南北朝争乱期に勃興した十市氏は、約250年間、奈良盆地南東部の中心的国人として活躍し、大和では筒井、越智、箸尾と並ぶ有力な国人でした。 その勃興期から16世紀中頃に稀代の名将・遠忠が当主の時代に最盛期を迎え、次代・遠勝以降は筒井氏の圧迫や松永久秀の大和侵攻を受け、大和における戦国末期の混乱に翻弄されて歴史の表舞台から姿を消すまでを詳しく紹介します。
奈良県を中心とした街歩きやおすすめスイーツ、歴史の話題を書いてます。 城跡や城下町、古民家、遊郭、神社仏閣などの古跡に興味がある方は一度ご覧ください。 あと、奈良県(大和国)を中心にした歴史上の人物のご紹介もしていきます。
皆さんこんにちは。 2020(令和2)年の初場所は、奈良県出身としては98年ぶりに、徳勝龍が西前頭17枚目からの劇的な優勝を遂げました。 奈良県は、「相撲発祥の地」(あくまで神話上ですが…)ともされているものの、明治以降の大相撲の歴史の中で幕内力士は10人ほどで、奈良県出身力士は決して多いとは言えません。 そんな奈良県出身力士の中で、その異才ぶりが、際立っている力士がいます。 その名は、笠置山勝一。 昭和初期に大相撲で活躍した力士で、最高位は西関脇。 引退後は年寄、秀ノ山を襲名して、テレビ朝日系で1959(昭和34)年から2003(平成15)年まで、本場所中放送されていた「大相撲ダイジェスト」…
皆さん、こんにちは。 平安時代末期から、興福寺は各所に荘園を持ち、それを守るための大きな武力も備えて、中世大和の支配者として君臨しました。 www.yamatotsurezure.com 興福寺が中世、その力を世に示した行動に「強訴」があります。 畿内の大寺院は、平安末期から自身の権益を守るため盛んに強訴を行うことで、時の世俗権力を動かしてきました。 数ある寺院の中でも、興福寺と延暦寺は「南都北嶺」と権力者から恐れられ、とくに盛んに強訴を行った寺院として知られます。 興福寺の強訴は平安時代末の10世紀から室町時代後半の16世紀にかけ、実に80回以上に及び、その多くで時の権力者たちは、興福寺の要…
皆さんこんにちは。 「ヒダル神」という怪異をご存知でしょうか。 道を歩いている人に憑りつく怪異で、ヒダル神に憑かれた人は、急に激しい疲労感や空腹感に襲われ、その場から身動きできなくなり、最悪の場合行き倒れて死んでしまうという恐ろしい怪異です。 西日本に広く伝承されている怪異で、奈良県内でもいろいろな場所で伝えられていますので、ご紹介したいと思います。 北和、中和地域 宇陀 十津川村 ヒダル神の正体とは 北和、中和地域 奈良市や大和郡山市、桜井市などで広く話が伝わっています。 共通するのは、道を歩いているときにこの怪異に憑かれると、急に空腹で動けなくなり、何か少しでも食べ物を食べるとよくなる、ま…
皆さんこんにちは。 大和国の覇権をめぐり筒井順慶とはてしない抗争を続けた松永久秀。 辰市城の戦いで順慶に大敗した久秀は、その後振るわず、信長と対立したのち、その軍門に下ることになります。 www.yamatotsurezure.com 主家、三好本宗家が滅亡し、織田信長の配下となった久秀はどうなっていくのでしょうか。 天正年間の久秀 信貴山城の戦い 松永久秀とは何者か 天正年間の久秀 1573(天正元)年12月26日、信長に降伏した久秀は、奈良支配の拠点であった多聞山城を織田方に引き渡します。 翌1574(天正2)年1月20日には、松永久通が帰順を許されたことへの返礼のため岐阜に赴き、信長に面…
皆さんこんにちは。 2027年、品川~名古屋間で中央新幹線、いわゆるリニア新幹線が開業します。 名古屋以西のルートについては名古屋~大阪間が最短で2037年の開業予定ということで、この記事を書いている2020年1月時点ではまだまだ先の話という感もありますね。 中央新幹線の名古屋以西ルートについては、当初の基本計画から「奈良市周辺」が経由地に挙げられ、奈良県民にとってはリニア新駅は長年の悲願と言っても過言ではないでしょう。 名古屋以西ルートの新駅設置場所については、三重県が亀山周辺、大阪府は東海道新幹線との接続も踏まえて、新大阪駅でほぼ固まっているのに対して、現在奈良県では、奈良市、生駒市、大和…
