ロマンスの神様スノーリゾートが、来シーズンから「直営スキースクール」を開設すると発表しました。しかもそれは、これまでのような全日本スキー連盟(SAJ)やSIA(日本プロスキー教師協会)の公認スクールではなく、スキー場の資本が直接運営する、いわば「非公認スクール」です。この話題を耳にして、私は強く思いました。ここには、現代社会における権威主義と資本主義の対立構造が、非常にわかりやすい形で表れていると。スキ...
コブ斜面が苦手で困り果てるスキーヤーに救いの手を差し伸べるコブ斜面専門のスキー訓練所。2025年はAIによる指導メソッドも徐々に取り入れながら、コブに悩める貴方様に寄り添います!どうぞご期待ください。
スキー場にリフト券の割引販売が当たり前になっている昨今。アソビューサイトでも割引高速道路のSAでばらまかれるフリーペーパーでも割引何のための割引なのか、さっぱりわからなくなっています。割引が当たり前になることの恐ろしさでもあります。スキー場に隣接する宿でリフト券を買うと割引価格になるのもまた、ほぼ当たり前の概念です。しかし、よくよく考えてみれば何のための割引なのか、その意味合いはあいまいです。多くの...
年内の寒波は4日前に一度あったきり。大みそかの朝の周囲の様子はこんな感じ。道路が圧雪コンディションでないのは、やはり雪の少ない証拠です。明日の夜からちょっとした吹雪になるようですので、そこに期待しましょう。...
コブの教え方を習った人が驚くほど少ないというのは今に始まったことではありません。先日も触れました通り、多くの人がそのことをおかしいと認識しているのに、公の場でそれを訴えられないという事実が存在しているのかもしれません。とあるSNSでのやりとり。検定種目にコブがあるのに、多くの指導員がそれに対応できないのは周知の事実として捉えられています。でもさほど深刻な問題としては認識されていないのがこの業界。しか...
スキー界を統括する団体は、その年ごとに「テーマ」を設定します。それは指導のベースとなる部分です。去年の指導ポイントは何某、今年はこう。毎年微妙に違っています。しかし毎回思うのは、いったい誰のためのテーマ設定なのかということです。スキースクールを入門する人の大半は中級者、ないし学校団体です。そのような層に対して毎年変わるテーマなど、全く必要ありません。スキーという道具の滑走原理など、根本が変わるもの...
何処の業界もシニア割引が当たり前の昨今。この施策の発端は「お金と時間に自由な高齢者の需要喚起策」だったのは言うまでもないのですが、こんにちにおいては、需要喚起策というよりは、「他がやっているからやらざるを得ない」「単なる値引き政策」というのが本音ではないでしょうか。たとえば木島平スキー場のシニアは50歳以上が対象ですが、50歳はバリバリ現役世代です。時間もお金も自由ではありません。なので、このケースで...
日本国内において、正直アルペンスキーは人気がありません。競技者としても観覧者としても競技する側としては、とにかくお金がかかるというのがネックです。木島平村内にはクロスカントリー競技に打ち込む子供が多いのですが、そんな保護者も「アルペンは別格」みたいなことを言います。スキーはもともと「道具のスポーツ」と言われますが、アルペンはその性格がさらに強いものです。装着するスキー板やブーツによって、速さや回転...
木島平スキー場はメインバーン+最下部緩斜面がOPENしました
木島平スキー場は今日からメインバーンと、最下部のファミリーコースがOPENしました。第八リフト降り場からの滑り出し部分に一部ブッシュが露出している箇所があり、注意が必要です。麓から見たゲレンデの様子最上部から宿までノンストップで滑ってみました。動画でどうぞ。にほんブログ村↑↑↑↑↑↑★スキーブログランキングに参加中★ 貴方のひと押しが励みになります!====⇒レギュラー講習会申し込みはこちらから【12月27日現在...
スキー技術論について語るのを好む人は非常に多いのですが、残念なことに、ヒートアップしすぎて時として喧嘩に発展することがあります。かつて、ウチの談話室においても一触即発の事態に陥ったことがあります。(汗)なので、そうした事態に陥らないために、ネット上では頻繁にこのような前置きがなされます。個人的意見ですがでも、意見などと言うものはもともと個人的なモノですから、そんなことを前置きする必要などないのです...
