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紙たすインク、いこーる本 https://www.oyasuminminzemi.work/

本が好き、音楽が好き、おやつも好き。 自分メモも兼ねた紹介ブログです。 書評というほど硬くも偉そうでもなく。 ちょっとした感想メモが、訪れてくださったみなさまと共有できたらいいなと思っております。 その他、雑記もたまに。

はにゃ
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2019/07/05

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  • 環境ってすごく大事。【おやつ、美味しく食べたい】

    おやつのはなしです。 おやつに限りませんが、食べる環境って大事だなって話です。 先日、職場の先輩から、珍しいスイーツをいただきました。 どっかのケーキ屋さんの(オイ)、プリン・ア・ラ・モード。高級品だー! (画像は借り物です) で、この10日後くらいに、同じ方から追加。 セブンのストロベリーショートケーキ。やっぱり私にとっては高級品です。 (画像はセブンイレブンHPより借りました) …………………… はい、ここまで出しといてなんですが。 こんな美味しそうな話題ですが、内容は後味悪い愚痴です。 ネガティブ記事ですので、危険と思われた方はここから先を読むのをお控えくださいませ! *** なんだかん…

  • レシピ付き!ほっとあったまる「食」の連作短編集【彼女のこんだて帖】角田光代

    彼女のこんだて帖 (講談社文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/09/15 メディア: 文庫 クリック: 30回 この商品を含むブログ (29件) を見る 食欲の秋とか言い訳しなくても、どうせ年中食欲のある私です。新陳代謝が今の3倍くらいになって、全然太らない身体とかにならないかなあ。 タイトルにも記したとおり、食にまつわる連作短編集です。 そして、本のタイトル「彼女の~」のとおり、主人公は全員女性です。 14話あるそれぞれの主人公が、なにかしら悩みを抱えています。 悩みといっても、だれしもが日常的に起こり得るシチュエーションばかり。 彼氏と別れたのでひとり…

  • 涼やかで、優しくて、なんかちょっと切ない。【TSUGUMI】吉本ばなな

    TUGUMI(つぐみ) (中公文庫) 作者: 吉本ばなな 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1992/03/01 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 81回 この商品を含むブログ (193件) を見る ずいぶんと古い小説なんですけど、すごく好き。 主人公は、まりあという名の女子大生。夏休みに地元に帰省します。 帰省先にいるのは、つぐみという名の従妹です。 つぐみの方が主人公だという意見もありますがどうだろう、まりあ視点で書かれているので、私はまりあだと思っているのですが。 つぐみは生まれつき病弱で、ずっと入退院を繰り返してきた子です。成長するにつれて丈夫になったとかそういうの…

  • 風邪をひいたので、はてなブログPROを辞めた

    おひさしぶりです。 この数日間に何があったのかを簡潔に一行で説明したら、タイトルのようになります。なんのこっちゃ。 風邪をひきました。 もともと私は熱心な葛根湯信者であるため、それが風邪であってもなくても、ちょっとでも「んん?」と感じたらすぐに葛根湯を飲むようにしています(事実これが効くのです!!)。 ゆえに、風邪らしい風邪をあまり体験せずにずっと来ていたのですが、今回はイキナリ来ました。 いやイキナリではない、やはり兆候はあったのです、あとになって気を付けて考えたら。 あの僅かな僅かな「んん……?」が葛根湯最適期だったと思うのですが、あまりにも些細過ぎた。そのため深く考えず、結果的に私は体の…

  • もっと早く知っていたらたぶん理科が好きになってた【ジュニア空想科学読本】柳田理科雄

    ジュニア空想科学読本(角川つばさ文庫)1-16巻セット 作者: 柳田理科雄,きっか 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/07/01 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 理数系が苦手でした。算数なんてまるでダメ、数学になったらもっとワケワカメでした。 理科は、唯一「生物」だけはできましたが、科学と化学はもうお手上げでした。 大人になってこの本に出会い、夢中になって読みました。面白い!! 着眼点がユニークなのです。 「初音ミクの髪の毛は毛先に近い部分が他と比べてぶっとい。なぜか」 とか、 「アルプスの少女ハイジのOPでハイジが乗ってるブランコは、どのくらいの高さから…

  • それなりに歳を取らないと分からない。【メグレ警視の事件簿】ジョルジュ・シムノン

    メグレ警視の事件簿〈1〉 (偕成社文庫) 作者: ジョルジュシムノン,Georges Simenon,長島良三 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 1986/08 メディア: 単行本 クリック: 7回 この商品を含むブログ (10件) を見る 体は子ども、頭脳は大人なあの彼がよく絡む警部さんが、この警視の名前を文字って名乗っていますが、本物はこちらです。 フランス警察のしっぶいおっさん。メグレ警視です。 こんな無愛想なおっさんの奥さん・メグレ夫人は可愛らしい人です。相性合うのかしら。いつもちょこっとアドバイスをくれたりします。可愛いなあ。 初めて読んだのは8歳のときでした。 児童文学と言うわ…

  • 秋限定の浮かれたおやつ【秋フェア・蜜芋ロールケーキ】ローソン

    自分のブログに絶望する昨今です。 面白みがない。 でも改善する才能もない。 このまま続けていいものか。辛いのう…… と今後を嘆きつつ、しかし今日は個人的に嬉しいことがあり、なんか浮かれて普段手を出さないコンビニスイーツを買ってしまいました。 ローソンの「蜜芋ロールケーキ(税込230円)」。 「秋フェア」というバキュームワードに見事にホイホイされました。 芋とか栗とかカボチャとか、限定系スイーツが出回るようになってきましたね。 「芋」ではなく「蜜芋」。 そう書くだけで購入率がたぶんグッと違ってくるんだろうなあ。ほんのちょっとのことなのに、日本語ってすごい。 こういう、購買欲を刺激するポップとかキ…

  • 動物漫画の最高峰だと思ってる。【動物のお医者さん】佐々木倫子

    動物のお医者さん 愛蔵版 コミック 1-6巻セット (花とゆめコミックス) 作者: 佐々木倫子 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2013/12/05 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 巷には数えきれないほどの動物漫画があり、当然私はそのすべてを把握しているわけではありませんが。 個人的最高峰はこちらです。 今さら出してくるほどもないほどの有名どころですが。 北海道の大学を舞台に、獣医学部の学生たちを中心に日々を綴る漫画。と言えば良いかしら。 ハムテル(主人公。大学生男子)と飼い犬のチョビ(シベリアンハスキー・メス)を囲む友人や教授、家族がみんな個性的。 ほぼ1話完結(でも…

  • 少しずつ狂っていく金銭感覚がこわい【紙の月】角田光代

    紙の月 (ハルキ文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 角川春樹事務所 発売日: 2014/09/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (39件) を見る 平凡ないち主婦が莫大なお金を横領した話。 一行で書くとこんな感じになっちゃいますが、金銭感覚や善悪の区別がじわじわと狂っていく過程が詳細に描かれていて、ちょっと怖くなっちゃいます。 梅澤梨花という女性が主人公です。 専業主婦で窮屈な日々を抜け出し、銀行の営業のパートを始めることにしました。 営業職は自分に合っていたらしく、毎日が楽しいと思えるようになります。 あるとき、顧客の孫である青年・光太と会い、誘われて一緒にバーに行きま…

  • 「みんな平等」は良いか悪いか。【平等ゲーム】桂望実

    平等ゲーム (幻冬舎文庫) 作者: 桂望実 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2012/04/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 世界は不公平で満ちている。 日本のみならず、それは世界規模で共通の事実です。 誰かが富む一方で誰かが飢え、無能な誰かがコネで輝ける一方で有能な誰かは土俵に上がることもできない。 瀬戸内海に点在する小さな島のひとつに「鷹の島」という島があります。ここは「すべて平等な島」です。良かったらあなた、移住しませんか。 って話です。 「全員平等」を理念とする島。特権階級はありません。 島の住民は4年に一回、抽選で仕…