皆さんこんにちは。 昔からおなじみの怪異に、火の玉や鬼火と呼ばれる発火、発光現象があります。 人の霊魂や狐狸のいたずらで、夜な夜な炎が宙を漂うという怪異ですね。 奈良県内で古くから知られている怪異に「じゃんじゃん火」という鬼火があります。 県内各所に出没して伝承されている鬼火ですが、その話のバリエーションが豊かなので、代表的なものをご紹介したいと思います。 ちなみに、名前の由来は「じゃんじゃん」と音を立てて飛んでくるからその名がつけられているといわれています。 奈良市白毫寺、大安寺 昔、侍と木辻(大和国最大の遊郭だった場所)の女郎が心中しました。 二人は身分が違うということで、それぞれ大安寺と…
皆さんこんにちは。 三好三人衆との和睦で、再びかつての三好家として結集していく動きの中、久秀は足利義昭の幕府とは決別していくことになります。 www.yamatotsurezure.com この久秀の選択は、はたして彼にとって吉と出たのでしょうか。 辰市城の戦い 信長との対立 辰市城の戦い 1571(元亀2)年、筒井順慶が将軍足利義昭の養女を娶ったことで、それまで久秀に付き従っていた国人たちは次々と順慶へ寝返っていきました。 この勢いを逃すまいと、8月、順慶は久秀の居城多聞山城を攻略すべく、配下の井戸良弘に命じて多聞山城と筒井城の中間にあたる辰市に城砦を築きます。 辰市城は、信貴山城、筒井城、…
皆さんこんにちは。 奈良県は、古来からの不思議な話が、いっぱい残されている地域です。 今回はそういったお話の中から、奈良県に古来から伝わる「鬼」にまつわるお話や伝承をご紹介したいと思います。 役行者と前鬼、後鬼 鬼の子孫たち 元興寺(がごぜ) 一本だたら 酒呑童子 その他の鬼たち 役行者と前鬼、後鬼 奈良県の伝承上の鬼で最も有名なのは、役行者の従者になったと伝わる、前鬼、後鬼ではないでしょうか。 役行者像の左右に一緒にまつられることの多い、夫婦の鬼です。 生駒山中で人を襲っては食べていた恐ろしい鬼でしたが、役行者に懲らしめられ、改心した後、その従者・弟子となったと伝わります。 彼らが役行者にと…
皆さんこんにちは。 はじめに プロとアマチュア 拡大するオリンピック オリンピックに商業主義は必要か はじめに 2020年は東京オリンピック・パラリンピックの年ですね。 多くの日本人にとって様々な協議を時差無しで観戦できる、首尾よくチケットを入手できた方は、現場で一流アスリートの戦いを、目の当たりにできる素晴らしい機会となるでしょう。 期待が膨らむ中、マラソン、競歩が、東京の暑さを理由として、会場を札幌に移すという話が、IOCから突然突き付けられ、あっという間に決定事項となってしまいました。 背景には、直前にドバイで行われた世界陸上のマラソンや競歩で、暑さのために棄権者が続出したという事態にI…
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南北朝争乱期に勃興した十市氏は、約250年間、奈良盆地南東部の中心的国人として活躍し、大和では筒井、越智、箸尾と並ぶ有力な国人でした。 その勃興期から16世紀中頃に稀代の名将・遠忠が当主の時代に最盛期を迎え、次代・遠勝以降は筒井氏の圧迫や松永久秀の大和侵攻を受け、大和における戦国末期の混乱に翻弄されて歴史の表舞台から姿を消すまでを詳しく紹介します。
当ブログでは鎌倉時代から江戸時代までの大和武士たちの活躍や動向を、当時の畿内史と関連付けながら21回にわたって「大和武士の興亡」として奈良の戦国史を詳しく紹介しました。 今回は奈良の戦国史について切り口を変え、戦国の大和で活躍した大和武士の一族たちに焦点を当てて、ご紹介していきます。 最初にご紹介する大和武士の一族は、戦国末期に大和国の覇権を握って近世大名へと躍進することになる筒井氏です。 筒井氏の出自 筒井氏歴代 順覚(南北朝~室町初期) 成身院光宣と順弘、順永(河上五ヶ関を巡る抗争と応仁の乱) 順尊、順賢(筒井氏の没落と大和復帰) 順興(筒井氏の戦国大名化) 順昭(大和を武力統一した最初の…
