chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
すずしろブログ https://suzushiroblog.com/

WEB小説『伊緒さんのお嫁ご飯』を中心に、小説の再現メニューや取材旅行のレポート、物書きの制作舞台裏などのお話をつづります。

三條すずしろ
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2019/04/29

1件〜100件

  • 不適切な批判に負けない!的確な作品レビューの作法に関する私見

    小説などの作品レビューに見られる激しい批判どんな作品でもそうですが、評価する人とそうでない人に分かれるのは当然のことです。好き・嫌いの問題がありますし、作品の価値をどのように味わうかは個人の資質によるためです。ところが、オープンなレビューの

  • 「時」にフォーカスした校閲法の一例 ~モノ書きさんのための校正・校閲術~

    校閲の重点ポイントのひとつ、「時」記事作成でも創作でも、その文章の不備をチェックする校閲では「時」の把握がひとつの重要なポイントとなります。時系列はもちろんですが、ここでは文中での「時点」を捉えることで、記述の誤謬や全体の齟齬がないかをチェ

  • 「校正記号」で作業効率アップ!頻出8種を解説 ~モノ書きさんのための校正・校閲術~

    朱書きのための「校正記号」文章が指示通り修正されているかどうかをチェックする「校正」。もし間違っていた場合には、赤ペンでその旨を「朱書き」します。しかし指示内容を文章で書くと長くなり、それがいくつもあると原稿が真っ赤になってしまって読みくく

  • モノ書きさんのための校正・校閲術 ~基本の”素読み編”~

    自分が書いたものの誤字・脱字・衍字チェックもの書き仲間の皆様、ごきげんよう。自分で書いたものって、気合入れてチェックしたつもりでも不思議と間違いを取りこぼしてしまいますよね。創作だけではなくて、ライティングやビジネス文書でも同じなため、細心

  • 鬼滅の刃ではなぜ「呼吸」がキーになる?”全集中の呼吸”が生み出す効果についての考察

    鬼滅の刃で剣士たちが遣う”全集中の呼吸”不死身の鬼に対して、生身のままで挑み続ける『鬼滅の刃』の剣士たち。彼ら・彼女らはそのために、”全集中の呼吸”と呼ばれる独特の身体操作法を体得します。劇中の説明では、血流が早くなり大量の酸素を取り込むこ

  • 創作者のあなたにふさわしい異名は?”作家二つ名”診断

    作家にもほしい!あこがれの”二つ名””二つ名”ってなんかかっこいいですよね。「鋼の錬金術師」とか「紅蓮の錬金術師」とか、あるいは「綴命の錬金術師」とか……。なぜか錬金術師ばっかりですが、私は常々物書きさんにもそんな異名があって然るべきと思っ

  • 信長も認めた、奥河内の「烏帽子形城(えぼしがたじょう)」!山城ガールにも超おすすめの、絶景トレッキング

    河内長野駅すぐ近くの山城烏帽子形城・主郭山城ガールandボーイの皆様、ごきげんよう。歴史ライター・帯刀コロクです。今回は隠れた山城スポットとして名高い河内長野市の、「烏帽子形城(えぼしがたじょう)」をご紹介します。実は南海高野線の車窓から見

  • 第3回 みさと文学賞佳作、『星読みの国』の設計解説

    第3回 西の正倉院みさと文学賞で佳作を受賞この度、宮崎県の美郷町が主催する「第3回 西の正倉院みさと文学賞」で佳作に選んでいただくことができました。帯刀 古禄(たてわき ころく)名義の『星読みの国』という短編です。美郷町には古代、戦乱を逃れ

  • 日本料理の会席・懐石・点心・松花堂ってなんのこと??

    ちょっと曖昧な、日本料理の種別歴史的に、さまざまな国から影響を受けて育まれてきた日本料理。使われる食材や調理法も幅があり、「和食」と「日本料理」ではニュアンスが異なるものの、伝統的な食文化としてユネスコ無形文化遺産に登録されています。日本料

  • 地方文学賞で佳作を受賞して、本になったはなし~「第3回 西の正倉院みさと文学賞」応募顛末記~

    公募文学賞への挑戦当「すずしろブログ」は、元々小説執筆に関わる情報発信を主眼に開設しました。私自身も公募文学賞やWEB文学賞への応募を続けており、その記録や技術向上も大きな目的でした。これまで挑戦してきた文学賞での、主な選考通過歴(落選歴)

  • 『鬼滅の刃』竈門禰豆子は「白鑞金」!運勢・性格を、陰陽五行で占っみた

    『鬼滅の刃』キャラの運勢・性格を、陰陽五行で占ってみるもはや国民的な作品として愛されている『鬼滅の刃』。ハードな世界観ながら、爽やかで胸が熱くなるような登場人物の生きざまが、多くの人に勇気を与えています。そこで、彼らの生年月日から陰陽五行に

  • 『鬼滅の刃』嘴平伊之助は「海中金」!運勢・性格を、陰陽五行で占ってみた

    『鬼滅の刃』キャラの運勢・性格を、陰陽五行で占ってみるもはや国民的な作品として愛されている『鬼滅の刃』。ハードな世界観ながら、爽やかで胸が熱くなるような登場人物の生きざまが、多くの人に勇気を与えています。そこで、彼らの生年月日から陰陽五行に

  • 『鬼滅の刃』我妻善逸は「山頭火」!運勢・性格を、陰陽五行で占ってみた

    『鬼滅の刃』キャラの運勢・性格を、陰陽五行で占ってみるもはや国民的な作品として愛されている『鬼滅の刃』。ハードな世界観ながら、爽やかで胸が熱くなるような登場人物の生きざまが、多くの人に勇気を与えています。そこで、彼らの生年月日から陰陽五行に

  • 『鬼滅の刃』竈門炭治郎の運勢・性格を、陰陽五行で占うと?

    『鬼滅の刃』キャラの運勢・性格を、陰陽五行で占ってみるもはや国民的な作品として愛されている『鬼滅の刃』。ハードな世界観ながら、爽やかで胸が熱くなるような登場人物の生きざまが、多くの人に勇気を与えています。そこで、彼らの生年月日から陰陽五行に

  • 納音五行からみる、あなたの作風診断

    「音の五行」、納音五行(なっちんごぎょう)とは?動物占いのルーツにもなった「納音五行」をご存じでしょうか?これは生年月日の十干と十二支の組み合わせである「六十干支」を割り出し、さらにそれを「音の五行」に分類して形容詞をつけたものです。これに

  • うつのとき、心と体を少し楽にしてくれた10のこと

    うつの経験一生のうち、およそ7人に1人はうつを経験するという説もあり、現状では20人にひとりがうつと闘っているともいいます。誰しもがかかる可能性のある、もはや珍しくない病気であり、私もうつを抱えたまま2年以上勤務した経験があります。うつの苦

  • 憑依型(シャーマンタイプ)の作家さん用プロットのつくり方を、『シャーマンキング』に例えて紹介してみる

    シャーマンタイプの作家さんがプロットを書く方法を、シャーマンキングに例えてみた

  • 小説キャラの「セリフの書き分け方」!誰がしゃべっているのか、一目でわかるテクニック5選

    小説で、「誰のセリフかわからない」ことがある小説で登場人物が直接発言する「セリフ」。とっても大事な部分であり、また執筆していても楽しいパートではないでしょうか。しかし一対一の会話ならまだしも、複数人が同時に議論をするなどのシーンでは、誰が誰

  • おすすめ小説『金沢 洋食屋ななかまど物語』(上田 聡子)

    ちいさな洋食屋さんを舞台にした、それぞれの「選択」の物語自分の人生を決めるため、誰もが幾度も「選択」の岐路に立たされます。目の前の道を、右に行くか左に行くか。ほんとうは右に行きたいけれども、どうしても左を選ばなくてはならない理由がある……。

  • 高校卒業後、住み込み新聞配達で学費を貯めたお話。辛かったこと・楽しかったこと、そしてメリット・デメリット

    新聞奨学生とは新聞少年、という言葉はもうあまり聞かなくなってしまったかもしれません。しかしかつては勤労学生の代表的なシステムとして、新聞社から返済不要の奨学金を受けて新聞配達などの業務を行う、「新聞奨学生」がたくさん働いていました。かくいう

  • 作家としてのあなたは今どの段階?作家ステータス診断(WEB中心)

    WEB作家にも「ステータス」の呼び名があるといいなファンタジーやゲームなどで、冒険者の「ステータス」というものがありますね。それぞれの熟練度や実績などから授けられる「等級」のようなものですが、WEBを中心として活動している字書きさん・絵描き

  • シンプルピーチのチケットを無駄にしないための、ベストな方策はこれ!「運賃種別」の変更について

    格安航空券のピーチ!でも、最安のクラスではキャンセルすると払い戻しされない?格安航空会社、いわゆるLCC。その登場により、かつてと比べると空の旅は格段に手軽になりました。そんなLCCの代表格にピーチがあります。私は家族関係から関西と北海道を

  • あなたが書くのに適した小説ジャンルは?小説ジャンル適性診断

    どんなジャンルで小説を書くべきか?投稿サイトやブログシステムの発達により、小説を発表する場は格段にその選択肢を増やしてきました。小説を書くことを愛する作家の方も非常に多く、そのテーマも多岐にわたっています。しかし、必ずしも「書きたいもの」が

  • 小説を初めて投稿するサイトには、断然「エブリスタ」をおススメする5つの理由!

    小説を発表できる投稿サイトの存在自作の小説を発表できる、投稿サイトが賑わっていますね。近年では大手のメディアも本格参入するなど、ますます元気なジャンルといえるでしょう。サイトで人気が出たり、編集部の目にとまった作品は積極的に書籍化されるなど

  • あなたにぴったりな剣は何流?あなたに適した流派診断

    あなたが学ぶのに適した剣は、何流でしょうか?古来、日本では武術の中心として稽古された武器である剣。武士の魂とも呼ばれ、精神的にも重要なアイテムに位置付けられてきました。そんな刀を使う技は工夫研鑽が続けられ、多くの流派が生み出されました。ここ

  • あなたの相棒はどの戦国武将?武将とのバディ度診断

    あなたとバディを組むのは、どの武将?歴史に名を残すあまたの戦国武将。そんな彼らにも、相棒の存在は不可欠です。あなたはどんな武将と組むとお互いに力を発揮するのか、そのバディ度を診断します!

  • あなたはどのタイプ?作家タイプ診断

    4つの作家タイプ。あなたはどれに当てはまる?小説を書くにもさまざまなスタイルがあり、自身に合った方法で取り組むのがいいといわれています。ここでは4つのタイプを設定し、あなたの「作家タイプ」診断のお手伝いをいたします!関連記事はこちら!☟

  • 異世界ものが愛されるのは、実は1000年の歴史があったから?『霊異記』「本地物」『御伽草子』等々、長らく続く鉄板の物語構成!!

    一大ジャンル「異世界もの」特にライトノベルの分野で、「異世界もの」と呼ばれるタイプの作品が席巻しているのはよく知られています。「異世界」とタイトルにつくものはもちろん、そうでなくとも基本的に何らかの形でファンタジー世界に迷い込んで活躍すると

  • ちょっとニッチかもだけど、カッコいいと思う漫画のお父さんキャラ5選!

    父、それは「壁」にして「目標」漫画作品でも数多の名作が日々生み出されていますが、ストーリーの面白さはもちろん、キャラクターの造形が成否を左右することは論を待ちません。なかでも主人公が男の子だったり、重要なポストにある男性だったりするファンタ

  • 刀の柄って、こういう風になっています。木に鮫皮、糸と金具に中に和紙?複合素材の巧みなグリップ!

    刀の柄って、どんな風になっているでしょうみんな大好き日本刀。最近では女性にもファンが増え、伝統ある刀剣の文化が再評価されていますね。漫画やアニメなどのメディア作品でも、刀が重要なアイテムとして登場するものは多く、日本人にとってやはり特別な器

  • 刀の柄って、こういう風になっています。  各部をアップでじっくり見られるよう、資料写真を掲載します。

    刀の柄って、どんな風になっているでしょうみんな大好き日本刀。最近では女性にもファンが増え、伝統ある刀剣の文化が再評価されていますね。漫画やアニメなどのメディア作品でも、刀が重要なアイテムとして登場するものは多く、日本人にとってやはり特別な器

  • ライティングの資料集めに超便利!WEBで本文のダウンロードもできる、最強の参考図書検索サイト3選!!

