カナダの作家マーがレッド・アトウッドの『侍女の物語』『誓願』は、アメリカが神聖国家ギレアデ共和国となったディストピア小説です。女性の人権が剥奪された全体主義国家、「女性たちの1984年」。この記事では、アメリカ合衆国からギレアデ崩壊までを、政治学の知見で考察していきます。
本や映画を中心に哲学的に語っていきます。 ギリシア哲学と政治哲学を専攻したので、ややそちらに片寄るかも(笑) プラトンから神林長平まで! ソビエト映画からシン・ゴジラまで! 大人の社会科見学や、ゾイド、夜のキャバレーまで!
映画「デトロイト」(キャスリン・ビグロー監督)~胸糞悪いこと間違いなしの問題作
予感はしていたんです、なんと言っても、キャスリン・アン・ビグロー監督が撮るんですから。あの(・・)「ゼロ・ダーク・サーティ」の。 その人が、1967年のデトロイト暴動を撮るんですから・・・。 目次 1 あらすじ2 ドキュメンタリーのような秀
「それもこれも、日米安保にあぐらをかき、沖縄を犠牲にし続けてきたツケが回ってきたのかも・・・。あの“少女暴行事件”をもっと重く見るべきだった・・・」 (日本政府高官) さいとうたかを『ゴルゴ13』(115)リイド社、2000年、70頁。 さ
TBSドラマ「横山秀夫サスペンス:陰の季節シリーズ」~「警務」を舞台にした警察ドラマの秀作(「D県警シリーズ」)
横山秀夫原作の警察(・・)ドラマのご紹介。刑事(・・)ドラマではないのがポイント。 2000年から2004年にかけて、単発2時間ドラマとして7話が放送されました。 主演は上川隆也。横山秀夫作品の常連ですね、他に横山原作の「ルパンの消息」「震
TBSドラマ「横山秀夫サスペンス:第三の時効シリーズ」~刑事たちの執念とプライドがぶつかり合う刑事ドラマの傑作(「F県警強行犯シリーズ」)
数多ある刑事ドラマ。その中でも、傑作と太鼓判が押せるのが今回ご紹介するTBSで放送された「横山秀夫サスペンス:第三の時効シリーズ」です。 シリーズではありますが、毎週放送のシリーズドラマではなく、「月曜ミステリー劇場」内で、2002年から2
映画「15時17分、パリ行き」(クリント・イーストウッド監督)~最後は覚悟を決めてやらなければならない
2018年(米)、クリント・イーストウッド監督。 「自分でも分からないけど、運命に押されている気がする。」 (本編より/スペンサー) 目次 1 あらすじ2 徹底したリアリティの追求3 社会派映画であり、半面の青春映画4 日本も他人事ではない
映画「地震列島」~「政治」のおまけ感と震災時の司令塔、そしてシン・ゴジラ【感想・雑感】
1980年(日本)、大森健次郎 監督。 「歴代総理の願いは、この部屋を使わないことだ」 (首相)本編より 目次 1 あらすじ2 「日本沈没」との比較3 「首相官邸地下の指揮所」問題4 やっと出来た「官邸地下指揮所」5 立川広域防災基地で大丈
「日本沈没」後の政治学【後編】~日本国の存続と国外退避計画で語られなかったもの(カルネアデスの舟板)
「ユダヤの民二千年の、漂白の体験が、この島国の民、二千年の閉ざされた幸福な体験と、すぐにおきかえられるとも思えません。ディアスポラののち、何年たって、何を学びとるか・・・それまで日本人は、まだ日本民族であり続けるかどうか・・・」 小松左京『
「日本沈没」後の政治学【前編】~日本を喪った後の国際情勢はどうなるか?(小松左京)
様々なメディアミックスが展開されている小松左京のSF小説『日本沈没』。 小松左京の膨大な知識を土台に展開される傑作小説です。 派生した映画版(1973年)やコミック版(一色登希彦・版)は原作に劣らない傑作として知られています。 もし、日本列
映画「工作~黒金星と呼ばれた男」(追記)~ブラック・ヴィーナスは邦画に現れるか?(「戦後」歴史映画)
前回、韓国のインテリジェンス(スパイ)映画「工作~黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」の感想・雑感を解きました。 ★前回記事 →映画「工作~黒金星と呼ばれた男」~ブラック・ヴィーナスが沈むとき。国際政治の闇を描いた衝撃作【感想・雑感
映画「工作~黒金星と呼ばれた男」~ブラック・ヴィーナスが沈むとき。国際政治の闇を描いた衝撃作【感想・雑感】
2016年(韓国)、ユン・ジョンビン監督 「お互い祖国のためにしたことだ。私的な感情はない。」 (本編より) 韓国のインテリジェンス(スパイ)映画の秀作です。 本作の最大の特徴は、物語が「ほぼ実話」であり、登場人物も実在であり、幾人かは存命
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カナダの作家マーがレッド・アトウッドの『侍女の物語』『誓願』は、アメリカが神聖国家ギレアデ共和国となったディストピア小説です。女性の人権が剥奪された全体主義国家、「女性たちの1984年」。この記事では、アメリカ合衆国からギレアデ崩壊までを、政治学の知見で考察していきます。
