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ブロガー、アフィリエイター、ライター。マルチクリエイター目指し楽しく生る。 興味の範囲が広がれば人生は面白い。 戸籍制度により60歳になりましたが、死ぬまで30歳。 楽しく生る方法、一緒に探しましょう。

マサ セイコウ
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2019/04/30

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  • 超ショートショートの不思議な世界 理想の住まい

    「理想の住まい」 「やはり都心のマンションがいいよね、夢は高層マンション」「高層マンションって高層階になればなるほど住んでみると何かと不便で不安なところもあるらしいから、高級住宅街の低層マンションなんかが住めたら最高だよな」「いやいや、都心から少し離れても、郊外の広い一戸建てだよ。ゆとりある暮らしがしたいと思わないかい」「みんな知らないのかい、そんなの危険が大きすぎる。そのような物件は最近清潔で住みにくくなっているんだ。やっぱり狭くても独身一人暮らしのあまり掃除されていない部屋が最高だよ」 都会の下水溝の壁に張り付きながら会話しているゴキブリたちでした。

  • 超ショートショートの不思議な世界 ガラポン

    「ガラポン」 商店街で見つけたリュックサック、かっこいいなぁ。 でも三万円もするんじゃ、今の僕にはとてもじゃないが手が出ない、夢のまた夢か。 そんな時、商店街の夏の大感謝祭で福引券ゲット、商品にあのかっこいいリュックサックがあるじゃないか。 よし、ここは一発当ててやるぞ。 祈りを込めてガラポンを回す。 銀の玉出てくれ、ガラガラポン! 赤い球、続いてまた赤い球、残りあと一つ。 ガラガラ、ポトリ、あっ、金の球かぁ、がっかりだよ。「カランカランカラン、大当たりが出ました。金賞は商店街で使える五万円の商品券です、お兄さんおめでとうございます」 あーあ、僕の欲しかったのは銀賞のあの三万円のリュックサック…

  • 超ショートショートの不思議な世界 ツチノコ遭遇

    「ツチノコ遭遇」 ツチノコを前にして、俺たちはにらみ合っていた。 ついに発見したツチノコ。 すでにブームは過ぎ去ってしまっていたが、日本国内のUMA発見に人生の全てを掛けている俺は、現在もツチノコに関する情報を集め捕獲することに執念を燃やし続けているのだ。 そして今日、長年の苦労が報いられる時が来た。 以前目撃情報のあった山中で、念願のツチノコを発見したのだ。 装備は完璧、捕獲は問題ないと思われたのだが、突然思わぬ強敵が現れた。 そいつも間違いなくツチノコを狙っていた。 俺たちはツチノコを挟んでにらみ合う。 相手は俺にこのチャンスを譲る気持ちなど全くなさそうだ。 俺にしたって相手に譲る気持ちな…

  • 超ショートショートの不思議な世界 子供たち

    「子供たち」 私はミュージシャンとして、血のにじむような努力を重ねて今の地位を築いた。 そして金も名誉も手に入れた。 だが、これらはいくらあっても物足りない。私はまだまだのし上がり、誰もがうらやむ存在になりたいのだ。 そのためだったら何でもやる。 そんな私のところに曲を作ってほしいと依頼が来た。 世界の子供たちを救済するための曲。 願ってもない依頼じゃないか、これで私の知名度は世界的なものになるだろう。 曲ができ、まずは私が歌ってみる。素晴らしい出来栄えだ、世界的大ヒットは間違いない。 本番は、世界各国からオーディションで集められた子供たちが歌う。 ところが、子供たちがいくら練習しても心に響く…

  • 超ショートショートの不思議な世界 ヒーローの時代

    「ヒーローの時代」 僕はどうしてもヒーローになりたかった。 この世の悪を倒して平和を守り、子供たちに夢を届けるのだ。 現実問題、そのようなことを周りの人に話してもバカにされるだけだ。 テレビや漫画の見過ぎだとか、幼稚な夢だ、もう少し大人になれよとか。 ある日僕は悪者に襲われ殺されそうになって物陰で震えている親子を見つけ、とっさに助け出すことに成功した。 その日から、僕は平和を守る本当のヒーローになることを決心したのだ。 ヒーローとして危険な場所を毎日見回り、おびえている子がいれば助け出した。 平和のために毎日働き続けることにより、少しずつではあるが人々も僕のヒーローとしての活躍を認めてくれるよ…