    ライティングの半分は、資料集めでできています 文章を書くお仕事である「ライター」。 自分が書いたものがWEBサイトや本に載って、たくさんの人に読んでもらえると思うと誇らしい気持ちになりますね。 ライターごとに得意なジャンルや専門分野があるかと思いますが、わたしは特に「歴史」に関するトピックを得意としています。 ですが単に歴史といってもあまりにも幅広く、実は私の専門は「日本古代史」の一部であって通史全般に詳しいなんてことはまったくないのです。 ところが、「歴史」という括りで色んなご依頼をいただくことがあり、お声掛けはとっても嬉しいのでだいたい張り切って取り組みます。 そう、「イチから調べて」です。 そこで重要となるのが信頼性の高い参考文献の入手、すなわち「資料集め」です。歴史系ライティングに至っては「史料集め」ともなりますが、これがなかなか大変な作業です。 現代では図書館の蔵書などは居ながらにして検索できるようになりましたが、実際にそれらを所蔵館まで取りに行けるとは限りません。 遠すぎたり禁帯出だったり貸し出し中だったり、遠方だと複写依頼しても締め切りに間に合わない等々、時間と労力が必要なのです。 こういったことから、「ライティングの半分は資料集め」だとわたしは思っています。さらに厳しく7割とか8割、なんておっしゃる方もおられるかもしれませんね。 そして重要なのが「信頼性の高い資料」であるということ。つまりは学術書や論文、またはそれに類する報告書や地方史などがそれにあたります。 なかでも最も便利なのが「学術論文」。論文と聞くとちょっと難しそうですが、研究史・考察・説の根拠・出典、はては原文の解説や参考文献一覧まで掲載されている超絶お役立ち資料なのです。 そんな論文を中心とした検索サイトは、ライティングの強力な味方になります。 以下に本文のダウンロードも可能な、最強の検索サイトを3つご紹介します! 学術情報データベース CiNii(サイニィ) まずは国立情報学研究所が運営する学術データベース「CiNii(サイニィ)」です。 図書や論文の検索システムですが、なかにはオープンアクセスのものへのリンクも多数あり、書名検索や論文のダウンロードに威力を発揮します。

  • ルークの技は極意「一寸の見切り」だった?武道の観点から『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の決闘シーンを全力で解説!!

    賛否ある『最後のジェダイ』 いわずと知れたSF映画の金字塔『スター・ウォーズ』。 全9作のスカイウォーカーサーガがついに完結したことは記憶に新しいですね。 エピソードⅦ~Ⅸの続三部作では新たな設定が盛り込まれ、多くの支持と同時にまた批判も多かったことが知られています。 なかでもエピソードⅧ『最後のジェダイ』では、伝説のジェダイマスター「ルーク・スカイウォーカー」と、ダークサイドに転向したかつての弟子「カイロ・レン」との決戦が描かれ、賛否を巻き起こしました。 しかし、この時のマスター・ルークの戦い方は、武道や剣術における戦略という観点から実に合理的なものだったのではないかと感じました。 そこで本コラムでは、ルークがとった戦法を武道の理合に照らし合わせて分析し、その強さと巧みさを改めて讃えたいと思います! ※以下、ネタバレ注意 ルークvsカイロ・レンのおさらい(ネタバレ注意) 最初にルークとレンの戦いの様子をざっとおさらいしておきましょう。重要なネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はお気を付けください。 レジスタンスが立てこもる惑星の洞窟基地に、カイロ・レンたちが迫ります。 そこにルークが現れ、単身で巨大兵器の前に立ちふさがります。 レンはルークに向けて激しい砲撃を命じますが、執拗な攻撃のあと砲煙が晴れるとそこには無傷のルークが。肩のホコリを払う仕草で挑発します。 一騎打ちで決着をつけるべくルークと対峙するレン。 レンは猛攻を繰り出しますが、ルークはそのすべてをかわして一太刀もかすらせません。 互いの心情を吐露しながら向かい合う二人ですが、やがてルークは剣を収め仁王立ちになります。 絶叫と共にセイバーを振るうレン。しかし、両断したはずのルークは何事もなかったかのようにそこに立っています。 ルークの姿は、かなたの惑星からフォースで遠隔操作していたホログラムだったのです。 ルークの本体は激しい消耗で寿命が尽き、ホログラムも消えていきますが、このことでレジスタンスが脱出する時間を稼ぐことができたのでした……。 「構え」にみる、ルークとレンの剣術形の違い

  • ちまき=鬼の首?“鬼喰い”のメタファーと解釈された、行事食の由来について

    "鬼"がちょっとブームな昨今 『鬼滅の刃』という作品が空前のブームを巻き起こし、店頭からコミック品切れが相次ぐという事態になっています。 わたしもこんな現象は初めて出遭ったもので、出版不況といわれて久しい昨今、よいニュースの一つではないかと思っています。 『鬼滅の刃』は人間を虐げる「鬼」と呼ばれるヴァンパイアのような異形に立ち向かう、「鬼狩り」の剣士たちのお話です。 「鬼vs人」という日本古来のテーマを主軸としながら、ハードな展開と心を打つ描写が老若男女問わず、大きな支持を得ているのはご存知の通りですね。アニメ化での大成功もあり、もはやクラシックになることを約束された作品といっても過言ではないでしょう。 さて、数ある魅力的なキャラクターの中でも異質なのが、敵である鬼を捕食してその能力を得るという「不死川玄弥(しなずがわげんや)」です。 彼は鬼の肉体を食らうことで、一時的に鬼のような怪力と再生能力などを得るという特異体質の持ち主なのですが、実は日本の伝統行事のなかにはこの「鬼喰い」にルーツをもつとするものがあるというのです。 それは誰しもが知っている、カレンダーにも載っている有名な行事の数々。 いわゆる「五節句」です。 今回は、そんな「鬼喰い」の行事食についての説をみてみることにしましょう。 「厄除け」としか知らない節句の行事食 「五節句」といえばすこし難しく聞こえるかもしれませんが、季節の年中行事としてわたしたちにもとてもなじみ深いものばかりです。 1/7…七草3/3…ひな祭り5/5…こどもの日7/7…たなばた9/9…菊の節句 以上の五つのことで、いずれも健康を祈ったり楽しいイベントを行ったりする日として定着していますね。これらの節句としての正式な名称は、 1月…人日(じんじつ)3月…上巳(じょうし)5月…端午(たんご)7月…七夕(しちせき)9月…重陽(ちょうよう) といい、古代中国で不吉とされた日の厄払いが元になったとされています。 そして、それぞれに健康や長寿を祈る独特の行事食が用意されますが、ほとんどが「厄除け」という意味合いで説明されているかと思います。 では、なぜそれらの食べ物が厄除けの力を持つのでしょうか。

  • 誤字・脱字よさらば!自作文章の校正・校閲精度をアップさせる、今すぐできる3つのテクニック

    永遠の課題、誤字・脱字 どんな文章でもそうですが、必ず「校正・校閲」という工程を経ます。 「校正」は文章が原稿の指示通りになっているか、あるいは修正されているか。 「校閲」は内容に誤りや齟齬がないか。 ざっくりとそういったチェック作業を指す場合が多いようですね。 ところが、やはり人間の目と手ですることですのでどうしても誤字や脱字を100%防ぐことは困難です。商業出版されて何重もの厳密な検査を通したはずの書籍でも、それは同じこと。 わたしたちのように、基本的に自分ひとりですべての作業を行うWEB作家にはなおのこと重大な問題でもあります。 特に自分で入力したテキストというものは、チェックしたつもりでも何故かミスを見落としやすくなる傾向があります。 そこで自作の文章に校正・校閲をかける際、より精度をアップさせられるコツをご紹介したいと思います! 大事なのは「素読み」! その前に本コラムでのチェック項目を原稿指示、いわゆる「朱書き」が入っていないまっさらな文面であると仮定しましょう。 つまり何のヒントもない状態から文章を読んで、誤字・脱字や内容のエラーを探し出すというシチュエーションです。 これは「素読み」、あるいは「常識校閲」などと呼ばれる作業で、目視によるもっとも基本的なチェック方法となります。 文字の間違いや用法の誤りがないか、読んでみて内容におかしなところがないか等々、読者目線であらゆる問題点を洗い出します。 タイピングによる文字入力が一般的となった現代では、手書き時代よりはるかに多くの誤字・衍字が発生していると考えられます。 また、自分自身で文章を書き進めている間は勢いに乗って気付かなかった細かい点なども、冷静に客観視する機会となります。 それでは、以下に今すぐできる3つのポイントを 挙げていきましょう! 1.書いた直後ではなく、しばらく時間をおいてからチェックする これは時間的に余裕がある場合に、とても有効な方法です。 あまりにも単純で拍子抜けしそうですが、時間をおいてから自分の作成した文章をチェックすると、驚くほど多角的に誤謬を発見できる効果を感じられます。

  • 初めて能楽『二人静』を鑑賞して、ボロ泣きした話

    人生初の能楽チケット購入! 前から興味はあったけど、なかなかハードルが高そうで踏み切れない……。 わたしにとってその一つが「能楽」の鑑賞です。 一度ちゃんと観てみたいな~、と思いつつ「やっぱ難しそう」と先延ばしにしていた能楽。 ところが、在所のすぐ近くの町で格安の能楽公演があったのです。 これはチャンス!とばかりに、人生初の能楽チケットを購入したのでした。 吉野・大淀町は能楽の聖地 その公演が行われたのは奈良県吉野郡の「大淀町」。 世界遺産や修験道の聖地としても有名な歴史の宝庫、あの吉野の麓です。 実はこの大淀町、「桧垣本猿楽(ひがいもとさるがく)」という能楽の前身の発祥地であり、特に笛方の名手を輩出したことでも有名な土地。 いわば能楽にとっての「聖地」のひとつなのでした。 能楽の各流派が垣根を越えて結成した「能楽座」、毎年この大淀町にて公演を行っています。 2019年11月で19回目となった能楽座大淀町公演。チケットは前売りで2,000円と、破格です。 わたしが初めて観た2019年度は、「謡(うたい)」の講座や小鼓の宗家・大倉源次郎さんの講演、「仕舞(しまい)」三演目に能楽という、とっても贅沢な内容でした! 実は10歳のころがファーストコンタクト 自分でチケットを買って、自発的に能楽を観に行ったのは初めてでしたが、実は10歳のころにファーストコンタクトを果たしていたのでした。 それは高野山の「星月夜(ほしづくよ)」という野外イベントで、檀上伽藍のあたりで本格的な「薪能(たきぎのう)」が行われたのを覚えています。 子どもだったこともあり、演目が「葵上(あおいのうえ)」だったことくらいしかわかりませんが、なんともこの世ならぬような独特の雰囲気に圧倒されたのは確かです。 その折に狂言も初めて観たのだと、後から気付いた次第です。 『二人静(ふたりしずか)』とは 今回の上演された能楽は『二人静』という演目でした。 これは源義経の恋人であった「静御前」の霊が若菜摘みの女に供養を依頼、憑依して舞いを舞うというあらすじです。 義経との終の別れとなった、吉野の地に相応しいお題です。 「菜摘」とは春の七草を摘むことで、かつては特別な行事でした。

  • 実務経験ゼロからの出発!「歴史ライター」で“好きをシゴトに”するまでの道のり(わたしのケース)

    WEBライターという選択肢 「リモートワーク」や「テレワーク」という言葉が登場し、副業を容認する企業も徐々に増えてきたことでオフィスに出勤しない働き方もメジャーとなりつつあります。 「複業」と表現されることもあるように、収入源を複数持つというワークスタイルも注目を集めています。 職種はさまざまですが、中でも「ライター」は場所・時間について自由度が高く、特段の投資も必要ないことから人気の仕事となっています。 わたしがWEBライターを始めたのはリーマンショックでの大幅な収入減が直接の動機でしたが、近年ではライティングを取り巻く状況も随分と良い方向に変化してきたように感じています。 そこでこれからWEBライターに挑戦したいという、特に実務経験がまだない方向けに、わたしが辿ってきたキャリアを記したいと思います。 もちろんこうすれば必ずこうなる、という性質のものではありませんが、経験値積み上げ式のモデルケースのひとつとして参考にしていただければ幸甚です。 実務経験ゼロからWEBライターになるまで 学生時代に、所属研究室発行の書籍の一部を執筆させてもらったことがありましたが、経歴としては「未経験」としてしか扱われませんでした。 したがって、「実務経験ゼロ」からのスタートです。 経験の道順は、ざっくりと以下のとおりです。 nanapiにて初のライティング(料理・旅行系統記事メイン)Lancers・CrowdWorksにてタスク案件・プロジェクト案件を実施(ジャンル不問)上記クラウドソーシングサイトにて、得意分野(歴史系記事)のスカウトに対応歴史系WEBメディアのレギュラーライターとして署名記事投稿WEBメディア発行の紙書籍に、共著者として記事が採用上記経歴からスカウト案件を中心に執筆 初めはジャンルと金額にこだわらず、とにかく「実務経歴」を積み上げることに専念しました。 以降は書きたいジャンルや得意な分野をポートフォリオでアピール、徐々に専門のWEBメディアからスカウトが来るようになり、特定分野のライターを名乗るようになりました。 クラウドソーシングを中心とした、経験値積み上げ式の地道な方法です。 それぞれのサイトについて、もう少し詳しく経緯やシステムをご紹介しましょう。 入門に最適、クラウドソーシングのメリット

  • 初日から2日目味の「伊緒さんカレー」!  決め手は"煮切りワイン"に"煮切り梅酒"、ウイスキーや甘酒まで!?

