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  • GENKYO 横尾忠則

    www.youtube.com ちょっとショックが大きかった展示だ。 GENKYO 横尾忠則 ショックの要因は、自分がいかに横尾忠則を知らなかったか?というショックが大きい。この偉大で突然変異のようなアーチストをある意味否定し、ある意味肯定していた自分がいて、大島渚の『新宿泥棒日記』がひとつの印象だ。しかしそれは彼の極めて小さな一部でしかなかった。 現代美術館の入り口を入り「神話の森へ」というエリアから最後の現況(現在80歳を超えた仕事ぶり)に至るまで、彼の由来(原郷)から現況までを並べる企画は、大きな日本の歴史を超えた壮大なスケールだった。とにかく驚いた。 前半は横尾の初期作品を紹介するのだ…

  • マン・レイ 女性たちの今

    マン・レイの作品をじっくり見据えつつ、彼の生きた時代、つまり1920年代以降のあらゆる時代に思いを巡らせる。狂騒の時代と言われる1920年代は、日本でいえば高度経済成長からバブルに向かう時代。そんな時代にマン・レイは多くの文化人や著名人と時間をともにし、それらを写真に残している。ジャン・コクトーやパブロ・ピカソとの交流で彼の作品は更に変化と進化とともに変身を繰り広げる。 しかし1930年代前後に世界大恐慌が起こる。そこでマン・レイは、それまでの彼の作品の上に”悲しみ”というエッセンスを折り込み、より印象的な作品を作り続けている。恐慌の行く先は常にファシズムが待ち受ける。日本のデフレはファシスト…

  • マン・レイと女性たち

    www.youtube.com マン・レイを語るのはとてもむずかしいのだが、10年前に六本木で展示されたあの作品群とは少し趣を変えて企画された今回の展示は”女性たち”を軸にマン・レイの本質に迫ろうとする。何しろダダイストでシュルレアリストの彼の作品群は、画家としての卓越した才能を写真へと飛躍させて、それをまた造形などに落とし込むという、極めて複雑な方法へと変化している。 例えばダダイスト時代の「障碍物」という作品は、ハンガーをぶら下げているだけだが、その向こうに見える影はまるでカモメの群れのようだ。目の前にあるハンガーという現実と、その向こうで影になるカモメは全く違うもの、つまり二重性を示して…

  • 沖縄を見よ

    去年沖縄へ旅行に行く予定がcovid19のおかげでキャンセルにした。行っても良かったのかもしれないと後悔している。行くと決めたら行くべきだ。行かない理由は“他者”。沖縄へ行って感染して、帰って誰かにうつしたら・・・というロジック。自分ではなく他者という世間体が全ての障害になっている。 沖縄には2度行ったことがある。一度は那覇市内でもう一度は宮古島まで足を延ばした。いずれも快適な旅だった。『ひめゆりの塔』にも寄ったことがある。 さて、その沖縄にまつわる映画を何本か見たので色々考えてみた。それはつまり、快適な旅行とは無縁の惨状やゆがみがそこにあるという事実。そして映画を振り返ると、土着性を含めた様…

  • 83歳のやさしいスパイ

    www.youtube.com これね、コメディタッチのドキュメンタリーですごーく面白いんですけど、面白いだけでは足りないことはダイレクトに描かれてます。町山智浩さんがラジオで解説されていましたが、とても感動しました。 高齢老人が高齢者施設に潜入して、依頼人の親が虐待されているらしいという情報の証拠を押さえるために新聞で公募されるんですね。ここでもうお笑いなんですけど、採用されたセルヒオ老人はスマホとか使えないんですよ。ドキュメンタリーらしいんですけど、ほとんどフィクションのような世界です。 セルヒオさん、スパイなんですけど、とても真面目で人がいいので、女性の人気が上昇していくのね。この辺の表…

  • 17歳の瞳に映る世界

    これは『17歳の瞳に映る世界』という映画じゃない。 オリジナルタイトルの四択、 Never Rarely Sometimes Always を選ぶあるワンシーンの意味を探る映画だ。すごい映画。 www.youtube.com これはもう見ていただくほか説明ができない映画。ダルデンヌ兄弟が作る一連の映画、特に『ある子供』を連想させ、クリスティアン・ムンジウの『4ヶ月、3週と2日』には大いに重なる部分がある映画。そして17歳という彼女たちの年齢は、過去の多くの作品が取り組む世界だ。キャリー・マリガンの『17歳の肖像』やフランソワ・オゾンの『17歳』も然りだ。大人のつもりで子供、という微妙な世代。 …

