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  • マイクロクエーサー“SS433”に付随する分子雲から近紫外線放射を発見! 分子雲とジェットの直接相互作用

    今回の研究では、地球から約1.8万光年彼方に位置するマイクロクエーサー“SS433”(※1)の相対論的ジェットに付随する分子雲(※2)から、近紫外線が放射されていることを発見しています。研究グループでは、近紫外線のアーカイブデータと“SS433”に付随する分子雲を比較することで、近紫外線の放射が“SS433”に一番近い分子雲だと特定。近紫外線の放射領域が、分子雲の広がりと一致しているとことを確認しています。さらに、分子輝線、遠赤外線のデータとの比較からは、近紫外線放射は分子雲の背後、“SS433”のジェットと分子雲の相互作用面から放射されていることを明らかにしました。この紫外線放射が分子雲や分子雲中の星間ダストを暖め、暖められた星間ダストが遠赤外線で再放射していることも突き止めています。この結果は、宇宙線...マイクロクエーサー“SS433”に付随する分子雲から近紫外線放射を発見!分子雲とジェットの直接相互作用

  • NASAの小惑星探査機“サイキ”がイオンエンジンを始動! 時速20万キロまで加速し小惑星“プシケ”への到着は2029年

    現地時間5月22日のこと、NASAは小惑星探査機“サイキ(Psyche)”のイオンエンジン始動を発表しました。2023年10月に打ち上げられた“サイキ”の目的は、火星と木星の間に広がる小惑星帯を公転する小惑星“16Psyche(プシケ)”の周回探査。このミッションは、“ディスカバリー計画”14番目として2017年に選定されました。図1.小惑星探査機“サイキ”は打ち上げ後に約6年間をかけて小惑星“プシケ”へ向かう。小惑星“プシケ”に到着するのは2029年8月の予定。(Credit:NASA/JPL–Caltech/ASU)小惑星“プシケ”は、鉄やニッケルといった金属を豊富に含む“M型小惑星”に分類されています。その正体は初期の太陽系で形成された原始惑星のコア(核)ではないかと予想されてきました。過去に探査機...NASAの小惑星探査機“サイキ”がイオンエンジンを始動!時速20万キロまで加速し小惑星“プシケ”への到着は2029年

  • 系外惑星からの光を直接観測できる宇宙望遠鏡“ローマン・コロナグラフ”の準備完了! 恒星の光を取り除く技術で第2の地球を発見へ

    NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡には、恒星の光を遮りその光芒に隠された惑星を見ることができる“ローマン・コロナグラフ”という装置が搭載されます。この装置を用いた新しい観測技術を実証することで、地球外のハビタブル(生命が居住可能)な世界の探索への道を拓くのに役立ちます。この技術実証装置は、最近になって南カリフォルニアにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)から、メリーランド州グリーンベルトにあるNASAのゴダード宇宙飛行センターへ出荷。そこで2027年5月までの打ち上げに向けて、宇宙望遠鏡衛星に組み込まれる予定です。でも、この大陸をまたいでの旅の前に、ローマン・コロナグラフはエンジニアが“ダークホールを掘る”と呼ぶ、星の光を遮る能力の最も完全なテストを受けていました。宇宙では、この“ダー...系外惑星からの光を直接観測できる宇宙望遠鏡“ローマン・コロナグラフ”の準備完了!恒星の光を取り除く技術で第2の地球を発見へ