    カレーに深みを与える魔法の隠し味、それは「お酒」! 『伊緒さんのお嫁ご飯』第1話では、みんな大好きカレーライスが登場します。 「初日なのに2日目っぽい味」と評されるそのカレーには、隠し味としてたくさんのお酒が使われていることが語られます。 伊緒さんは赤ワインや梅酒を最初から加えていますが、もしお家のカレーに後から入れようとすると、アルコール分が気になるところ。 そこで、あらかじめ煮切ってアルコールを飛ばしたお酒を使う方法で、伊緒さんカレーを再現してみました。 分量やお酒の種類は味見をしながら、お好みで調整してみてくださいね。 今回は以下の4種をすべて使用しました! 煮切りワイン 安価でたくさん使えるものがおすすめ 一番よく使うのが赤ワインです。 料理酒として惜しみなく使えるような、安価なもので十分です。 今回はカレー4人前に対して大さじ3杯ほどを煮切りました。 ソースに深みが出ますが、同時にフレッシュトマトを思わせるような強めの酸味も加わります。 ジャムやチョコレートなど、甘味の隠し味とのバランスをとりながら使っています。 蒸発した分、嵩が減りますね 煮切り梅酒 梅酒は自家製。2019年もの 梅酒はフルーティーな香りと、コクをソースに与えてくれます。 市販品でも自家製でもOKですが、意外とお砂糖(氷砂糖)がたくさん入っているので、気になる人は量を調整してください。 あとアルコールが高めですが、糖分のせいか煮詰めると早めにトロトロになってしまうので、後入れよりも煮込みの段階で使う方がいいかもしれません。 これも4人前に大さじ3杯ほど使いました。 すぐにトロっとします 煮切りウイスキー アルコール40度くらい。気を付けて! 意外なことに、ウイスキーも料理酒として使うことができます。 わたしはスコッチしか使ったことがありませんが、芳醇で香ばしい香りをソースに与えてくれます。 どちらかというと、スパイスの延長のような隠し味でしょうか。 ただし平均して40度ほどという高いアルコール度数をもっていますので、量には十分注意してください。 可燃性もあるので、火の扱いにも細心のご注意を。

  • 小説執筆でやらかした、3つの「カン違い」について

    意外と自分では気付かない、執筆における「やらかし」 小説を書くとき、作中にはさまざまな仕掛けを施したり、構成でサプライズを企んだり、タイトルに凝ってみたりetc.etc.………。 実に色んな企みを織り交ぜるものですよね。 作者である自分自身は工夫に工夫を重ねて、 「よし、これはぜったいおもしろい!」 と、自信満々で発表しているつもりなのですが……。 気を付けていつつもりでも、結構独りよがりに陥ってしまうこともしばしば。 今回はわたしがやらかしてしまった、そんな3つの「カン違い」についてのお話です。 「最後まで読めばわかる!」⇐✖ 「最後まで読んでくれたら、ぜったいおもしろい!」 そう思って、見せ場を最終局面に集中させたことがありました。 それまでのすべてのエピソードが、クライマックスへと至るための大掛かりな前フリというイメージです。 ところが、これは大失敗でした。 なぜなら、読み手は「退屈」だと感じればその先を読み進める義理などないからです。 書いた本人は「この後すごいおもしろいシーンがある!」と思っていても、そこに至るまでが冗長ならば読むことに苦痛を感じる場合すらあります。 読み手を飽きさせない「見せ場の緩急」への配慮が足りなかったと、反省した次第です。 「タイトルに伏線を絡めたつもり!」⇐✖ 物語のタイトルとは、ものすごく大切なものであることは論を待ちません。 作家はそれぞれの作品に思いを込めて、一生懸命タイトルを考えていることでしょう。 わたしもタイトルへのこだわりが強く、納得するまで寝ても覚めても考え続けるというタイプでした。 ある作品で、物語のラストに登場する象徴的な言葉をタイトルに織り込んだことがありました。 「よし!これだ!!」 と、意気揚々と版元のチームメンバーに提示したのですが……。反応はイマイチ。 「タイトルから想像できるものがほとんどない」 というのがその理由だったのです。 しかし自信満々で発表したわたしは「最後まで読めばわかる!」と、その意見に耳を傾けませんでした。 第一のカン違いにも通じるところですが、読み手が必ず最後まで目を通してくれるというのを前提にしていた大きな失敗だったと思います。

  • 情趣あふれる"古代遺跡感"! 熊野川に面した水陸の要塞「新宮城」をゆく

    熊野速玉大社で有名、和歌山県新宮市の「新宮城」 お城といえば「天守閣」を備えた建築を想像しますが、構造物が失われて石垣のみが残っている城址も、実に風情があるものですね。 荒城にてかつての栄華に思いを馳せ、幾重もの櫓がそびえた往時を想像する――。 歴史のロマンを感じるひと時です。今回は熊野古道や熊野三山の速玉大社で有名な和歌山県新宮市の、「新宮城」についてのレポートです。 新宮城、またの名を「丹鶴城」とは 紀州新宮藩の本拠・新宮城 新宮城は熊野川に面した小高い山に位置しており、平地の山に築かれたいわゆる「平山城」に分類されています。 別名を「丹鶴城(たんかくじょう)」というのは、かつてこの地に住んだ「丹鶴姫」に由来しており、姫は頼朝・義経のお祖父さんにあたる「源為義」とこの地で生活をともにしたと伝わっています。 安土桃山時代には堀内氏が築城し、ついで初期の紀州統治を担った浅野幸長の家臣である浅野氏が築城を行います。 江戸時代には紀州徳川家の初代、「徳川頼宣」の附家老として紀州新宮藩主となった「水野重仲」が城主となり、以降水野氏の居城として代々受け継がれていきました。 まるで古代遺跡!情趣あふれる石垣の重層 新宮城には、天守はおろか一つの櫓も残されておらず、石垣だけが残存している状態です。 整備されているとはいえ、ところどころ崩落して少々危険そうな箇所もありますが、まるで古代遺跡のような得も言われぬ情趣を醸し出しています。 森と一体になった石垣。本丸付近はまるで天空の城 ピークからはかなりの高度差。平山城の名の通り これは熊野川岸の方から見上げた位置。ブルーシートは崩落跡 荒々しい打ち込みハギの石垣。この辺りは発掘によって露わになった 夕景の出丸・本丸跡を望む。本丸跡には与謝野鉄幹の歌碑が 「水ノ手」。船着き場と物資倉庫群跡 新宮城で珍しいと思ったのは、「水ノ手」と呼ばれる設備です。 熊野川に面した立地を最大限に生かし、船着き場と物資の倉庫群を備えていたことがわかっています。 倉庫は「炭納屋」で、紀州特産の備長炭を江戸に輸送していたといいます。熊野川河口域からすぐに太平洋に出られるという、水海運の要として機能していたんですね。

  • 第71回 正倉院展を観に、秋の奈良公園へ

    毎秋の恒例、「正倉院展」 奈良・正倉院。東大寺の倉庫として、いまから1350年ほど前に建てられたと考えられている校倉造りの建物です。 天平時代を中心とした工芸品や文書などが大量に伝えられ、建物本体も国宝に指定されています。 そんな正倉院に納められていた宝物を一般公開する「正倉院展」は、2019年度で第71回を数えます。今回は令和の新元号初、そして東京国立博物館でも38年ぶりの特別展開催ということもあり、大盛況となりました。 毎年の楽しみにしている正倉院展を観に、奈良国立博物館を訪れました。秋の奈良公園の様子と様子と合わせてレポートします。 近鉄奈良駅から、徒歩10分ほど 奈良国立博物館へは、近鉄奈良駅から徒歩で向かうのが一番のお気に入りです。 ゆっくり歩いてもおよそ10分ほど。緩やかな上り坂の右手には、広大な公園敷地や興福寺が見え、シカさんたちが出迎えてくれます。 近鉄奈良駅、博物館最寄りの出入口。近代的な外観 駅前には飛鳥~奈良時代の有名なお坊さん「行基菩薩」の像。在野で民衆救済やインフラ整備に尽力、日本初の大僧正になった方。奈良に来るとまずは「なむなむ」と手を合わせます 博物館に向けてはほのかな上り坂が続きます。早朝でしたが既に大勢の人。海外の方も目立ちました すぐ右手に見えてくるのは興福寺。整備計画で再建された中金堂が見えます シカさん!神様のお使いなので大切にされています シカせんべい。収益はシカさんの保護にも充てられます。見えるところで持っているとシカさんに囲まれます。ニンゲンは食べちゃだめです おしりがかわいい これがいわゆる「鹿の子模様」 シカだまり。だいたいシカさんに足止めをくらうのでなかなか博物館にたどり着けません 街路樹の桂がよく紅葉していました 道なりに行くと博物館の手前でいったん地下歩道へ。公園の芝生を通り抜けていくこともできます トンネルを抜けると、そこは奈良博です 正倉院展は朝一番でも長蛇の列でした シカさんをかまいながら、ようやく国立博物館の近くに。正倉院展は会期が20日程度と短く、全国または世界各地から人が訪れるためたいへんな賑わいです。 夕方以降が比較的空いているといわれていますが、人混みは避けられないと考えた方がいいかもしれませんね。

  • 2019年は第71回。正倉院展の期間中のみ!まぼろしの薬膳中華弁当をいただきました

    正倉院展!年に一度のお楽しみ いやあ、よかったです。正倉院展。 関西に住んでてよかったなあ、と心から思う瞬間のひとつです。 今回は令和初ということもあり、例年にまさるにぎわいだったように感じます。 特に聖武天皇遺愛の袈裟と、文献上でしか知らなかった「絁(あしぎぬ)」に感動しました。 さて、詳しいことは別の機会に譲るとしまして、この度は食べ物のお話です。 正倉院展が行われる期間にしか食べられない、「まぼろしのお弁当」。 ついに食べることができましたので、レポートしてみます! 正倉院展記念特別薬膳弁当 はい。中華料理の「桃谷楼(とうこくろう)」さんが出されている、たっぷりの薬膳を使ったお弁当です。 なぜ中華?と思うことなかれ。シルクロードの終着点といわれる日本列島には、古代より大陸由来の文化が流入してきたことに思いを馳せてみてくださいませ。 素敵な包み!すでに正倉院っぽい(?) お品書き。ふんだんに薬膳由来のメニューが。体にもよさそう とっても豪華。薬膳とはいえ、ボリュームたっぷりです お弁当の包みを見ただけでもテンションが上がりますが、お品書きをよく読んでフタを開けたときの盛り上がりといったらありません。海外からのお客さんも多く、たくさんの人がこのお弁当を手にしていました! 国産牛肉のトウチ風味炒め煮トウチはもろみ醤のような調味料。こっくりといいお味 下段、有頭海老の山東風炒め甘酸っぱい味付けで、初めて食べる料理。おいしい 海老の自家製XO醤炒めぷりぷりして楽しい食感。XO醤の旨味がものすごい 素肉(大豆肉)の黒酢入り甘酢炒め 松の実添え大豆ミートですがまるでお肉!酢豚そのものです! 桃谷楼特製手づくり蟹肉焼売手間暇かけているのが伝わる、食べ応え抜群の一品 南瓜・春菊・エリンギ茸の紅花と発芽金胡麻入り揚げ物とっても凝ったつくりの天ぷら。衣に味が付いています 和の心(大豆肉の山椒煮込み)これも大豆ミートですが、牛肉のしぐれ煮を思わせる一品。実山椒がピリリときいて、お茶漬けしたくなります クラゲの甘酢 クコの実添えコリコリとした食感とクコの甘さがぴったり! 大根の柚子風味漬けやさしくほっとする箸休め。中華の合間に絶妙なアクセント

