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  • 褐色矮星砂漠における最も離心率の高い褐色矮星を発見! TOI-2490 b”は恒星と同様のメカニズムで形成されたのかも

    今回の研究では、“TOI-2490b”と名付けられた新しい褐色矮星を発見しています。この褐色矮星の質量は木星の73.6倍ほど、太陽に似た恒星の周りを非常に偏心した軌道を描いて回っています。褐色矮星は巨大ガス惑星と恒星の中間に位置する天体で、その質量は木星の13倍から80倍の間になります。今回の発見のきっかけとなったのは、約872.5光年離れたG型主系列性“TOI-2490”の光度曲線に、トランジット惑星探査衛星“TESS”が検出したトランジットの兆候でした。その後の測光観測と視線速度の測定により、この信号が褐色矮星によるものだと確認されています。この発見は非常に重要なものと言えます。それは、褐色矮星が恒星と惑星の中間の質量(木星の13倍から80倍の間)を持つ天体で、その形成過程は完全には解明されていないか...褐色矮星砂漠における最も離心率の高い褐色矮星を発見!TOI-2490b”は恒星と同様のメカニズムで形成されたのかも

  • どの銀河も物質の密度は中心から外縁に向かって一定の割合で減少している? ダークマターと星の相互作用に関する新たな知見

    これまで、天文学者たちの頭を悩ませてきたことがあります。それは、銀河内の物質の密度が中心から外縁に向かって一定の割合で減少していること。このことは、銀河によって年齢や形状、大きさ、星の数が様々なことを考えると、不可能に思える現象でした。この謎を解くため、今回の研究では星とダークマターが互いに影響し合い、規則的な質量構造を作り出しているという説を立てています。でも、この説を裏付けるメカニズムは、これまで発見されていませんでした。そこで研究チームは、チリの超大型望遠鏡“VLT”を用いて22個の銀河を詳細に観測。銀河の質量構造におけるダークマターと星の分布の関連性を調査しています。その結果、質量密度の類似性は銀河自体ではなく、天文学者が銀河を測定しモデル化する方法に起因することが分かってきます。銀河全体の質量密...どの銀河も物質の密度は中心から外縁に向かって一定の割合で減少している?ダークマターと星の相互作用に関する新たな知見

  • ハッブルテンションは存在しない!? ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いたハッブル定数の測定から分かったこと

    今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを用いて、宇宙の膨張率を示す“ハッブル定数”を新たに測定しています。研究チームは、セファイド変光星、赤色巨星分枝の先端、炭素星という3種類の天体を用いて、10個の近傍銀河までの距離を測定。いずれも、これまでで最も正確とされる宇宙の膨張率の値、メガパーセクあたり秒速70キロメートル(70km/s/Mpc)と算出されました。この値は、宇宙マイクロ波背景放射の観測に基づくハッブル定数の推定値と誤差範囲内で一致。観測方法によってその値が異なるという大きな問題“ハッブルテンション(Hubbletension)”と呼ばれる矛盾は、存在しない可能性を示唆していました。今回の研究結果は、宇宙の進化に関する標準的な宇宙論モデルが正しい可能性を支持するもの。宇宙の年齢や...ハッブルテンションは存在しない!?ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いたハッブル定数の測定から分かったこと

  • 見つかった水和鉱物は小惑星内部に由来する? “プシケ”は本当に衝突によって外層を失った原始惑星の金属コアなのか

    今回の研究では、NASAのジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを用いて、金属を多く含む小惑星“プシケ”の表面に水酸基分子を発見しています。この発見は、水を多く含む炭素質コンドライトとの衝突によって、“プシケ”に水和鉱物がもたらされた可能性を示唆していました。“プシケ”は、火星と木星の間の軌道を公転する小惑星帯の中で最も大きな天体の一つで、かつては原始惑星であった可能性が科学者により指摘されていました。もし、発見された水和鉱物が“プシケ”内部に由来する場合、この小惑星はこれまで考えられてきたような原始惑星の核の名残りでないことになります。このため、“プシケ”の表面に水が存在することは、この小惑星の形成過程や太陽系の歴史について、これまでのモデルとは異なる複雑な進化の歴史を物語っている可能性があります。こ...見つかった水和鉱物は小惑星内部に由来する?“プシケ”は本当に衝突によって外層を失った原始惑星の金属コアなのか

