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  • 地球に似た惑星を見つけた場合、そこには恐竜並みに大きな生物がいる!? 恐竜がいた頃の地球は見つけ易いようです

    現在、地球の酸素濃度は21%です。でも、過去の地球の酸素濃度は様々な値に変化していました。仮に過去の地球と似た環境を持つ太陽系外惑星(系外惑星)を観測した場合、どのような観測データが得られるのでしょうか?特に注目されるのは、“バイオシグネチャー”(※1)に関連した大気分子を見つけられるかどうかです。※1.惑星を外部から観測したときに、生命が存在することの証拠と考えられる指標となるデータを示す。惑星大気中に酸素、オゾン、メタンなどの存在を示す証拠が一般的である。今回の研究では、地球に大型の生物が出現した“顕生代”の期間にほぼ等しい、5億年間の大気組成をシミュレーション。望遠鏡で大気の観測を行った場合の観測データを推定しています。その結果、分かったのは、酸素濃度が大幅に高かった今から3億年前~1億年前までの期...地球に似た惑星を見つけた場合、そこには恐竜並みに大きな生物がいる!?恐竜がいた頃の地球は見つけ易いようです

  • 誕生から約21億年しか経っていない時代の宇宙に棒渦巻銀河を発見! 銀河には考えられていたより数倍も速い形成過程があるのかも

    天の川銀河の中心部は、恒星が棒状に集まった構造をしています。このような構造を持つ銀河は“棒渦巻銀河”と呼ばれています。シミュレーションによると、棒渦巻銀河の形成には数十億年かかると考えらています。ただ、今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測データから、誕生から約21億年しか経っていない時代の宇宙に、棒渦巻銀河“ceers-2112”を発見しているんですねー分析から分かってきたのは、“ceers-2112”が10億年以内に棒渦巻銀河になった可能性があることでした。これは棒渦巻銀河に留まらず、様々な銀河の構造形成過程の理論を書き換える可能性のある発見になるようです。この研究は、スペイン宇宙生物学センター(CAB)のLucaCostantinさんたちの研究チームが進めています。図1.天の川銀河との類...誕生から約21億年しか経っていない時代の宇宙に棒渦巻銀河を発見!銀河には考えられていたより数倍も速い形成過程があるのかも

  • 約22光年先の系外惑星“LTT 1445Ac”は地球サイズで岩石質だった! ハッブル宇宙望遠鏡による観測で分かったこと

    今回の研究では、ハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測データを元に、約22光年先に位置する太陽系外惑星“LTT1445Ac”の直径を算出しています。“LTT1455Ac”は、NASAのトランジット惑星探査衛星“TESS(TransitingExoplanetSurveySatellite)”の観測によって発見された系外惑星でした。推定される“LTT1445Ac”の直径は地球の約1.07倍、岩石質の惑星のようです。この研究は、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)のEmiluPassさんを筆頭とする研究チームが進めています。研究成果をまとめた論文は“TheAstronomicalJournal”に掲載されました。図1.赤色矮星“LTT1445A”の手前を通過する系外惑星“LTT1445Ac”のイメージ...約22光年先の系外惑星“LTT1445Ac”は地球サイズで岩石質だった!ハッブル宇宙望遠鏡による観測で分かったこと

  • 高温のガスでできている太陽の直径はどうやって測るのか? 正確な直径算出は困難だけど今回は太陽の振動に基づいて算出

    太陽の直径はどのくらいあるのでしょうか?太陽の直径は測定することが困難なので、過去に様々な値が提唱されています。今回の研究では、太陽の直径を初めて“pモード”と呼ばれる太陽の振動に基づく計算を行い、太陽の直径を139万1560キロと算出しています。これは、光学的に直接観測された値よりわずかに小さいもの。一方、太陽の振動に基づく、これまでの手法の計算値よりわずかに大きな値でした。この研究は、東京大学の高田将郎さんとケンブリッジ大学のDouglasOwenGoughさんの研究チームが進めています。図1.2018年2月1日に撮影された太陽。太陽の直径は視覚的な太陽の縁と一致する光学的深さ基づいて定義されているが、測定方法によって異なる値が算出されている。(Credit:NASA,GSFC&SolarDynami...高温のガスでできている太陽の直径はどうやって測るのか?正確な直径算出は困難だけど今回は太陽の振動に基づいて算出