  • 2019年「大龍馬恋」に行ってきました

    11月15日は龍馬の命日、京都各所で追悼イベント! 京都といえばいまや世界的な人気を誇る土地ですが、歴史好き・幕末好きにとってもある種の聖地であることは間違いありませんよね。 どこを歩いてもみっしりと歴史が詰まった京都ですが、特に11月は我々幕末史ファンには特別な時季となっています。 それは、坂本龍馬の祥月命日が11月15日であること。 みんな大好きな龍馬さんを偲んで、各所でさまざまなイベントが開かれています。 そのうちのひとつが「大龍馬恋(だいりょうまれん)」。龍馬ゆかりの各地より、その土地土地の魅力を伝えに京都駅前広場に集うというものです。その様子を、レポートします! 山口と高知から!長州・土佐のみなさんです まずは長州・山口から、PR本部長の「ちょるるくん 」と、山口県観光フレンズの「杉本瑛美維さん」。そして土佐・高知から、「なるるちゃん」「さかもとりょうまくん」、ミス高知の「柳川若菜さん」の登場です。 山口といえば、維新回天の原動力となった人材を多く輩出した土地。龍馬が奇兵隊隊長・高杉晋作からリボルバーを贈られた話や、三吉慎蔵の助けで寺田屋事件を生き抜いたことはあまりにも有名です。 高知はもう、言わずとしれた龍馬さんの故郷で、激烈な土佐藩士たちの活動は伝説的とすらいえますね。 左からミス高知の柳川さん・りょうまくん・なるるちゃん、山口県観光フレンズの杉本さん、ちょるるくん。 静岡、そして佐賀からも! 静岡の東伊豆からは「ふじっぴーくん」と、ミス雛のつるし飾りの「高瀬真由さん」のご登場。高瀬さんは歌声も披露され、会場をわかせていました! 佐賀からは「壺侍くん」と「ゆっつらくん」が参戦。ゆるい。これは本当にゆるい。ゆるキャラの白眉といって過言ではないでしょう。 伊豆・下田は龍馬の脱藩罪を許すよう、勝海舟が山内容堂に交渉したというゆかりの地。佐賀の嬉野特産のお茶は、龍馬の商社である亀山社中で取り扱った商品だったそう。 時を超えたご縁に、感慨もひとしおですね!

  • 堺で利休の茶会をしのぶ懐石メニューをいただいた話

    茶聖・千利休の故郷、堺 日本文化を語るうえで欠かすことのできない要素の一つに、「茶道」があります。 単に抹茶を喫するという行為に留まらず、建築や美術、服飾や料理等々、広範囲にわたる文化を内包した総合的な芸術ともいわれています。 現代の茶道の源流となった「侘び茶」を完成させたのが言わずと知れた「千利休」で、彼の出身地である堺にはいまなおその気風が受け継がれています。 そんな堺には、利休が生きた時代の懐石をイメージしたお料理を食べさせてくれるお店があります。 「梅の花 さかい利晶の杜店」がそうで、この店舗だけの限定メニューである「利休」をいただいてきました。 さかい利晶の杜 「さかい利晶の杜」とは、堺が誇る茶人・千利休と、歌人・与謝野晶子をテーマとした文化観光施設で、2015年にオープンしました。 利休の「利」と晶子の「晶」を一字ずつとった通りに、内部は資料館となっており茶道の体験や復元茶室の利用などができるようになっています。 「梅の花」は豆腐や湯葉を中心とした和食レストランで、この利晶の杜にその一店が併設される形で出店されています。 梅の花 さかい利晶の杜店 すごくかっこいいアプローチ 懐石コース「利休」 安土桃山時代、利休が生きた頃の茶会で出されたメニューや食材をイメージしたコースです。 お品書きは以下の通りで、季節やタイミングによって食材が変わるとのこと。 ・鮑の柔らか煮・長芋の海鼠腸(このわた)掛け・季節のお造り ・生麩田楽 ・合鴨の治部煮 ・魚の焼き物 ・汁物・香の物・赤飯・抹茶しるこ 左・ 鮑の柔らか煮右・ 長芋の海鼠腸(このわた)掛け お品書きの説明によると、いずれも利休の茶会ではよく用いられた食材とのこと。 鮑は縁起物でもあり、武家の儀式にも不可欠なものだったためポピュラーだったのでしょうか。 季節のお造り 季節のお造りは味付けしたまぐろに、山芋と崩し湯葉をかけたもの。そして鮭の「氷頭なます」です。 「氷頭(ひず)」は鮭の頭の軟骨のことで、薄切りにしたそれはコリコリとした食感でとてもおいしいものでした。 まぐろはいわゆる「ヅケ」になっており、山芋と湯葉のとろりとした舌ざわりがやさしく、しっかりした味付けでお酒がほしくなってしまいます。 生麩田楽

  • あなたはどのタイプ? ペンネームの属性からみる「作風イメージ」の考察

    ペンネーム、使っていますか? 作家活動を行うにあたっての名前である「ペンネーム」。もちろん本名で活動する方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、物語を紡ぐにはいつもの自分と違った「作家モード」にスイッチするためにも、ペンネームは有効ではないでしょうか。 さまざまな思いが込められたペンネームは百花繚乱、実に多彩なものが存在していますね。 一度聞いたら忘れられないようなインパクトのあるものから、深イイ話やエピソードに由来するもの等々……。 そんな作家としての名前ですが、いざタイトルの下や本の表紙などに記された際、読み手としてはその第一印象からある種の「作風イメージ」を膨らませはしないでしょうか? 以下は、わたくし三條の勝手な印象と分類ではありますが、ペンネームの属性からその作風に対してどのようなイメージをもつのかを、考察してみることにしたいと思います! ※歴史上の人物と判断した作家さんには、敬称を略しています。「織田信長」!みたいな感じで。 色彩タイプ まずは、ペンネームに「色」の名前が入るタイプです。 「紅」「紫」「蒼」「翠」「玄」などなど、字面から直接色彩とそれに関わる事物への共感覚を引き起こします。 こういった色彩に関わる語句をペンネームに取り入れる作家は、心情描写や言葉の表現そのものにこだわりをもつ方が多いように感じます。 また、使用する色名も「暖色系」と「寒色系」では受ける印象も異なり、それぞれに得意とする作風への思いが無意識に込められているのかもしれませんね。 「紫式部」はペンネームではありませんが(笑)、雅やかな王朝文学の情趣にぴったり合っています。 ひらがなタイプ 姓でも名でも、ひらがなが使われていると、ぐっと優しげな印象を受けますよね。 どちらかというと女性的なイメージで、作品の内容や文体もたおやかなのでは、と想像します。 「さくらももこ」さんや、「朝井まかて」さん等が思いつきました。 カタカナタイプ ひらがなに対して、カタカナを使うと今度は先鋭的というか、ちょっとアグレッシブな雰囲気が急にしてくるように感じるのはわたしだけでしょうか。 日本語ではなさそうな名前でも、妙にはまってしまうペンネームがあるのでインパクトがあります。

  • おすすめ小説『京都府警あやかし課の事件簿』天花寺さやか

    京都府警の特殊部隊、"人外特別警戒隊"の活躍 皆さんは、京都を訪れたことがおありでしょうか? "千年の都"の尊称に違わぬ、重厚で凛とした空気感。 それでいて、思いのほか懐っこく温かな人情味。 古来の伝統と現代的な軽やかさが共存する、そんな不思議な魅力の虜になった人はあとを絶たず、洋の東西をも問いません。 ですがそんな華やかな京都で、時折何かの視線を感じたり、急に寒気や頭痛がしたり、といった経験はありませんか? そうですか。きっと、そうではないかと思いました。 そんなあなたは、"霊力"をお持ちのようですね。 それは京の都に棲まう、人ならざる物々、すなわち「あやかし」たちの仕業かもしれません。 悪寒程度ならよいのですが、あやかしは時に人々へ深刻な影響を与えることがあります。 そんな事態に即応すべく、京都府警には対あやかし専門の特殊部隊が存在するのです。 今回おすすめする作品は、"京都府警察 人外特別警戒隊"=通称「あやかし課」の隊員たちの活躍を描く、天花寺(てんげいじ)さやか先生作、『京都府警あやかし課の事件簿』です。 古都を舞台にした、あやかし達との捕り物劇。その魅力の一端を、ご紹介したいと思います! あやかし課の新任女性隊員、「古賀 大(こが まさる)」の日々 物語の主人公は、あやかし課の新人隊員である「古賀 大(こが まさる)」。一見、男性のような名前ですが花も恥じらう二十歳の乙女です。 "京都府警察 人外特別警戒隊"の正式名称をもつ特殊部隊であるあやかし課の各拠点は、普段は一般的なお店や商売でカモフラージュして、市井の生活に溶け込んでいます。大が着任した"八坂神社氏子区域事務所"は、昭和レトロなカフェ「喫茶 ちとせ」の姿をとっていました。大は個性的ながらも温かな先輩隊員たちとともに、京都の治安を守るためあやかし達と向き合う任務に就くのでした。 あやかしや神仏との距離の近さ! すぐそこにある異界

  • 第三献 あまくち日本酒と、お正月でもないのに伊達巻き

    同じ原料からつくるのに、お酒ってどうしてこうも味わいが違うのだろうと、いつも不思議で仕方ない。 いや、正確に言うと原料が同じというのは使う素材の種類のことで、品種や銘柄によって特徴が違うことはわかる気がする。 ただ、単に「麦」といってもそれからビールやウイスキー、焼酎など全然風情の異なるお酒ができる、というのがとっても面白いのだ。 「酒」といえば日本語ではつまり日本酒のことを指す場合も多いけど、ぼくはこの日本酒が一番ファンタスティックに感じてしまう。 普段から主食として口にしているお米から醸される、伝統のアルコール。 もちろん酒造りに適したお米を使っているのだけれど、お茶碗によそったご飯があの日本酒になるのだと思うと、 「自然すげえぇぇぇ」 と、何やら玄妙な気持ちにならざるを得ない。 元々アルコールにあまり強くないぼくは、一人で晩酌するという習慣がなかった。 でも結婚してからというもの、少ーしずつお休みの前夜なんかに、色んなお酒を味見するのがちょっとした楽しみになっていった。 なぜか「東北の女性はお酒に強い」というイメージがあるが、お嫁さんの伊緒さんは北国育ちで、やっぱりお酒にはたいへん強いのだった。 結婚前、かつて同じ職場だった頃の飲み会では、顔色ひとつ変わったところを見たことがない。 でもそういうのは彼女いわく、 「気合」 だそうで、お家で安心して飲むときは気分よく酔ってしまうという。たいへんかわいくていいと思う。 さてさて、そんなある日の家飲みでのできごと。 「……あまい…!すっごくおいしい」 伊緒さんが目を丸くして、感嘆の声をあげた。 手元には小さなおちょこ。今日はとてもめずらしいことに、一緒に日本酒をたしなんでいる。 「ええから飲んでみ。口に合えへんだら、煮物にでもつこたらええやん」 伊緒さんの歴史ライター仲間の女性が、そう言って持たせてくれた銘柄だそうだ。 彼女はお酒の記事の専門家で、趣味と実益を兼ねて全国の酒蔵を巡っている人で、なんだか羨ましい素敵な生き方だといつも思う。 伊緒さんが普段あまり日本酒を飲まない、という話を聞いて、 「そら、あかん」

  • 「日本の歴史.com」寄稿記事一覧

    幅広い時代を網羅する、歴史トピックの宝庫 帯刀コロク名義で寄稿させていただいた、「日本の歴史.com」さんでの記事一覧です。 歴史ライターとしては自身の最多寄稿数で、とても楽しく書かせていただきました。 主に「武道」というテーマで日本古来の身体文化に関すること、または「食文化史」についての記事が比重を占めています。 古代史関連記事 e5%9b%bd%e6%a0%96%e4%ba%ba/ e3%83%a4%e3%83%9e%e3%83%88vs%e3%82%a8%e3%83%9f%e3%82%b7/ e9%9a%bc%e4%ba%ba/ e5%b1%b1%e4%b8%8a%e6%86%b6%e8%89%af/ e6%a0%a1%e7%94%9f/ 食文化史関連記事 e7%b8%84%e6%96%87%e4%ba%ba/ e7%b2%be%e9%80%b2%e6%96%99%e7%90%86/ e7%b9%94%e7%94%b0%e4%bf%a1%e9%95%b7/ e4%b8%87%e8%91%89%e4%ba%ba/ e7%b5%90%e8%a7%a3%e6%96%99%e7%90%86/