遅ればせながら村民シーズン券を買ってきました。今年はチケットがIC化されまして、それに伴いシーズン券もプラスチック製、このままリフトゲートに直行できます。ご存じの通り木島平スキー場は来年3月をめどに新会社(湘南美容クリニック)へ経営が完全移管される予定です。これに伴い、シーズン券購入者に?湘南美容クリニック10%割引券を配布。10%割引チケットって、単なるチラシですよね(笑)。しかし木島平に住む50半ば...
スキージャンプ界の日本のエースと言えば小林陵侑選手ですね。オリンピックでの大活躍もあって、昨冬は結構メディアにも多く取り上げられていました。そんな中、テレビを見ていたら小林兄弟が揃ってテレビに出ていまして、局アナウンサーが、あれこれ質問を投げかけていましたのを見かけました。アナウンサー: それにしてもあんな高いところからジャンプして恐怖心は感じないのですか?小林陵侑: まったく怖くないことはありま...
階級的に下の人が上位者に対してモノを言えないという雰囲気が支配するスキー界ですが、それではイケマセン。たとえば意味不明な説明をしたインストラクターがいたとしたら、たとえその人が滑るのが上手な人であっても指導者としてはアウトです。経験上、往々にして弁のたつインストラクターは、生徒側が話を遮る機会を与えてくれない傾向が強いようにも感じます。ですが、本当に理解できない時は、貴方の言っていることはわからな...
昨日スチロールパーツを貼り付け、コブ斜面のおおまかな凹凸を表現しました。そして翌日、紙粘土を用いて実際のコブ斜面を成形に着手しました。実際のスキーの軌道をイメージしながら、1.スキーが削るコブの裏側の落ち込み2.コブの底3.上り勾配そんなコブ斜面の要素をちりばめながら形をつくっていきました。斜め下から上からゲレンデに出る前に行う「イメトレ」の強い味方の完成です。最後に白で綺麗に塗装し直し、周囲は鉄...
待ち焦がれた雪景色に包まれました。午後には初のブルドーザ出動。というワケで明日木島平スキー場がOPENします。運転リフトは1本(第11クワッド)のみで滑走距離は700m程となります。...
23日にそこそこまとまった雪が降るとの予報でしたが、風向きは西のままで結局飯山地区には恵みの雪とはならず。ゲレンデは降雪機稼働していましたが、残念ながら24日(土)のOPENは順延とのアナウンス。ウチの前もこの通り。エアビのみで販売展開中のログハウスは日陰部分に辛うじて残雪がみられる程度。ECMWF予報では明日も大した雪ではないとのこと。年末年始にかけての積雪量は40cm前後で推移しています。残念ながら(?)...
ネットで交わされる論戦。たとえば何らか事象について論評すると、たいていこんなリアクションをする人がいます。嫌なら見なければいい嫌なら買わなければいい確かにその通りかもしれません。でも、そんな論調がまかり通ってしまうと、意見や論説などは一切認められないことになります。今でいうブロガーや、昔風に言う「評論家」という仕事が不要であり、否定されることになりますので、何でもかんでも「嫌なら云々」は決してまか...
昨日来大雪襲来のニュースがもっぱらトップニュースとなっていますが、今回もどうやらその中心は西日本と日本海沿岸の模様。ただし、23日夜から24日朝にかけては飯山地区でもそこそこまとまった雪が期待できそうですが、勢いは長続きしそうにもありません。8時現在の木島平昨年あまりの豪雪に閉口しましたが、ここまで降らないと、そろそろ雪ごいしたくなりますネ。...
長野県は日本有数のガソリンの高い県とのもっぱらの評判です。内陸だから仕方がないという意見もありますが、それは一概には言えません。1990年前半、大阪はそこそこ安い(115円位)のに、神戸は高い(130円以上)ということがありました。2002~2003年頃は山形市、東根市が全国最安値レベルだった時代があります。今は懐かしい1リッター80円台半ばのあの頃です。それから20年。長野県飯山地区では1リッター175円ほどしま...
スキー技術選手権大会。日本特有のこの競技会、内容について賛否はありますが、なんだかんだいってスキー産業を盛り上げるきっかけにはなります。 しかし設定されたシチュエーションが出場してくるスキーヤーのレベルに対してあまりに易しすぎるのがよくありません。 本当に技術を競うならばもっと厳しい制限滑降を採用すべきですし、タイムレースも必要でしょう。 昔の技術選にはそんな変わった種目もありましたので、ぜひそうし...