  • 恒星のすぐ近くを公転する惑星は大気観測に適している! 二酸化硫黄とケイ酸塩の存在が示す光化学反応と高温で強い大気循環

    恒星からの熱で膨張している系外惑星“WASP-107b”は、大気組成を詳細に観測しやすい太陽系外惑星の1つと言えます。今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて“WASP-107b”を観測。これまでで最も詳細な大気組成のデータを取得しています。注目すべき発見として、二酸化硫黄と砂粒の雲の検出や、メタンの不検出があり、これらは従来の惑星モデルを書き換えるものになるそうです。この研究は、パリ・シテ大学のAchrèneDyrekさんを筆頭とする国際研究チームが進めています。図1.恒星“WASP-107”からの熱で大気が膨張している系外惑星“WASP-107b”のイメージ図。(Credit:LUCASchoolofArts(Belgium)-KlaasVerpoest(visuals)&JohanVan...恒星のすぐ近くを公転する惑星は大気観測に適している!二酸化硫黄とケイ酸塩の存在が示す光化学反応と高温で強い大気循環

  • 素早く超大質量のブラックホールを作るには? 初期宇宙で見つかったブラックホールは巨大で濃密なガス雲の重力崩壊から生まれた

    ほとんどの銀河の中心には、太陽の100万倍から100億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが存在すると考えられています。ただ、超大質量ブラックホールの起源は多くの謎に包まれているんですねー長年の研究から、超大質量ブラックホールは小さなブラックホールが合体を繰り返すことで、形成されたとも考えられています。ただ、その“種”となる小さなブラックホールは、恒星の重力崩壊(※1)によって生じた軽いブラックホールという説と、初期の宇宙にあった巨大なガス雲の重力崩壊で生じた重いブラックホールという、2つの説が対立していました。太陽のおよそ8倍以上の質量を持った恒星が、進化の最終段階で鉄の中心核を作ると、鉄は宇宙で最も安定した元素なので、それ以上は核融合を行えなくなってエネルギーを作り出せなくなり、星は自身の重力を支えき...素早く超大質量のブラックホールを作るには?初期宇宙で見つかったブラックホールは巨大で濃密なガス雲の重力崩壊から生まれた

  • なぜ超大質量ブラックホールの近くに星が存在しているのか? この星は100億年以上の長い旅を経て他の銀河からやってきたようです

    今回の研究では、天の川銀河の超大質量ブラックホールの近くにある星を、すばる望遠鏡の補償光学と近赤外線装置を用いて観測。すると、この星が100億歳以上の年齢で、天の川銀河の近くにあった矮小銀河で生まれた可能性が高いことが分かりました。このことは、天の川銀河中心の超大質量ブラックホールの近傍(1秒角以内)にある星が銀河の外で生まれた可能性を、初めて観測的に明らかにしたものになります。この研究を進めているのは、宮城教育大学、大同大学、和歌山工業高等専門学校、愛知教育大学、東北大学、早稲田大学、国立天文台などの研究者によるチームです。研究成果は、“日本学士院紀要”の欧文報告“ProceedingsoftheJapanAcademy,Ser.B,PhysicalandBiologicalSciences”オンライン...なぜ超大質量ブラックホールの近くに星が存在しているのか?この星は100億年以上の長い旅を経て他の銀河からやってきたようです

  • 高速電波バーストよりも短い天体現象“超高速電波バースト”を検出! 電波の放出時間はわずか0.3マイクロ秒だった

    短時間に大量の電波パルスを発する“高速電波バースト(FRB;FastRadioBursts)”は、その正体やメカニズムなどに多くの謎があり、現在も研究が続いている天体現象です。今回の研究では、周期的な電波の放出が唯一観測されている高速電波バースト“FRB20121102A”の観測データを精査。すると、電波の放出時間が0.3~4マイクロ秒と、マイクロ秒単位(1マイクロ秒=100万分の1秒)のバーストを8回観測していたことが明らかになります。これは、これまでの高速電波バーストの10分の1未満の時間しか持続しない天体現象“超高速電波バースト(Ultra-FastRadioBursts)”の初めての観測事例でした。多くの謎を持つ高速電波バーストのメカニズムを解明するための重要な手掛かりになるようです。この研究は、...高速電波バーストよりも短い天体現象“超高速電波バースト”を検出!電波の放出時間はわずか0.3マイクロ秒だった