  • 「武将ジャパン」寄稿記事一覧

    歴史ライター「帯刀コロク(たてわきころく)」としての記事 歴史ニュースポータルサイト、「武将ジャパン」さんに寄稿させていただいた記事の一覧です。 「わかりやすく、おもしろく」をモットーに、幅広い裾野の歴史ファンに向けた多彩なトピックが魅力のサイト。 「帯刀コロク」として、歴史ライターのお仕事デビューとなった思い出深い記事ばかりです。 刀剣トピック 武術トピック 歴史トピック

  • 「戦国ヒストリー」寄稿記事一覧

    歴史ライター「帯刀コロク(たてわきころく)」としての記事 "本格派戦国webマガジン"と銘打った、「戦国ヒストリー」さんに寄稿させていただいた記事を一覧にしました。 わたしは主に「刀剣」や「甲冑」に関するジャンルの執筆を担当、有名な刀工やちょっとマニアックな歴史トピックなどをご紹介しています。 甲冑関連記事 刀剣関連記事

  • 苔むした石塔と巨樹の霊場! 高野山「奥之院」を歩く

    「日本国総菩提寺」、山上の聖地・高野山 「日本の総菩提寺」とも例えられる紀伊国・高野山。 標高約800mの山地におよそ120もの寺院がひしめく宗教都市としての威容を誇り、弘法大師・空海が開創した真言密教の総本山として知られています。 その中でも、空海がいまだ禅定を続けているという信仰のある「御廟」と、その参道沿いに約20万基もの石塔や供養塔が建ち並ぶ「奥之院」。 ここが高野山の信仰の中枢といっても過言ではありません。 苔むした石塔や、樹齢数百年を優に超える巨樹が佇む霊場は、神聖な空気感に満ちていて歩くだけでも心が浄化されていくかのようです。 今回は、お盆参りで高野山に上がった際に撮ってきた奥之院の写真を、ご紹介したいと思います! 石塔と巨樹の佇む霊場 「一の橋」。奥之院の正式な入口。空海の御廟まではここからおよそ2kmの道のり 一の橋を渡ってすぐの参道。高野山全体が平地よりかなり涼しいが、ここからさらにひんやりとする 沿道にはこのような石塔が無数に存在する。戦国武将や大名家の供養塔が、敵味方関係なく建ち並ぶ。写真は仙台・伊達家のもの この不思議な形の供養塔は「五輪塔」。一番下の立方体から「地・水・火・風・空」を表す。いわゆる「五大(五輪)」で密教の宇宙観を表現した5つのエレメントを意味している 梵字ではなく漢字を刻む例も。下から「地・水・火・風・空」の文字が読み取れる 歩くだけでもなんとなく厳粛な気持ちになる。でも、とっても気分がいい ものすごい巨樹であふれかえっている。どれだけの時を過ごしてきたのか ふと見やると、そこかしこにケルンが。無心に積み上げた人たちの祈りの跡 石仏はいずれも大切にされ、頭巾や前掛けはいつも新しい。穏やかなお顔で「ようお参り」と語りかける 主参道から無数の枝道が分かれる 武将や大名家の墓所も仲良く並ぶ 高野山奥之院には、たくさんの武将や大名家の供養塔が併存していることもよく知られています。 それは敵同士として戦った家中であっても関係なく、安らかに、そして仲良く眠っているようにも感じられるのが不思議です。 毛利家墓所。五輪塔の圧倒的な巨大さに驚愕 北条氏墓所 紀伊徳川家初代・徳川頼宣墓所

  • 小説キャラクターのネーミング法、5つのヒント!

    物語で何度も呼ぶ名。だからこそ、こだわりたい! 小説の登場人物の名前って、みなさんはどのように考えていますか? パッと頭に浮かんだものや、身近な人からのヒント、あるいはキャラクター像にぴったり合ったものを設計する……等々。 物語中で何度も出てくることは確実で、しかも読者の印象に残る効果も期待されるため、ネーミングにはこだわりたいところですよね。 でも、なかなか「コレだ!」という名前を思いつくのは難しく、しかも登場人物が増えるほどその作業はたいへんになるので、悩ましい問題です。 そこで、小説キャラクターのネーミングについて、わたくし三條すずしろが行っている方法を5つ、ご紹介したいと思います! ありふれた名前の漢字を変える インパクトを重視すると、ついつい凝った名前をつけたくなります。 もちろん、唯一無二の個性的なネーミングも作家の腕の見せどころで、作風を形づくるひとつの要素になり得ます。 ですが、あえてシンプルでありふれた名前をつける、という逆手の方法も存在しています。 かえって新鮮味がでる場合もあり、何より覚えやすいというメリットもありますね。 そんなありふれた名前の例を、ベタですが「太郎」とします。そして、その字をさまざまに変えてみましょう。 汰浪她楼埵瑯侘呂宇咑櫓雨 いかがでしょうか。 ちょっとやりすぎ感もありますが、同じ「タロウ」でも字面でずいぶんと印象が違いますね。 同様に「イチロウ」でも「ハナコ」でも、あてる漢字によってさまざまに雰囲気を変えることが可能です。 神話や伝説、古文献から拝借する ファンタジー要素の強い作品などでよく見受けられる、伝統的な手法です。 『古事記』や『ギリシャ神話』または『聖書』などで神々や聖人の名前を調べてみると、いずれもめちゃくめちゃカッコいいことに気づきますね。日本神話なら「アマテラス」とか「ツクヨミ」とか、ギリシャ神話なら「ゼウス」とか「プロメテウス」とか。 中二ゴコロがくすぐられる、素敵な名前のオンパレードです。 また、古い文献をヒントにするという方法もあり、わたしは古代日本を舞台にした『吠声(はいせい)』という作品では、『正倉院文書』にある「山城国隼人計帳」という奈良時代の納税者名簿を参考にしました。

  • WEB小説は複数サイトへの投稿をおすすめする、たった3つの理由

    小説発表の場は、WEBが中心となっている 電子書籍やブログ小説などがすっかり定着し、現代の小説発表の場はWEB上においてが中心になっているといっても過言ではないでしょう。そんなホームといえるもののひとつが、「小説投稿サイト」です。ほとんどの場合は無料で作品の発表や鑑賞ができ、書き手と読み手がコミュニケーションをはかることもできるという、いわばネット上の同人活動ともいえる場を提供してくれています。また、出版社が運営していたりプロの編集者が作品発掘に訪れたり、各サイトで大々的な文学賞が開催されたりと、創作活動はますます熱気を帯びていると感じられます。自身が書いた作品を、どのサイトに投稿しようか迷うのも楽しいものですが、多くの小説投稿サイトでは一定の条件を満たせば複数のサイトへの重複投稿、いわゆる「マルチ投稿」を認めています。条件といっても、公開しているサイトをすべて明記するといったものが多く、決して難しいことではありません。そのため、わたしは管理できる範囲内で複数のサイトに投稿するようにしています。こういった重複投稿については、どういうわけかなんとなく「はしたない」「後ろめたい」という声も聞くことがありますが、わたしはごくごくシンプルな理由とメリットから、いろいろなサイトで発表することをおすすめしています。自分自身の体験をもとに、以下にその理由を3つだけ記したいと思います。 より多くの人に読んでもらえる可能性が高まる 複数投稿に期待する最大の効果は、このことに集約されるといっても大げさではありません。 とにかく、なるべくたくさんの方の目に止まり、ページを繰ってもらえるようにするためには、露出を多くするのが堅実な方法です。 各サイトとも人気ジャンルとしては異世界ファンタジーが席巻しているのは変わりませんが、どこでどんな作品がどれだけ受け入れられるかは未知数です。 サイトごとの「読者層」にも違いがあり、一概には言えませんが「小説家になろう」なら目の肥えたライトノベルファンが、「エブリスタ」なら女性読者が多い、といったイメージで語られることもあります。 実際に、「サイトA」ではあまり読者さんがつかなかった作品が、「サイトB」ではランクインした、または「サイトC」の文学賞で高位の選考に残った、といった事例もあります。

  • おすすめ作家 「瀬比 亜零(せひ あれい)」 作品5選

    瀬比 亜零とは プロ・アマ問わず、作家活動の場が飛躍的に広がった昨今、作品発表の媒体は電子版が大きな比重を占めるようになりました。WEB上を中心に活躍する作家さんで、三條が尊敬してやまないお一人が「瀬比 亜零(せひ あれい)」先生です。 当初は「サラリーマン作家」の肩書で、同人誌活動からAmazon kindleに活動の場を移し、いまやおよそ40作という著作をもつ精力的な作家さんです。 関西をホームとし、ラジオ出演や講演活動などで多忙な瀬比さんは、いわば「プロのWEB作家」ともいえる新時代の作家の姿を体現した人であり、三條の目標とするところでもあります。 小説を書く楽しさを、全身全霊で味わうかのようなその作品の数々。ここでは、うち5作をご紹介したいと思います! 『パラダイス』 あやしげな山道、あやしげな人々、あやしげな失踪事件……。ぜんたいにあやしげな寒村でひそかに進行する、「パラダイス計画」のおぞましい実態とは……?真面目な婦警と、鋭い観察眼をもったおちゃらけカメラマンのコンビが活躍する、「バディもの」としての楽しさも充分な、「瀬比 亜零」の名を広めた出世作にして、R-18指定必至の問題作。 わたしもこの作品で、初めて瀬比亜零の名を知りましたが、「万人にはおすすめしないでネ」とはご本人からのメッセージ。 リンク 『癒しの里の住人』シリーズ バー「ロイヤルズ」に集う5人のメンバー。彼らのもとには、今日も表の法では捌ききれない、さまざまな問題や悩みが持ちこまれる――。現代版「仕掛け人」ともいえる、大人気の推理シリーズ。時に荒事もありつつ、冷静沈着に悪事の根源を追い詰めていく様子は、まさしく「裏社会の頭脳戦」。kindleでは海外での売上も好調な、痛快でどこかノスタルジックな物語です。 リンク 『沈みゆく男達』 瀬比亜零は推理だけではなく、コメディだって書けるんです。神の気まぐれか悪魔のいたずらか、奇跡のような間の悪さに絡めとられた男たちを描いた短編集。「軽い笑いだろう」ぐらいに侮っていてはたいへんなことになりますよ。電車の中では読まないほうがいい、という注意書きを笑い飛ばして、通勤中に読んだ人がどうなったか、わたしは知っています。 リンク 『ちい子と閣下』

  • Google AdSenseの審査、一発合格! アルコール関連記事あり、他社広告あり、問い合わせ先なし。認定条件を検証してみた

    マネタイズの雄、Google AdSense ブログや自サイトのマネタイズをはかるため、Google AdSenseの導入は外せない選択肢といわれています。ただしそれには審査があり、非常に厳格なことで知られています。過去のある時点では90%以上が非承認、つまり不合格だったという数値も提示され、ひとつの大きな壁となっています。当、すずしろブログは様々な先人たちの成果などを参考に、開設6か月にして審査を申請。無事、一回で承認してもらうことができました。合格の明確な基準は全貌が明かされておらず、「これはしておいたほうがいい」「こういうことはしないほうがいい」という情報がまことしやかにささやかれています。もちろんケースバイケースであり、Google側のポリシーが変更となることもしばしばなので、絶対的なことばかりではありません。しかし実験的に通説とは逆のことを行いながらも認定された点があり、そういったことを振り返りつつ情報を共有できればと思います。 記事は何記事? 内容は? 申請時の公開記事は127記事、うち8割は複数の小説投稿サイトで発表している、WEB小説です。他は本やマンガの紹介、小説内登場の再現レシピ、取材旅行のレポートなどといった「雑記ブログ」の体裁です。運営歴は先述の通り約6か月で、Google AdSenseの申請は初めてでした。 ASP経由の広告は貼らないほうがいい? いくつかのサイトのアドバイスでは、Google AdSenseに申請するときは 他の広告を貼らないほうがいいというものが散見されます。しかし、参入ハードルを考慮するとまずはASPに登録するのが自然な流れであり、これがマイナス材料になるとしたら納得できない、と考えていました。そこで、「A8.net」「もしもアフィリエイト」「Amazonアソシエイト」それぞれの広告を貼り付けたまま、申請を行ってみました。結果は合格で、以上のことから他社広告の貼り込みが不合格材料になるわけではない、ということがわかりました。 お問い合わせ先・サイトマップページは必要?

  • ベタだけど衝撃的な、「転」のストーリー展開パターン5選!