新潟県中越地区では猛烈な積雪となっていますが、長野県飯山地区の今朝はこんな。スキー場は一応人工降雪機を数台動かして、人工雪を降らせていますが、諏訪地区や奥美濃地区のスキー場のように人工雪でゲレンデを整備することを前提とした台数配備はありません。そもそも人工雪が作れるくらいに冷え込んできたときにはやがて大雪に見舞われますので、天に任せて待つしかありません。今回の寒気の張り出しは西日本から日本海沿岸を...
昨年まで、楽天トラベルサイトにおいて、懸賞ひろばなるサイトがありました。登録している宿が楽天ユーザーに向けてさまざまなプレゼントキャンペーンを打つというものです。ウチでもわりと頻繁にプレゼントを出していた機会があります。この企画の最大の狙いは「露出を上げる」ことが目的です。1か月のプレゼント開催期間でおおよそ400~500件の応募があります。そして、その数百件のうちの相当の確率でニュースレターの送...
日本海側や会津地方は大雪警報発令中ですが、WINDY.COMの予報通り飯山に雪は降らず
12月15日に、飯山地区でいまだ積雪がゼロとの投稿をしましたが、やはりwindy.comの降雪予測は当たりました。本日8時現在の木島平村~飯山~戸狩方向をとらえた姿メッチャ晴れています。今後10日間の降雪予報(広域)長野県北部明日は晴れの予報で冬型はいったん緩みます。その後の寒波もやはり風向きが西との予報ですので、中野飯山地区はあまり期待できそうにもありません。木島平スキー場は24日をopen予定としていますが、人工降...
先日来愛読しているこちらの本。本書でも述べられています通り、付加価値を付けて、高く売る勇気をの論については、安すぎる日本を憂いて、特にコロナ後多くの専門家が警鐘を鳴らし続けています。木島平の場合でいえば、山頂リフトと山頂エリアのブナ林を取り囲む広場がひとつの売りとなるエリアでもあります。野沢温泉スキー場のやまびこゲレンデと非常に似た雰囲気をたたえています。山頂避難小屋が3‐4年前に建設され、その屋上...
2013年の開校から今季で10年目となる木島平コブ滑走訓練所。10年目の今季はさらに講習内容を充実、初日の夕食後に模型を活用した座学を導入します。昨シーズンとあるスクールさんで経験した半日(2時間)の座学レッスンが意外に有意義でしたので、それを参考にした次第です。実際、雪の上で長々と講釈垂れる先生も多く、それも決して悪くはないのですが、それは別に雪の上でなくてもイイケースも非常に多いと感じます。こちらも某S...
間延びした溝コブでどうやってブレーキを掛けるのか?そんな悩みを抱えるコブ不能スキーヤーはかなり多いと思われます。しかしどんなコブであっても、ブレーキの掛けどころが必ず存在します。何故なら「溝」や「コブ」はブレーキを掛けて雪が掘られた結果の産物だからです。細くて間延びした溝コブには「バンク」削り出来る部分はほとんど存在しません。そもそもバンクでのターン(ブレーキ)は、長い時間と距離をかせぐことで除雪...
今日はあちこちで猛烈寒波のニュースが流れていますが、実は長野県中野飯山地区ではいまだに積雪はゼロです。気圧配置を見ても、風向きを見てもやはり今回の寒波は北日本と北陸地方中心のようです。今後10日間の降雪量予報においても、白馬は100cm越えですが、飯山は40cm止まり。次の寒波のピークである18日(日)もおそらくさほどの積雪は期待できそうにもありません。本日より向こう10日間(12月15日)までの累積降雪予...
コロナの弱毒化が進むにつれ、国民の間での危機感が徐々に低下してきた感のある新型コロナ。なってみれば、意外と「普通の風邪」などと言われることも多いのですが、実は先日、我が家は一家そろってその猛威(?)を体験するに至りました。私が瀬戸内ハイクに出かけていた時、確か11月23日のことだったでしょうか?次女が体調を崩し、学校を休んだそうです。そんな折、たまたま留守中の電話転送が私の携帯に宛てられていたため、学...