  • ブラックホール“いて座A*”は理論的な限界に近い速度で自転している! ある速度より速く自転すると存在出来なくなるようです

    ブラックホールの自転速度は、ブラックホール周辺の環境に影響する重要なパラメーターだと考えられています。なので、ブラックホールの自転速度を正確に算出することは重要なことになります。今回の研究では、天の川銀河中心部に存在する超大質量ブラックホール“いて座A*(エースター)”のX線および電波での観測データを分析。“いて座A*”の自転速度を表す回転パラメーターを0.90±0.06と算出しています。この速度は、ブラックホールの理論的な自転速度の上限にほぼ近い値になるようです。もし、この理論的な限界を超えた速度で自転すると、事象の地平面が消えてしまいブラックホールは存在出来なくなるようです。この研究は、ペンシルベニア州立大学のRuthA.Dalyさんたちの研究チームが進めています。図1.天の川銀河の中心部に存在する超...ブラックホール“いて座A*”は理論的な限界に近い速度で自転している!ある速度より速く自転すると存在出来なくなるようです

  • 史上初! 天王星で赤外線オーロラの観測に成功。高層大気や内部構造の解明への手掛かりになるかも

    太陽系の惑星の中では木星、土星に次いで3番目に大きな惑星が“天王星”です。天王星といえば、その自転軸の傾きがほぼ横倒しになっていることが大きな特徴ですが、磁軸の角度や位置に大幅なズレがあることで注目されている惑星でもあります。この奇妙な磁場の解明の手段として、“オーロラ”の観測が行われています。今回の研究では、史上初めて天王星の赤外線オーロラの観測に成功しています。このことは、天王星の高層大気や内部構造を調べる上で重要なデータになるようです。この研究は、レスター大学のEmmaM.Thomasさんたちの研究チームが進めています。図1.今回観測された赤外線オーロラの観測データを、実際の天王星の撮影画像に当てはめたもの。実際にこのように撮影されたわけではない。(Credit:UniversityofLeices...史上初!天王星で赤外線オーロラの観測に成功。高層大気や内部構造の解明への手掛かりになるかも

  • 木星の赤道付近に強いジェット気流を発見! 濃い霧の中でも雲を見つけるジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の高い赤外線感度の活用

    地球のおよそ10倍の直径を持つ巨大ガス惑星の木星では、大気の流れが帯状の雲の流れを作っています。ただ、木星の縞模様や目玉のような大赤班といった、特徴的な模様を作り出す大気については未だに謎が多いんですねーこのような特徴的な模様を作り出す大気を観測することは、木星の謎を解き明かすことにつながると同時に、様々な天体の大気循環を知ることにも役立ったりします。今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて赤外線領域での木星における大気の循環を観測。その結果、赤道付近でこれまで知られていなかった風速140m/sのジェット気流を新たに発見しています。このことは、木星の大気循環に対するこれまでの理解が、まだ完全でないことを示唆する新しい発見になるそうです。この研究は、バスク大学のRicardoHuesoさんたちの...木星の赤道付近に強いジェット気流を発見!濃い霧の中でも雲を見つけるジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の高い赤外線感度の活用