    起承転結の「転」、ベタでも驚きの展開 小説でもマンガでも映画でも、ストーリーの重要な分岐点というものがありますね。みる人をあっと驚かせ、急転直下のどんでん返しでさらに深く物語世界へと引き込む、大切な場面です。ところが、意外性には限りがあり、手法的にはすでに出尽くしたともいわれています。それでも、すでにどこかで見た展開であってもそこまでの持って行き方で、十分なインパクトを与えることができるでしょう。 今回は、そんな「ベタだけど」何度でも驚ける衝撃展開のパターン5選を挙げてみました! ※作品にはネタバレを含む部分もあります。 信頼していた人が実は黒幕だった! これはもう、さっそく鉄板といいますか、絶対にびっくりするやつですよね。 主人公の味方だったり肉親だったり、「まさかこの人が」感のある人物ほど衝撃が大きいのはたしかです。 ただし、あんまり突拍子もないようなキャラが黒幕だと興が削がれるので注意が必要です。 例としては、『BLEACH』の「愛染惣右介」なんかどうでしょうか。あれにはわたし、リアルタイムで驚愕しました。 リンク 死んだはずの恋人や親友が、実は生きていた! 大切な人を失った主人公が悲しみや怒り、憎しみにとりつかれながらも生きていく。みる側としても痛ましい思いを強いられる設定ですが、そんな相手が実は生きていた!という展開もお約束です。でも単純に「よかった!」とはならないのも常で、記憶を失っていたり人格が変わっていたり、より辛い現実への伏線として用意されることも多いでしょう。主人公とのその後の関係性をどう描くか、という面も大きな見どころですね。 例としてはやはり『北斗の拳』の「ユリア」でしょうか。「最後の将」っていうのがいまだによくわかりませんが、いろんな意味で衝撃には違いありませんでした。 リンク 悪役の目的が、実は正義だった!

  • 第二献 郷愁のウイスキーと、あつあつローストナッツ

    焚き火のにおい、ってご存じでしょうか?木がはぜるときの、香ばしくどこか甘やかな煙のにおい。たぶん、これまでの人生でそう何度も体験したわけではないはずなのに、どうにもたまらなく懐かしいような、切なくあたたかいにおい。きっと焚き火には、遠い遠い祖先から受け継いだ、太古の記憶を呼び覚ます力があるのではないでしょうか。でも、実際に火を前にしているわけではないのに、そんな素敵な共感覚を起こしてくれる飲み物があるのです。 それは、ウイスキー。 そう。とっても強いお酒の代名詞ともいえる、あのウイスキーです。 実をいうと、わたしはごく最近まで、ウイスキーというのは渋いおじさまが伝統的なバーやクラブで召し上がるもの、というイメージをもっていました。はい、ベタで申し訳なく思っています。ですがかなり強いお酒であることは事実で、大人の、それも男性の飲み物という先入観はけっこう根強いようでもありました。ハイボールなどの気軽な飲み方もありますが、急激に人気が高まったのはやっぱりウイスキー造りを題材にしたメディア作品の影響が大きいでしょう。そのブームはものすごく、いくつかのメーカーでは仕込みが追い付かなくなって、原酒が終売となる銘柄が出るほどなのだそうです。 かくいうわたしも、その作品はDVDを借りて夫と夢中になって全巻鑑賞したものです。 そんなウイスキーを初めてストレートで頂いたのは、わたしの故郷である北海道に夫と一緒に里帰りしたときのことでした。空港に降り立って、「やいやいやいや、たいした久しぶりだねー」などと急にお国なまりを全開にしてテコテコ歩いていると、なにやら人だかりがしています。なんだべなんだべ、と覗き込んでみると、どうやらウイスキーの試飲イベントをしているのでした。よく知られているとおり、北海道はウイスキー造りの聖地のひとつで、頑ななまでにオーセンティックな製法は本場スコットランドの蔵人からも評価されているといいます。「新婚さんですか? どうぞどうぞ、無料ですので味見してみてください!」元気のいいおじさんが、元気よく声をかけてくれました。もうたいして新婚でもなかったのですが、わたしたちはちょっと照れつつもすっかり気をよくして、勧められるままにテーブルに着きました。

  • 執筆に疲れてしまったとき試したい、創作意欲がよみがえる5つの気分転換法

    大好きな執筆……でも、疲れてしまうときもある 普段は仕事をしていて、空いた時間を利用してコツコツ小説を書く。文学賞に応募したり、投稿サイトに発表したり、あるいは電子や紙で自ら出版したり……。 わたしもそんな物書きの一人で、素晴らしい楽しみに出あえたものだなあ、と日々感謝しています。 紙とペンさえあれば小説は書けますが、いまやスマホやパソコンで創作はより身近なものとなりました。また、自身の頭の中で無限の物語を紡げるため、いかなるときでも退屈するということのない取り組みでもあります。 ところが、そんな楽しい小説書きでも、時折どうしようもなく疲れてしまうことがないでしょうか? 誰に頼まれたわけでもない、自ら好んでしていることなのに、心身が擦り切れてしまったような深い疲労に苛まれる……。 仕事でしているわけではないけれど、「趣味」と割り切るにはもう少し切実な行為。小説を書くことを、そのように思っている人ほど陥りやすい感覚ではないでしょうか。そうです。小説を書くことは、体力と精神力を激しく消耗し、もっといえば魂を削って打ち込むような過酷なことなのです。ちょっと大げさに感じるかもしれませんが、物語を紡ぐのはそれくらい真剣なことなのだとわたしは信じています。さればこそ、ずっと書き続けることはとても難しく、壁にぶち当たるようにして筆が進まなくなることがあるのも当然です。では、そんな時にはどうすればいいのか。答えは「気分転換」をすることです。もちろん対応は人それぞれで、絶対に正しい方法などは存在していません。ですが、疲れを取り、目先を変え、リフレッシュする。それにより、次の一歩を踏み出す力を蓄えるのは、創作活動に限らず普段の生活や仕事でも同じく有効な手段です。このコラムでは、わたしが「ちょっと疲れちゃったかなあ……」と感じたときに試している、気分転換の方法5種についてご紹介したいと思います。 1.原稿に向かうのをすっぱりやめる 簡単にこれができるのなら苦労はしない!という声が聞こえてきそうですが、わたしは書けなくなったときは無理してでも(笑)原稿に向かうのをやめるようにしています。 生みの苦しみを経て出てくる文章も確かにあるのですが、わたしは長時間机に向かって何かが「降りてくる」のを待つのはやめにしています。

  • 自分の小説作品について、選考通過歴・サイト特集歴をまとめてみた(2019.8月現在)

    文学賞の選考通過レベルについての情報は、意外と少ない 小説を書いている人なら、一度は公募文学賞への応募を検討したことがあるのではないでしょうか? あるいは実際に挑戦し続けている人や、小説投稿サイトや電子書籍出版を舞台に活動している作家さんも多いかと思います。 それでも今や、投稿サイトや電子出版会社が主催する文学賞が百花繚乱で、アップした作品をタグ付けひとつで賞に応募できるなど、挑戦のハードルも多様化しています。 そこで気になるのが、それぞれの賞ではどのような作品が上位に進んでいるのか、という問題です。大賞や付随賞、特別賞などを受けた作品はもちろん目につくのですが、最終選考やその一歩手前までいったものはどんな内容でどれ位のレベルなのか、そういった情報は作品紹介欄などで明記されない限り なかなか知る機会がありません。もちろん、他の作品のことは気にせず、自身の執筆に集中する! というスタンスも尊いと思います。しかし、自身の作品を客観的にみつめて、ある賞においてどれくらいの評価を得たのか知ることも、有意義な勉強になるのではないかと思いました。 そこで、わずかではありますが私、三條すずしろの文学賞選考通過歴と、小説投稿サイトの特集歴を記して、ささやかな資料に供したいと願います。 『吠声(はいせい)―隼人彷徨―』 第15回 歴史浪漫文学賞「3次選考通過」 これは私が初めて書き上げた作品で、奈良時代に大和朝廷へと朝貢していた南九州の「隼人(はやと)」を主人公とした歴史小説です。 かなりマニアックな題材で、なおかつ初めての作品ということもありかなり不安な思いでしたが、勇気を出して郁朋社主催の「歴史浪漫文学賞」に応募しました。 この賞には「創作部門」と「研究部門」とがあり、規模は大きくないものの貴重な歴史系文学賞の雄として知られています。 選考は3次の次が最終で、大賞をあまり出さない厳しさでも有名です。 『吠声』は第15回で3次選考通過、全90作品弱のうち上位16作品が該当とのことでした。この章では、3次以降の選考通過者には自費出版の案内が送られてくることから、商業出版レベル手前のクオリティをはかる、目安になる可能性があるともいいます。なお、この『吠声』という作品は後々、まったく偶然の経緯から大阪の電子書籍出版社「C'S

  • 奥河内の隠れ家「南天苑」で、会席料理をいただきました

    紀見峠の麓、穴場の温泉旅館 「ここが大阪府なの!?」 そんな隠れ家的なスポットの一つが「奥河内(おくかわち)」。大阪府と和歌山県の境界に位置する、静かで清冽な峠のふもとです。 南海高野線「天見駅」下車すぐのところに、天然温泉を擁する旅館「南天苑」があります。 高野参詣のルート上にあたるこの地域は、南北朝の頃から湯治場として知られていました。そんな伝統ある土地に佇む温泉旅館は、日帰りでお料理をいただくこともできるのです。 今回は母の74歳の誕生日に、家族でお世話になりました。あまりにも素敵だったので、ぜひご紹介したいと思います! 辰野金吾博士の事務所が設計!大正ロマンあふれる本館 駅を降りると、もう目の前に「南天苑」があります。 ここの本館はなんと、東京駅丸の内駅舎などの設計で知られる、「辰野金吾」博士の事務所が設計したことが分かっています。学術的に判明したのは2002年のことですが、翌年には国の登録有形文化財として登録、レトロモダンな建築が人気を博しています。 堺市の「大浜潮湯」別館を移築、大阪阿倍野の料亭「松虫花壇」別館としてオープン。1949年に現在の「南天苑」として開業 映画のセットみたいな、素敵な内装 大正ロマン、という言葉がしっくりくるレトロな内装は、まるで映画の世界に迷い込んでしまったかのようです。歴史に裏打ちされたゆったりとした空気が流れて、心がほぐれていくような落ち着きを感じます。 エントランス。文豪なんか泊まりに来るイメージ 天然ラジウム泉と、心づくしの会席料理。 日帰りプランでは、天然温泉のお湯をいただいて食事をすることができます。少しとろみがあって、ピリッとするお湯はすごく体が温まります。 そして、何よりもここ南天苑は、お料理が本当においしいのです。あれこれ書くよりも、写真をご覧いただくのが一番いいように思います。キャプションは内容に徹することとして、ご覧くださいませ! 八寸枝豆・う巻き・蛸うま煮・薩摩芋かん・チーズ入りスモークサーモン巾着(鬼灯見立て) お造りはも梅肉添え・鱸洗い・つるむらさき・はすいも

  • おすすめ作家 「ほしちか(上田 聡子)」 作品5選

    ほしちか(上田 聡子)とは 三條の好きな作家さん、創作を行ううえで大きな影響を受けた作家さん、その一人が「ほしちか(上田 聡子)」先生です。 noteやカクヨムなどのWEB媒体、文学フリマ、児童文学誌等々、さまざまな媒体で活躍するほしちかさん。小説やエッセイ だけでなく、短歌も詠まれています。わたしが知ったのは、カクヨムで拙作にレビューとコメントを頂いたことがきっかけでした。 日々のささいなことに光をあてて、温度のある言葉をつづりたい。 noteのプロフィールページより( ) そんな言葉通りの、やわらかくあたたかな作品の数々。そのうち、5作をご紹介します。 『洋食屋ななかまど物語』 小さな洋食屋さん「ななかまど」の一人娘、千夏。家業を手伝いながら大学に通う彼女には、密かに思いを寄せる人がいました。ところが、父の願いは腕のいい料理人を婿に迎えて、ななかまどを継いでもらうこと――。千夏の想い人は、料理人とは縁遠い世界の住人でした。しかしやがて、後継者候補の料理人がななかまどに入店し、彼は強引ながらも本気のアプローチを千夏に仕掛けて……。 選択を迫られること、それも人生を左右するような。その試練に、千夏はどう向き合うのか。 誰にでも一度は訪れるであろうそんな壁ですが、それぞれの真っすぐな思いを心から応援したくなす。ややツンデレな千夏の態度も愛らしい、さわやかで甘酸っぱい読後感の物語です。 『洋食屋ななかまど物語』(カクヨム版) 『シンデレラの侍女』 親友の恋路を見守る優架。クラスで人気の男子生徒への、親友の恋心に気付きながらも、ライバルが多すぎることから成就には悲観的だった。ところが、事態は優架の思わぬ方へと動いていって……。 意味深なタイトルが示す通り、「主人公にならない子」が主人公、という徹底した視点が心に残る掌編。最後の最後まで、結末を知らない物語のその後に思いを馳せる姿に、「これは自分だ」と思ったのはわたしだけではないでしょう。 『シンデレラの侍女』(カクヨム版) 『この夏っきり』