巷ではあまり評判のよろしくない全国旅行支援。現在実施中のものは12月27日までですが、来年は1月10日から再開とのアナウンスがありました。GOTOトラベル事業の時と比べると事務手続きの煩雑さなどもあって、加盟事業者はあまり多くはない印象です。なんでもそうですが、補助金頼みの商売は、制度終了後の反動が怖いものでして、「安いことが当たり」前になってしまう怖さがあります。昨日まで一袋19円だったもやしが、今日は30円...
木島平は相変わらずの積雪ゼロ。明日は次第に冬型とのことで、少しは期待できそうです。今期はフィジカル的事情により、2月中旬まではスキーはNG, 開校は早くても下旬以降の開校と見込んでいたのですが、急にスケジュールが変更となりまして、通常通りのスキーシーズン迎撃態勢を整えているところです。そんな折、買ってきました。SKI CASSIC10年近く前まで毎年一回出版されていた「大人のスキー」にも通ずる落ち着いた内容です...
何事も、自分の経験したこと以上の進化は望めません。多くの知恵者は、よそで体験したり見聞きしたものをヒントに新たな一手を考えるものです。かくある私も、旅に出る理由はそこにあります。自分探しの旅でなくて、あくまでネタ探しなのです。旅とは一般的な旅とは限りません。今年の3月に体験したスキースクール巡りもまた非常に貴重な経験でした。某SAJのSS入校体験某コブレッスン入校体験そんな経験をもとに、今期ウチの...
スキー場は夏で儲けろで一躍有名になった岩岳マウンテンリゾート社長著のいま話題の本。お読みになった方も多いかと思います。実はウチの理念と非常に共通していまして、当宿の2000年の開業以降、最初の10年くらいは最繁忙期は冬ではなくて8月でありました。色々なイベントについてもグリーンシーズンに力が入っていまして、冬よりも多様なゲストで賑わう感覚でもあります。本書の中においても、また上記リンクの記事でも述べられ...
皆さんご無沙汰しております。最近とみに来季のレッスン開催予定についてのお問い合わせを頂く機会が激増しており、実に嬉しい悲鳴なのですが、ようやく具体的な開催開始時期に目処がつきました。当初は2月下旬から3月上旬を開始時期とお伝えしておりましたが諸般の条件が整いまして1月下旬から開始できる見込みとなりました。(ただし積雪条件コンディションによる)現在急ピッチでプログラム日程等、具体的内容について詰めてお...
デモに習ったけれどきっかけがつかめなったコブ専門のスクールに入門したが、整地の練習ばかりで納得できなかった。初心者対象のコブレッスンを受けたが周りの生徒は上手い人ばかりでついて行くことができなかった。一般のスキースクールで不整地を教えて欲しいと志願したが叶わなかったそんな方はきっとお力になれると思います。木島平コブ滑走研究所の6大特長1.実践トレーニング前の問診&座学初日の夕食後に、座学講習会を約...
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ロマンスの神様スノーリゾートが、来シーズンから「直営スキースクール」を開設すると発表しました。しかもそれは、これまでのような全日本スキー連盟(SAJ)やSIA(日本プロスキー教師協会)の公認スクールではなく、スキー場の資本が直接運営する、いわば「非公認スクール」です。この話題を耳にして、私は強く思いました。ここには、現代社会における権威主義と資本主義の対立構造が、非常にわかりやすい形で表れていると。スキ...
2025年3月にご参加いただきましたFさまよりレビューを頂きましたのでご紹介いたします。=====中村様3月下旬にお世話になりましたXXです。その後4月5~6日の土日で志賀高原に滑り納めに行ってまいりました。嬉しいことに、焼額山のコブ斜面をどうにか転ばすに滑る?コブ山の裏削りで降りることができました。志賀高原を熟知する人と一緒に滑りに行きました。1ターンあるいは2ターンずつ細切れで滑れるコブに連れて行ってもら...
今やスキーの技術を学ぶ方法は多様化し、スクールに通うだけでなく、YouTubeをはじめとした動画サイトで“学ぶ”という選択肢も一般化しました。便利で手軽な情報源――そのように思われがちですが、私はあえて言います。**「本当にうまくなりたいなら、YouTube動画は見ないほうがいい」**と。この主張は一見すると極端に思えるかもしれません。しかし私が12年以上にわたりコブ滑走指導を続けてきた経験からすれば、この意見はあまりに...