  • 映画版とは異なった哀しさ【一人だけの軍隊】ディヴィッド・マレル

    一人だけの軍隊 ランボー (ハヤカワ文庫) 作者: デイヴィッド・マレル,沢川進 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1982/11/25 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (20件) を見る 知らない人なんていないんじゃないのってくらい有名な、シルベスター・スタローン主演の映画、ランボーです。 ええ、詩人のほうではありません。 ものすごいアクション映画ですが、その一方でとても哀しい映画です。ラストとかもう泣けて泣けて堪りません。 原作はまた違った雰囲気で、こちらもやはり哀しい。 上に揚げている文庫の表紙は、もちろん映画化されたあとに付けられたもの。も…

  • 他人になりすまして生きる度胸と苦痛【火車】宮部みゆき

    火車 (新潮文庫) 作者: 宮部みゆき 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/01/30 メディア: 文庫 購入: 47人 クリック: 454回 この商品を含むブログ (460件) を見る 宮部作品もういっちょ。 ラストのその先が気になって気になって堪らない。 うわっ、いいところで切ってくれたな宮部女史!と、ぶるっと震えた1冊でした。 (注意!ネタバレあります) 本間俊介というおじさん刑事が主人公です。勤務中に怪我をしたため現在休職中、リハビリに励む毎日です。 そんな本間のところに、亡くなった妻の従兄弟の息子という青年・和也が訪ねてきます。用件は人探し。自分の婚約者が突如姿を消したと…

  • サブリミナル効果ということばをこのとき初めて知ったのであった【魔術はささやく】宮部みゆき

    魔術はささやく (新潮文庫) 作者: 宮部みゆき 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1993/01/28 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 129回 この商品を含むブログ (151件) を見る ちょっと懐かしいものをひとつ。 宮部作品大好きです。といっても偏りがありまして、現代ミステリばっかり好きで読んでいます。ファンタジー系と江戸時代系(?)は手に取ったことがなく……食わず嫌いですね。読んだらきっと面白いんだろうけども。 私が初めて読んだ宮部作品がこれでした。中学3年のとき、友達が貸してくれたものでした。その頃からすでにミステリは好きだったのですが、「宮部みゆき」は知りませんで…

  • 無理のある面白さ。【長い廊下がある家】有栖川有栖

    長い廊下がある家 (光文社文庫) 作者: 有栖川有栖 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/07/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る ドラマ化されてから一気に有名になりましたね、火村とアリスのコンビです。 20年くらい有栖川作品を読んでいますが、他のミステリと比べて設定やトリックが突飛過ぎて笑えるのでなんか好きです(ファンの方ごめんなさい)。 こちらの作品も面白くてお勧め。 「幽霊の出る家」と噂される家があります。廃村寸前の限界集落にあり、いかにもな物件です。 AとBという家があり(どちらが幽霊が出る家だったかはちょっと忘れました)、なぜかよく分からないけ…

  • 医療とミステリの融合が面白い【天久鷹央の推理カルテ】知念実希人

    天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫nex) 作者: 知念実希人,いとうのいぢ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/09/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (17件) を見る 医療ミステリって他にもあるので、決してミステリ界の新風というわけではないのですが、何故か新しい気がした。なんでだろ?「うわー、医療ミステリって面白い。アリだなあ」って思えるんです。こんなの初めてー、ぐらいに。それくらい面白い。 天医会総合病院。この病院には、各科から「診断困難」と判断された患者が最終的に託される、「統括診断部」という特別部門があります。 「診断困難」とは? 河童に会った、人魂を見た、突…

  • リアルでは関わりたくない名探偵(笑)【ママは何でも知っている】ジェイムズ・ヤッフェ

    ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: ジェイムズヤッフェ,James Yaffe,阿部千香子,小尾芙佐 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/06/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 安楽椅子探偵ものです。 1950年代~1960年代に発表されたジェイムズ・ヤッフェの「ブロンクスのママ」シリーズを集成、1977年に出版されたものを復刊。表紙が可愛く(?)なりました。ちょっと物騒ですけど。 今読んでも古さを感じさせない、良ミステリです。 ニューヨーク警察の殺人課に勤めるデイビットは毎週金曜に、妻を連れてブロンクスの実家を訪ねるのが決ま…

  • 不安よりも好奇心が勝るこの感覚に覚えがある【100時間の夜】アンナ・ウォルツ

    100時間の夜 (文学の森) 作者: アンナウォルツ,Anna Woltz,野坂悦子 出版社/メーカー: フレーベル館 発売日: 2017/03/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 児童書というかヤングアダルトに入りますね。分厚くて読み応えどどーんな1冊。 少年少女たちの成長の物語です。 エミリア14歳。父親が起こしたスキャンダルでネットは炎上。批判、誹謗中傷、脅迫の嵐が吹き荒れることとなりました。学校でいじめにも遭ってしまったり。 傷つき、疲れ、少し苛立ち、エミリアは誰にも告げずにひとりで家を出ます。 向かった先はニューヨーク。アテもツテもなく彷徨っていたところに出逢った、…

  • 存在しない日に招待されたら死【6月31日の同窓会】真梨幸子

    6月31日の同窓会 (実業之日本社文庫) 作者: 真梨幸子 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2019/02/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 昨日に引き続き、「女子高怖ーッッ」の話をもひとつ。 イヤミスの女王の作品ですので、読後感爽やかでないことはもう言わずもがなですけど。 神奈川県の伝統ある私立女子校・蘭聖学園。 この学園には、ある噂があります。素行の悪い生徒は、「お仕置き」される。それは、学園を卒業してもずっと適用されているルールだとか……。 ある日、柏木陽奈子(28)の元に、一通の招待状が届きます。 「さて、同窓会を下記のとおり開催することとなりました。 日…

  • 女子とは怖い生きものです【暗黒女子】秋吉理香子

    暗黒女子 (双葉文庫) 作者: 秋吉理香子 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2016/06/16 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 可愛いはずなのになんか怖い表紙イラストです。 何が怖いのかなと思ってよく考えたら、白目部分がほとんどないってところに行き着きました。たったそれだけの要素で、バランスって崩れるんだなあ。 素晴らしい美貌と素晴らしい才能を持つ、文学サークルの会長であり女生徒たちのカリスマである白石いつみが謎の死を遂げたところから話は始まります。彼女の手にはスズランの花。あれやこれやと憶測が飛び交うなか、サークルの新会長となった澄川小百合は、「いつみの死」…

  • このコスプレは真面目なのか。【バッタを倒しにアフリカへ】前野ウルド浩太郎

    バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) 作者: 前野ウルド浩太郎 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (31件) を見る 表紙撮影のためにわざわざ着た、ウケ狙いの衣装かと思ったら違った。 きわめて真面目な自作(※研究用1%、己の欲求99%)の衣装だった。 前回の鳥類学者のエッセイとほぼ同時期に出たんじゃないかと記憶しているのですが、勘違いだったらすみません。 個人的にはその印象が強くて、似たようなの(動物科学エッセイというか)が示し合わせたようにポンポン出てきたな!と思ったものでした。 こちらは昆虫学者。バッタが専門です。 バッ…

  • タイトルすばらしき。【鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。】川上和人

    鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 作者: 川上和人, 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (11件) を見る 学者という立場の人は、小難しい顔をして小難しい本を抱えて、斜め上からこちらを見下ろして杓子定規にモノを言う人種だと思っていた。もちろんただの偏見です。 こんなにテンポが良くて笑いのセンス盛りだくさんの文章が書けるとは。これを読んだお笑い芸人は泣いて自分の精進を誓うが良いよ。そのくらい面白い生物学エッセイです。 ”……あなたには、鳥類学者の友人がおられるだろうか。多くの方にとって、答えは否だろう。…