  • 謎の天体現象“高速電波バースト”はマグネター表面の星震で発生している? 地震とよく似ている高速電波バーストの発生メカニズム

    短時間に大量の電波パルスを発する“高速電波バースト(FRB;FastRadioBursts)”は、その正体やメカニズムなどに多くの謎があり、現在も研究が続いています。今回、東京大学が発表したのは、中性子星で発生している可能性のある謎の天体現象“高速電波バースト”の謎を解明したこと。高速電波バーストの統計的性質を調べることで、地球の地震と性質が酷似した“余震”が起きていることを発見しています。この成果は、東京大学大学院理学系研究科の戸谷友則教授たちの研究チームによるもの。詳細は、英国王立天文学会が刊行する天文学術誌“MonthlyNoticesoftheRoyalAstronomicalSociety”に掲載されました。図1.中性子星/マグネターのイメージ図。(Credit:ESO/L.Calçada(出所...謎の天体現象“高速電波バースト”はマグネター表面の星震で発生している?地震とよく似ている高速電波バーストの発生メカニズム

  • 太陽系外縁天体の偏った軌道はダークマターが無くても修正ニュートン力学で説明できる!? 未発見の第9惑星の存在は不要かも

    正体不明の“ダークマター”(※)を仮定せずに宇宙の重量の謎を説明できるとされる“修正ニュートン力学”は興味深い仮説ですが、あまり多くの支持を受けていません。※.ダークマターは暗黒物質とも呼ばれ、光などの電磁波では観測することができず、重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる物質。特に、恒星や銀河程度のスケールと比べて距離が短い太陽系程度のスケールにおける修正ニュートン力学の効果は、これまでに説明されたことがありませんでした。今回の研究では、修正ニュートン力学の下で、太陽系外縁天体の公転軌道のシミュレーションを実施し、軌道に偏りが生じたことを明らかにしています。そう、太陽系外縁天体の偏った軌道を未発見の第9惑星“プラネットX”なしで説明できた訳です。このことは、短い距離における修正ニュートン力学の効果...太陽系外縁天体の偏った軌道はダークマターが無くても修正ニュートン力学で説明できる!?未発見の第9惑星の存在は不要かも

  • 本当に火星サイズの天体が原始の地球に衝突して月が形成されたのか? 地球と月のマントル組成を比較するため“SLIM”が月面着陸へ

    JAXAは、2023年9月7日に打ち上げた小型月着陸実証機“SLIM(SmartLanderforInvestigatingMoon)”について、2024年1月から2月の着陸予定としていました。現状、“SLIM”の運用が順調に実施できていることを踏まえ、月面着陸についての予定が発表されたんですねー“SLIM”は、2024年1月20日(土)の午前0:00頃(日本標準時)着陸降下を開始し、午前0:20(日本標準時)頃に月面に着陸。また、上記のタイミングで着陸を実施しない場合、次の着陸機会は2024年2月16日ころになる予定です。着陸に成功すれば日本初の月面着陸となり、世界でもアメリカ、旧ソ連(ロシア)、中国、インドに続く5か国目になります。“SLIM”は精度100メートル以内のピンポイント着陸を目標としていま...本当に火星サイズの天体が原始の地球に衝突して月が形成されたのか?地球と月のマントル組成を比較するため“SLIM”が月面着陸へ

  • カキオコと日生歩き

    毎年カキのシーズンになると訪れているプリプリのカキが入ったお好み焼きが楽しめる漁師町ぶらぶら散歩して楽しく過ごせたカキの養殖が盛んな漁師町のソウルフード日生は、岡山県の東端に位置する小さな漁師町カキの養殖が盛んで、岡山県産カキの5割以上を占めるカキの産地になっているその岡山県もカキの生産量は全国3位と立派漁港のあちこちにホタテの殻が積んであるその日生で、古くから愛されているソウルフードがカキオコ日生でカキの養殖が始まったのが50数年前のこと当時カキの剥き子さんたちが商品にならないカキを持ってきて、お好み焼きに入れたのが始まりなんだとか大阪と広島といった二大お好み焼き帝国に挟まれた岡山で生まれた絶品グルメ楽しみ方のこだわり瀬戸内の海岸線は冬のツーリングにオススメなコースなんだけどビールが飲めないのでバイクは...カキオコと日生歩き