  • 低温な恒星で発生するフレアほど遠紫外線放射が強くなる!? 赤色矮星が惑星に与える影響から生命が居住可能なのかを考えてみる

    今回の研究では、赤色矮星のフレアが、これまで考えられていたよりもはるかに強いレベルの遠紫外線放射を伴う恒星フレアを生成する可能性があることを発見しています。この発見が示唆しているのは、これらフレアからの強い紫外線が周辺の惑星の居住可能性に大きな影響を与える可能性があることでした。フレアからの遠紫外線放射は、一般的に想定されているよりも平均で3倍強力で、想定されるエネルギーレベルの最大12倍に達する可能性があることが示されました。この強力な遠紫外線放射の正確な原因は、まだ明らかになっていません。研究チームが考えているのは、フレアの放射線が特定の波長に集中していることが原因となること。このことは、炭素や窒素などの原子の存在を示唆していると考えています。この研究は、ケンブリッジ大学のVeraL.Bergerさん...低温な恒星で発生するフレアほど遠紫外線放射が強くなる!?赤色矮星が惑星に与える影響から生命が居住可能なのかを考えてみる

  • 小さなブラックホールの連星を利用して、これまで検出できなかった巨大なブラックホールの連星を見つける方法

    近年の重力波天文学の急速な進歩は、宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらし、特に恒星質量ブラックホール連星の合体から生じる重力波の検出を可能としました。でも、銀河の中心に潜む超大質量ブラックホール連星の検出は、依然として大きな課題となっています。今回の研究では、近傍の小さな(恒星質量)ブラックホールの連星から放出される重力波を分析することで、銀河の中心に位置する大きな(超大質量)ブラックホールの連星を検出する新しい方法を提案しています。銀河の中心に位置する超大質量ブラックホールの起源は、天文学における最大の謎の一つと言えます。それらは、常に大質量であった可能性があり、宇宙がまだ非常に若い時に形成された可能性があります。あるいは、物質の降着や他のブラックホールとの合体により、時間の経過とともに成長した可能性...小さなブラックホールの連星を利用して、これまで検出できなかった巨大なブラックホールの連星を見つける方法

  • 原始ブラックホールが真空崩壊を引き起こし宇宙は崩壊する!? 考えられているほど安定的でないヒッグス場のエネルギー状態

    ヒッグス場は宇宙に遍在するエネルギー場で、他の素粒子に質量を与えています。今回の研究では、このヒッグス場に対し原始ブラックホールが真空崩壊を引き起こす要因となったのかを調べています。そこから分かってきたのは、ヒッグス場は不安定な状態にあり、ある日突然、より低いエネルギー状態に遷移する可能性があること。この相転移が起こると、物理法則が劇的に変化し宇宙は崩壊してしまうかもしれません。初期宇宙に存在したと考えられている軽い原始ブラックホールは、その高温のためヒッグス場の相転移を引き起こす可能性があることでした。でも、私たち人類が存在しているということは、このようなブラックホールは存在しなかったか、あるいはヒッグス場が相転移から保護される未知のメカニズムが存在する可能性があるということです。宇宙は、その誕生から今...原始ブラックホールが真空崩壊を引き起こし宇宙は崩壊する!?考えられているほど安定的でないヒッグス場のエネルギー状態

  • 磁石星は白色矮星同士の合体から形成される? 驚異的な速さで回転している非常に若いマグネターから分かったこと

    宇宙には太陽の約2倍の質量を都市ほどの大きさに凝縮させた超高密度星“中性子星”が存在しています。その中でも、特に強力な磁場を持ち、パルサーのように高速で回転しながら周期的な電磁パルスを放射している天体を“マグネター(磁石星:magnetar)”と呼びます。マグネターは、その極限的な物理状態から、天文学の分野において近年大きな注目を集めています。マグネターは、その誕生の過程や進化、なぜこれほどまでに強力な磁場を持つに至ったのかなど、多くの謎に包まれた天体です。天文学者たちは、これらの謎を解き明かすために、様々な観測や理論研究を進めています。その重要な手掛かりの一つとなるのが、マグネターの正確な位置や速度、その誕生からの時間スケールです。今回の研究では、超長基線電波干渉計“VLBA”を用いた3年間の観測により...磁石星は白色矮星同士の合体から形成される?驚異的な速さで回転している非常に若いマグネターから分かったこと