  • 戸惑いとガッカリの極み【雀蜂】貴志祐介

    雀蜂 (角川ホラー文庫) 作者: 貴志祐介 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2013/10/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (21件) を見る 貴志祐介で思い出しました。すごい作品があるんですよ、違う意味だけど。 読んだのは5年くらい前だったか。開いた口が塞がらないとはこのこと(失礼) どうしちゃったんや貴志氏。 これがあの超ホラー「黒い家」を書いた作家の本???? 思わず作者を心配、いやこれを出した出版社を心配してしまいます。 気は確かかしら? 安斎は小説家。妻も絵本作家という作家夫婦です。ふたりの新刊出版を記念して、夫婦で山荘に来ています。 祝杯のワインを飲んだら眠く…

  • 続編が出そうで(まだ)出ない気味悪さ【悪の教典 上・下】貴志祐介

    悪の教典 上 (文春文庫) 作者: 貴志祐介 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/08/03 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 122回 この商品を含むブログ (103件) を見る 前回の小難しい官能小説を記事に書いて、思い出したのがこちら。 どこに共通点があったんでしょう……(困惑) 10年前くらいに初めて読んで、「ヒエッ」って思ったのを覚えています。 別段物珍しさもないラインナップですが、書いておこうと思います。 個人的には痛々しすぎて痛々しすぎた思ひ出。 高校の英語教師、蓮見聖司。爽やか、優しい、勉強分かりやすい、頼れる、そしてなによりカッコいい。ダメなところが…

  • たいへん難しい官能小説だった【教団X】中村文則

    教団X (集英社文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/06/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 前回の「下半身の緩さが気になる登場人物」云々の記事を書いて、連鎖して思い出したのがこちら。 前回のはこれ www.oyasuminminzemi.work で、教団X。 出版当時、芸能人やメディアに出てくる作家たちが絶賛した本ですね。私はテレビを見ないので、その「絶賛シーン」を実際に見てはいないのですが、新聞の下のとことか、「ダ・ヴィンチ」でも相当話題になっていたので、どんなもんだと思って読んでみました。 私には……うん……早かったかな…

  • 一途な教育論と、実はそれよりも気になるところ【みかづき】森絵都

    みかづき (集英社文庫) 作者: 森絵都 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/11/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る いまさらって感じもしますが。 数年前の本屋大賞に入ってたんですよね、これ。 発表されてからすぐ読んでみました。 ひとことでいえば、学習塾を通して日本の教育を問うお話。 昭和中期~後期~平成(現代)にかけて背景は移ろっていきます。 話の始まりは昭和36年から。 大島吾郎は、小学校の用務員をしています。教員免許は持っていないけれど、「教える」才能に秀でています。放課後に子どもたちに勉強を教えて、苦手教科の克服に一役買っています。 いつも教わ…

  • 夏限定と急かされたおやつ【マウントレーニア ソルティキャラメル】

    普段、ジュースやコーヒーを買って飲まない人間です。 誰かに頂いたりしたら、何カ月も冷蔵庫に眠っているくらい手を付けません。 飲めばいいのは分かってるんですけど、なんか飲む気になれずそのまま放置……。 仕方ないので宅配の方とかにお疲れ様の意味を込めて差し上げたりします。 そのくらい、普段はまったく縁のない相手なのですが、これだけはいつも1回きりの限定で買います。「まあ、いいんじゃないのたまには」という気持ちです。 これ「おやつ」になるのかな? マウントレーニア。逆光で暗いですね(汗) 季節限定が毎回出るんですね。だいたい夏と秋のようですが、春も見かけたりします。冬もたまに見ます。 ……あれ、もし…

  • とりあえず旅行しまくりたかった。後悔はしていない。【わたしの旅に何をする。】宮田珠己

    わたしの旅に何をする。 作者: 宮田珠己 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2013/07/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 何で私、こんなにこの人を推しまくってんだろうとちょっと我に返ったので、これでタマキング推しはいったん止めときます。 (※タマキング=旅行エッセイ界隈の著者の愛称。) でもホントに、どれを読んでも面白いんです。 私はすごく好きなのですが、書き味がすごく嫌いな方もいるみたいで、レビューとか星の数とかでものすごくしょっぱい方のを見ると、なんか気持ちが怯みます。そ、そんなにダメ!? 人それぞれ好みがあるのは分かっているのですが、そんなコテンパンに…

  • うりゃうりゃした気持ちを求めに求めた【ジェットコースターにもほどがある】宮田珠己

    ジェットコースターにもほどがある (集英社文庫) 作者: 宮田珠己 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2011/03/18 メディア: 文庫 クリック: 9回 この商品を含むブログ (6件) を見る ジェットコースターに乗ると、 「うりゃうりゃ」した気分になるらしい。 あのうりゃうりゃがたまらなく好きで、好きすぎて、あの快感を味わうために各地へ飛んだ宮田氏のジェットコースター・エッセイ。 その情熱は日本の娯楽施設にとどまらず、なんと海外まで行っています。 ただジェットコースターに乗るがために!! そんなに好きか!!(笑) 前回に引き続き、宮田珠己氏の旅エッセイ。 旅と言っても今回は、ジェッ…

  • 助平な本を処分して行くか大真面目に考えた【東南アジア四次元日記】宮田珠己

    東南アジア四次元日記 (幻冬舎文庫) 作者: 宮田珠己 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2010/07/01 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る 国内・海外問わず、とにかく「旅をすること」が好きな筆者の、アジアの旅エッセイ。 大真面目な語り口調が、なぜこんなにも可笑しいのか。 狙ってるのか天然なのか分からないけど、真顔で淡々とボケてくれるのが楽しくて、すいすい読めます。 アジア各地を貧乏旅しながら、突っ込みどころの多い部分をクローズアップして紹介してくれます。 ”……旅に出るため、先日、会社を辞めた。 その会社には大学を卒業してから十年近く勤めてい…

  • 説明のないカウントダウンが気になる【GONE ゴーン上・下】マイケル・グラント

    GONE ゴーン 上 (ハーパーBOOKS) 作者: マイケルグラント,片桐恵理子 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン 発売日: 2016/04/16 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る パニックミステリとかいう表現で合ってるのかしらこれは。 帯だったか紹介ポップだったかには、「15歳以上、全員消滅。」という文言。 なるほど分かりやすいそういう設定ですね。 ある日突然町から大人が消えるという、イキナリ展開から始まります。 主人公はサム。14歳。 授業中、先生が消えました。 ………… …………な、何を言ってるのか分からないと思うが本当にそうなんだ!…… …………

  • 持ち主を、いまでも待っている【さがしています】アーサー・ビナード

    さがしています (単行本絵本) 作者: アーサー・ビナード,岡倉禎志 出版社/メーカー: 童心社 発売日: 2012/07/20 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (12件) を見る 熱で曲がったビー玉。 焦げた小さな軍手。 変形し、中身が炭化した弁当箱。 石段に残った人の影。 広島原爆資料館の地下収蔵庫に収められている、数ある「あの日遺されたものたち」から14点を選び、詩的な文とともに紹介しています。 修学旅行や平和授業などで原爆資料館を訪問した人は少なくないと思います。 見たことがあるものも出てくるでしょう。 一瞬にして持ち主を失い、いまもずっと持ち主を待ち続けて…

  • 夢の国の夢のようなおやつ【東京ディズニーシーのクッキー】

    夢の国シーへ行って来たよとお土産を頂きました。 ありがとうございます。 夢の国に限らず、キャラクターものが苦手な私は、こういった場合、消え物(=食品)がなにより嬉しいです。 高校の時、修学旅行の行き先が夢の国だったのですが、私は身体が弱かったため欠席しました。 後日帰って来たクラスメイトが、みんなで少しずつお金を出し合って買ったと言って、みっきー君のぬいぐるみをくれました。 重かった。 閑話休題。 というわけで、これです。 ちょっとよく分からないけど、現地ではこのパッケージのアイスが売っているのかな? で、この味を再現したクッキーなんだぜってことなのかな? 中身はこうです。 みっきー君のプリン…