  • 超ショートショートの不思議な世界 空を飛びたい

    「空を飛びたい」 僕は空を飛んでみたいと思い続けていた。勉強している時とか何かに集中しなければならないときに、特にこの気持ちが強くなる。それだけ僕の飛びたいという願望が強い証拠なのだ。これだけ強い気持ちを持ち続けてきたのだから、絶対に空を飛べるはず。 僕は実行してみようと決心した。 よく晴れた日の午後、僕は大空を見つめて深呼吸。思い切り地面を蹴って飛び上がった。 体が軽くなり、全身に風を受ける。見事に飛ぶことに成功したのだ。 見下ろすと、遥か彼方ですっかり小さくなってしまった僕が手を振っている。 えっ、そうすると今、空を飛んでいるこの僕って? 僕の中にはもう一人の僕がいて、そいつはいつも空を飛…

  • 超ショートショートの不思議な世界 霊体離脱

    「霊体離脱」 今の世の中、うかうか霊体離脱もできなくなってしまったよ。 この間久しぶりに霊体離脱をしたんだ。 そう、昼寝をしている最中にね。 フワッと体が浮き上がる感じがして、眼下に寝ている僕が見える。 もう少し上空に浮き上がってみようかなと思った瞬間、昼寝している僕の目が開いて起きだし動き始めたんだ。 えっ、マジ? 驚いて僕は後を追っかけたよ。 目覚めた僕は、普段と変わらない生活を始めた。 僕の魂はここにあるのに、僕の体は一体だれが動かしているんだ、って思った時、僕の体は空中に浮かんでいる僕を見つけて思いっきりアカンベーをしたんだ。 誰かが僕の体を乗っ取って僕に成りすましちゃったんだ。悪さを…

  • 超ショートショートの不思議な世界 校舎

    「校舎」 その場所に小学校の校舎が建っている。 ずっと昔から建っている。 校舎が建ったばかりの時には子供たちの声で活気づいていた。 時と共に子供の数は減り、校舎から子供たちの声は消えてしまった。 周囲には住む人もいなくなった。 それでも校舎は建っていて、時より廊下を走る座敷童の姿が見られた。 さらに時は流れて、校舎はダム湖の底に沈んだ。 それでも崩れることなく建っている。 湖底で人目に触れることのなくなった校舎を、今は魚たちが使っている。 そして、たまに河童の子供たちも遊びにやってくる。 校舎って、そんな場所なんだよね。

  • 超ショートショートの不思議な世界 社会の法則

    「社会の法則」 最近手先が不器用になったと思っていたら、いつの間にか右手の指が七本になっていた。 座り難くなったと思ったら、尻尾がはえていたし。 やたらとお腹がすくと思ったら、どうやらもう一つ胃袋ができてしまったらしい。 最近体中に余分なものができて、思うように活動できなくなってきた。 周りを見渡すと、僕だけのことではないみたいだ。 どうして余分なものが体に増えてきたのだろう。 そう思いつつ、今日も会社に出勤する。 会社での僕の仕事って、本当に会社の役に立っているのかな。 僕の勤めている会社って、本当に社会に必要とされているのだろうか。 でもさ、沢山の役に立たないものや余分なものが沢山あるから…

  • 超ショートショートの不思議な世界 見極めてから

    「見極めてから」 地図の上から突然アメリカが消えた。 続いてロシア、EU諸国。 次々といろんな国が消えていく。 アフリカ大陸もなぜかそわそわし始めた。 日本はというと、こんな事態になってもじっと動かない。周辺諸国の状況を見極めてということらしい。 しかし、その周辺諸国も消えてしまった。 もうそろそろ起こるらしいと感じた国、はすでにいなくなってしまった。 現在、地球上には日本が存在するだけ。 これでは周辺諸国の動きを見極めようにも見極めるための国がない。 いつになったら動くのだろう、日本。