  • なぜ、恒星“ASASSN-2lqj”は明るくなってから暗くなったのか? それは2つの巨大氷惑星による衝突を初めて観測でとらえた事例かも

    惑星に別の巨大な天体が衝突するという出来事は、惑星の誕生直後には頻繁に起きていたと考えられています。でも、それを直接観測した事例はこれまでありませんでした。今回の研究では、恒星“ASASSN-2lqj”の明るさの長期的な変化を観測。これにより、“ASASSN-2lqj”の周りで惑星同士の衝突が発生したと報告しています。この報告が正しい場合、地球の数倍~数十倍の重さを持つ2つの惑星が衝突した様子を、初めて観測によってとらえたことになります。この研究は、オランダ・ライデン大学のMatthewKenworthyさんたちの研究チームが進めています。図1.2つの巨大氷惑星が衝突した“ASASSN-2lqj”のイメージ図。(Credit:MarkGarlick)実は太陽系内での惑星同士の巨大衝突は珍しくなかった誕生し...なぜ、恒星“ASASSN-2lqj”は明るくなってから暗くなったのか?それは2つの巨大氷惑星による衝突を初めて観測でとらえた事例かも

  • 星の誕生メカニズムを解明する上で重要な発見! フィラメントの分裂で星の素になるガスの塊“分子雲コア”を形成している現場

    今回の研究では、長野県にある野辺山45m電波望遠鏡およびフランスにあるNOEMA電波干渉計を用いて、オリオン座にある星が生まれている場所(星形成領域)“NGC2024”(図1)に対して、分子からの放射“分子輝線”の詳細観測を行っています。すると、分子輝線のデータの詳細分析から得られる、円柱状の細長い構造“フィラメント”の内部のガスの動きから、明らかになったことがありました。それは、フィラメントが分裂することで、将来的に星を生む素となるガスの塊“コア”を形成していることでした。大部分の星は、このようなフィラメントを介して誕生します。なので、この分析結果は、星の誕生メカニズムを解明する上で、重要な手掛かりになるんですねーまた、観測の副産物として、分子輝線によりフィラメントの太さが異なることも明らかになったよう...星の誕生メカニズムを解明する上で重要な発見!フィラメントの分裂で星の素になるガスの塊“分子雲コア”を形成している現場

  • 長時間輝くガンマ線バーストに関連している? 光速に近い速度のプラズマの流れが赤道方向から外に飛び出す“相対論的刃”

    “ガンマ線バースト”は、宇宙で最も高エネルギーな現象の1つです。でも、代表的な謎の1つに、長時間持続するガンマ線バーストの発生メカニズムがあります。今回の研究では、恒星の崩壊時に赤道方向から激しいプラズマの流れが生じ、その過程で大量のエネルギーが放出されることを、シミュレーションにより突き止めています。この流れは光速に近い速度で運動し、恒星を切り裂くのに十分だと表現できることから、研究チームではこの現象を“相対論的刃(RelativisticBlades)”と呼んでいるようです。この研究は、ニューヨーク大学のMarcusDuPontさんとAndrewMacFadyenさんの研究チームが進めています。宇宙で最も高エネルギーな天文現象の1つ“ガンマ線バースト”の発生メカニズム短時間に高エネルギーのガンマ線を放...長時間輝くガンマ線バーストに関連している?光速に近い速度のプラズマの流れが赤道方向から外に飛び出す“相対論的刃”

  • 宇宙の膨張を考慮すると、同じ質量を持つ2つのブラックホールは互いに同じ距離を保つことで、区別がつかないことがある

    ブラックホールは質量・電荷・角運動量(自転)の3つのパラメータだけで表されるので、3つの値が同じブラックホールは区別することができません。これを“ブラックホール無毛定理(脱毛定理)”と呼びます。この定理は、ブラックホールを記述する“アインシュタイン方程式”は、パラメータを固定すると1つの答えしか出さないことを意味する“ブラックホール唯一性定理”にも繋がります。ただし、唯一性定理には例外があることも知られています。今回の研究では、宇宙の膨張を考慮した場合、同じ質量を持つ2つのブラックホールは、お互いに同じ距離を保ったまま静止することがあること、その状態を遠くから見ると1つのブラックホールを見ているようにも見えるので、ブラックホールが1つなのか2つなのか区別がつかないことを示しています。これは質量のパラメータ...宇宙の膨張を考慮すると、同じ質量を持つ2つのブラックホールは互いに同じ距離を保つことで、区別がつかないことがある