前回、日本人はグループレッスンに向いていないというお話をしましたが、コブレッスンにおいてその特性はさらに際立つということをご紹介しておきます。なぜならば、運動精度を上げるために、短いスパンでのフィードバックが必須と考えるからです。また、コブでの連続ターンを課す練習の場合、ターンごとの成否がはっきりするものであり、その修正とフィードバックには精密な分析が必要です(例=2ターン目の失敗は1ターン目のスト...
日本人は本当にグループレッスンに向いているのか― スキースクールを例に読み解く“他人行儀”の壁 ―CHAT GPT & 木島平コブ滑走訓練所長 共著「黙って並ぶ」国民性とレッスンの矛盾スキー場に行けば必ず目にする光景、それがスキースクールのグループレッスンです。インストラクターを先頭に、生徒たちが一列に並び、同じ動作を繰り返す。これはある意味、日本社会の縮図のようにも映りますが、果たしてこのスタイルが日本...
今季の講習会がすべて終わりました。最終回は、兵庫県からお越しの60歳台の男性ゲスト、スキー歴は長い方でしたが、驚いたのは「これまでスキースクールというものを一度も受講したことがない」とおっしゃった点です。「自分は本当に運動音痴なんです」と少し照れながら語るその方は、おそらく幼少時からそのような自己認識を抱え、それが長年のコンプレックスとして染み付いていたのではないかと察せられました。しかし実際の滑り...
【不格好な連続ターンの罠 〜進化するレッスン、進化しないレッスン〜】(文責:木島平コブ滑走訓練所長 & ChatGPT共著)春が近づくと、あちらこちらのゲレンデで「コブレッスン」が開催される光景をよく目にします。しかし、その多くが「不格好な連続ターンをひたすら繰り返させる」スタイルであることに、少なからず違和感を覚えることがあります。「慣れるしかない」「本数をこなせば上手くなる」といった精神論的アプローチは...
■ 今シーズンを終えて──12年目の気づき今シーズン、私が主宰する「こぶレッスン」は無事に最終日を迎えることができました。これまで12年にわたり、多くの方々と共にこぶ斜面を滑り続けてきましたが、今季はとりわけ興味深い発見がありました。それは、スキースクールに長年通っている方ほど、私が指導するシンプルな動作──特に「こぶの底でストックを素早く突き刺す」という動きに、著しく苦戦されるという現象です。この傾向は今...
私自身、これまで多くのスキーヤーの上達に関わってきた経験から、確信していることがあります。それは、「自己練習」こそが、あらゆるスキー技術向上の根幹をなすという事実です。レッスンや講習を受講することは意義のあることだと思います。しかし、それらはあくまで“ヒント”であり、“きっかけ”でしかありません。上達を実現するのは、最終的に「自分で滑って考えること」──すなわち自己練習です。ところが現実には、多くのスキ...
前回のブログでは、「アドバイスの量をスクールの質と誤認する風潮」について触れました。特に、スキースクールにおいて「滑らせること」よりも「言葉を多く与えること」が重視され、その結果、練習量が不足し、技術習得の本質から遠ざかってしまっているという実情を述べました。今回はそこからさらに一歩踏み込んで、なぜ特に“上級者”ほどアドバイスの量に依存してしまうのか、そしてその依存から脱却するために本当に必要な指導...
コブ指導をはじめて10数年。 私は常にある問題意識を抱いています。それは、スキースクールにおいて「アドバイスをたくさん送ること」が良い指導だと誤認され、それによって「滑走量」や「運動経験の蓄積」が著しく軽視されているという現象です。言い換えれば、話す指導>滑らせる指導という倒錯した価値観が、現場を覆ってしまっているのではないかという疑念です。3月27日現在2レーン有。70ターン分300mのロングランとりわけ...
スキースクールに通っているスキーヤーの多くが、「イントラによって言うことが違う」と感じた経験があるのではないでしょうか。あるスクールでは「ストックを突け」と指導される一方で、別のスクールでは「ストックは置け」と言われる。また、「ストックを短くしろ」と言われたかと思えば、別のイントラは「長い方が安定する」と言う。このように、スキースクールにおける指導内容が一貫していないため、スキーヤーは何を信じれば...
10年以上続けている独自のコブレッスン。延べ500人以上にお供してきた中で困ったこともあります。コロナ前はグループレッスンだったのですが、参加条件にパラレル小回りができることと条件を付けているにもかかわらず、その技能を満たすことなくエントリーされたケースが複数みられたことです。先日も触れましたが、スキースクールのレッスンはリピートを促すためもあってか、正確なフィードバックが行われないケースもあります。...
