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2019/07/19

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  • 書評:今野敏著、『新装版 -神々の遺品』& 『海に消えた神々』(双葉文庫)

    探偵・石神達彦シリーズは、どうやらオーパーツ(それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指すOutofPlaceArtefacts)をテーマとしているようです。元警察官の探偵・石神達彦が、ピラミッドの謎などのブログを書いていた人物の行方を探す依頼を受け、調査を始めると、数日前に起こった日本では著名なUFOライター殺人事件と関連性がありそうなことが判明し、否応なしにオーパーツと呼ばれる摩訶不思議な太古の文明の足跡を辿ることになります。リサーチは主に助手の明智小五郎ならぬ大五郎にやらせ、自分は聞き込みに回りますが、突然ロシア系の男に襲われたりします。一方、アメリカで超常現象研究チーム『セクションO』に極秘の実働部隊をつけるよう国防長官に依頼されたジョーンズ少将は、彼の以...書評:今野敏著、『新装版-神々の遺品』&『海に消えた神々』(双葉文庫)

  • 書評:今野敏著、『新装版-膠着-スナマチ株式会社奮闘記』 (中公文庫)

    『新装版-膠着-スナマチ株式会社奮闘記』は、今野敏の作品としてはかなり異色なのではないでしょうか。刑事も探偵もオカルト的ミステリーも出てこない。接着剤専門会社で新製品開発に失敗して、接着力のない接着剤(それはもう「接着剤」とは言えない)ものができてしまい、これをどうつかえば開発費の回収が可能になるか、引いては株価暴落・乗っ取りを防げるかが課題となります。テーマからすると、まるで池井戸潤の小説と言っても違和感がないような気がします。主人公は就職難でスナマチしか受からなかったので入社したという新入社員で、彼の視点から、指導役のスーパー営業マンの活躍や、機密のプロジェクト会議の様子、社内の人間関係などが描写されます。焦点はあくまでも接着力のない接着剤のなりそこないをどうするかということなのですが、接着剤の原理な...書評:今野敏著、『新装版-膠着-スナマチ株式会社奮闘記』(中公文庫)

  • 書評:今野敏著、『機捜235』(光文社文庫)

    『機捜235』は渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸を主人公とする短編集です。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任した白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長と組まされるところから始まり、縞長が捜査共助課見当たり捜査班に属していた時に獲得した指名手配犯を一瞬で見分ける特殊能力を発揮して実績を上げて行くうちに、徐々に二人が本当の相棒になっていく過程が描かれます。刑事ものの小説ばかり読んでいると、機捜は事件の端緒に触れて、刑事が現着したときに報告をしたら姿を消してしまうので、実際の役割・業務内容が見えないものですが、この小説では刑事から下に見られがちの機捜に焦点が当てられ、隊員たちの仕事に対する誇りや葛藤など見えにくい部分が表現されています。Amazonで購入する。Hont...書評:今野敏著、『機捜235』(光文社文庫)

  • 書評:今野敏著、『わが名はオズヌ』(小学館文庫)&『ボーダーライト』

    警視庁捜査一課・碓氷弘一シリーズの『パラレル』で登場した修験道の開祖・役小角が降臨する高校生が気になって、オリジナルの『わが名はオズヌ』を読んでみました。荒れた神奈川県立南浜高校に通う賀茂晶が自殺未遂をして以来、役小角が降臨するようになり、その法力により人を操ってしまう。元暴走族リーダーで今は後鬼として小角に従う同級生・赤岩猛雄、美人担任教師・水越陽子たちとともに、建設推進派の自由民政党代議士・真鍋不二人と大手ゼネコン久保井建設社長の策謀に立ち向かっていくというのがメインストーリーです。警視庁から賀茂についての調査要請を受けた神奈川県警生活安全部少年一課の高尾勇と丸木正太は、調査要請が取り下げられた後も調査し続け、賀茂晶の謎に迫ります。役小角についての蘊蓄がやや冗長なきらいはありますが、『特殊防諜班』シリ...書評:今野敏著、『わが名はオズヌ』(小学館文庫)&『ボーダーライト』

  • 書評:もり著、『屋根裏部屋の公爵夫人』全3巻(KADOKAWA)