  • 灰色の空の日、彼女は手を差し伸べ始めた 【白バラはどこに】クリストフ・ガラーツ

    白バラはどこに (詩人が贈る絵本) 作者: クリストフガラーツ,ロベルトイーノセンティ,Christophe Gallaz,Robert Innocenti,長田弘 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2000/09/09 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 日本の裏側の戦争のお話が続きますが。 (フィクションです。絵本です。) 「白バラ」という名の少女が住む町にも、戦争は容赦なくやって来ました。 ある日、逃げようとする少年が捕らえられ、トラックに乗せられて走り去っていくのを見た白バラは、こっそりと後を付けます。 町を外れ、広い野に出て、森の中へ。拓かれたと…

  • 私は捨てられた。「生きる」ために。【エリカ 奇跡のいのち】ルース・バンダー ジー

    エリカ 奇跡のいのち 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/07/14 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 42回 この商品を含むブログ (12件) を見る 写真かと見まがうほどの精緻なイラストに驚きを隠せない。 第二次世界大戦時、ユダヤ人の大量虐殺のときに奇跡的に生き延びた、エリカという女性。彼女の、自分語り形式で書かれています。 絵本~児童書の中間くらい?に位置する本なので、短いし、絵は大きいし、読みやすいです。 ナチスによる絶滅収容所へ…

  • あたたかで、かなしい 【この世界の片隅に】こうの史代

    この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) 作者: こうの史代 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2008/01/12 メディア: コミック 購入: 23人 クリック: 507回 この商品を含むブログ (327件) を見る コミックも映画も、たくさんの方がレビューしているので、今さら感すごいですが。 というか、これだけレビューが世に出ていたら、私もう言うことないんじゃとも思いますけど、まあ読後感だけでも。 おっとりしていて、少しおっちょこちょいの「すず」さん。 彼女の日常生活を通して、戦争というものを見ていきます。 広島市から呉市に嫁ぎ、新しい生活、新しい家族に少し戸惑いながらも、日々…

  • 服の色が違うだけで、どうして人殺しができるんだ? 【戦火の馬】マイケル・モーパーゴ

    戦火の馬 作者: マイケルモーパーゴ,Michael Morpurgo,佐藤見果夢 出版社/メーカー: 評論社 発売日: 2011/12/01 メディア: ハードカバー クリック: 12回 この商品を含むブログを見る もうひとつ、戦争系のお話を。 戦争の話とくれば、マイケル・モーパーゴは間違いないと思っている。 大げさすぎるかもしれませんが、そのくらいこの作家は素晴らしいと思っています。 こちらは、時代が第一次世界大戦の頃として描かれています。 これも児童書なので、大変読みやすいです。おすすめ。 (※フィクションです) (※ネタバレ注意) 馬目線で話が進んでいきます。 彼の名前はジョーイ。サラ…

  • 読後が苦しい 【縞模様のパジャマの少年】ジョン・ボイン

    縞模様のパジャマの少年 作者: ジョンボイン,John Boyne,千葉茂樹 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2008/09/12 メディア: ハードカバー 購入: 2人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (22件) を見る 戦争のことを考える機会の多い時期ですね。 日本で起こった出来事ももちろん無視はできませんが、今回は日本の裏側で起こっていたことのお話をご紹介。児童書ですが、侮れませぬ。 (※フィクションです) (※ネタバレ注意) ブルーノ少年、9歳。軍人の父親の異動に伴い、ベルリンからポーランドへ引っ越してきました。 住み慣れた街、仲良しの友達と離れて新しい土地にやってき…

  • 上品すぎて戸惑ったおやつ 【中村屋のおぐら羊羹】

    佐賀へ旅行に行ったとのことで、知人からお土産をいただきました。 「中村屋のおぐら羊羹」。 ようかん、好きです。嬉しい~。 「九州代表銘菓」とか「第十九回全国菓子博名誉大賞受領」とか、なんかすごいことが書いてあります。「小城羊羹」ってロゴが印刷されています。「こじょうようかん」? 佐賀って羊羹が有名だったの?知らなかった…… …… ……「おぎようかん」、って読むみたいですね! 佐賀の名産物だそうです。 木の皮に包まれています。良いかほり。…… お茶を入れて、常識的なサイズ(←?)を切り取って。 さっそくいただきます。 ……? …………??? 甘さ……ひか……え、……め…………? 自分が味覚障害に…

  • リセット!!! 【転職】

    まだ始めて間もない仕事、だいぶおかしいところに来てしまったと気づき、これ以上は無理と悟り、さてどうするか。 こんなにあっという間に辞めるなんてことは今までしたことがなく、罪悪感半端ないというか、無責任な人間と思われるのがイヤというか、なんかそういう迷いでウロウロしていたのですが。 ちょっと冷静になって、気づきました。 「いや、どう思われてもよくない?自分の生涯でこの人たちに会うことってもう二度とないんじゃない?」 ならいいや! 転職しました。 仲良くなった、ベトナムの技能実習生のことだけは後ろ髪引かれてちょっと辛かったけども、…… ……ごめんよ!と振り切りました……ごめんよ! 派遣会社の寮に入…

  • 土曜日の棚ボタおやつ 【ガトーショコラ】森永

    高価なお菓子(当社比)。 森永のコレ系のシリーズは基本的に庶民(レベル下の下)はおいそれと手を出してはイカンものという認識です。 理由はふたつ。 1. コスパ悪い(高級といわれる所以) 2. この贅沢に慣れてはいけないので手を出さない しょうもないと笑われそうですが、下の下の矜持というものがあるのです。 というわけで、いつもなら大感謝祭の爆烈セールのときくらいしかウチに来たことがないお菓子を、知人から頂きました。おすそわけですが。 じゃーん。 ガトーショコラってあれやろ、フランスのチョコレートケーキやろ。 (知識の貧困さよ) そんなすごいものをいただけるなんて! 初体験です。 写真が暗いなあ(…

  • こんなにも静かで騒がしい、愛すべき相棒 【今日も一日きみを見てた】角田光代

    今日も一日きみを見てた (角川文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/06/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 猫繋がりで、今日も猫。 小説家・角田光代さんのお家で飼っているアメリカン・ショートヘアのトト。 生まれて3か月で角田家へやってきたトトを眺めては笑い、驚き、涙ぐみ、感心する。 トトとともに送る日々が丁寧に綴られている猫エッセイです。 と言っても、よくある「うちの子いちばん自慢」ではありません。 どちらかといえば「トト観察エッセイ」みたいな感じでしょうか。 持論ですが、あれ(=うちの子いちばん自慢)は、需要があるよ…

  • 「愛」、わるくない。 【通い猫アルフィーの奇跡】レイチェル・ウェルズ

    通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS) 作者: レイチェルウェルズ,中西和美 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン 発売日: 2015/09/19 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る この表紙のブサカワよ……(ゴメン) 猫の視点で書かれているハートフル小説。 人生疲労困憊な方へ、ちょっとだけ息抜きに手に取ってほしい。 主人公は「アルフィー」。賢い猫で、人間の言葉が理解できているという設定で話は進みます。 飼い猫として幸せな日々を送っていましたが、ご主人を亡くし、ひとりぼっちになってしまいます。 遺族が来て家を片付けているときに、「この猫をどうするか」と…

  • 潔く死に向かえ!! 【百年法 上・下】山田宗樹

    百年法 (上) (角川文庫) 作者: 山田宗樹 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2015/03/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 医療の発展により可能になった不老処置「HAVI」。 この処置を受けると不老不死になります。30歳でHAVIを受けると、その後半永久に30歳の見た目を保つというわけです。すげー。 HAVIを受けるかどうかは任意ですが、受ける方が一般的であるというほど、HAVIは日本に浸透しています。むしろ若い女性などは、HAVI適用年齢になるとすぐに受けに行くほどです。今後永久に若いままの見た目というわけですから、そりゃ喜んで処…

