純文学1000本ノック 97/1000 吉村萬壱『クチュクチュバーン』
どうも、こんにちは。 今回は芥川賞作家でもある吉村萬壱が文学界新人賞を受賞した『クチュクチュバーン』です。 1.ざっくりあらすじ 人間が周囲のものに同化したり身体が収縮するなどして、通常考えられているような意味を失った世界の話。人間たちは変化の恐怖におびえながら暮らしているが、登場人物たちもつぎつぎに変化していき、唯一規則を保っていた地域も崩壊し、最終的にシマウマと同化したシマウマ男が、同化し集合体と化した人間の群れを見ることに徹する。シマウマ男は集合体に取りこまれ、爆発しあたらしい世界へと移行してからも前世の記憶を保持していて、自殺をくりかえす。 2.作品解剖 (1)文体★★☆ 三人称のかた…
2022/01/28 16:14