奈良県高取町の貝吹山城は、戦国時代に南和で大きな勢力を誇った越智氏の築いた中世山城です。 城域には古墳時代最末期の古墳群があり近世以降は里山として利用され、古代から現在まで連続した土地利用の過程が残る、貴重な遺構です。
現在の奈良県高取町を中心に活躍した越智氏は大和の中世を語る上で外せない国人です。 その本拠。越智谷には今も越智氏ゆかりの旧跡が残っています。 かつての居館跡や菩提寺を巡り、戦国末期に滅亡した越智氏の足跡をたどります。
奈良市南郊の窪之庄城は戦国時代は筒井順慶と松永久秀の抗争で最前線となった城郭。 中世国人館城の土塁と堀が良好に残る貴重な城跡です。
奈良市のJR帯解駅周辺には、帯解寺、龍象寺と安産祈願で信仰を集める帯解地蔵尊が二つあり、円満寺には奈良県内では5つしか残されていない貴重な和算の算額を見ることができます。 中世の街村をベースに近世に発展した帯解の注目スポットをご紹介します。
奈良市の今市城は奈良の戦国史を語る上で外せない重要な城郭。 城域は現在住宅地となっていますが各所に堀跡など城郭の痕跡が残っています。 今市城の歴史と現在の様子を紹介します。
奈良県天理市の竹之内環濠集落は県内の環濠集落で最も高所にあり環濠越しの眺望がすばらしいスポットです。 戦国時代は城郭としても使用され、大和戦国史のターニングポイントとなる戦いもありました。 見所を含めて詳しくご紹介します。
奈良県天理市の萱生環濠集落は県下でも有数の古墳密集地帯にある環濠集落で、古墳の周濠を濠としたり墳丘を集落中央の神社とするなど集落防衛に地域の特性を大きく活用して独特の環濠風景を持つ集落です。
奈良県生駒市上町の長弓寺は中世建築の傑作と評される国宝本堂で知る人ぞ知る名刹。 失われた三重塔の数奇な運命やかつての鎮守社にまつわる古代史ロマンを紹介します。
奈良県生駒市高山町の高山八幡宮は重要文化財の本殿があり、かつての農民層による平座と茶筌師による無足人座という2つの宮座が併存する珍しい神社。 平座の後に発足した無足人座の歴史からは高山茶筌興隆の歴史が見えてきます。
大和国人ながら最盛期には南山城や河内、摂津にも影響力を持ち、畿内の戦国史に大きな足跡を残した鷹山氏と、鷹山氏が拠点とした現在生駒市北部の中世城郭・高山城を詳しく紹介する記事です。
奈良県天理市の古社・大和神社は境外の関連スポットも歴史のロマンと謎が詰まったエリアです。 毎年4月1日に行われる御渡り神事(ちゃんちゃん祭り)の御旅所を中心に紹介します。
天理市の大和神社は記紀神話の時代から近代にいたるまで、多くの所縁や逸話をもつ魅力的な神社です。 参拝したときに、より深く神社を味わっていただける由緒や歴史を詳しくご紹介します。
平安時代から続く山の辺の道の古刹・長岳寺の紹介記事です。 長岳寺は平安・鎌倉時代から残る貴重な建築や仏像といった文化財だけでなく、血天井伝説や名刀伝説といった歴史ロマンあふれる伝承が残る名刹です。
奈良県生駒市有里町の文殊山にある竹林寺は行基と忍性という民衆教化と救済の先駆的活躍をした二人の高僧の墓があります。 鎌倉時代に復興されたものの室町、江戸と衰え明治には一時廃寺となりましたが、1997年に再建されました。
新興住宅地として戦後急速に発展したイメージが強い奈良県生駒市ですが、創建から1300年以上の歴史を持つ古社・往馬大社が鎮座しています。 生駒の町の歴史的背景の土台となる往馬大社とこの社を氏神としてきた中世以来の生駒谷十七郷の歴史について紹介します。
大坂夏の陣が終わった後、江戸時代に大和で大名、旗本として残った旧大和国人は柳生氏と中坊氏だけでした。 江戸時代、新たな領主として大和に入った大名や天領の支配、そして大和を去った国人たちのその後を紹介します。
筒井氏の伊賀転封によって大和国は中世以来の国人支配が解体され、近世武家政権による支配が始まります。 関ヶ原の戦い、大坂夏の陣と戦国の最末期に起きた大戦で、大和国人たちはどのような活躍を見せたのかを紹介します。
筒井順慶が織田信長、豊臣秀吉に臣従することで大和では興福寺を中心とした中世的支配が崩壊し、近世武家政権による支配が確立する。 順慶死後、筒井氏は伊賀に転封され大和には豊臣秀長が入り豊臣政権による大和直轄化が進行して中世以来の大和国人たちは歴史の渦の中に飲み込まれていくことになる。