  • シュークリームは逆さにして食べるとクリームが飛び出さない。【検証】

    シュークリームは厄介な食べ物である、なぜなら噛んだ反対側からクリームが飛び出して、気を抜いていたら大惨事()、ってことになるのであって、 って記事を2つ前に書いたものでしたが。 「逆さにして食べると良いのだよ^^」 というコメントをいただき、驚愕したものでした。 なんですと…… 噛むことによって押し出されるクリームが、シューの空洞部分に収まっていくので飛び出しを避けられると、簡単に言えばつまりこういうことです。なるほど理屈は通っています。 けれど逆さにしてもしなくても空洞自体はあるわけで、じゃなんで逆さが良いのかって、それはもう重力の法則とかが絡んでくる話になっていくっぽいので。 賢くない私は…

  • 展開より仕掛けより、「念」がすごい 【死のドレスを花婿に】ピエール・ルメートル

    死のドレスを花婿に (文春文庫) 作者: ピエールルメートル,Pierre Lemaitre,吉田恒雄 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/04/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (28件) を見る 「その女アレックス」でうおおぉすげーってなったピエール・ルメートルですが。 これは「アレックス3部作」の間に出したものらしく、それも「その女アレックス」の前に出した作品らしいです。 そのためかは分かりませんが、登場人物の女性がそこはかとなくアレックスに似ているというか。 ソフィーという女性が中心人物です。フランス小説に限らず、出てくる女性はいつの時代もどの国でも美女と相場…

  • 金曜日の衝動おやつ 【大きなツインシュー】ファミリーマート

    先週から気晴らしおやつが続いています。 今週はこれ。 「大きな」という連体詞をわざわざ付けてくるあたりに自信の表れが見え隠れ。 なんだそんなにお前は大きいのか、どれ。 こうやって消費者は簡単にことばひとつに踊らされるわけですね。 ツインと言うだけあって、カスタードとホイップがシューの中には同居しています。 カスタードクリームの中にバニラビーンズの粒があるとなんだかそれだけで良いものを食べてる気になる単純な私ですが、残念ながらこれには見えませんでした。私がよく観察せずにガツガツ食べたから、見てなかっただけかな。ホントはあるのかな。すべてが胃の中に消えた後となってはもはや真相は闇の中。 シュークリ…

  • お仕事始め(て)ました。【校正します】

    実は、少し前からこんなサービスを始めておりました。 coconala.com ……といっても、あまりにマイナーなジャンル(?)なのと、宣伝等をまったくしていないのとで、ココナラでのお仕事実績はゼロなんですが!! ココナラを通さず、個人的にはぽちぽちお仕事いただいていたりするのですが、それは反映されないので相変わらず実績はゼロに見えます(笑) リンク先を見ていただければお分かりのとおり、昔から誤植を見つけるのが異様に早いという、役に立つんだか立たないんだか分からない特技を持っていました。重箱の隅を突くタイプと言えば聞こえが悪いので、良く気が付くタイプだと言ってほしい。 2000年に入ってからこっ…

  • 「ことば」の真骨頂の狭間で見えてくるもの 【辞書になった男】佐々木健一

    辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫) 作者: 佐々木健一 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/08/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 小説ではなく、ノンフィクションです。 中学生の頃、国語辞典を眺めるのが趣味でした(暗い!)。 初めて見たことばにマーカーを付けたり、本を読んでいてよく分からないことばが出てくるたびに開いて、なるほどと頭が良くなった気になったり。 辞書を引くのは好きでしたが、複数の辞書を引き比べるなどということは、したことがありませんでした。 で、本題に入りまして。 これを読んだら、「三省堂国語辞典」と「新明解国語辞典」…

  • 悪いことは重なるもので。

    職場の人間が最悪だと気づいてうんざりしている最近。 呼び水になったのか、なんか悪いこと続きの最近です。 これを誰に愚痴ればいいというの……ここで愚痴るしかないじゃないの不特定多数の方に(迷惑) 1.届かない郵便物。 私が今入っているアパートは時空のひずみでもあるのか、誤配達がしょっちゅうあります。 明らかに階(フロア)が違うやろというのが入ってたり、2件隣のものが入ってたり。 郵便屋さんも時空のひずみには勝てないのか、ホント日常茶飯事です。(郵便屋さん……頼むぜ……!) 善良な市民である私は、違う部屋宛てのものが入ってたら、黙って該当する部屋のポストに入れ直しておくのですが、全員が全員良い人っ…

  • どうかどうか報われてと、願いながら読んだ本 【イノセント・デイズ】早見和真

    イノセント・デイズ (新潮文庫) 作者: 早見和真 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/03/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 重い。心臓に何かが圧し掛かってくるみたいに重い。 でも、読まなきゃよかったとは思わない。 出版当時かなり話題になったし、この本をレビューしてるサイトやブログなんて山ほどあるので、今更私が何か言うのも場違いというか遅すぎというかなんですけど、まあそこは置いといて。 中心となる人物は、田中幸乃という30歳の女性です。元恋人の家に放火し、妻と双子の子どもを殺した罪で死刑宣告を受けた受刑者です。 幸乃の視点で書かれている部分は無し。話…

  • 「お前もう来なくていいから」って、いっそ言ってくれないか。

    注意: 前回に引き続き、職場の愚痴です。長いです。 気分を害されるかもしれないので、ネガティブな話題は避けたいという方がいらっしゃいましたら、ここで読むのをストップしてくださいませ。 *** 正しくは先週の金曜日に起こったことで、本当はその日の夜に、ガーッ!!って書きたかったのですが、激情のままキーを叩くとロクなことにならないですよね(苦笑) 支離滅裂な文章になってたり私情が入りまくったり。あとあと読み返して恥と後悔の嵐に襲われるということを過去何回も体験しています。 なので、いったん落ち着こう、考えをまとめよう、と。 ワンクッション置いてみました(誰得) 1.派遣会社もグルですか? 私より3…

  • 「全粒粉」の抗えない引力 【ダイジェスティブチョコビス】ローソン

    普段はコンビニで買い物をしない堅実人間ですが、ごくたま~に気が触れたときに(←)寄って、何かひとつ買ってみたりします。 ブログで愚痴っているとおり、職場のことでイラついていて、昨日は帰り道にあるローソンにいきなり入ったのでした。 といっても元々コンビニ派ではないので、ここでなんぞを爆買いしてヤケ食い、という流れにはならず、やっすいやつをひとつ買ってみて気晴らしします。気晴らしになるのかそれ、という突っ込みが来そうですが。 「いつもと違うことをする(=コンビニで買い物をする)」ということで、引きずっているこの気分を変える、みたいな感じでしょうか。 そういう感じで買ってみた今日のおやつ。 「全粒粉…

  • こうして一人一人と抜けていくのに

    先日、自分の働き先がクズだかブラックだかということに気づいて呆然とした(意訳)という記事を書いたものでしたが。 www.oyasuminminzemi.work 私より3週間先輩だったMさんが、それはもう鮮やかに、突然辞職して行きました。 辞めたい辞めたいは言ってましたが、次の職が決まってから、とか一応段取りを踏む様子でした。なので、まだもう少し先の話かと思っていたのですが、いきなりスパッといきました…… Mさんはその日夜勤に入っていたので(私は日勤だった)、その日正しく何が起こっていたのか直接見てはいないのですが、あまりの理不尽な扱いとクズのような社員に我慢の糸がプツンと切れたとのこと。 仕…

