仏教の教えを聞いてきて思うのは、「死」を理解しなければ、「生」も理解できない、ということです。やはり「死」という問題が何より大きいのだと改めて思います。 * * * 久坂部羊氏の『寿命が尽きる2年前』(幻冬舎新書)を読みました。以前、久坂部氏の『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)についての記事も書きました。久坂部氏の著作は、その後『人はどう老いるのか』(講談社現代新書)も読んで、これで3冊目です。 医師でもあり、作家でもある著者は、主に医学的な見地から、死について考えます。宗教的な内容の本ではないのですが、「死」について書くことは、必然的に「生」について書くことにもなり、そこには宗教的な色彩…