  • 超ショートショートの不思議な世界

    「キツネとタヌキ」 やった、高学歴高収入のイケメンをゲットしたわ。 エステに流行ファッション、高い化粧品。お金をかけて努力した甲斐があったというものよ。 これで結婚までこぎつければわたしの勝ち。 その先の裕福な生活が保障されたも同然ね。 でも、気を抜いちゃだめよ、どんな時でも私の素顔は見せられない。この美貌、最新の美容技術を努力して習得した結果なのだから。昼も夜も、どんな時でもこの美貌を保たままでいないと。彼が私の素顔を知ったら捨てられてしまうかも。 すごい美人を手に入れたぜ。 こんな美人はめったにお目にかかれない、絶対に手放すものか。 田舎の両親が残してくれた財産のお陰で、高級メンズエステに…

  • 超ショートショートの不思議な世界 地獄の生活

    「地獄の生活」 浪人生活はまるで地獄のような一年だった。 何としても超一流大学に合格して、今まで心配をかけてきた両親を喜ばせてあげたい。 僕がこの大学に合格すれば、両親だって鼻が高いだろう。 いよいよ合格発表だ。 壁に張り出された合格者の受験番号。 あった、僕の番号だ。 これで地獄のような受験生活から解放される。 早速両親にも連絡だ。 合格したよ。 両親はこの言葉に喜んでくれると思ったのだが・・・ そうか、これから両親は四年の間、高い学費と僕の一人暮らしにために、今以上に働かなければならない。 僕に代わって地獄の日々が始まるのだ。

  • 超ショートショートの不思議な世界 平和のために

    「平和のために」 相手のパンチが先に俺の顔面にクリーンヒットしたら俺の負け、俺のパンチが先に相手の顔面にクリーンヒットしたら俺の勝ち。 格闘技のルールはいたって単純、だから観客も興奮する。 この試合、ハードパンチャー同士の試合だから、勝負は一瞬で決着するだろう。 緊張の中、ゴングが鳴った。 俺たちはしばらくにらみ合った。 そして相手の右三角筋が反応した瞬間を見逃すことなく、俺は右ストレートを繰り出した。 大歓声のなか、試合終了のゴングが打ち鳴らされる。 結果はどうであれ、これでまたしばらくの間は世界が平和でいられるのだ。 人間はどうしても争うことが止められない生き物らしく、どこかで誰かが戦って…

  • 超ショートショートの不思議な世界 美女を前にして

    「美女を前にして」 色白のグラマーな美人が私に手招きをする。 見るからに健康美の引き締まったボディを持つ美女も私を誘惑する。 今日はどちらの誘いに乗るべきか。 モテる私はいつも悩んでしまうのだ。 優柔不断といわれてしまえばそれまでなのだが、こんなにも魅力的な二人の女性から誘惑されてしまったら、この世に悩まない男性なんていやしないだろう。 いつまでもグズグズ悩んでいるわけにもいかない。周りの人々の視線だって気になる。 ここはひとまず、私はこのような状況は手馴れています、みたいな余裕の態度でさらりと決めてしまわなければ。 それにしても決断できない。 えーい、この際目をつぶって決めてしまえ。 私はエ…

  • 超ショートショートの不思議な世界 未来のために

    「未来のために」 過去の歴史を変えようとしている組織がある。 その情報を入試した我々は、さっそく調査を開始した。 ご存じの通り、過去を変えることは未来を変えることにつながる。どんな小さな出来事であっても、過去の歴史を変えることは許されないのだ。 私は組織の一人を追って、彼が逃げ込んだ時代に私はトリップし、追い詰めた。 彼は私に消される直前に、偶然通りかかったその時代の一人の青年に銃の引き金を引いた。 大変なことになってしまった。 青年を死なせるわけにはいかない。 私は青年を私の時代に連れてきて、最新医療技術を駆使して命を救い、そして元の時代に送り届けることに成功した。 良かった、歴史を変えるこ…

  • 超ショートショートの不思議な世界 時を超えたロマンス

    「時を超えたロマンス」 私は時空調査員の研修期間を終えて、仕事で初めて過去にタイムトリップすることになった。 目標時点(地点ではないのですよ)は戦国時代。 もうワクワクドキドキ、過去の世界の素敵なイケメンに巡り合って、恋が芽生えちゃうかも、そうなったらどうしよう。 そんな私を見ている先輩調査員たちは、なぜかにニヤニヤ。 中には、素敵なイケメンに出会えるように協力してあげるわよ、なんて冷やかすベテランの調査員まで。 早速先輩調査員とタイムスリップ、速やかにその時代の人々の中に紛れ込む。 ゲッ、期待と裏腹なにこの時代、イケメンなんてどこにいるの? 道行く人々は誰もみな身長低いし、老けて見えるし。予…

