』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した米田友歌里の『トロンプルイユの星』です。 1.ざっくりあらすじ 従業員が四人のイベント会社に勤務する主人公の藤田サトミは、地震のたびに誰かに掴まれるような感覚を感じていた。ある日、職場の久坂に誘われ街中の交差点を見に行く。サトミは久坂に好意を覚えるが、その後、職場のまわりから物や人が消えていくようになる。久坂はそれに気づくと、自分のせいだと言い、サトミは転職して久坂と離れることを決めるが、前の職場も消え記憶も改ざんされていることに気付く。サトミは多くのことを忘れ、新しい職場で働く。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 一人称で、癖がなく清潔感のある…
純文学1000本ノック 100/1000 新庄耕『狭小邸宅』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した新庄耕の『狭小邸宅』です。 1.ざっくりあらすじ 一流大学を卒業するも、深く考えずに中堅の不動産屋に入った主人公は、物件が売れずパワハラと残業ざんまいの日々をおくる。おだやかな彼女もできたが、別の支店へ転勤になり、そこで出会った豊川課長に育てられ、売れる営業マンとなる。身のうちに潜む空虚感は拭えず、発狂するようにして終わる。 2.作品解剖 (1)文体★☆☆ 一人称で、説明のおおい、エンターテイメント的な文章。身から出た錆などありきたりな表現を多用している。時間の経過も早く、要点をとらえて進むので疾走感があり読みやすいが、純文学の文体としての評価…
純文学1000本ノック 99/1000 髙橋陽子『黄金の庭』
どうも、こんにちは。 今回はすばる文学賞を受賞した髙橋陽子の『黄金の庭』です。 1.ざっくりあらすじ ファンタジーの世界に近い黄金町に引っ越してきた青奈と旦那の那津男。屋根の両脇についたしゃちほこが動いたり、お寺にまつられた閻魔様が動いたりする世界で、失業中だった主人公の青奈は市場に行き露店商をする千ちゃんという四十男から仕事を紹介される。青菜はしだいに千ちゃんに惹かれていくが、最後まで関係をもつことなく、千ちゃんは恋人のダイヤさんが妊娠し、結婚を決意する。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 一人称で、直接的なひとりごとを地の文に多用している。比率としては描写などよりひとりごとや考えごとがおおい…
純文学1000本ノック 98/1000 澤西祐典『フラミンゴの村』
どうも、こんにちは。 今回は2011年にすばる文学賞を受賞した『フラミンゴの村』です。 1.ざっくりあらすじ ベルギーのある村で、妻や女性たちが突如としてフラミンゴになってしまう。そういった不条理にあいながらも、村の男たちは団結して秘密を守って生活をしていく。幾多の困難にあいながら最終的に、フラミンゴを殺そうという派閥と守ろうとする派閥にわかれて抗争がはじまる。武力抗争のさなか、リター少年がフラミンゴたちのところに駆けてゆき、それを合図としてフラミンゴたちは空に飛び立つ。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 古い海外小説のように語り手が饒舌な三人称である。村のアダンという人物を中心として物語は進ん…
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