  • 知らないということは、こんなにも幸せで、恐ろしい 【風が吹くとき】レイモンド・ブリッグズ

    風が吹くとき (1982年) 作者: レイモンド・ブリッグズ,小林忠夫 出版社/メーカー: 篠崎書林 発売日: 1982/07 メディア: ? 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 関連した事件等が最近あったとかでは特にないんですけど、ふと思い出したのでご紹介。 目に見えない放射能というものの恐ろしさを描いた本です。 ちょっと変わった構成というか、コミック形式で描かれているので、読み始めは慣れずに少し勝手が悪く感じますが、漫画慣れしている日本人はたぶんすぐに何とも思わなくなります。 ジムとヒルダはイギリスの片田舎に住む仲の良い老夫婦。 核爆弾とか放射能とか、ニュースではさ…

  • ハリウッドで実写化されたラノベ 【 All You Need Is Kill 】桜坂洋

    All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫) 作者: 桜坂洋 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/04/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る ハリウッドで実写化されたもので、原作が日本のラノベってあんまりなくないというか、私の薄っぺらい情報網に引っ掛かっているのはこのひとつだけなんですけど他にもあるのかしら。 主役トム・クルーズです。すげー 近未来チックな、日本といえば日本。架空の島が舞台となります。 現在戦争中。主人公キリヤ・ケイジがいるこの島が激戦区となっています。 ケイジは精鋭部隊の一人などではなく、むしろ敗北必…

  • 戸惑ったまま終わる……。【メイズ・ランナー】ジェイムズ・ダシュナー

    メイズ・ランナー (角川文庫) 作者: ジェイムズ・ダシュナー,田内志文 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2015/04/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 目が覚めると箱の中でした(なんでや) 主人公の少年、トーマス。 目を覚ますと箱の中にいた。 記憶も定かでなく、覚えているのは自分の名前だけ。 出された外は、見渡す限りの草原。先には、大きな壁が見えた。壁にひとつある入口の向こう側は巨大な迷路。この迷路をクリアすればいいのか?その先には何がある? 夜になると迷路の入口は閉ざされる。 そして、迷路の道順が変わる。昼間に覚えた道順は、次の日には役に立たな…

  • 【世界はふたりのものだと思いたいのでまずは君が僕のものになれ】蒼井ブルー

    世界はふたりのものだと思いたいのでまずは君が僕のものになれ 作者: 蒼井ブルー 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/12/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る なん……だと…… (タイトル感想) 先日に引き続き蒼井先生です。 痛々しさ むずがゆさで叫び出しそうになる気持ちを乗り越えてレジへ持って行きましょう、そうすればその先に見える何かの光をあなたは見つけることができるでしょう(悟り) 恋ぽえむです。 先日のと比べて、破壊力が増しています。 タイトル。 表紙イラスト。 手に取って、開く前から心拍数が上がります。 『そちらに元気がないのを察知した場合はこちら…

  • 腐った仕事場の腐った上司の下で働く私、腐りそうでつらい

    注: 今回は愚痴です。 いわゆるよくある「仕事の愚痴」と、それに伴うデモデモダッテなので、嫌いな方は読むのをお避けください。 *** 全くの私事ですが、とある目標がありまして。 まとまった金額を一気に揃えたいなという思いから、現在期間工(工場の派遣バイトって言いますかね)をしております。高収入を狙ってのことです。 まだ入って間もなく、新人の域を全然出ないレベルの新人ですが、早くも辞めたくなっています。 仕事がキツいとかではありません。いえキツいは確かにそうですが、工場バイトなんてそんなものです。だから理由はそこではありません。 上司(班長と呼ぶ)を始めとする、「社員」がクズ過ぎました。 1.差…

  • 読んだことを隠しておきたい。【君を読む】蒼井ブルー

    君を読む 作者: 蒼井ブルー 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/14 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 140字(だったっけ?)という制限の中で、恋する相手に綴っています。 恋ぽえむです。 恋の、ぽえむです。 ツイッターで恋愛ポエムを綴ったものを本にまとめました。 現在恋愛進行中の方には、「甘くってくすぐったくって、この気持ち凄く良く分かる……!」と大絶賛。10代半ば~20代の女子からは、より多くの支持を得ておる模様です。 恋って何だったっけと思案するくらいの方には、破壊力抜群の商品となっております。 砂糖の過剰摂取で生命維持が困難なレベ…

  • 途絶えたあのはなし 【声をたずねて、君に】沢木耕太郎

    13、4年くらい前に、新聞の連載小説で書かれていた話です。 映画が好きで、こぢんまりと(?)映画評を書いていた青年(主人公)。あるとき、「声が良いからラジオのDJになって映画を紹介しないか」と声がかかり、ラジオ番組を持つことになります。 ところがある日突然、声が出なくなります。原因は不明。病院に行っても解決に至らず。 声が出なくなる前日に自分のドッペルゲンガーを見た、それが原因ではないかと主人公は当たりを付けます。 原因は分からないって言ってるそばからまたなんでそんなナナメ上に行くんだと突っ込みたいけどまあいいや。 というわけで、自分そっくりの彼を探すことにします。 なんでや。 *** こうや…

  • 有無を言わせぬ怖さ、流石です…… 【緑の我が家】小野不由美

    新装版 緑の我が家 Home, Green Home (講談社X文庫) 作者: 小野不由美,樹なつみ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/08/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る いつの間にか新装版になってた! 1990年に出た作品なので、もう29年経つわけですか。 普通なら古本屋の片隅に居を移してもおかしくないくらいの年月が経っているわけです。が、なんと新装版として再来とは。この作品の実力がどれほどのものか、これだけでもお察しではなかろうか。 表紙がこんなにイケメンになっちゃって、逆に買いづらいじゃないのよ。ねえなんでネクタイだけ靡(なび)いてんの? …

  • 日常を「静か」に描く 【彼女と彼女の猫】山口つばさ、新海誠

    彼女と彼女の猫 (アフタヌーンKC) 作者: 山口つばさ,新海誠 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/08/23 メディア: コミック この商品を含むブログ (2件) を見る 「 君の名は。」ブームって2017年だったかしら。 そちらにあえて背中を向けてこちらを読みました。 天邪鬼と言われようと構わない!(笑) 新海誠監督のデビュー作をコミカライズしたものです。 漫画自体は山口つばささんが描いているので、正しく新海氏の作品かと言われたら「まあ半分は」ということになるのですが。 主人公は、彼女の飼い猫です。 飼い主は社会人になりたて。気を張って、毎日ぐったりして帰ってきます。疲れてる…

  • ただ「生きる」ということの、なんと難しいことか 【あん】ドリアン助川

    ([と]1-2)あん (ポプラ文庫) 作者: ドリアン助川 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2015/04/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る ドリアン なんだこのペンネーム馬鹿にしてんのか と思ったら、全然馬鹿になどしていない作品であった。 むしろ…… 千太郎という若者。どら焼き店の店主です。疲れています。 一生懸命やっても良いことないなあ、疲れたなもう。 それを言い訳にしたらいけませんが、千太郎の「あん」を作る手は適当です。 適当に作ったどら焼きは適当にしか売れません。売れ行きの悪さに千太郎のテンションは下がります。お前が悪いんだろって話ですが、とりあ…

  • 淡々と紡がれる情愛とコメディ 【おひさまジャム果風堂】髙森美由紀

    おひさまジャム果風堂 作者: ?森美由紀,深町なか 出版社/メーカー: 産業編集センター 発売日: 2015/08/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 出版社がマイナーすぎて(当社比)、完全にノーマークだった(ごめんなさい) 読んだのは3年前。 乱読派ではありますがミステリにやや偏りがちなので、手を伸ばす頻度としては少ない方ですが、これは読んで良かったアットホーム系。 拓真という27歳の独身男子が主人公です。 両親を亡くした家に独り住んでいた拓真は、音信不通だった妹・サトミが亡くなったと連絡をもらい、遺体を引き取りに病院へ行きます。 そこで初めて会った妹の子ど…