  • これで2例目! 直径が木星ほどしかない超低温の赤色矮星を公転する地球サイズの惑星“SPECULOOS-3 b”を発見

    今回の研究では、トランジット法で惑星を検出する望遠鏡ネットワークを用いて、直径が木星ほどしかない超低温の赤色矮星の周りを公転する地球サイズの惑星“SPECULOOS-3b”を発見しています。このタイプの星の周りに惑星が発見されたのは“トラピスト1”に続く2例目になります。“SPECULOOS-3b”は、主星に非常に近い軌道を回っているので、大気が存在する可能性は極めて低いようです。それでも、超低温矮星の性質を深く知ることや、生命の存在に適した惑星があるかどうかについても、より深く理解できる可能性があるようです。この研究は、ベルギー・リエージュ大学のMichaëlGillonさんを中心とする研究チームが進めています。サイズや質量が恒星としての下限に近い超低温矮星赤色矮星(※1)は、中心で水素の核融合反応が起...これで2例目!直径が木星ほどしかない超低温の赤色矮星を公転する地球サイズの惑星“SPECULOOS-3b”を発見

  • 地球の双子星“金星”に似た系外惑星を発見! 惑星が生命の存在に適した環境を持つための条件を探るカギになるかも

    今回の研究では、すばる望遠鏡の赤外線分光器“IRD”などを用いた観測と、NASAのトランジット惑星探査衛星“TESS”を用いた観測との連携を通じて、地球からわずか40光年の位置に新たな系外惑星“グリーゼ12b”を発見。“グリーゼ12b”は、地球や金星と同程度の大きさを持ち、太陽よりも低温の恒星の周りを12.8日をかけて周回しています。“グリーゼ12b”が恒星から受け取る日射量が金星の場合と同程度なこと。また、大気が散逸せずに一定量残っている可能性があることから、“グリーゼ12b”はこれまでに発見された系外惑星と比べて、金星のような惑星の大気の特徴を調べるのに最も適した惑星と言えそうです。金星は地球の兄弟とも呼ばれる惑星ですが、金星が地球と異なり生命にとって過酷な環境になった原因は、大きな謎として残されてい...地球の双子星“金星”に似た系外惑星を発見!惑星が生命の存在に適した環境を持つための条件を探るカギになるかも

  • NASAとの協力拡大で火星探査車を2028年に打ち上げへ! ロシアによるウクライナ侵攻で中止になっていたエクソマーズ2022

    2024年5月16日のこと。ヨーロッパ宇宙機関とNASAは、ヨーロッパ宇宙機関の火星探査計画“エクソマーズ(ExoMars)”における、火星探査車“ロザリンド・フランクリン(RosalindFranklin)”のミッションに関する覚書に署名したことを発表しました。図1.火星表面で探査を行うヨーロッパ宇宙機関の火星探査車“ロザリンド・フランクリン”のイメージ図。(Credit:ESA/Mlabspace)“ロザリンド・フランクリン”は、かつて火星に存在していた、あるいは今でも存在するかもしれない、生命や生命の痕跡の探索を目的として開発された探査車です。放射線や厳しい温度環境から保護されているとみられる地下2メートルからサンプルを採取するためのドリルをはじめ、ラマン分光装置、赤外線ハイパースペクトルカメラ、有...NASAとの協力拡大で火星探査車を2028年に打ち上げへ!ロシアによるウクライナ侵攻で中止になっていたエクソマーズ2022

  • 最も遠方の宇宙に合体しつつある超大質量ブラックホールを検出! 超大質量ブラックホールは最初期の頃から銀河の進化と関係していた

    国際的な天文学者チームは、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて、宇宙誕生7億4000万年後の宇宙で2つの銀河と、その中心に位置する超大質量ブラックホール(※1)が合体しつつあることを発見しました。この発見は、これまでに検出されたブラックホール同士の合体として最も遠いもので、宇宙の初期に検出された初めての例になります。※1.超大質量ブラックホールは、太陽の数十万~数十億倍以上もの質量を持つブラックホール。ほぼ全ての銀河の中心には、このような大きなブラックホールが存在すると考えられている。ブラックホールの急成長“ZS7”と呼ばれる合体しつつある銀河のペアに存在るブラックホールの質量は、どちらも太陽の5000万倍ほど。ただ、一方のブラックホールは高密度のガスの中に埋もれているので、はっきりしたことは分かっていま...最も遠方の宇宙に合体しつつある超大質量ブラックホールを検出!超大質量ブラックホールは最初期の頃から銀河の進化と関係していた