突然のローマ教皇の崩御で、首席枢機卿のローレンスは、教皇選挙(コンクラーベ)を取り仕切ることに。しかし、そこは、権謀術数渦巻く「戦場」だった…
「ウルトラマン」シリーズは、ほぼ見ないのですが、お付き合いで観ることになった、今回の「ウルトラマンアーク」は、いやはや面白かったですね。特に、第22話「白い仮面の男」には唸らされました。これ、子供に理解できるのか?という訳で、今回は、この22話の感想と考察をつらつらと。
2024年最大の問題作。現代アメリカの分断が臨界点に達して、内戦状態に突入したら?そんな衝撃作「シビル・ウォー」の背景を徹底解説します。
人類がキャッチした謎のパルスは、深宇宙から発信されたものだった!果たして、そこに書かれたメッセージは?驚愕の真実が明かされるファーストコンタクトSF
もし再びアメリカ連邦議会が襲撃されたら、一体どうなるのか?最悪の状況とは?米国で行われたシミュレーション・机上演習をドキュメンタリー化。その結末は、第二の南北戦争、内戦なのでしょうか?
もし再びアメリカ連邦議会が襲撃されたら、一体どうなるのか?最悪の状況とは?米国で行われたシミュレーション・机上演習をドキュメンタリー化。その結末は、第二の南北戦争、内戦なのでしょうか?
自衛隊批判で知られる3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」。政治学の見識から、この内容を解題しいく記事の2回目です。カール・シュミットや古代ギリシアを参考に考えていきます。
1980年代に放送された「3年B組金八先生」のスペシャル「贈る言葉」は、卒業生の自衛官任官を教師たちが全力で阻止しようとする異例の内容でした。今回は、この作品を政治学の知見を基に解題していきます。
児童文学の傑作、ミヒャエル・エンデ『モモ』。この物語には、古代ギリシアの哲学者プラトンの哲学との強い親和性があります。今回は、『モモ』の物語を、プラトン哲学で読み解いていきましょう。
2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲
新規開店やリニューアルする書店には、カフェテリアが付き物になりました。しかし、本当に、書店とカフェは相性が良いのでしょうか?
カルト的な人気を誇るオーストラリア映画のご紹介です。ピクニック先で、3人の美少女は、なぜ忽然と姿を消したのか?ミステリーと官能で彩られた傑作です。
「何人もによって書かれたものかね?」 「そうらしいです。―この、一番最初にのっているものは、一番筋が通っていて、内容は一番ショッキングです」 小松左京「お召し」より※1 目次 1 あらすじ2 最高傑作かもしれない3 伏線の巧みさ4 向こうの
埼玉を壮大にディスった映画「翔んで埼玉」。この作品を世辞額の視点から考察してやろうという無謀極まりない試みです。キーワードは「天皇制」(マジで?)
時代を色濃く反映する動画投稿サイトの世界。 従来の常識では考えられないような企画が次々生み出される世界ですが、最近、「私人逮捕系YouTuber」なるものが流行(?)しているようです。 これは、YouTuberが、痴漢をしていると思われる人
自衛隊に「統合司令部」を設置することになりましたが、これを「令和の大本営」と批判する声もあります。しかし、その批判は的を射ているのでしょうか?そもそも大本営とはどんな存在だったのでしょうか?
カルト的人気を誇った90年代のデンマークのテレビシリーズ「キングダム」が25年ぶりに帰ってきました!待望の完結篇を見届けに、いざ劇場へ!
津川雅彦=徳川家康の名演が光る、傑作NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」(1995年)を、紹介します!
(2023年7月15日執筆) 無防備の国民には友しか存在しない、と考えるのは、馬鹿げたことであろうし、無抵抗ということによって敵が心を動かされるかもしれないと考えるのは、ずさんきわまる胸算用であろう。 カール・シュミット『政治的なものの概念
新規開店やリニューアルする書店には、カフェテリアが付き物になりました。しかし、本当に、書店とカフェは相性が良いのでしょうか?
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「何人もによって書かれたものかね?」 「そうらしいです。―この、一番最初にのっているものは、一番筋が通っていて、内容は一番ショッキングです」 小松左京「お召し」より※1 目次 1 あらすじ2 最高傑作かもしれない3 伏線の巧みさ4 向こうの