当ブログでは鎌倉時代から江戸時代までの大和武士たちの活躍や動向を、当時の畿内史と関連付けながら21回にわたって「大和武士の興亡」として奈良の戦国史を詳しく紹介しました。 今回は奈良の戦国史について切り口を変え、戦国の大和で活躍した大和武士の一族たちに焦点を当てて、ご紹介していきます。 最初にご紹介する大和武士の一族は、戦国末期に大和国の覇権を握って近世大名へと躍進することになる筒井氏です。 筒井氏の出自 筒井氏歴代 順覚(南北朝~室町初期) 成身院光宣と順弘、順永(河上五ヶ関を巡る抗争と応仁の乱) 順尊、順賢(筒井氏の没落と大和復帰) 順興(筒井氏の戦国大名化) 順昭(大和を武力統一した最初の…
奈良県高取町の貝吹山城は、戦国時代に南和で大きな勢力を誇った越智氏の築いた中世山城です。 城域には古墳時代最末期の古墳群があり近世以降は里山として利用され、古代から現在まで連続した土地利用の過程が残る、貴重な遺構です。
現在の奈良県高取町を中心に活躍した越智氏は大和の中世を語る上で外せない国人です。 その本拠。越智谷には今も越智氏ゆかりの旧跡が残っています。 かつての居館跡や菩提寺を巡り、戦国末期に滅亡した越智氏の足跡をたどります。
奈良市南郊の窪之庄城は戦国時代は筒井順慶と松永久秀の抗争で最前線となった城郭。 中世国人館城の土塁と堀が良好に残る貴重な城跡です。
奈良市のJR帯解駅周辺には、帯解寺、龍象寺と安産祈願で信仰を集める帯解地蔵尊が二つあり、円満寺には奈良県内では5つしか残されていない貴重な和算の算額を見ることができます。 中世の街村をベースに近世に発展した帯解の注目スポットをご紹介します。
奈良市の今市城は奈良の戦国史を語る上で外せない重要な城郭。 城域は現在住宅地となっていますが各所に堀跡など城郭の痕跡が残っています。 今市城の歴史と現在の様子を紹介します。
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奈良県天理市の萱生環濠集落は県下でも有数の古墳密集地帯にある環濠集落で、古墳の周濠を濠としたり墳丘を集落中央の神社とするなど集落防衛に地域の特性を大きく活用して独特の環濠風景を持つ集落です。
奈良県生駒市上町の長弓寺は中世建築の傑作と評される国宝本堂で知る人ぞ知る名刹。 失われた三重塔の数奇な運命やかつての鎮守社にまつわる古代史ロマンを紹介します。
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大和国人ながら最盛期には南山城や河内、摂津にも影響力を持ち、畿内の戦国史に大きな足跡を残した鷹山氏と、鷹山氏が拠点とした現在生駒市北部の中世城郭・高山城を詳しく紹介する記事です。
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天理市の大和神社は記紀神話の時代から近代にいたるまで、多くの所縁や逸話をもつ魅力的な神社です。 参拝したときに、より深く神社を味わっていただける由緒や歴史を詳しくご紹介します。
平安時代から続く山の辺の道の古刹・長岳寺の紹介記事です。 長岳寺は平安・鎌倉時代から残る貴重な建築や仏像といった文化財だけでなく、血天井伝説や名刀伝説といった歴史ロマンあふれる伝承が残る名刹です。
奈良県生駒市有里町の文殊山にある竹林寺は行基と忍性という民衆教化と救済の先駆的活躍をした二人の高僧の墓があります。 鎌倉時代に復興されたものの室町、江戸と衰え明治には一時廃寺となりましたが、1997年に再建されました。
新興住宅地として戦後急速に発展したイメージが強い奈良県生駒市ですが、創建から1300年以上の歴史を持つ古社・往馬大社が鎮座しています。 生駒の町の歴史的背景の土台となる往馬大社とこの社を氏神としてきた中世以来の生駒谷十七郷の歴史について紹介します。
大坂夏の陣が終わった後、江戸時代に大和で大名、旗本として残った旧大和国人は柳生氏と中坊氏だけでした。 江戸時代、新たな領主として大和に入った大名や天領の支配、そして大和を去った国人たちのその後を紹介します。