  • 少年の君

    www.youtube.com 『少年の君』を鑑賞。心を揺さぶられる傑作だった。思っていた以上に圧倒された。 予告編などでもわかるとおり、いじめの映画だ。暗い映画だが、町山智浩さんがラジオで絶賛していて、しかもキネノートの視聴者ランキングでも高得点ということもあって、矢も盾もたまらず見に行ってしまった。従って、チケットの予約が遅れて、空いている席はル・シネマの最前列。その真ん中あたりで鑑賞できた。ということで、この時間は満席だった。 先にややネタバレ気味になるが、この映画はハッピーエンドで終わる。これを知らずに映画を見ると辛い映画だ。希望に満ちた映画であることがこの映画の前提にある。 前半は受…

  • ブラック・ウィドウ Black Widow

    マーベルの『ブラック・ウィドウ』を鑑賞。 www.youtube.com 『ブラック・ウィドウ』については町山智浩さんがラジオでも盛んに宣伝してますし、映画ムダ話でも詳しくお話されてますので、そちらのほうが専門的で面白いですね。こんなしょうもないブログ読むのなら、そちらを読んだり聞いたりされたほうが学べます。間違いありません。 そちらでも言われていますが、これ、間違いなく映画館で見るべき映画です!オンデマンドですでに視聴できますから、家の大きな画面で見ることもできますが、やはりこれは大きなスクリーンと大音響で、できれば大勢のお客さんとこのグルーブを感じたいですね。映画はいま多様化していますから…

  • 竜とそばかすの姫

    www.youtube.com 細田守監督の新作『竜とそばかすの姫』が公開された。素晴らしかった。 細田守監督の一連作品としては、2009年の『サマーウォーズ』以来のネット社会を扱う作品で、その前の『ぼくらのウォーゲーム』から20年。特に『サマーウォーズ』については、町山智浩さんが「日本の旧家と戦争」というテーマで大島渚監督の代表作『儀式』と比較分析していてとても面白い。 そして細田監督は『サマーウォーズ』以来ずっとフォーカスしている”家族”というテーマがこの新作にも降りてきている。主人公の鈴は田舎町に住む高校生。冒頭のいくつかのシーンで彼女には母親がおらず、父親と二人暮らしだが、その父親とも…

  • ボイス+パレルモ

    難解なボイスの展示を久しぶりに鑑賞できてとても良かった。本当に良かった。 www.youtube.com 本展はヨーゼフ・ボイスと弟子のブリンキー・パレルモの共同企画。場所は北浦和駅の近くにある近代美術館。この2人は必ずしも仲が良かったわけではないそうですが、ボイスがパレルモを高く評価していたというコメントを受けて、10年ぶりに日本でボイスを回顧する展示が巡業中です。 ボイスの代表作とも言われる「ユーラシアの杖」は日本初公開。そしてこの作品の制作風景が映像で流されるエリアもあって充実しています。インスタレーションはほかに「シベリア横断鉄道」などもあって刺激的です。ボイスが作品を組み立ててゆく過…

  • ボルタンスキー Boltanski

    今朝残念なニュースが入ってきた。 フランスの偉大なアーチスト、クリスチャン・ボルタンスキーが亡くなったのだ。 『心臓音のアーカイブ』を訪れた日は忘れない。素晴らしい体験。 夏の暑い日に歩いて歩いて歩いて、海へ海へと続く道。途中でハンバーガーか何かを食べて、さらに海へ海へ。へとへとになって疲れ果てて、やっとたどり着いた場所の先に見える海。 心臓の音が聞こえる真っ暗な部屋に入ってゆく。時々光るランプ。そして壁にあって見えることのない手に触れる何か。そして行き止まりまで行って、また来た道を戻る。この心臓音を聞くだけのスペースに誰もが感動する。母体という帰巣本能かもしれない。エントランスには、この感動…

  • ライトハウス

    ライトハウス 灯台のことですね。灯台守の話し。ホームページにこの映画の詳細がネタバレ覚悟でたくさん書いてあるので、そちらをお読み下さい。こんなしょうもないブログ読むんなら、ホームページがいいです。とても面白い。公開二日目の午後にシャンテで鑑賞しました。驚くことに満席でした。 www.youtube.com 灯台守というと日本だと木下恵介監督の『喜びも悲しみも幾歳月』となるわけですが、個人的にはアリシア・ヴィキャンデルとマイケル・ファスベンダー(この2人は実際に夫婦です。)の『光をくれた人』が思い出されます。これすごくいい映画で、子供のいない灯台守の夫婦のところに赤ちゃんが流されてくるんですけど…

  • 2001年宇宙の旅

    www.youtube.com 世界映画史上の最高傑作であり、最難解映画でもある『2001年宇宙の旅』を日本橋で鑑賞。まず、劇場が満席だったことに感動する。朝9時15分の回が満席である。午前十時の映画祭が復活したこともあって、大勢のお客さんがここに集まっている。それこそ老若男女。映画は本来劇場で見るべきものであることは間違いない。もちろん多様性の時代で、家で映画を見る人も大勢いるが、やはり映画は映画館で見たい。 ここで自分の解釈を並べるのは意味がない。このしょうもないブログの意味さえもないのに、映画のことをあれこれ今さら書いても、誰も納得しない。だったらいっそのこと町山智浩さんの解説を聞いても…