  • 惑星の形成はどのようにして始まるのか? アルマ望遠鏡が見つけた“のっぺり”とした円盤は惑星形成前夜の様子だった

    誕生したばかりの恒星(原始星)の周りに広がる、水素を主成分とするガスやチリからなる円盤状の構造。これを原始惑星系円盤と呼び、恒星の形成や円盤の中で誕生する惑星の研究対象となっています。今回の研究では、比較的若い原始星“おうし座DG”周りの原始惑星系円盤を対象に、アルマ望遠鏡による高解像度観測や多波長観測を行い、円盤の構造や惑星の材料となるチリの大きさ、量について詳細に調べています。すると、円盤はのっぺりとっしていて、惑星の痕跡がないことから惑星形成前夜の様子であることが判明します。さらに、チリが外側で大きく成長していたり、内側では通常よりチリの濃度が上昇していることも分かりました。惑星の形成は、どのように始まるのでしょうか?この研究では、その最初の一歩を明らかにしたようです。この研究は、国立天文台の大橋聡...惑星の形成はどのようにして始まるのか?アルマ望遠鏡が見つけた“のっぺり”とした円盤は惑星形成前夜の様子だった

  • 中性子星の強い磁場の下で光子に変換されたアクシオンを探せ! 暗黒物質の性質の多くの条件を満たす未知の素粒子

    宇宙には、光などの電磁波では観測することができず、重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる“ダークマター(暗黒物質)”が、普通の物質よりも多く存在することが分かってきています(※1)。※1.宇宙は正体不明の“ダークマター(26.8%)”と“ダークエネルギー(68.3%)”で満たされていて、身近な物質である“バリオン(陽子や中性子などの粒子で構成された普通の物質)”は、宇宙の中にわずか4.9%しか存在しないことが分かってきている。暗黒物質の正体は現在でも不明なんですが、未知の素粒子や、それらの素粒子が結合してできた複合粒子が有力な候補の1つとして長年考えられてきました。有力候補として長年挙げられている未知の素粒子“アクシオン(Axion)”は、もし見つかれば暗黒物質の正体を明らかにするだけでなく、現在...中性子星の強い磁場の下で光子に変換されたアクシオンを探せ!暗黒物質の性質の多くの条件を満たす未知の素粒子

  • なぜ小惑星リュウグウの見え方は宇宙と実験室で違うのか? “現地観測”と“サンプルリターン後の分析”の組み合わせで得られた成果

    JAXAの小惑星探査機“はやぶさ2”は、2020年12月に小惑星リュウグウ(162173Ryugu)のサンプルを地球に持ち帰ってきました。“はやぶさ2”が探査した“リュウグウ”は、NASAの“オシリス・レックス”が探査した小惑星“ベンヌ”と同じ有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含む“C型小惑星”と呼ばれる天体に分類されます。このような天体には、太陽系形成時の情報が残されていると考えられ、サンプルの分析から地球や生命の起源に迫る情報が得られると期待されています。今回の研究では、“はやぶさ2”がリュウグウを観測した可視光線に含まれる近赤外線の反射スペクトルと、実験室で測定したリュウグウ粒子の反射スペクトルとを比較。すると、小惑星リュウグウの反射スペクトルが、リュウグウで観測したデータと地球に持ち帰れたサンプ...なぜ小惑星リュウグウの見え方は宇宙と実験室で違うのか?“現地観測”と“サンプルリターン後の分析”の組み合わせで得られた成果

  • 2023年の“ふたご座流星群”は絶好の条件で観察できる! 1時間当たり70個を超える時間帯も!? 見ごろはいつ? どこを見ればいい?