  • 中性子星同士の合体で生まれた残骸には何が起こるのか? 重力波、ニュートリノによる冷却や重力崩壊によるブラックホールへの進化

    中性子星同士の合体は、計り知れないほどのエネルギーが放出され、時空にさざ波をたてる非常に激しい宇宙のイベントと言えます。これらの衝突の結果から生じる残骸は、天体物理学者にとって大きな関心の的であり、その進化と最終的な運命は極限状態における物質の性質を理解する上で重要な意味を持ちます。今回の研究では、ペンシルベニア州立大学のスーパーコンピュータを用いてシミュレーションを実施。これを通じて、中性子星合体の残骸がどのように冷却され、場合によってはブラックホールへと崩壊していくのかを調べています。その結果、合体残骸の中心部は表面よりも温度が高く、対流が発生しない可能性が示唆されました。この発見は、中性子星合体やブラックホール形成に関する謎を解き明かす上で、重要な手掛かりとなるようです。この研究は、ペンシルベニア州...中性子星同士の合体で生まれた残骸には何が起こるのか?重力波、ニュートリノによる冷却や重力崩壊によるブラックホールへの進化

  • なぜ、進化の進んだ赤色巨星なのに異常に高いリチウム存在量を示すのか? 星の進化過程における未知のメカニズムの解明へ

    近年の天文学において、星の進化と元素合成に関する私たちの理解に挑戦する、“2MASSJ05241392-0336543”と呼ばれる並外れた星が発見されました。この星は、これまで知られているどの星よりもリチウムの含有量が極めて高く、その起源や進化について多くの謎を秘めています。今回の研究では、“2MASSJ05241392-0336543”の特異な組成、その進化の状態、および考えられるリチウム濃縮のメカニズムについて調査を実施。現在、この星はレッドクランプ星ではなく、レッドジャイアントブランチ上または初期漸近巨星分枝星ブランチ上にある可能性が高いと結論付けています。研究チームは、“2MASSJ05241392-0336543”で観測された極端なリチウムの存在量は、星の内部におけるリチウムの生成、または外部か...なぜ、進化の進んだ赤色巨星なのに異常に高いリチウム存在量を示すのか?星の進化過程における未知のメカニズムの解明へ

  • 超巨星を7つも含む星団“バルバ2”を発見! 比較的最近に星形成活動が活発な領域で生まれた若い星団のようです

    2024年のこと、天文学の世界に新たに興奮をもたらす発見が報告されました。それは、天の川銀河の中、地球から約24,100光年彼方の位置に、複数の超巨星を含む新しい星団“バルバ2”が発見されたからです。この星団は、南米チリの天文学者ロドルフォ・バルバさんによって10年前に初めて特定されていたもの。2021年に彼がなくなったため、その研究結果はこれまで発表されていませんでした。これまで、チリによる減光のため見過ごされてきた“バルバ2”は超巨星が豊富な星団。少なくとも7つの超巨星を含んでいるんですねーこの星団の発見は、星々がどのように生まれ、進化していくのか、そして銀河全体の進化における星団の役割について、新たな知見をもたらす可能性を秘めているようです。この研究は、スペインのアストロバイオロジーセンターのヘスー...超巨星を7つも含む星団“バルバ2”を発見!比較的最近に星形成活動が活発な領域で生まれた若い星団のようです