昨日の珈琲とコブレッスンの対比はかなり極端な例です。もちろん、AIが回答してきた結果ですので、一定程度スルーする必要はありますが、人間の裏に隠された心理を如実かつ露骨に表現してきますので、あながち嘘でもない気はします。現在私はChat GPTの有料版と、Grokの無料版を使用しています。そのままの仕様で使うと、Grokの方が若干論理的かつ深い分析を行う傾向にあります。珈琲の知識についても、Chat GPTよりもより深いもの...
私は5年前から宿で使う珈琲豆を自家焙煎に切り替えました。自家焙煎と云うと一般人が踏み入れることをはばかられる崇高な領域と思われますが、まったくそうではありません。ネルドリップや自家焙煎に取り組む人をコーヒー業界が孤高の コーヒー職人を偶像化させようとするのは、まるで スキーのコブ レッスンのインストラクターがバリエーション トレーニングを次から次に繰り出し 受け手を惑わせるのと似た構造があります。よね?...
昨日は「ターン弧を描く」、「スキーの性能を引き出す」の誤りについて指摘しましたが、これ以外にも、スキー業界の人が頻繁に使う表現として、「スキーを動かす」「トップを下に向ける」というのもまた、違和感を覚えます。例えばコブの指導現場で頻繁に「スキーを下に向ける」といいますが、そうではなく、「スキーのテールを振る」というべきです。一瞬下を向きますが、最終的な目的はテールを振ることによってブレーキをかける...
全日本スキー技術選が終わりました。今から10年以上前は白馬八方に観戦に出かけたこともありました。そうそう、2011年の大会でした。リフト乗車中に急に停止し、ながらく宙づりになりました。 しばらくして東北地方で発生した巨大地震が長野県地方にも影響が及び広域で停電が発生したのでした。あれから14年。いわゆる基礎スキーの世界からは遠ざかり、技術選を注視することもなくなりましたが。さて、そのSAJが定義する技術選。...
スキーグラフィックのコブ攻略記事で、デモンストレータが「俺も最初はコブが苦手だった」などと、まるでコブが苦手なアマチュア一般スキーヤーに寄り添おうとしている記事を見かけます。が、そんなものを真に受けてはイケマセン。実際、「苦手」なのではなく、コブを滑るための能力はあるけれど、その力の発揮法を知らなかっただけに過ぎません。滑り方の調整を行うだけで実は彼らは簡単に滑れるようになったのです。そう思いませ...
今朝までガンガン雪が降っていましたが、10時頃ようやくあがり、晴れ間がのぞきました。3年前のの大雪時には4月以降急激に南風が吹き荒れ一気に雪解けが進み、庭の雪が完全に消えたのは4月17日のことでした。果たして今年はいかに???【3月8日4:00現在の空き状況】*〇=空きあり*✕=満室3月16日(日)~2泊3日 〇3月23日(日)~2泊3日 〇3月26日(水)~2泊3日 X3月29日(土)~2泊3日 Xお申し込みは楽天トラベルからど...
時折、スクールシーズン券なる企画商品を発売するケースが見られますが、中上級スキーヤーにとっては全く効果がないばかりでなく、むしろ技術の劣化を招きかねない システムだと私は考えます。レッスンを受けるたびに色々なバリエーションを提示されることで満足するスキーマニアも多いいっぽうで、提示されるアドバイス内容が毎回同じだと不満の声をあげる人もいます。しかしよく考えてもみれば 1人のスキーヤーが持っている課題...
毎年3月の恒例行事、地獄のコブ特訓講座が無事終了しました。今回の参加者はコブ特訓お馴染みのTさまと、木島平スキースクールのご常連のEさま親子。やっぱりウチは他ではまねのできない唯一無二のコブ道場であることを確認いたしました。(^^)2月中旬頃まではあまりの雪不足で、2月中に木島平スキー場が終焉を迎えてしまうのではと気をもんでいましたが、3月に入ったとたん一気に形勢は逆転、真冬のごとく頻繁に大雪が襲来、ゲ...
昨夜遅くからの降雪は、真冬並みの固くて細かい雪でした。気温は上がらず、飯山市街地に向かう道はひたすら圧雪。こんな路面はこの冬はじめてかもしれません。家の前の道飯山市安田付近綱切橋は完全圧雪&凍結路面11時半頃の国道117号線の気温は0度。しばらくは気温の低い状態が続くようなので、これでスキー場も少し延命??もしかしたら3月10日からの地獄の特訓は木島平での開催が可能になるかもしれません。期待しましょう。...