  • 雨、で聴きたくなる 【悲しき雨音】Dan Fogelberg

    梅雨というには、なんかふらふらしている感じの昨今ですが。 雨、となると聴きたくなります。 梅雨よりは、秋口から初冬にかけての雨の日に聴きたくなるんですが、ご紹介をば。 Dan Fogelberg ~ Rhythm of the Rain 好きすぎ…… 原曲はこちら。全然雰囲気が違いますね。 悲しき雨音/カスケーズ Rhythm of the Rain アーティスト: DAN FOGELBERG 出版社/メーカー: Epic/Legacy 発売日: 2014/04/07 メディア: MP3 ダウンロード この商品を含むブログを見る

  • 一瞬で数十年を「スキップ」 【スキップ】北村薫

    スキップ (新潮文庫) 作者: 北村薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1999/06/30 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 257回 この商品を含むブログ (219件) を見る ここまで来たらもうね、3部作は全部出しとかんといかんよね(謎の使命感)、ということで「スキップ」。 スキップですから、つまり「先送り」ですね。 女子高生がうたた寝から覚めたら25年先に行ってたよ、って話です。 SFファンタジーだと、主人公の容姿はそのままで、未来へ行っちゃったという設定になるんですが、ここは北村氏、リアルに攻めています。 25年先で目覚めた主人公は、鏡の中に中年の女性が映っているこ…

  • 時を繋いで、何度でも逢いに来る 【リセット】北村薫

    リセット (新潮文庫) 作者: 北村薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/06/28 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 47回 この商品を含むブログ (111件) を見る 昨日の「ターン」と並んで、こっちも紹介しちゃえ。 ということで、「リセット」。 いわゆる輪廻転生というか、生まれ変わりの話です。 戦前・戦中・そして戦後から現代へと時を重ねて、死に別れてもまた生まれ変わって愛する人のそばへ行く。また再び出逢うために。 っていう、ご都合ロマンスって言っちゃうともう身も蓋もないじゃないって話ですが、神様任せで奇跡を信じたいくらいに疲れてる人には、なんか救われる一冊。 いや…

  • 永遠に繰り返される15時15分 【ターン】北村薫

    ターン (新潮文庫) 作者: 北村薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2000/06/28 メディア: 文庫 購入: 20人 クリック: 636回 この商品を含むブログ (179件) を見る 好きです(告白) 10年以上前のこと、ブックリサイクルで手に入れたのが出逢ったきっかけだったような。 著者(=北村氏)のことも知らず(すみません)、もちろんこの作品も知らずという、前情報いっさい無しの状態で読んだのですが、良かった。 良かった。 (2回言った) 銅版画家の真希という女性が主人公です。彼女が事故に遭うところから、話は始まっていきます。 夏の午後。ダンプと衝突した真希は、しかし気が付くと…

  • ああこれ好きだな、と思えた。空に生きるはなし 【とある飛空士への追憶】犬村小六

    とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫) 作者: 犬村小六 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2012/10/19 メディア: Kindle版 クリック: 3回 この商品を含むブログを見る ラノベです。 出会って良かったと思えたラノベ第2弾。 ラノベにしとくのが勿体ないラノベ第2弾。 高貴なお姫さまと平民の青年という、それだけを見たら なんだただの逆ハーレクイーンか って、 つぇッ みたいな顔になるんですけど、侮ってはいけない。 ラノベ苦手な方でも、これは抵抗なく読めるんではないかなあ。 平民出身の傭兵シャルル(女の子っぽいイメージの名前ですが、青年です)は、腕利きの「飛空士」。 ある日、荒唐…

  • きれいになりたかった、ただただそれだけ 【モンスター】百田尚樹

    モンスター (幻冬舎文庫) 作者: 百田尚樹 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2012/04/12 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (57件) を見る 「モンスター」=「化け物」 は、どこにかかっているのだろう。 整形手術を繰り返す、美への執着か。 手術をするためなら身体を売ることを厭わない、金への執着か。 「ブスを嘲笑う者」に対する、燃えるような憎悪か。 おそらく、そのどれも。 世間で稀に見るほどの醜い容姿の主人公。周囲からバケモノ扱いされて日々を過ごしてきた。 無知からの過ちから事件を起こしてしまった主人公は住んでいた町を追われることとなり、別…

  • 「炎の声を聴く仕事」が、珍しくて面白い 【火災調査官】福田和代

    火災調査官 (創元推理文庫) 作者: 福田和代 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/05/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 消火後の火事現場にて、火の元を探す。そこから炎がどう変化し、どう広がり、舞い上がって、舐め上げて行ったか―――― それを調べるのが、「火災調査官」。そんな職業があるとは。初めて聞きました。 そーゆーのは消防士とか警察がするんじゃないの?(ポケー) と安易に考えていた過去の私を鼻で嗤ってやりたい。 警察だってだけで火の元が分かったらどんだけ警察すごいんじゃ…… 火災調査官の東、ポンプ車小隊長の白木というダブル主人公で話は進んでいきます。 …

  • 失くしたものはちょっと大きかった【メモ帳なくしました】

    先日、かくかくしかじかで引っ越した旨を記事にしましたが。 oyasuminminzemi.hateblo.jp あのときの荷づくりのゴタゴタで、メモ帳が見当たらなくなりました。 たかがメモ帳、されどメモ帳。 そこには私が読んだ本のタイトルと、ちょっとした自分メモを記していたのでした。 私は決してマメな人間ではありません。こうやって本のタイトルをメモしたのも、2年前に友人に勧められてやった、その1年間だけでした。 ズボラなので、「いちいち本の感想書くとか面倒くさい」と言った私に、「それならタイトルだけ残しておけば。後で見たときに内容も同時に思い出すだろうから、感想は要らないでしょ」とアドバイスを…

  • 甘くて苦しい思い出 【アップルパイ】

    ヤマザキ アップルパイ 山崎製パン横浜工場製造品 ×3個セット 出版社/メーカー: ヤマザキパン メディア: その他 この商品を含むブログを見る おやつの話でもうひとつ思い出語りをば。 ヤマザキのアップルパイ。 全盛期(?)の頃よりひと周りもふた周りも小さくなっちゃったなあという印象ですが、時代の流れでこれもまた仕方ないことなのかなあと思いながら見ています。 これの思い出は19のとき。 そのころ、私はガソリンスタンドでアルバイトをしていました。社員3人と、朝番・昼番・夜番合わせて10人くらいのバイトで回していたところでした。 最年少だった私に、後輩ができました。 16歳の女子高生。学校が終わっ…

  • 生き残る確率は24分の1 【ハンガー・ゲーム】スーザン・コリンズ

    ハンガー・ゲーム(上) (文庫ダ・ヴィンチ) 作者: スーザン・コリンズ 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ハンガー・ゲーム(下) (文庫ダ・ヴィンチ) 作者: スーザン・コリンズ 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る バ○ル・ロ○イヤル臭のする作品って、時代を問わずちょくちょく姿を見せるものですが、なんででしょうか。「最後の1人になるまで」というのがスリルがあるの…

  • 哀しいアンドロイドのはなし 【雨の日のアイリス】松山剛

    雨の日のアイリス (電撃文庫) 作者: 松山剛,ヒラサト 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス 発売日: 2011/05/10 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 176回 この商品を含むブログ (60件) を見る ラノベです。 ラノベ、積極的に読むわけではないけれど、別に毛嫌いしているわけでもないので、良いものがあったら読みたい派です。 で、これ。 読んで良かった……(じーん) 簡単に言うと、不自由なく暮らしていたアンドロイドが、主人の死によって180度人生(?)が変わってしまった話。 アイリスというのが、件のアンドロイドであり、話の主人公です。 アイリスを発明した博士の家…

  • 食いしん坊の黒歴史 【シガービスケット】

    おやつの話をちっともしていませんでした。ニーズのことはあまり考えないようにして、しかしこれまでの「おやつ」カテゴリがたった2記事だけとは情けない。 ちょっとおやつの話をば。 (※注意:もう時効と言いたいところですが、少し犯/罪/話かもしれません。不快に思われた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。) 先日、買い出しに行ってお菓子コーナーを物色していたら、(自分にとっての)黒歴史を見つけました。 シガービスケット。メーカーは数あれど、なんかもういつの時代からあるのってくらい、古株のお菓子です。 北陸製菓 シガーフライ 280g 出版社/メーカー: 北陸製菓 発売日: 2016/11/01 …