  • 生命活動に関連して放出される化学分子の存在を証明することは困難… 系外惑星“K2-18b”にジメチルスルフィド存在するのか

    太陽以外の恒星の周りを公転する太陽系外惑星(系外惑星)の中には、地球のように適度な温度と豊富な液体の水を持つかもしれない惑星がいくつか見つかっています。その一つ“K2-18b”について、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による大気組成の観測の結果、豊富なメタンと二酸化炭素に加えて、生命活動と関連のあるバイオマーカーとして注目されている“ジメチルスルフィド”が見つかったと、2023年9月に発表された研究では報告されていました。でも、今回の研究では、この報告に否定的な結果でているんですねー本研究では、“K2-18b”模した惑星の大気をコンピュータでモデル化。シミュレーションにより熱や光によって生じる化学反応を再現してみると、この観測データを元にジメチルスルフィドを検出できたという先の研究結果は、怪しことが示されたそ...生命活動に関連して放出される化学分子の存在を証明することは困難…系外惑星“K2-18b”にジメチルスルフィド存在するのか

  • 全体がマグマで覆われた惑星“TOI-6713.01”を発見! 潮汐力と恒星からの放射による加熱

    ある天体の近くを別の天体が公転している場合、潮汐力によって内部が過熱されて地質活動が活発になることがあります。そのような天体の一例が木星の衛星イオです。イオは、ほぼ常に複数の火山が噴火しているほど地質活動が活発です。今回の研究では、地球から約66光年離れた恒星“HD104067”について、NASAのトランジット惑星探査衛星“TESS”による観測データを分析。その結果、これまで見逃されていた3番目の惑星の候補を見つけています。今回見つかった惑星候補“TOI-6713.01”は、他の惑星からの潮汐力によって表面温度が最大約2400℃に加熱され、全体がマグマで覆われているようです。近くからは、まるで“スター・ウォーズ”に登場する惑星“ムスタファー”のように見えるそうです。さらに、近い将来には“TOI-6713....全体がマグマで覆われた惑星“TOI-6713.01”を発見!潮汐力と恒星からの放射による加熱

  • JAXAとヨーロッパ宇宙機関共同の水星探査ミッション“ベピコロンボ” 推進システムに十分な電力を供給できない不具合が発生

    JAXAとヨーロッパ宇宙機関が共同で推進する水星探査ミッション“ベピコロンボ”で、不具合が発生していることが公表されました。発生している不具合は、電気推進システムがフルパワーで動作しないというものです。図1.水星に接近する“ベピコロンボ”のイメージ図。手前側に太陽電池アレイを備えた電気推進モジュール(イオンエンジン)が見えている。(Credit:spacecraft:ESA/ATGmedialab;Mercury:NASA/JPL)ラスターに利用できる十分な電力が供給できない問題“ベピコロンボ”は、JAXAとヨーロッパ宇宙機関のそれぞれの周回探査機で、水星の総合的な観測を行う日欧協力の大型ミッションです。周回探査機は、JAXAの水星磁気圏探査機“みお(MMO:MercuryMagnetosphericOr...JAXAとヨーロッパ宇宙機関共同の水星探査ミッション“ベピコロンボ”推進システムに十分な電力を供給できない不具合が発生