    1月の“しぶんぎ座流星群”や8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多い“ふたご座流星群”がやってきます。2023年の“ふたご座流星群”は、12月15日4時頃に極大(※1)となり、この前後で流星群の活動がとても活発になると予想されています。※1.極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。12月13日が新月で月明かりの影響もなく、極大時刻にほど近い12月14日夜から15日明け方にかけては、とても多くの流星が観察できそうですよ。“ふたご座流星群”と放射点(2023年12月15日1時頃の...2023年の“ふたご座流星群”は絶好の条件で観察できる!1時間当たり70個を超える時間帯も!?見ごろはいつ?どこを見ればいい?

  • なぜ太陽系には灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”が存在しないのか? 時間の経過とともに恒星に飲み込まれて消滅してしまうようです

    太陽以外の恒星を公転する惑星として、観測史上初めて発見された惑星のタイプは“ホットジュピタ-”でした。ホットジュピターは、木星ほどの質量を持つガス惑星が、主星の恒星から極めて近い軌道(わずか0.015~0.5au程度:1天文単位auは太陽~地球間の平均距離)を、高速かつ非常に短い周期(わずか数日)で公転する天体。主星のすぐそばを公転し表面温度が非常に高温になるので、灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”と呼ばれていて、系外惑星の発見初期に多く見つかっていました。これまでに発見されている太陽系外惑星の多くを占めるホットジュピターですが、太陽はホットジュピターを持たない例外的な恒星の1つといえます。なぜ、太陽系にはホットジュピターが存在しないのでしょうか?今回の研究で突き止めているのは、太陽のような年齢の古い恒...なぜ太陽系には灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”が存在しないのか?時間の経過とともに恒星に飲み込まれて消滅してしまうようです

  • 120億光年も彼方の初期宇宙で赤ちゃん銀河同士の合体を発見! 秘訣は重力レンズ効果とジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の組み合わせ

    国際プロジェクト“CAnadianNIRISSUnbiasedClusterSurvey(CANUCS)”では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡(※1)を用いた観測により、初期宇宙において“赤ちゃん銀河”同士が合体、急成長している現場を発見しています。この成果は、京都大学大学院理学研究科の浅田喜久大学院生、アメリカ・セントメアリーズ大学大学院理学研究科のSawickiMarcin教授たちの国際共同研究チームによるもの。京都大学により9月28日に発表されています。詳細は、英国王立天文学会が刊行する天文学術誌“MonthlyNoticesoftheRoyalAstronomicalSocietyLetters”に掲載されました。※1.ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAが中心になって開発した口径6.5メート...120億光年も彼方の初期宇宙で赤ちゃん銀河同士の合体を発見!秘訣は重力レンズ効果とジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の組み合わせ

  • 恒星に対して大きすぎる系外惑星を発見! 超低温矮星では原始惑星系円盤の質量やサイズが小さいので巨大惑星は形成されないはず

    恒星のサイズに対して大きすぎる太陽系外惑星を発見したとする研究が、アメリカのペンシルベニア州立大学などの研究チームにより発表されました。この研究で見つけているのは、太陽の9分の1の質量を持つ低温の超低温矮星“LHS3154”を、3.7日で周回する地球の13倍以上の質量を持つ惑星“LHS3154b”。両者の質量比は、太陽と地球の質量比の100倍以上もありました。惑星は、若い恒星(原始星)を取り巻く原始惑星系円盤の中で形成されると考えられています。惑星形成モデルによると、小さくて温度も低い超低温矮星では原始惑星系円盤の質量およびサイズが小さいので、これほど巨大な惑星が形成されることは予想されていませんでした。“LHS3154”で発見された巨大惑星の場合だと、観測から推定された惑星の重い核は、モデルが予測するよ...恒星に対して大きすぎる系外惑星を発見!超低温矮星では原始惑星系円盤の質量やサイズが小さいので巨大惑星は形成されないはず