  • 635段を登る! 紀北のパワースポット「不動山の巨石」

    神様の工事途中、という伝説の巨石群 日本独特の山岳信仰である「修験道(しゅげんどう)」。山に登って霊力を鍛え上げ、神も仏も祀るという「山伏」の登山宗教です。 この修験道の開祖が「役小角(えんのおづぬ)」。古代氏族・賀茂氏の出身で、現在の金剛山(葛城山)は役小角ゆかりの行場としてよく知られています。 そんな金剛山に連なる山々には多くの伝説が残り、和歌山県橋本市の「不動山」という所にもそのひとつが伝わっています。 そこには山中ながら不思議な巨石の群れがあり、知る人ぞ知るパワースポットとなっているのです。その巨石群とは、役小角がかつて葛城の神「一言主(ひとことぬし)」に、葛城山から吉野の山まで橋を架けるように命じた折の建材だというのです。 一言主による工事は完成せず、その巨石のみが残された――。 それが、「不動山の巨石」です。 金剛山へと至るルート、葛城修験の行場 葛城修験の修行場としても有名な金剛山は、その縦走路が「ダイヤモンドトレール」と呼ばれています。奈良県香芝市の「屯鶴峰(どんづるぼう)」を起点とし、大阪府和泉市の「槇尾山」へと至る全長約45kmの登山道です。 長大なダイヤモンドトレールにはいくつもの合流路があり、不動山の巨石もそのルートのひとつとして知られています。 のどかな杉尾の里山とひたすらの急階段 不動山の巨石へは、橋本市の「杉尾」という村から取り付きます。山間の傾斜地に広がる水田も美しい、のどかな里山で「明王寺」のすぐ隣に約6台分の駐車場が設けられています。 杉尾の登山口 登山道は、いきなりの急階段から始まります。巨石までの段数は「635段」。見上げても、もちろん先までは見通すことができません。これをひたすら登っていくのですが、すごい斜面の途中にベンチがあったりするので、休憩しながら景色を楽しみつつ行くのがよいでしょう。 もうものすごい階段 先が見えません 振り返ると杉尾の村が ちなみに、巻き道の迂回路もちゃんとあるので、階段が辛い方と帰り道はそちらをおすすめします。 巨石、そして「日本の音風景100選」の風穴

  • おすすめ漫画 『ゴールデンカムイ』 野田 サトル

    隠された金塊を求める、アイヌの少女と元兵士の冒険 今回はわたしの愛してやまない、北海道を舞台にした漫画作品、野田サトルさんの『ゴールデンカムイ』をご紹介します。物語は明治時代の北海道。かつて日露戦争に従軍し、「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一は幼馴染の眼病を治すため、ゴールドラッシュの北海道へやってきます。ところがそこで、アイヌの人たちが独立運動のために埋蔵したという金塊の噂を耳にします。その隠し場所の暗号は、網走から脱獄した囚人たちの体に刺青として刻まれている――。半信半疑の杉元ですが、その話を聞かせてくれた男の体にはなんとその刺青が。やがて窮地に陥った杉元を、アイヌの少女「アシリパ」が助けたことで運命は動き出します。アシリパは、金塊を隠し囚人に暗号の刺青を彫った「のっぺらぼう」の娘だったのです。杉元は幼馴染のため。アシリパは失踪した父に会うため。共通の目的をもった二人は相棒として手を組み、隠された金塊の謎に迫っていくのです。 こだわりのアイヌ語と文化の描写 本作の最大の見どころのひとつは、徹底したアイヌ民族の「言葉」と「文化」への描写です。アイヌは文字をもたない民族のため、アイヌ語の表記はアルファベットかカタカナで行うのが通例です。しかし学派や方法によって色々な表記法があり、やや混乱を招いています。本作ではアイヌ語研究の第一人者として知られる千葉大学の「中川裕」教授がアイヌ語の監修を行っています。文化面でもアドバイザーの一人として参画しており、作品では料理や狩猟法、儀式や伝承や信仰観などさまざまなアイヌ文化が紹介されています。アニメ版ではアイヌ語の発音にも細かく配慮されており、たとえば「神」をあらわす「カムイ」という言葉も正式なイントネーションが使われます。ついつい「ハワイ」と同じ発音をしてしまいますが実際には「寒い」に似た音節であり、第2音節のアクセントが多いアイヌ語を正確に表現しています。※なお、アイヌ語のカタカナ表記では小さい「プ」「ク」「ト」なども使いますが、このコラムではすべて全角の大文字としていますのでご了承ください。 個性的すぎるキャラクターたちと明治期の北海道

  • “日本最強の城”と呼ばれる山城「高取城」に登って、どう最強なのか確かめてきた

    奈良県明日香村のお隣、日本三大山城のひとつ「高取城」 「山城」が密かなブームだそうですね。天守閣や櫓などで構築された、よくイメージするお城とは異なり、山そのものの自然地形を利用して要塞化したしたものが山城です。中世までによくみられた城塞の形で、堀や土塁の跡をいまでも確認できる遺跡がたくさんあります。 当時のリアルな様子を伝える独特の風情で人気の山城ですが、岡山県の「備中松山城」、岐阜県の「美濃岩村城」、そして奈良県の「高取城」を「日本三大山城」と呼んでいるようです。 標高約583mの高取山に築城された高取城は、南北朝時代がその始まりとされています。やがて現在の姿になったのは豊臣政権の時代のことで、一国一城の制が出された後も破却されず、山城でありながら近世城郭、なおかつ政庁として機能し続けた異例の城としても知られています。 「天空の城」、そして「日本最強の城」ともいわれる高取城。いったいどのように「最強」なのか、取材もかねて登ってみました。 かつての城下の風情を残す土佐町 土佐街道 近鉄壺阪山駅を降りてすぐ、かつての城下町である「土佐町」へと至ります。高取城へと続く目抜き通りは「土佐街道」と呼ばれ、ゆるやかな坂になっています。「土佐」と名が付くのは、6世紀頃に大和朝廷への労役のため、土佐からやってきた人たちが集住した地域だったためとされています。 古い町並みがよく残り、江戸時代の城下街道沿いの風情を色濃く残しています。薬草栽培でも有名だった高取は「くすりの町」としても知られ、土佐町を散策するだけでも楽しいと思います! 植村家長屋門(旧・中谷家) 山城への道がもう防御機構に!難攻不落の理由 つづら折りの「七曲り」 案内のパンフレットによると、壺阪山駅から高取城天守台までは徒歩で約2時間の行程。山城ですので途中から登山道となり、少なくともトレッキングの装備で出かけるのをおすすめします。道には深い切れ込みの沢に木橋がかかっていたり、つづら折りの急坂があったりといかにも「攻めづらい」造りになっていることを感じます。 急坂の「一升坂」。石材運搬などで、ここを登りきると米一升が加増された 山腹にものすごい数の石垣!要塞の中の武家屋敷跡 山中の「平場」。斜面に平坦地を設け武家屋敷が建ち並んだ

  • おすすめ漫画 『宝石の国』 市川春子

    宝石の生命と、月からの来襲者との戦い 今回は、友人からアニメ版を勧められてどっぷりはまってしまった、市川春子さんの『宝石の国』をご紹介します。 物語は人間が滅亡したはるか未来の世界。登場する主なキャラクターたちは少女のような少年のような、中性的で美しい容姿をしています。しかし、いずれも骨と肉を持った炭素生物ではなく、その本質は「宝石」という不思議な生命体なのです。 宝石たちは海に面した広い草原でコミューンをつくって共同生活をしていますが、常にある脅威に直面しています。それは「月人(つきじん)」と呼ばれる、月からの謎の来襲者たちです。 月人は仏像の「菩薩」のような姿をしており、空を裂いて瑞雲とともに現れます。その目的は宝石たちをさらって砕き、アクセサリーにすること。物語の序盤ではそのように説明されています。 宝石たちは月人の襲来を察知すると刀剣を携え、敢然と立ち向かいます。しかし、代々の宝石たちのなかには月人に敗れて砕け、矢尻などに使われてしまった者もまた多いのです。 物語の主人公は薄荷色の髪が特徴の「フォスフォフィライト」。通称「フォス」です。フォスは硬度がとても低く、わずかな衝撃でも割れてしまうため頻繁に接合治療の厄介になっています。また、とても不器用で家事も戦闘も不得意なため、やがて世界の『博物誌』を編纂するよう命じられます。しかし、このフォスこそが、後に宝石の生命と月人の秘密に大きく迫る重要な役回りを果たすことになるのです。 僧の出で立ちの「金剛先生」と宝石たちのくらし 宝石たちは「学校」と呼ばれる建物で、それぞれの役割を与えられながら共同生活を送っています。服飾担当、武器製作担当、医療担当等々、そこにはさまざまな宝石たちがくらしています。 そんな宝石たちをまとめるのが、まるで僧侶のような出で立ちの「金剛」です。宝石たちからは「先生」と呼ばれて慕われていますが、対月人の戦闘では圧倒的な力を発揮するちょっと怖い存在でもあります。 宝石たちに言葉や文化、そして日々の暮らしそのものを教えたのはこの金剛先生であり、とんでもなく長い時間を生きていることが示唆されています。 実はこの金剛先生の正体は、物語の核心に関わる重大な秘密を担っており、それが明らかになることで宝石たちの生き方に大きな影響を及ぼすことになっていくのです。

  • おすすめ漫画 『異世界居酒屋 のぶ』 蝉川夏哉・ヴァージニア二等兵

    居酒屋 in 中世ヨーロッパ風異世界 今回は料理を題材にした、ちょっと変わった漫画をご紹介します。料理に関する小説を書く身として、大好きな作品。蝉川夏哉さん原作、ヴァージニア二等兵さん画の『異世界居酒屋 のぶ』です。 ライトノベルといえば「異世界もの」といえるほど、異世界と名のつかない作品を探すのが難しいほどの昨今。はじめはタイトルから、てっきりギャグ漫画かと思ったのですが、さにあらず。中世ヨーロッパ風の異世界に、なぜか日本の正しい「居酒屋」が時空を超えて出店されるというお話で、実に丹念に食と人との関わりが描かれているのです。 異世界ものとはいえ、派手な魔法や巨竜を屠る剣戟などは登場しません。中世ヨーロッパの城塞都市を思わせる古都・アイテーリアで、不思議な店の温もりに魅入られて酒肴を求めにくる人々のお話です。 みんなすごくおいしそうに食べる! わたしはコミック版しか読んだことがないのですが、もっとも目を引くのは登場人物たちの「食べ方」です。口から湯気をふきながら熱いものをほおばる、よく冷えたビールをごきゅごきゅと一息に流し込む、焼き物のタレの香りに鼻孔をふくらませる……。アイテーリアの人たちの、そんな様子があまりにも「おいしそう」で、夜中に読むとまず間違いなく食欲を刺激されてしまいます。 中世の雰囲気をもった世界のため、現代日本の私たちからすると見慣れた酒肴も、彼らにはどれも不思議で面白く、ミステリアスな魅力に満ちています。莢つきの枝豆を「手抜きだ!」と怒りながらも、剥きながら食べる楽しさとほどよい塩気にすっかり夢中になってしまったり。普段から食べ飽きているはずのジャガイモも、辛子添えのおでんですっかり好物になってしまったり。 コミカルながらも、体も心も温まる小さな晩酌の喜びが、丁寧に描かれているのです。 冷たいビールと温かい食べ物、おもてなしの原点