  • 小惑星の衛星セラムに働く力から年齢を200~300万歳と予測! コストが低く多くの小惑星に適用できる年齢推定方法

    太陽系には無数に小惑星が存在していますが、実はその年齢を知ることは一般的に困難なんですねー小惑星の年齢は、表面にあるクレーターの密度が推定の大きな手掛かりとなります。ただ、この手法が使えるのは、探査機による接近観測が行われたほんの一握りの小惑星に限られてしまいます。今回の研究では、NASAの小惑星探査機“Lucy(ルーシー)”が接近観測を行った152830番小惑星ディンキネシュの衛星セラムについて、力学的なシミュレーションを通じて年齢推定を行っています。その結果、セラムの年齢はわずか200~300万歳で、相当に若いことが示されました。さらに、この年齢はクレーターの密度を元に推定された年齢と一致していたんですねー力学的な年齢推定は、望遠鏡などを用いた遠隔的な観測方法に適用できる手法です。このことから、無数に...小惑星の衛星セラムに働く力から年齢を200~300万歳と予測!コストが低く多くの小惑星に適用できる年齢推定方法

  • 初期の火星では有機物は生命活動ではなく大気中の一酸化炭素から作られていた!? 生命探査における有機分子の由来特定に役立つかも

    火星の堆積物中に含まれる有機物は、大気中の一酸化炭素(CO)から生成されたものがあるようです。火星の有機物は、異常な炭素の安定同位体比(※1)を持つことが知られていました。でも、その原因は不明だったんですねーそこで、本研究では大気中でCO2の光解離によって作られるCOが、この同位体異常を持つことを、室内実験と理論計算によって明らかにしています。さらに、このCOは還元的な初期火星大気中では、有機物となり堆積することも分かりました。研究チームでは、こうした実験結果を元にモデル計算を実施。すると、驚くべきことに、最大で大気中のCO2の20%が有機物として地表に堆積したことも分かりました。このような結果は、今後の火星探査に新しい展開をもたらすはずです。また、さらなる研究により、生命発生前の初期惑星環境で、どのよう...初期の火星では有機物は生命活動ではなく大気中の一酸化炭素から作られていた!?生命探査における有機分子の由来特定に役立つかも

  • 生命と大気の両方を保護している地磁気は37憶年前に存在していた

    地球は固有の強い磁場(地磁気)を持つ天体の一つです。この地磁気は、陸上に棲む多くの生物にとって欠かせない存在で、地球誕生から徐々に強くなっていったと考えられています。ただ、その正確な時期はよく分かっていませんでした。今回の研究では、グリーンランドから産出した極めて古い岩石を調査。その結果、この岩石から約37億年前の地球に地磁気が存在していた証拠を見つけています。このことは、最も古い時代の地磁気の証拠になるもの。また、その強度は現在と比べてもそれほど弱くない値なので、地磁気の形成や、古代の生命がどのように進化し、数を増やしたのかを探る上でも重要な発見になるようです。この研究は、マサチューセッツ工科大学のClaireI.O.Nicholsさんたちの研究チームが進めています。図1.有害な太陽風を遮断する地磁気は...生命と大気の両方を保護している地磁気は37憶年前に存在していた

  • 新星爆発が生命にとって必須元素のリンを桁違いに多く供給していた? 超新星起源説では説明できないリン元素の化学進化

    遺伝子を合成するのにリンは不可欠な元素です。そのリンは、一体宇宙のどこで作られるのでしょうか?この疑問について、これまで私たちは明確な答えを持っていませんでした。今回の研究では、白色矮星の中で最も重い星の表面で生じる爆発によって、大量のリンが合成されることを突き止めています。さらに、その爆発頻度、つまり宇宙へのリンの供給率も分かってきました。46憶年前の太陽系誕生時は、現在よりもリンの要求率は高かったことようです。この研究は、国立天文台JASMINEプロジェクト辻本拓司助教、西オーストラリア大学国際電波天文学研究センター戸次賢治教授たちの国際共同研究チームが進めています。本研究の成果は、アメリカの天体物理学雑誌“アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ”オンライン版に、“PhosphorousEnrich...新星爆発が生命にとって必須元素のリンを桁違いに多く供給していた?超新星起源説では説明できないリン元素の化学進化