    おすすめとして上がってきて、面白そうなので3冊まとめ買いした上に、一気読みしてしまいました。政略結婚のすえ公爵夫人となったオパールは、社交界デビューしたばかりの時にやらかしてしまった失敗のため、いわれのない不名誉な噂が立ち、それを真に受けていた公爵およびその使用人たちに剥き出しの敵意を向けられ、邪魔者扱いされたため、拗ねて屋根裏部屋にこもってしまいます。そこからの逆転劇が語られます。オパールは伯爵令嬢で、持参金以外にも自分の資産を持っており、子どもの頃から領地の管理人に様々なことを教わっていたので、その知識を生かして、借金にあえぐ公爵家の領地の再建に乗り出そうとしますが、公爵に相手にしてもらえなかったので、法務官の叔父の手を借りて公爵家の領地を自分名義に書き換え、名ばかりの夫に宣戦布告し、公爵領に向かい領...書評:もり著、『屋根裏部屋の公爵夫人』全3巻(KADOKAWA)

  • 書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝 十三 十年飛ばず鳴かず』(B's‐LOG文庫)

    『茉莉花官吏伝』の最新刊が出ていたので早速読んでみました。絶対に失敗すると思われていた任務でとんでもない成功を収めた茉莉花は、足を引っ張ろうとする敵ではなく、味方につけようという魂胆を持ったお見合い攻勢を受けることになります。この巻は、そのお見合いの対処と、商工会主催の花祭の準備が描かれます。花娘の長女に指名された茉莉花は、街の人々との親交を深めつつ、犯罪者の視点を学んで街の治安対策を考える一方で、花娘の長女には本来必要のない舞と琵琶を真剣に練習します。さて、彼女は花娘の大役を成功させられるのか。そして、根本的なお見合い話対策とはどんなものなのか。この二つがこの巻の鍵です。ミッション自体はこれまでの外交ミッションに比べてかなりやさしいもの。そんな中で、皇帝・白陽との恋の甘味が増していき、なんとも微笑ましい...書評:石田リンネ著、『茉莉花官吏伝十三十年飛ばず鳴かず』(B's‐LOG文庫)

  • 書評:今野敏著、『警視庁捜査一課・碓氷弘一』シリーズ全6巻(中公文庫)

    警視庁捜査一課の中年刑事・碓氷弘一を主人公とする本シリーズは、最初からシリーズとしてコンセプトが練られたわけではなさそうな印象を受けました。というのは、6冊全部一気に2日半かけて読んだせいで、作風や構成の違いを強く感じたからかもしれません。『触発』と『アキハバラ』は構成が明らかに似ています。両作品とも犯人を含めた関係者の視点で語られる断片的なエピソードがパズルのように折り重なっていく手法です。それぞれ無関係に思われる人物たちがそれぞれの考え、行動していき、そうした話の糸が何本も絡み合ってやがて一つの大きな事件・事案(爆発テロと秋葉原のとある大きなショップでの爆弾予告と立てこもり事件)に収斂していきます。このため、碓氷弘一は登場人物の1人に過ぎず、「主人公」というほどの比重がありません。事件解決にかなり決定...書評:今野敏著、『警視庁捜査一課・碓氷弘一』シリーズ全6巻(中公文庫)

  • 書評:今野敏著、任侠シリーズ1~6巻(中公文庫)

    最近読んだ『マル暴甘糟』シリーズの甘糟がちょい役で登場しているという任侠シリーズ既刊6巻を一気読みしました。語り手は日村誠二。30代半ばで、今時珍しい任侠道をわきまえたヤクザ・阿岐本組の代貸です。組は組長を含めて総勢6名ですが、阿岐本組長が異様に顔が広く、全国のヤクザの組長に収まっている人たちと若い時分に兄弟の盃を交わしているため、大きな指定暴力団の傘下に入らないまま独立で生き残っています。甘糟はこの阿岐本組の様子見に来ており、時には阿岐本組に対する警察側の理不尽な扱いがあった際に助けてくれたりするので、「ちょい役」というほど小さな役割ではありません。さて、甘糟刑事のことはともかく、この任侠シリーズの面白いところは、組長が損得ではなく人情で様々な面倒ごとの解決を引き受け、そのたびに振り回されている心配性の...書評:今野敏著、任侠シリーズ1~6巻(中公文庫)