  • 超ショートショートの不思議な世界 土偶

    「土偶」 その土地から、奇妙な形の土偶が次々と発見された。 縄文時代に作られていた土偶とも異なる特徴を備えている。 しかも、出土される全ての土偶は破壊されることもなく、ほぼ完全な形で出土されるのだ。しかも前衛芸術家でも作れないほどの奇抜な美しさを持っている。 さらに驚くべきことに、時代を鑑定した結果、縄文時代よりはるか以前、1万年以上も前のものであることが判明した。 世紀の大発見だ。太古の昔にこのような手の込んだ土偶を作る技術を持った種族がいたなんて。 土偶の分析はさらに進んだ。 そして衝撃の新事実が発表された。 土偶と思われていたものは土偶ではなかった。土ではなく、カニやエビの甲羅などと同じ…

  • 超ショートショートの不思議な世界 軽い気持ちで始めて見たら

    「軽い気持ちで始めて見たら」 もう疲れたよ、くたくただ。早くこの遊びから解放してよ。 この遊びがこんなにもハードだなんて。 しかも、まさかこんなことになるだなんて・・・「暇だなぁ」 てことで、僕は散歩に出ることにした。 その時ふと頭にひらめいたことがあったんだ。この散歩では絶対に右にしか曲がらずに進んで家に戻ってこよう。 単純な遊びのつもりでスタートしたんだ。 でも、進むにつれて次第に単なる遊びじゃなくなってきた。僕は真面目にルールを守って、ひたすら黙々と歩くようになってしまったのだ。 心のどこかでもうやめて帰ろうよと思う僕がいるのだが、その言葉を打ち消して自分で決めたことは最後までやり通すん…

  • 超ショートショートの不思議な世界 いたずら狐

    「いたずら狐」 目的地はもうすぐなのに、なかなかたどり着くことができない。 目標としている高層ビルもしっかりと見えているのに、なぜか角を曲がるとまた離れた位置に戻ってしまう。 昔の人の話では、キツネやタヌキに化かされて同じところをぐるぐる回って帰れないっていうことがあったらしいけど、ここは都会のど真ん中で、僕はスマホのナビを見て歩いているんだ。「面白いなぁあの青年、スマホ眺めながら首傾げているよ。かわいそうだからもう一周この場所を回ってもらってから解放してあげようか」 都心のとある神社、赤い鳥居の陰から笑いをこらえている狐の姿が。 そう、お稲荷さんに住むいたずら狐です。彼たちだっていつまでも昔…

  • 超ショートショートの不思議な世界 恐怖感

    「恐怖感」 夜遅くまで一人で起きていると、わけなく突然怖いという感覚に襲われるときはないかい? 僕はたまにあるんだ。 そんな時は、読んでいる本を閉じて、部屋中の電気をつけて、テレビもつけて、大声で独り言を話すんだけど、どうにもこうにも怖いという感覚は通り過ぎてくれない。 もちろんこんな時には布団をかぶって寝てしまうなんてできやしない。目も頭もギンギンにさえわたっているからね。 話している今がまさに、恐怖を感じているその時なんだ。 お酒でも飲んで気を紛らわせようか。 そんな時、どこからか声が聞こえてきた。「おまえ、臆病だな。そんなに怖がるなよ」 突然誰なんだよ、僕の恐怖感はマックスになり体は動か…

  • 超ショートショートの不思議な世界 地上の標的

    「地上の標的」 夜空に弓のような月が浮かんでいる。 上弦の月だ。 月の上が欠けたり下が欠けたり。地球の影だとわかっているけど、太古の昔から月も忙しいよな。 それにしても、月は弓の形になって何を狙うつもりなのだろうか。 ふとそんなことを考えたりもして。 夜空を見ながらの散歩も楽しいよな。「クソッ、せっかく弓を引く準備が整ったというのに、標的がクルクル目まぐるしく回り続けるからなかなか定まらない。そんなことをしているうちにまた期をのがしてしまった。次の下弦の月になるまで待たなくちゃ」 月がそうつぶやいた。 月は太古の昔から、地球上の標的に向かって矢を射ろうとしているのだが、地球の自転速度が速すぎて…

  • 超ショートショートの不思議な世界 痛い!