  • 生物が存在する惑星は緑色とは限らない? 赤色矮星を公転する系外惑星に存在する光合成生物を考えてみる

    宇宙から地球を見ると、植物に広く覆われた陸地が緑色に見えます。この緑色は、植物の光合成を支えるクロロフィル(Chlorophyll、葉緑素)と呼ばれる物質と関係があります。植物の葉などに含まれているクロロフィルは、太陽光を吸収する役割を果たしています。でも、緑色の光は吸収されにくく、葉から漏れ出た緑色光を私たちの目がとらえることで植物は緑色に見えています。図1.NASAの宇宙天気観測衛星“DSCOVR(ディスカバー)”の光学観測装置“EPIC”で2024年5月5日に撮影された地球。(Credit:NASAEPICTeam)それでは、植物のように光合成を行う生物が繫栄している太陽系外惑星(系外惑星)も緑色に見えるのかというと、そうとは限らないようです。今回の研究では、光合成生物が存在する系外惑星の色が、地球...生物が存在する惑星は緑色とは限らない?赤色矮星を公転する系外惑星に存在する光合成生物を考えてみる

  • 質量や大きさ、周囲の環境が違っても、ガス供給やジェットの放出などの物理過程は超大質量ブラックホール間で普遍的なのかも

    今回の研究では、天の川銀河の中心に潜む超大質量ブラックホール“いて座A*(エースター)”のごく近傍で、電波の偏光をとらえることに成功。新たに得られた偏光の画像からは、ブラックホールの縁から渦巻状に広がる整列した強い磁場が発見されました。この磁場構造は、M87銀河の中心にある超大質量ブラックホールと驚くほど似ていて、強い磁場がすべてのブラックホールに共通して見られる可能性を示唆しています。さらに、この類似性は、“いて座A*”に隠されたジェットがある可能性も示唆しているようです。この研究は、国際研究チーム“イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション”が進めています。本研究の成果は、2024年3月27日付でアメリカの天体物理学雑誌“AstrophysicalJournalLetters”に掲...質量や大きさ、周囲の環境が違っても、ガス供給やジェットの放出などの物理過程は超大質量ブラックホール間で普遍的なのかも

  • カール・セーガンは30年前に異星人探しの実験をしていた! 木星探査機“ガリレオ”の観測データを用いた地球上の生命発見

    1989年10月のこと、NASAの木星探査機“ガリレオ”が打ち上げられました。“ガリレオ”は木星に到達するのに十分な速度を得るため、まず太陽系内を何度か周回し、地球や金星をフライバイ(※1)して加速する必要がありました。※1.探査機が、惑星の近傍を通過するとき、その惑星の重力や公転運動量などを利用して、速度や方向を変える飛行方式。燃料を消費せずに軌道変更と加速や減速が行える。積極的に軌道や速度を変更する場合をスイングバイ、観測に重点が置かれる場合をフライバイと言い、使い分けている。図1.NASAの木星探査機“ガリレオ”が600万キロ離れた場所から見た地球と月。(Credit:NASA)フライバイを行ったとき、ガリレオは本来の目的である木星探査に先立って地球を観測しています。その観測でカール・セーガン(※2...カール・セーガンは30年前に異星人探しの実験をしていた!木星探査機“ガリレオ”の観測データを用いた地球上の生命発見

  • やっぱり月面から飛び出した破片? 地球を周回しているように見える準衛星“カモオアレワ”を生み出したクレーターを特定

    469219番小惑星“カモオアレワ(Kamooalewa)”(※1)、は見た目は地球の周囲を公転しているように見える“準衛星(Quasi-satellite)”の一つです。その公転軌道や表面の物質の観測結果が示しているのは、カモオアレワが普通の小惑星よりも月に類似していること。このことから、カモオアレワが月の破片だという証拠探しが行われています。今回の研究では、カモオアレワのような破片が月の表面から飛び出すには、どのような条件が必要かをシミュレーションで解析しています。その結果分かってきたのは、数百万年前に直径10~20キロのクレーターを作るような天体衝突が、カモオアレワのような準衛星軌道を持つ小惑星を飛び出させるということでした。これほどの直径と若さを持つクレーターはジョルダーノ・ブルーノしかないので、...やっぱり月面から飛び出した破片?地球を周回しているように見える準衛星“カモオアレワ”を生み出したクレーターを特定