  • 書評:岡本裕一朗著、『哲学と人類 ソクラテスからカント、21世紀の思想家まで』(文春e-book)

    タイトルからものすごく壮大な歴史的俯瞰的な考察を想像しますが、そこまで網羅的なものではなく、「技術」「メディア」という観点から見た人類の発展略史のような感じでした。中心となるのは3つの技術革新とそれに影響を受けた思想の発展です。一つ目は文字の発明。ここではギリシャ哲学者のソクラテスの「書き言葉」に対する否定的な見方と、それでもなお「対話」としてソクラテスの教えを書き留めたプラトンについて考察されます。しかし書き留めて書物にするトレンドは変わらず、ついに「聖書」がベストセラーに。キリスト教の広がりは「書物」というメディアなしにはあり得なかったという考察。二つ目は印刷技術の発明。手作業で書き写していた書籍がグーテンベルクの印刷技術によってある程度大衆化したこと。ここでの「大衆化」はラテン語・ギリシャ語ではなく...書評:岡本裕一朗著、『哲学と人類ソクラテスからカント、21世紀の思想家まで』(文春e-book)

  • 書評:今野敏著、『特殊防諜班』全7巻(講談社)

    『連続誘拐』に始まる『特殊防諜班』シリーズは1980年代の作品で、米ソ冷戦真っ最中の時代に始まり、最終巻でベルリンの壁崩壊に至り、ドイツ統一に対する恐怖が描かれているあたりにものすごく時代を感じさせますが、7巻一気に読み切ってしまうくらいには面白いです。大きなテーマは、ユダヤ人の「失われた十支族」の1つの系譜が出雲の山奥に質素な神社を構える芳賀家の家系に伝えられており、この支族こそが黙示録で記されているところの人類滅亡の危機を生き延びる「新人類」と目されていることです。そしてそれを何が何でも滅ぼしたい謎の団体「新人類委員会」がその財力・組織力を駆使して暗殺・テロ行為を仕掛けて来ます。それを迎え撃つために「特殊防諜班」が試験的に結成され、自衛官の真田武男が引き抜かれて、緊急事態に限り総理大臣直属の捜査官とな...書評:今野敏著、『特殊防諜班』全7巻(講談社)

  • 書評:今野敏著、『マル暴甘糟』&『マル暴総監』(実業之日本社)

    読書日から少々日にちが経ってしまいましたが、『マル暴ディーヴァ』を読んでからシリーズの1・2巻があることに気付いて読んだものです。『マル暴甘糟』がマル暴に全然似合わないあまりやる気のない今風の刑事・甘糟を主人公とする最初の作品ですが、脇役としてはすでに任侠シリーズで登場していたということをこのあとがきで知り、今度はそっちを読んでみようと思うくらいには面白かったです。多嘉原連合の構成員が撲殺された事件から始まる捜査で、反社会的勢力同士の抗争なのか、被害者の反グレ時代の怨恨なのかを巡って捜査一課と対立しつつ、マル暴独自の捜査をするというのが粗筋です。このシリーズの面白さは、甘糟刑事の「あーいやだなあ、面倒くさい」という心の中が駄々洩れで、全然熱血・仕事熱心でないわりには、刑事を辞めてしまうほど仕事が嫌いという...書評:今野敏著、『マル暴甘糟』&『マル暴総監』(実業之日本社)

  • 書評:堀元見著、『教養(インテリ)悪口本』(光文社)

    『教養(インテリ)悪口本』というタイトルを見て「なんだその意地の悪そうな本は⁉」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、インターネット(特にSNS)には何のひねりもない「ばか、死ね」的な書き込みが溢れていることを考えれば、悪口を一ひねりして、ユーモアをもって笑い飛ばそうという著者・堀元見は、むしろ心優しいと思えませんか?悪口は誰も幸せにしない。言われた方はもちろん、言う方も聞く方も皆気分を害してしまうものです。どうやら、脳は主語を区別せずに情報処理するらしく、言われた悪口を「自分のこと」として変換してしまうようで(どこかで読んだ心理学研究の結果)、それゆえに悪口を言うことで、自分が悪口を言われたのと同じくらい腹が立つようです。悪口を言えば言うほどどんどん腹が立って来るという経験をした方も少なくないので...書評:堀元見著、『教養(インテリ)悪口本』(光文社)

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