  • ビッグバンから数百万年後に形成された若い星からの放射を発見! 一部の銀河は初期宇宙において非常に急速に成長していた

    ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡は、宇宙の夜明けに存在する古い銀河の並外れた姿を明らかにし、初期宇宙の理解に革命をもたらしました。これらの銀河の中でも、輝かしい光度と驚くべき大きさを持つ“JADES-GS-z14-0”は、宇宙の進化の初期段階における銀河形成に関する私たちの理解に挑戦しています。今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による観測から、これまでに特定された最も初期(遠方)の銀河の一つから放出されている光が、星形成からの継続的なバーストによるものであることを発見しています。研究チームは赤方偏移の測定を行うことで、この光が銀河の中心に位置する超大質量ブラックホールによるものではなく、ビッグバンから数百万年後に形成された若い星からの放射であることを確認。これまでのモデルでは、初期宇宙の銀河は小さく...ビッグバンから数百万年後に形成された若い星からの放射を発見!一部の銀河は初期宇宙において非常に急速に成長していた

  • 天の川銀河の薄い円盤に金属含有量に大きなバラつきのある古代の星を発見! ガイアデータが明らかにした銀河進化の新たなタイムライン

    今回の研究では、位置天文衛星“ガイア”によるミッションから得られた膨大なデータと、最新の機械学習技術の組み合わせにより、個々の星の年齢や金属含有量を、これまで以上に正確に推定。その結果、私たちの太陽系が属する薄い円盤の軌道上に、これまで考えられていたよりも、はるかに多くの古代の星が存在することを明らかにしています。これらの発見が示唆しているのは、天の川銀河の薄い円盤がビッグバンからわずか10億年以内の非常に早い時期に形成が始まったこと。これは、これまで考えられていたよりも約40億年から50億年も早い時期でした。さらに興味深いことに、これらの古代の星は金属含有量に大きなバラつきが見られたこと。太陽の2倍もの金属量を持つ星も見つかっていることから、天の川銀河の進化のごく初期には星々の誕生と進化が急激に進行し、...天の川銀河の薄い円盤に金属含有量に大きなバラつきのある古代の星を発見!ガイアデータが明らかにした銀河進化の新たなタイムライン

  • 破壊された系外惑星の内部物質の降着で白色矮星は汚染されている!? AIによる系外惑星の多様性や進化の歴史の解明

    今回の研究では、天の川銀河内で何百もの“汚染された”白色矮星を発見しています。これら発見された白色矮星が汚染されたのは、周囲を公転している惑星を積極的に取り込んだ結果でした。このことから汚染された白色矮星を研究することは、遠方に位置する太陽系外惑星の組成を研究するための貴重なリソースと言えます。さらに、このことは太陽系外惑星の多様性や進化の歴史を解き明かすのにも役立つはずです。ただ、問題となったのは、汚染された白色矮星を発見することが容易ではないことでした。それは、その兆候が微弱で検出が困難な上、白色矮星が惑星を飲み込んでから時間が経つと、重元素は白色矮星の内部に沈んでしまうからです。このため、観測可能な期間は限られてしまいます。そこで、本研究では、多様体学習と呼ばれるAI技術を用いた新し探査方法を開発。...破壊された系外惑星の内部物質の降着で白色矮星は汚染されている!?AIによる系外惑星の多様性や進化の歴史の解明

  • 極めて高速で移動する天体“超高速星”を市民科学者が発見! 太陽系からわずか400光年先に天の川銀河に重力的に束縛されていない天体

    宇宙空間において、天体は常に移動しています。私たちの太陽系も例外ではなく、天の川銀河の中心を軸に公転しています。でも、中にはその常識を覆すような、極めて高速で移動する天体も存在しているんですねーその代表例が“超高速星”で、その速度は天の川銀河の重力圏からさえも脱出できてしまうほどです。最近、市民科学者と天文学者の協力により、超高速星の候補となる興味深い天体が発見されました。その天体“CWISEJ124909.08+362116.0”と名付けられていて、その正体は低質量の星か褐色矮星だと考えられています。特筆すべきは、“CWISEJ124909.08+362116.0”が太陽系からわずか約400光年という近距離に位置していること。今回の研究では、“CWISEJ124909.08+362116.0”の観測結果...極めて高速で移動する天体“超高速星”を市民科学者が発見!太陽系からわずか400光年先に天の川銀河に重力的に束縛されていない天体

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