  • ブラックホールの大きさを測るには? 光でも逃げ出せなくなる境界“事象の地平面”までらしいです

    ブラックホールについての記事などを読むと、ブラックホールの大きさは“太陽の○倍の質量”というように、質量で表されているのを見ることが多いと思います。例えば、私たちが住む地球が属している天の川銀河の中心には、“いて座A*(いてざエースター)”という超大質量ブラックホールが存在していて、その質量は太陽の約400万倍の質量を持っていると考えられています。とても大きそうだということは何となく分かりますが、半径でいうとどれくらいになるのか想像は付きませんね。Credit:NASA’sGoddardSpaceFlightCenter;background,ESA/Gaia/DPAC重力で潰れたコンパクトな天体太陽のおよそ8倍以上の質量を持った恒星が、進化の最終段階で鉄の中心核を作ると、鉄は宇宙で最も安定した元素なので...ブラックホールの大きさを測るには?光でも逃げ出せなくなる境界“事象の地平面”までらしいです

  • 火星ミッションで食料を賄う農業は可能か? フランスの研究グループが可能性を探る探査車“AgroMars”を提案

    2016年に日本でも上映された映画“オデッセイ(原題はTheMartian(火星の人))”では、マットデイモン演じる宇宙飛行士マーク・ワトニーが火星に一人取り残されて、ジャガイモを栽培しながらサバイバルを続けるシーンがあります。NASAでは、2040年までに火星への最初の有人飛行を実現するとしていますが、このような長期ミッションでは克服すべき課題がいくつかあります。その一つが、火星滞在中の食料をどう確保するのかという問題です。もちろん、最初の有人探査では、必要となる物資は地球から運搬することになるはずです。では、続けて行われる火星での長期滞在ミッションでも、物資は地球から運搬されるのでしょうか?やはり、火星ミッションでの生活に必要な物資は、一部でも火星で賄う必要があるはずです。今回の研究では、火星で農業を...火星ミッションで食料を賄う農業は可能か?フランスの研究グループが可能性を探る探査車“AgroMars”を提案

  • 観測開始は2025年! 標高5640メートルの山頂に大型赤外線望遠鏡TAOが完成

    日米欧で運営される電波望遠鏡群“アルマ望遠鏡”の建設地として知られる南米チリのアタカマ砂漠。この砂漠にそびえるチャナントール山の山頂(標高5640メートル)に、標高世界一の天文台として建設された“東京大学アタカマ天文台(TAO;TheUniversityofTokyoAtacamaObservatory)”があります。この天文台に、口径6.5メートルの大型赤外線望遠鏡(TAO望遠鏡)のエンクロージャ(望遠鏡など機械設備一式を格納した筐体)を含めた山頂施設が完成したことを、5月1日に東京大学が発表しました。図1.南米チリのアタカマ砂漠にそびえるチャナントール山。その山頂に建設されたTAO天文台の観測ドーム。(Credit:東京大学TAOプロジェクト)標高5640メートルの山頂に作られた赤外線望遠鏡東京大学ア...観測開始は2025年!標高5640メートルの山頂に大型赤外線望遠鏡TAOが完成