スキー場の積雪量の測定場所は非公表などと言われることが多いのですが、測定さえしていないスキー場がほとんどではないかと思われます。その理由はこれ。牧の入スキー場が名前を変えたTheきじまスノーパークの2月24日の発表値山頂付近で35cmとても正直です。いっぽう、ロマンスの神様(木島平スキー場)の現在の積雪発表値。2月24日発表値木島平が115cmで牧の入が35cm。かつて見たことのない、恐ろしすぎる差です。...
全国的な雪不足がスキー場にとって深刻な状況となっていますが、ここ木島平でも同じです。昨日まではかろうじてコブ講習会を開催しておりましたが、本日降り続いている前線による雨により、コブ斜面がリセットされました。スキー場関係者の話では明日以降、またコブ斜面の再生を試みるとのことですが、雪の層は極めて薄く、掘れすぎを防止するためピッチを短く造成するとのこと。つきましては、当訓練所の本来の指導メソッドを発揮...
今日スキー場に行ったら、今週末24日開催のライブコンサートの会場設営中。昨日の風と雨で、各ゲレンデは少しずつ土が露出し始めていますが。。。ファミリーコースはまだ何とか。しかし、最下部のリフト乗り場アクセス部分は完全雪どけとなってしまったため、雪を盛っての「廊下」を作ってしのいでいます。予想以上に猛烈な勢いで雪解けが進んでいます。今週末はいったん寒気が流れ込むとのことですが、果たしてどの程度のリカバリ...
指導する人によって言うことがまちまちなのが実に悩ましいスキー業界。いったい何が正しいのかよくわかりません。私の手ほどきは、人の受け売りは全くありません。自分の上達過程、そしてお客様を指導する中で発見する10年間で得てきたさまざまな気づきの蓄積により展開しているものです。なので、誰が何といおうとこれだけは間違いない!という理屈がたくさんあります。コブでは全身力んで滑る腕に渾身の力を込めて滑るコブは上半...
ゲレンデクローズのニュースばかりが流れてくる昨今ですが、木島平はかろうじて生きながらえています。19日現在、ベース部分の一部で土が露出し、スキー場ゲレンデから我が家までのアクセス路(スキー走行可能)が遮断されてしまい、途中からスキーを脱いで歩かなくてはならない状況になっています。メインゲレンデの一部はやはり地肌が露出し、19日日中に吹き荒れた南風、そしてその夜から降り始めた雨のおかげで融雪が進みました...
コブ斜面滑走は一種のゲームでもあります。モグラたたきゲームのようにも思えますし、次々に迫りくる敵を一つ一つ撃ち落としていく古風なビデオゲームのようでもあります。時にコブの間隔が長かったり、突如として狭くなって足元をすくわれそうになったり、思いもよらないトラップが仕掛けられていたりします。なので、わずか数百メートル程度の同じ斜面でありながら、整地滑走とは比べ物にならない攻略の楽しさがあるものです。次...
この週末は木島平でもバッジテストが行われました。先日うちの講習会に参加された方も受験されたはずでして、合格のゆくえが気になるところではあるのですが。。。かくある私もいまから13年前、ギリギリのオマケ(?)で合格を貰ったのがつい先日の出来事のように思い出されます。1級バッジテストを受ける場合、事前講習の受講が義務付けられています。が、この事前講習が実にくせ者なのです。まず、何のための事前講習なのか、そ...
スノースポーツを楽しむ人は、往々にして自分の属するカテゴリ―以外の人を目障りに感じがちです。例えば、レジャースキーの人。やたらとぶっ飛ばしてリフト乗り場になだれ込んでくる競技スキーヤーには、あまり好意的ではありません。(全部というワケではないので念のため)スノーボードの人たちに対しても「ボードの奴らは。。。。。」などと不平を口にする人も多いように感じます。もちろんその逆もです。基本的に自分の属す世...
整地は不自由なく滑れるのに、コブだけはどうにもならないという人が世の中にはゴマンと存在しますが、それはなぜなのか?それは単純です。練習する場所がとてつもなく限られているからです。しかも、チョット練習したところで(コブに入ったところで)ほぼ思い通りにいかないので、すぐに諦めてしまいます。諦める原因は何かというと、次々に現れる腕達者の無言の圧力にほかなりません。繰り返し練習しようにも、そんな圧力により...