    「痛い!」 街を歩いていたら、可愛い女の子が手を振っている。えっ、僕を手招きしているの? ふらふらと近寄って行ったら・・・突然体にものすごい痛みが走り、グイグイとすごい力で引っ張られる。やめてくれ、僕は涙を浮かべながら抵抗するが、そんなことはお構いなしだ。 そして突然空が割れて巨大な手が出現し、僕の体をむんずと鷲掴みにして引き上げた。 どうやら僕の体には針がめり込んでいるらしい。その巨大な手は僕の体から針を外すと、また元の世界に戻したのだ。 頭上から「ナイスファイト、サンキュウー」と声が降ってきた。 痛みとめまいで意識がかすむ中、僕は街中でうずくまってしまった。 一体何が起きたのか。 僕はそこ…

  • 超ショートショートの不思議な世界 パーティ券

    「パーティ券」 今日もパーティがある。高額のパーティチケットを会社が購入しているので行かねばならない。 三日連続だ。 本当に頻繁にパーティが開催される。もちろん開催者の目的は資金調達。パーティ券を購入しないと、社会貢献活動に非協力的な会社といわれSNSで話題が拡散されてしまう。会社運営に支障が出るのだから仕方がない。 パーティというと、ひと昔前までは政治家だけのものだったが、最近は様々な団体が設立され、資金調達のためにパーティ券は販売し始めた。本当にたちが悪い。 今日のパーティは、なになに?「世の中から不要なパーティをなくすために立ち上がった団体」 の開催するパーティだってさ。

  • 超ショートショートの不思議な世界 貧困問題解消

    「貧困問題解消」 都心の、とある公園に貧乏神が住みついた。 ブルーシートと段ボールで住処を作り、昼間から何処かで集めてきた酒を飲んで気ままに過ごしている。 景観を損ねるのだが、何しろ相手が貧乏神、下手に取りつかれたら大変だ。人々は気づかぬふりをして通り過ぎる。 中にはご機嫌を取ろうとして、こっそりとお供えとしてお酒や食べ物を置いていく人も現れた。できることならこの公園から出ないでほしいのだ。 そうなると、貧乏神にとっても公園はますます暮らしやすい場所になってくる。 そしてある日、貧乏神は二人に増えた。そして三人四人と日に日に増えていく。お供えのお酒や食べ物も量が増え、どんどん高級になっていく。…

  • 超ショートショートの不思議な世界 「ボーッ」としている

    「「ボーッ」としている」 頭の中が「ボーッ」としている。 脳細胞にとっては「ボーッ」とする時間は大切なことなのだ。 なんでも、脳のあちらこちらに記憶された情報を「ボーッ」としている間に結び付けているそうなのだ。「ボーッ」としている僕の頭の中でも、脳細胞が懸命に働いて情報を結び付ける作業をしているのだろうか。 そうだとしたら、僕はあとどのくらい「ボーッ」としていたらよいのだろうか。 目の前の空は青いし海も輝いている。 今日も僕は海辺で「ボーッ」と景色を見つめている。 僕はいつ活動を始められるのかな、いつになったら脳細胞がよし動くぞと言い出すのかな。「ボーッ」としながらその時をひたすら待っている僕…

  • 超ショートショートの不思議な世界 泥のように

    「泥のように」 パパは私たち家族のために、朝早くから夜遅くまで一生懸命働いている。 家に帰ってくると、「疲れたー」といってベッドに倒れ込むようにして眠ってしまう。 今日も夜遅くに仕事から帰ってくると、ベッドに倒れ込んで泥のように眠ってしまった。 そして気が付くと、パパが寝ているベッドが茶色く泥に汚れ始めている。パパは本当に泥になって眠ってしまったのだ。 ママはそっとしておいてあげなさいと言うのだけど、泥になったパパの体はだんだん崩れていく。 次の朝起きてみると、ママは泥になったパパを一生懸命こねていた。そして泥の塊からパパを作ると、日光で乾かし始めた。 「しっかりと泥をこねて作らないと、乾かし…