  • 恐怖のセンセイ

    Art of self defence 日本語タイトルが『恐怖のセンセイ』。これイマイチですね。 にほんブログ村 ブロトピ:映画以外の記事で!ブログの更新をブロトピしましょう! 暴漢に襲われた弱々しい会社員がピストルを買いに行くと「数週間かかる」と言われ、その帰りに通りかかったKARATE道場に吸い寄せられて入ります。白帯から黄色い帯に変わってどんどんやる気が出て、会社でもバカにされなくなるんですが、実は・・というお話。おバカなコメディかと思ったら後半はとてつもなく恐ろしい話になっていきます。すごい展開。コメディがホラー映画になるのね。怖いね〜。めちゃ面白かったです。 www.youtube.…

  • プロミシング・ヤング・ウーマン

    にほんブログ村 ブロトピ:映画以外の記事で!ブログの更新をブロトピしましょう!! www.youtube.com あらかじめいいますが、こんなしょうもなブログ読むぐらいなら、ほかのことやったほうがいいと思いますよ。この記事読んでも時間のムダですからね。時間は有効に使いましょう。 ということで今日、大ファンのキャリー・マリガンさん主演『プロミシング・ヤング・ウーマン』を、日比谷まで行って先行上映を鑑賞してきた。素晴らしかった。ちなみに配給はパルコだ。『アメリカン・ユートピア』もそうだが、パルコの文化活動部門はよくやっていると思う。セゾンの名残りで唯一の存在だろう。渋谷パルコは文化スペースとして日…

  • もう終わりにしよう。

    I'm Thinking of Ending Things もう終わりにしよう。Netflix映画。 www.youtube.com ちょっとこれ、難しかった。わからなかった。どう感じていいのかまるでわからなかった。もしこれを徹底的に理解したいなら、町山智浩さんの映画ムダ話を聞いていただくほかない。とてもじゃないが、かなり繊細な知識と集中力がないとこれは難しいと思う。チャーリー・カウフマンの狙いが何か?という映画だ。 そこでここでは、自分が感じたことと、ネタバレにならない程度に町山智浩さんのお話を聞いて得心が行った部分をごちゃまぜにしてまとめることにする。もう何を書いても受け売りになってしまう…

  • ゴジラvsコング GODZILLA VS. KONG

    六本木で『ゴジラVSコング』を鑑賞。 コロナの影響で公開延期になったがやっと鑑賞できました。 www.youtube.com 前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』から2年。もうどんな話しだったかも忘れてしまうほど激しい映像でしたけど、ゴジラ以外にギドラが出ていたのは覚えています。そして初代ゴジラをリスペクトした映画でもありました。 そして今回は?ネタバレありません。 前回にも勝る衝撃的な映像と展開、これはもう映画館で体験する、という映画です。 ゴジラとコングが対決する、というタイトルだけにダマサれてはいけない。何しろオープニングのシーンはいきなりコングが出てくるんですよ。いや、普通だった…

  • 1984年 ジョージ・オーウェル

    とても怖かった。1940年代に生まれた1984年を予言する書を2021年に読むという行為。80年近い時間の中間点が1984年となる。簡単に言うと、 日本の言論統制を示すドラマ である。笑い事ではないのである。 世界は第三次世界大戦後、3つの国に集約されている。管理社会が進んで街中にテレスクリーンがあって人々を監視している。法律はなく、平和省、潤沢省、真理省、愛情省の4つの国務機関があるのみで、国はビッグブラザーという指導者に支配されている。という話し。 主人公のウィンストン・スミスは真理省に勤務する役人だが、内面には反政府的な思想を持っている。1984年の社会で孤立するスミスの心象を描くのが前…

  • ファッション イン ジャパン 再び国民服へ

    くどくど書いたファッション史もこれで最終回にしよう。 7章 2010年代「いいね」の時代へ ここからの日本は転落の一途。し1990年代後半に起きた大きな震災から連鎖するように震災、災害が続いてゆく。小松左京の「日本沈没」状態といえる。持続可能社会が呼びかけられ、もう取り戻すことができないほど地球は疲弊し、それが人災となって人に襲いかかる。想定外の災害にびくびくしながら過ごす社会が現代日本であり、2010年代からその現象は加速する。凄まじい勢いで。「ノームコア」という”普通”を極限まで追求する時代で、作られる洋服も流行というファッションも死語となってゆく。 8章 未来へ向けられたファッション こ…

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