  • 月の表面に存在する微量の水、供給源は太陽風以外にもあった! 地球由来の高エネルギー電子による水生成プロセス

    地球の衛星“月”は、大気のない非常に乾燥した天体です。でも、月の表面には微量の“水”(※1)が存在することが分かっていて、その主な起源は“太陽風”にあると考えられています。今回の研究で言う“水”は、通常の水分子(H2O)だけでなく鉱物と結びついた形で存在する水酸基(OH)を含む。ただ、太陽風が遮断される地球磁気圏の尾部を、月が通過しているときに水の蒸発が観測されていないことは、月面の水に関する大きな謎として残されていました。今回の研究では、インド宇宙研究機関(ISRO)が打ち上げた月探査機“チャンドラヤーン1号”の観測データから、太陽風が遮断される地球磁気圏の尾部を通過中でも、月面で水が生成されていることを突き止めています。この観測結果は、月面の水の主要な供給源に、地球由来の高エネルギー電子が加わる可能性...月の表面に存在する微量の水、供給源は太陽風以外にもあった!地球由来の高エネルギー電子による水生成プロセス

  • 発泡スチロール並みに低密度な巨大ガス惑星“TOI-1420b”を発見! 大きさは木星とほぼ同じなのに質量が木星の約8%しかない理由とは

    惑星の大きさと質量から求められる惑星の密度(平均密度)は、惑星に軽い物質が多く含まれるほど低く、中には“土星”のように水よりも低い値となる場合もあります。さらに、太陽以外の恒星を公転する惑星“太陽系外惑星(系外惑星)”の中には、恒星からの熱による膨張で、さらに密度が低くなっているものもあるんですねーそこで気になるのは、惑星の密度はどこまで低くなることが可能なのかということ。今回の研究では、NASAのトランジット惑星探査衛星“TESS”が観測した直径と質量の値をもとに、系外惑星“TOI-1420b”の平均密度を算出。すると、“TOI-1420b”の平均密度が1立方センチ当たり0.082gという、低密度な発泡スチロールとほぼ同じ値だということが分かりました。“TOI-1420b”の年齢が古いことを考慮すると、...発泡スチロール並みに低密度な巨大ガス惑星“TOI-1420b”を発見!大きさは木星とほぼ同じなのに質量が木星の約8%しかない理由とは

  • 2種類の増光現象の間をつなぐミッシングリング? 太陽に似た恒星から比較的小さな銀河中心ブラックホールが繰り返し物質を剥ぎ取っている現象を発見

    今回見つかったのは、巨大ブラックホールを公転する恒星が、約25日ごとに物質を剥ぎ取られて強いX線を放射する現象でした。恒星が1回の接近で奪われる質量は、地球3個分にも相当するそうです。この研究は、イギリス・レスター大学のPhilEvansさんを中心とする研究チームが進めています。約25日ごとに繰り返す明るいX線の放射2022年6月22日のこと、NASAのガンマ線バースト観測衛星“ニール・ゲーレルス・スウィフト(旧称スウィフト)”が、さんかく座の方向約5億2000万光年彼方に位置する銀河“2MASXJ02301709+2836050”の中心近くでX線の突発的な増光を検出しました。このX線源には“SwiftJ023017.0+283603”という名前が付けられ、ただちに追観測が行われています。当初、“Swif...2種類の増光現象の間をつなぐミッシングリング?太陽に似た恒星から比較的小さな銀河中心ブラックホールが繰り返し物質を剥ぎ取っている現象を発見

  • 月の氷は予想より少なめ!? クレーターの永久影が思っていたより若かったので初期にもたらされた水の氷は埋蔵されていないようです

    月の南極にあるシャクルトン・クレーターとその周辺。NASAの月探査機“ルナー・リコネサンス・オービター”に搭載されている光学観測装置“LROC”で取得した月面の画像と、韓国航空宇宙研究院(KARI)の月探査機“タヌリ(KPLO)”に搭載されているNASAの観測装置“ShadowCam”で取得したシャクルトン・クレーター内部の画像を組み合わせて作成。(Credit:MosaiccreatedbyLROC(LunarReconnaissanceOrbiter)andShadowCamteamswithimagesprovidedbyNASA/KARI/ASU))画像は、月の南極にあるシャクルトン・クレーター(Shackleton、直径約21キロ)とその周辺の様子。NASAの月探査機“ルナー・リコネサンス・オー...月の氷は予想より少なめ!?クレーターの永久影が思っていたより若かったので初期にもたらされた水の氷は埋蔵されていないようです

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