  • 小惑星リュウグウから回収した試料の表面に太陽系の磁場情報を記録した新しい組織を発見

    今回の研究では、探査機“はやぶさ2”が小惑星リュウグウから回収した試料の表面を詳細に調査しています。その結果、“マグネタイト(磁鉄鉱)”(Fe3O4)粒子が還元して非磁性となった、似た構造の木苺状組織を発見し、“疑似マグネタイト”(疑似Fe3O4)と命名しています。さらに、それを取り囲むように点在する渦状の磁区構造を持った多数の鉄ナノ粒子からなる新しい組織も同時に発見したそうです。今回の研究は、“はやぶさ2”の初期分析チームである“石の物質分析チーム”にょる初期分析の一環として行われました。この研究は、北海道大学低温科学研究所の木村勇気教授、ファインセラミックセンターの加藤丈晴主席研究員、同・穴田智史上級研究員、同・吉田竜視上級技師、同・山本和生主席研究員、日立製作所研究開発グループの谷垣俊明主任研究員、...小惑星リュウグウから回収した試料の表面に太陽系の磁場情報を記録した新しい組織を発見

  • NASAの火星小型衛星ミッション“EscaPADE”はブルーオリジンの大型ロケット“ニューグレン”初号機に搭載され打ち上げへ

    EscaPADE(EcapeandPlasmaAccelerationandDynamicsExplorers)は、火星を周回する軌道に2機の探査機を投入し、火星を取り巻く磁気圏などを観測するミッションです。このミッションにより様々なデータを得ることで、太陽風が火星の磁気圏に与える影響などが理解できる見込み。簡単に言えば、太陽風が火星の大気をどのように吹き飛ばし、火星の気候を変えてしまったのかが分かってくるはずです。2機の探査機はRocketLabが開発し、大きさは冷蔵庫ほど、燃料込みの重さは約120キロとなり、打ち上げは9月29日が予定されています。この2機の探査機を打ち上げるのが、ブルーオリジン社の新型ロケット“ニューグレン(NewGlenn)”です。ニューグレンは、直径7メートルの2段構成で全長82...NASAの火星小型衛星ミッション“EscaPADE”はブルーオリジンの大型ロケット“ニューグレン”初号機に搭載され打ち上げへ

  • 中性子星の自転が突然速くなる現象“グリッチ”の起源を探る! 中性子星内部の量子流体による量子渦に着目

    今回の研究では、中性子星の内部の量子流体(※1)が導く巨大な量子渦ネットワークの持つ統計性を、世界で初めて発見しています。※1.量子流体(超流動体ともいう)は、20世紀初めに冷却したヘリウムで発見された量子的な状態。量子流体は揃っている位相を持つので抵抗を持たない(粘性がない)流体という興味深い性質を持つ。類似的な状態として金属の超伝導(電荷もつ量子がつくる量子流体)があり、そちらは電気抵抗がゼロで電流が流れるので、応用上非常に重要。中性子星の量子流体は、Migdal(1960年)や玉垣‐高塚ら(1970年頃)による先駆的な研究を初めとして、現在も世界中でかっぱすに研究されている。中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が、一生の最期に大爆発した後に残される宇宙で最も高密度な天体です。原子から構成される恒...中性子星の自転が突然速くなる現象“グリッチ”の起源を探る!中性子星内部の量子流体による量子渦に着目

  • 観測史上最も明るいガンマ線バーストの正体は普通の超新星爆発だった! なぜ生成されるはずの重元素が見つからないのか

    短時間に高エネルギーのガンマ線を放出する、宇宙で最も高エネルギーな天文現象の1つが“ガンマ線バースト”です。2022年に観測されたガンマ線バースト“GRB221009A”は、観測史上最も明るいガンマ線バーストとして天文学者の注目を集めました。このガンマ線バーストについては、どうしてこれほど明るいのかという議論が生じ、中には既存の物理学では説明できない現象が起きているとする説もあります。今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて“GRB221009A”の残光を観測。その正体が、特徴がない普通の超新星爆発(II型超新星)だったことを突き止めています。ただ、発生源が普通の現象だったと判明した一方で、新たな謎も生じているんですねー超新星爆発は鉄よりずっと重い元素を生成すると考えられてきましたが、特徴がな...観測史上最も明るいガンマ線バーストの正体は普通の超新星爆発だった!なぜ生成されるはずの重元素が見つからないのか

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