  • 等身大の少年探偵に好感が持てる 【少年探偵ブラウン】ドナルド・ソボル

    少年探偵ブラウン(1) (偕成社文庫2035) 作者: ドナルド=ソボル,桜井誠,Donald Sobol,花輪莞爾 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 1977/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る 図書館に行ったとき、何の気なしに児童コーナーに足を踏み入れ、懐かしい面々(←本)と再会を喜んでいたら…… うお!ロイ君、きみもいたのかー! 30年前に読んで、ドハマリした本です。 少年、ロイ=ブラウン。警察の父親、料理上手な母親と3人でアメリカに暮らしています。 読書好きなロイ少年は色んな事を本から吸収していて、周りの…

  • 色や粘度や臭いまで立ち上ってきそうな 【悲しみのイレーヌ】ピエール・ルメートル

    悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3) 作者: ピエール・ルメートル,橘明美 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/10/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (64件) を見る 以前、「その女アレックス」をご紹介しましたが、同じ作者のものです。 www.oyasuminminzemi.work 実は、「アレックス」は連作だったようです。「アレックスが主人公の連作」ではなくて、アレックスを追うカミーユ・ヴェルーヴェン警部を主人公として連作になっています。こちらがデビュー作で、「アレックス」は2作目らしい。 「アレックス」が先に翻訳出版され、それで爆発的に人気が出たために…

  • ラストの胸糞の悪さに衝撃を隠せない 【仮面同窓会】雫井脩介

    仮面同窓会 (幻冬舎文庫) 作者: 雫井脩介 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2016/08/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 昨日、気持ち悪い男の代表として「火の粉」を挙げましたが。 雫井作品で思い出しました、こちらも相当なヤツだったと。 高校の同窓会で再開した洋輔ら4人。思い出を語り合ううちに、かつての体育教師・樫村のことが話題に上ってくる。樫村は容赦ない体罰教師として生徒から嫌われていたが、洋輔らも理不尽な理由で、ほとんど嫌がらせに近いような体罰をされていた。 退職後の樫村が悠々自適に生活していることも知り、4人は苛立ち、憤りを再燃させる。 「ちょっと…

  • どこまでが現実か分からないのが怖い 【怪談のテープ起こし】三津田信三

    怪談のテープ起こし (集英社文庫) 作者: 三津田信三 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/01/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 口頭で語られる、いわゆる「怪談」を録音したものを文字に起こしました、という話ではなくて、自殺した人の最後のメッセージを文字に起こしました、という話で、つまりタイトルと話の内容は合っているような合っていないようないや合っていないような。 作家になる前、編集者だったころの三津田氏に知り合いのライターが声をかけてきたという。 「自殺する間際にメッセージを録音して残す人がいる。それを集めて記事にしないか?」。 ところがその後そのライターは突然…

  • 笑顔で近づいてくる気味悪さ 【火の粉】雫井脩介

    火の粉 (幻冬舎文庫) 作者: 雫井脩介 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2004/08/01 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (161件) を見る 先日、「気持ち悪い女」として1作品挙げましたが。 これ↓ oyasuminminzemi.hateblo.jp 「気持ち悪い男」をひとりご紹介しようと思います。 あらすじ: 梶間勲(かじまいさお)は元裁判官。かつて担当した事件の被告人・竹内は冤罪であると判断し、無罪を言い渡した。 退職後、大学の教授となった勲。 ある日、オープンキャンパスの講義に竹内が参加しているのを見つける。 あの時は本当にお世話…

  • 仄暗さと同居する哀しさ 【屍鬼】小野不由美

    屍鬼(一) (新潮文庫) 作者: 小野不由美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2002/01/30 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 254回 この商品を含むブログ (194件) を見る 私が読んだのは15年くらい前だったように思います。 当時は文庫になっていなくて、ごっついぶあっつい単行本上下巻だったような。しかも二段組み。 最近流行りの、「さらっと読める」「軽い」「読みやすい」の、真逆を行く本です。重いし(雰囲気)、重いし(重量)、読みづらい。それでも、読みはじめたら止まらなくなります。あと涼しくなれる本ですのでクーラー要らずのエコ本です(おい) 私が読んだのは真夏(の夜…

  • 白衣の、幼女、では、ない。【シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官】

    シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫) 作者: 川瀬七緒 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/08/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 私が読んだときは単行本だったんですが、いまは文庫になってるんですね。 おっと注意。 この文庫の表紙みたいに、大人な容姿ではありません、お姉さんは。 作品の中では、とてもとても小柄な女性が、虫取り網を振り回して「えいっ!」「やあっ!!」と叫んでいる様子が描かれています。本人は至極真面目にやっています。 幼女かいや違うようだ この小さなお姉さんが、つまり探偵役というわけなんですけれども。 東京・葛西のトランクルー…

  • 「女」の気持ち悪さ。さすがです。【悪母】春口裕子

    悪母 (実業之日本社文庫) 作者: 春口裕子 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2019/06/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る いつぐらいから目に入り始めたのか覚えていないのですが、春口裕子さん。 ご近所トラブル系というか、ママ友トラブルというか、そういう感じの話を良く書かれますね、っていうかそっちの道を書かせたらピカイチみたいな。きっとよく発言○町とかチェックしてるんだろうな() 悪母。タイトルがすごいから、どんな母かと思って読みました。子どもに虐待する母なのか。万引きとかの常習犯なのか。殺人して平気で隠ぺいする母なのか。 本の中にいたのは、ごくごく一般的な、い…

  • イヤミスと言えばこの人。【お引越し】真梨幸子

    お引っ越し (角川文庫) 作者: 真梨幸子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/11/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 先日、引っ越しまして。 「引越し」のキーワードが最近ずっと頭にあったので、なんかそれで思い出しました。 そういえばそんな小説を以前読んだような。 真梨幸子さん。 いや「さん」とか付けたら無礼かも。「様」かも真梨幸子様。 「イヤミスの女王」と名高い幸子様。 「お引っ越し」も期待を裏切らず後味悪いでございます。 引越しにまつわる短編が6つ入っています。 *** お洒落な街にお洒落な造り。環境も間取りも条件も申し分ないマンションを内見したキヨ…

  • 絶望の先の小さな光、それを見たかった気もするけれど 【世界が赫に染まる日に】櫛木理宇

    世界が赫(あか)に染まる日に 作者: 櫛木理宇 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/01/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る ヤドカリ女でおなじみの櫛木理宇さんです。(違) 300ページ超えの長編ですが、先が気になってすらすら読めます。 まずはじめに書いておこう。ぼくの左目は、邪眼だ。 ギリシャ神話のメデューサのように、ぼくに見つめられたやつは石になる。 なんだただの中二の病か と思ってはいけない。 ストーリーは、胸が苦しくなるばっかりの哀しい復讐劇です。 復讐劇?と言っていいのかな。 自分と目が合った相手が「石になる」というのは、イメ…

  • あなたは償うことなく、何を思うのか 【罪の声】塩田武士

    罪の声 (講談社文庫) 作者: 塩田武士 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/05/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 昨日の夜、ショッピングモールの中に入っている大型書店にふらりと入っていろいろ眺めていたら、文庫コーナーの一番目立つところに、これでもかこれでもかと展示してありました。なにこの主張っぷりwwどしたのww 本屋大賞に入ってたのはいつだったっけ、2017年だったかな?その頃に読んだっきりだったのでちょっと懐かしくて、しばらく前で足を止めてしまいました。 文庫化されると、単行本の時と表紙のデザインが違うってよくありますが、こちらは単行本時と変わっていません…

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