ネットメディアにあふれかえるコブのハウツー動画ですが、上手くいかない理由を的確に突いているものはあまり多くありません。コブが苦手で困り果てる人の中には、左右どちらかのターン時に外に飛び出してしまう、乃至転んでしまう人が少なくありません。大抵は左外脚右向きで多く見られるように思います。その理由は単刀直入、しっかりと谷側に体重を乗せて、スキーに圧力を掛け除雪抵抗(ブレーキ)がかけられていないからです。...
- 整地は難しい。でもコブは凹凸が勝手にスキーを導いてくれるから簡単。そんなことが時々語られます。でもそんなことを平然と言えるのはプライズレベルの腕を持った極めて一部の熟達者に限られます。ところが、実際、スキーヤーの大多数は、- 整地は簡単。 コブは目まぐるしい凹凸が次々現れるから難しい。と感じます。地形に合わせた俊敏極まりない動きを実現し、適所で的確にブレーキを左右交互に連続させることがとても難...
はじめてのコブ初心者向けコブレッスンそんな、いかにも技術的に未熟なスキーヤーを対象としているかのようなレッスンに入校された経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。しかしながら、「キミ、ホントに初心者か?」と疑いたくなるような熟達者に遭遇したことのある経験をお持ちの方が、決して少なくはないのではいかと想像するところではあります。残念ながらスキー界において、技術レベルの自己申告ほどアテにならないも...
以前にも紹介しましたが、整地では何の不自由もないのに、コブ斜面に対しては本当に、全く、一切、とんでもなく駄目だという方に向けての金言集をお贈りします。*2024年1月増補版=========「コブが苦手」という言葉の定義はさまざまな解釈が存在します。ですが、おおよそ整地ではカッコよく、爽快に、滑れるのに、コブに入ったとたんに別人に成り下がるという人を意味します。ただし、基礎スキーの世界というのものは、...
何かにつけて語られるコブ滑走技法である「ズルドン」。滑走というよりも、超低速でコブの急な落差を安全確保するための術と云った方が的確でしょう。いつも言うように、ズルドンは左右のターン運動が完全に断片化してしまっているので、ターン練習にはなりません。(キッパリ!)私が2年前にこっそり入校し手ほどきを受けた、コブ専門スキースクールの主宰者で、元モーグルナショナルチームコーチのX氏にもこんな質問を投げかけ...
競技スキー指導によくみられる言い回しにもっと落としていけという常套句があります。もっと走らせなさいということなのですが、どうもスキー界には、正しい運動の結果現れる現象を言語化して指導したつもりになっている人が少なくない印象です。映像メディアで散見される「バリエーショントレーニング」もまた、出来ない人目線からすると、トレーニングと云うよりも曲芸に近いものが少なくありません。ショートターンの練習として...
世のイントラさんの中には、知らず知らずのうちに専門用語(内輪用語)を使っているのに気づかず、理解されないままに終わっているケースがかなり見受けられるように思います。以前から何度か取り上げましたが、その最たるものはコントロール動かす動きが止まった滑りこのあたりだと思います。コントロールとは一般的に調節するとか、操るという意味であるのですが、スキー業界的にはほとんど「ズラして減速する」を意味するもので...
正確無比なお手本を示してナンボの基礎スキーの世界。有名スキーヤーのいわば見世物として捉えるならば大いに結構なのですが、そうでないとすれば、程ほどにしないと何かと弊害も起こりえますので注意が必要です。たとえば上下動が顕著なスキーヤーに対して、画一的に「上下動はよくないのでやめましょう」とアドバイスを送ったとします。ほとんどのスキーヤーは「何故上下動がダメなのですか?」と問う前にとりあえず言うとおりに...
コブに限らず、スキーを習うとき頻繁にインストラクターが口にする最初はゆっくりでイイの常套句ですが、コブに限って言えばその手法は決して正解ではないと考えます。プルークの練習をゆっくりやるパラレルの練習をゆっくりやるのとは異なり、コブ斜面をゆっくり滑るのは極めて高難度の技だからです。それでもイントラは自分の技術を押し殺して生徒の前でゆっくり演じて見せますが、それは自身が熟達者であるがゆえに実現可能な運...