  • 超ショートショートの不思議な世界 安心安全のため

    「安心安全のため」 毎日毎日新しい規則が増え続けている。学校でも会社でも、この街でもそして国でも。 大人たちは、何か問題が起こると安心安全を確保するためと新しい規則を作る。それを守らない人がいると罰則も作る。 僕は規則に従って「行ってきます」といって玄関を出た。学校までの道は両側にずらっと道路標識が並んでいる。一つ一つをしっかり守って通学しないと、道路に立っているおまわりさんに怒られて、学校にまで連絡が行ってしまう。 でも、こんなにたくさんの道路標識を覚えることなんて不可能だ。僕はカバンから最新の標識ハンドブックを取り出して、一つ一つ確認しながら慎重に学校に向かって進む。 学校のホームルームで…

  • 超ショートショートの不思議な世界 廃墟ビルの謎

    「廃墟ビルの謎」 街の一角にお化け屋敷と呼ばれる廃墟がある。 使われなくなって荒れ果てた小さなビルで、撤去されることもなくその場に建ち続けている。 街の景観を損なうから解体してほしいという要望が出ているのだが、持ち主が不明で何もすることができないらしい。 夏には若者たちが肝試しと称して踏み込むので、中は荒れ放題だ。 夜、人気もなくなった街の一角にあるそのビルから、ブーンブーンという低い音がかすかに聞こえてくる。 住む人などおらず、インフラ設備も全てストップしているビルの地下にある配電盤が、また今日も動き始めたのだ。 それに気付く人などいるわけもない。 でも、どうして?

  • 超ショートショートの不思議な世界 オーバーアクション

    「オーバーアクション」 テレビ画面にいきなり宇宙人が映った。 どのチャンネルも同じ宇宙人が映っている。 地球上のテレビ全てをこの宇宙人がジャックした模様だ。 宇宙人は、必死に我々に何かを伝えようとしているように見える。 オーバー過ぎるゼスチャーを交えて大声で話をしている。もちろん地球人にその意味など解らない。 ただ言えることは、地球人からは想像もつかない容姿の生き物が、見たこともないオーバーアクションで、聞いたこともない音声で、何かを必死になって語っている。その様子はまるで最高のコメディーのように見えるのだ。 地球上の人々は、テレビ画面に映る宇宙人を見て涙を浮かべて大笑いした。 それでも宇宙人…

  • 超ショートショートの不思議な世界 見知らぬ花

    「見知らぬ花」 広場の上空に飛行機が飛んできた。 濃い緑色をした飛行機だ。近づくにつれて高度を下げてくる。 そして、見ている僕たちのすぐ上を通り過ぎると、飛行機からたくさんのパラシュートが開いて降下し始めた。その下には人間みたいなものがぶら下がっている。また一機、また一機と飛行機はやって来て、そこからたくさんのパラシュートが次々と降下する。 でも、模型飛行機のような小さな機体から何が降りてきたのだろう。 僕たちが広場で見たことを大人たちに話しても、誰も信じてはくれなかった。 それからしばらくすると、広場は見たこともない花で覆いつくされた。 同じような花、があちらこちらで大量に咲き始めたらしい。…

  • 超ショートショートの不思議な世界 おばあちゃんちの見えない子

    「おばあちゃんちの見えない子」 田舎のおばあちゃん、大好きだよ。 でもね、おばあちゃんの住んでいる古い家には絶対に何かいるんだ。 広い玄関の隅とか、納戸の奥とか、仏壇の部屋とか。 言葉ではうまく説明できないけど、絶対に何かがいるよ。 別に怖いとかは思わないんだけど、僕が泊まりに行くと、必ずなにか感じるんだ。 去年の夏休みにおばあちゃんの家に泊まりに行ったときに、おばあちゃんに思い切って聞いてみたんだ。 「この家、何かいるでしょ」 そうしたらおばあちゃんは、 「おやあの子が見えるのかい、それは得したねぇ」 と笑って答えてくれた。 この家には見えない子供が住んでいるのかな? もしかしたら僕と遊びた…

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