  • おすすめ漫画 『シドニアの騎士』 弐瓶 勉

    新天地を求めての、幾世代にもわたる星間飛行 今回は王道SFながら独特の世界観が心をとらえて離さない、弐瓶勉さんの『シドニアの騎士』をご紹介します。 滅亡した地球を後にした人類。「播種船シドニア」という巨大な宇宙船で新天地を目指し航行しますが、そこには「ガウナ」と呼ばれる胞子状の生物が敵として散在しています。人型や船型など、さまざまな姿態に変化する強力なガウナに対抗できるのは、人型兵器「衛人(モリト)」が持つ「カビザシ」という槍だけです。 物語は、かつてエースパイロットとして名を馳せた男のクローンである「谷風長道(たにかぜながて)」を中心に進みます。都市のシステムから隔離して密かに育てられた長道は、社会にとまどいながらも多くの仲間たちと協力して、ガウナとの戦いに終止符を打つべく旧式の名機「継衛(ツグモリ)」を駆り、戦場へと向かいます。 サイバーパンクと下町風情の、不思議な融合 お話自体はよくあるタイプのSFなのですが、サイバーパンクと下町風情が融合したような不思議な情緒が特徴となっています。シドニアの中には都市があるのですが、まるで昭和の時代を思わせるような日本家屋が建っていたり、時代を経た機械にしめ縄が張ってあったり、高層階に樹木が育っていて神社のようになっていたりと、いっそノスタルジックといえるような情景が広がります。 また、高度に科学が発達した世界であり、シドニア人は光合成によってエネルギー産生ができるように遺伝子操作を加えられています。ところが主人公の長道にはその機能がないため、たくさん食事をとらなければならず、おいしそうにご飯をほおばるシーンは名物的な見どころのひとつとなっています。 また、男でも女でもない「中性」という性別の人物や、不老不死の幹部船員たち、サイボーグやアンドロイド等々、さまざまな生命の在り方が共存しているのも特徴です。 カッコよすぎないメカが、逆にカッコいい! 主役メカである「衛人(モリト)」は、細身のフォルムが印象的な人型ロボです。作者の弐瓶勉さんが、スクラッチで実際に立体に起こしてから描いたという、こだわりのデザインで、直線的な装甲が合わさったシンプルな見た目をしています。

  • おすすめ漫画 『蟲師』 漆原友紀

    漂泊のまれびと、蟲師ギンコの物語 今回は私の大好きな漫画作品、漆原友紀さんの『蟲師』をご紹介します。 まるで妖怪や精霊のような「蟲」と呼ばれる不思議な生命と、それらへの対処を専門とする「蟲師」という漂泊の職能者を題材にした物語です。 物語のなかで「蟲」は、れっきとした実在する生命なのですが、私たちとは少しベクトルの違う存在で誰にでも見えるわけではありません。蟲師とは、そういったものを認識する能力のある人たちなのです。蟲は動物のような姿のものや昆虫のようなもの、あるいは植物や無機物などさまざまな姿態のものが存在しています。それぞれの性質や特性から、時に人に害や大きな影響を与えることがあり、そういった蟲由来の事件や事故を扱うのが蟲師たちの仕事です。 主人公は白髪隻眼の青年蟲師・ギンコ。彼は蟲を寄せる体質のため、常に蟲除けの煙草をふかして一所に留まることができません。漂泊しながら、旅先で出会った蟲にかかわる事件を、医師や研究者のような姿勢で解決していくのです。 ノスタルジックな、近世と近代のあわい 物語の時代背景は明言されていませんが、近代に入りつつある世の中の農村・漁村部をイメージさせます。主人公のギンコは洋装ですが、ほかの登場人物はほとんどが着物を身に着けています。どこか懐かしいような里山の原風景と、カラーページは日本画を彷彿とさせる淡く幻想的な色合いで描かれています。 また、特に「山」が重要なキーワードとして存在し、自然の脅威を象徴する異界として位置付けられています。実にフォークロリックな世界観は、黎明期の民俗学者が深山幽谷に分け入っていくかのような雰囲気をもっています。 秀逸なネーミングと、センスあふれるサブタイトル 『蟲師』に大きな魅力を感じる点のひとつに、それぞれの蟲につけられた名前の秀逸さがあります。たとえば、 夢野間(いめののあわい)空吹(うそぶき)天辺草(てんぺんぐさ)核喰虫(さねくいむし)雲喰み(くもはみ) などがわたしのお気に入りで、読みと当て字のバランスが絶妙で、たいへん印象深いネーミングとなっています。また、サブタイトルも 綿胞子(わたぼうし)硯に棲む白(すずりにすむしろ)虚繭取り(うろまゆとり)天辺の糸(てんぺんのいと)野末の宴(のずえのうたげ)

  • “歴史小説”執筆のための技術について考えてみた

    根強い人気ジャンルの"歴史小説" 小説を書かれる方には、それぞれの目指すテーマや得意なジャンルがあるかと思います。なかでも、伝統的な人気を誇るジャンルとして"歴史小説"があり、華々しさでは他に譲るものの骨太な名作が数多く生み出されています。 そんな歴史小説ですが、層が厚く先達の実績も大きいため、どのように手をつけるべきか悩ましいところでもあります。そこで、今回は歴史小説を書くうえでの技術的なポイントについて、自身の体験をもとに分析してみたいと思います! 歴史の"裏側"からスポットライトを当てる 歴史はそれそのものが壮大なドラマです。ゆえに、どこを切り取っても物語になっており、それだけにより難しさを感じる分野でもあります。また、すでに繰り返し主題として取り上げられているエピソードや人物も多く、それに人気があるほど同テーマでの新規参入にはハードルの高さを感じるでしょう。 しかし、歴史においては「語り尽くした」ということはないといわれています。なぜならば「史実」としての記録はごく限られたものであり、圧倒的多数の「事実」は謎のままであるからです。したがって、ここにこそ作家が小説という武器で歴史に迫る余地があるものと考えます。 そこでヒントとなるのが、"歴史の裏側からスポットライトを当てる"という方法です。これはこれはあるトピックに対して、「物語の主人公を当事者以外の関係者に設定する」ことなどで可能となります。たとえば有名な「本能寺の変」を描くならば、信長か光秀、あるいは秀吉あたりが主人公としてイメージされます。が、そこをあえて裏方の名もなき人物を中心に据えるとします。思いつくまま例を挙げると、「本能寺で修行する若き僧侶」であるとか、「中国大返しに従軍した足軽」であるとか、そういった人たちから見た歴史を描くことで同じトピックでも新鮮味を得ることができます。 つまり「視点を変える」ことがポイントで、この方法によって歴史小説は同じテーマでも無限のバリエーションを獲得することが可能となります。 可能な限り"一次史料"を読み込む どんな小説でも資料集めは大切な作業ですが、歴史小説においてはその比重がより大きくなります。「資料」だけではなく「史料」も必要となり、歴史そのものへの研究的な姿勢が求められるからでもあります。

  • Q:刀はひっくり返しても抜けませんか? A:はい、抜けません!

    刀って、どうやって鞘に固定されているかご存じですか? 現物はなかなか目にする機会はありませんが、皆がよく知っている日本刀。近年ではファン層の裾野がぐっと広がった影響もあり、各地の特別展などで美しい刀を見ることができるようになりました。その一方で、なかなか刀の詳しい構造まではわからず、どういう仕組みになっているのか謎な部分も多いと思います。 そのひとつが、「刀はどうやって鞘に固定されているか?」という問題です。 走ったりひっくり返ったりしたら、いかにも鞘から刀身がすっぽ抜けてしまいそうですが、実はちゃんと固定されているのです。 それでは、その固定の仕組みについて見てみましょう! 鞘の「鯉口」と、鍔元の「鎺(はばき)」 結論からいうと、刀の根元、鍔元の方には「鎺(はばき)」という長さ3㎝ほどの金属部品が刀身を包むように取り付けられています。この鎺は、鞘の入り口である「鯉口」の径よりもやや大きいため、ぐっと押し込むことでテンションがかかって固定されるようになっています。 鍔元の金色部分が「鎺(はばき)」 棟の側から 刃の側から そのトルクは結構なもので、例えば鯉口が正常な状態であれば、刀をひっくり返しても抜け落ちることはありません。 ※安全を確保して撮影しています。決して真似をしないでくださいね 抜刀時には「鯉口を切る」必要がある このように、普段はしっかりと鯉口に締められているため、本来刀はそのまま抜くことは難しいのです。 そこで、抜刀時には左手の親指で鍔を前方に押して、鎺を鯉口から出す必要があります。この動作を「鯉口を切る」といい、武道においてもとても大事な手順となります。 鯉口が緩むと「鞘走り」する恐れがあり、とっても危険! 刀の鯉口。使っているうちに摩耗して緩んでくる 刀が勝手に抜け出ないためにも大事な鯉口ですが、木製であるため何度も抜刀・納刀を繰り返していると、摩耗して徐々に緩んできてしまいます。

  • 小説投稿サイトごとの特徴と、読者さんの反応に関する私見

    小説投稿サイトごとに、読者さんのリアクション傾向がある 小説投稿サイトも、とってもバラエティ豊かになりましたね。WEB小説の牙城、といっても過言ではない数々の投稿サイト。これを主な活動拠点としている作家さんも多いのではないでしょうか。ほとんどが無料で読み書きできるサービスで構成されていて、独自の文学賞も開催されています。また、人気作や運営の目に留まったものは紙の本として出版されることもあり、多くのWEB作家が「書籍化作家」としてデビューしています。とても夢のあるシステムで、かつてに比べると作家デビューへのチャンスは格段に広がったといえるでしょう。 そんな群雄割拠の小説投稿サイトですが、一作を複数のサイトに登録している作家さんも多いことと思います。私、三條すずしろも『伊緒さんのお嫁ご飯』を全部で4つのサイトに登録しており、それぞれにたくさんの方に読んでいただき、また温かなコメントを頂戴するなど本当にありがたい限りです。 基本的にはいずれも同様のサービスではありますが、サイトごとに特徴的なシステムをもっていることと、ユーザー層にも一定の傾向があるように感じています。そこで、あくまで私個人の経験ですが、その特徴や傾向について感じたことを記したいと思います。 アルファポリス サイトの特徴・特筆ポイント 老舗のひとつ、アルファポリス。各ジャンルが細かく分かれ、カテゴリーごとの順位に加えて「24hポイント」という独自の数値が表示されます。これは直近24時間で新規投稿をしたり、読まれたり、「お気に入り」に登録されることで加算されていきます。合計1500ポイントを超えると「出版申請」を行うことができ、書籍化を検討してくれるという夢のあるシステムとなっています。もちろん、「検討」であって確約ではないそうなのでその点にはご注意を。 読者側からの評価としては、「いいね」に該当するものがありません。一作に一度の「お気に入り登録」か、ページを開いて読むことそのものがポイントとなります。 一定以上にたまったポイントは、おおむね1スコア=1円で換金することができます。 Amazonギフト券・・・・100円分~iTunesギフト券・・・・・500円分~楽天銀行振り込み・・・・1,000円分~

  • wordで電子書籍の表紙データをつくる方法!

    描画ソフトがなくても、表紙データはwordでつくれる! KDPなどのセルフパブリッシングも、その機能が格段に使いやすくなり、いまや誰でも簡単に電子書籍を出版できるようになりました。近年まではEPUBなどの電子書籍データに変換したり、英文での納税手続きが必要だったりと、少々ハードルが高い部分がありました。 が、現在ではwordファイルから本文をアップロードすることが出来、米国納税者番号を取得せずともマイナンバーでの登録が可能になるなど、以前よりぐっと電子書籍化が楽になったと感じています。 そこで問題となるのが、電子書籍の「表紙」をどう作るかということです。 自分でデザインを起こしたり、イラストも描けるという人であれば問題ありませんが、WEB作家さんの多くは頭を悩ませているのではないでしょうか。専門家に依頼したり、格安でイラストを描いてくれるサービスもありますが、できれば自分で作成したいところ。しかし、描画ソフトや専用の器材が必要なのでは……と、表紙問題は出版時の最後の難関となっています。 でも、簡易的なものであれば、wordでも十分に表紙データを作ることができるのです。普段の文章作成で愛用されている方も多いと思いますので、新たに投資をしなくても、今ある設備+フリーソフトで「雰囲気のある」表紙を作る方法をお伝えします! 基本は文字打ち+画像貼り付け wordにフリー画像+フリーフォント。フリーソフトでjpgに変換 画像は拙作『伊緒さんのお嫁ご飯~番外・手作らず編~』の表紙データです。エブリスタやアルファポリスなど、画像を掲載できる小説投稿サイトのために用意しました。 word上に文字打ちをして背景画像を貼り付け、 画像データに変換しただけのシンプルな構成です。画像はいずれも、商用OKのフリー画像か、あるいは自身で撮影したものを使うことを前提とします。以下に、基本的な手順を記していきましょう。 「ワードアート」または「テキストボックス」を前面にレイアウト ワードアートは多彩な文字効果が可能 文字打ちは「ワードアート」か「テキストボックス」で行います。ワードアートであれば文字の効果が幾通りも用意されているので、うまく使えばイラストレーターなどの描画ソフトを使ったかのような表現も不可能ではありません。

  • 刀の「鯉口を切る」って、いったい何のこと??

    時代劇でおなじみ、親指で鍔を押し出すアレ 時代小説などで剣戟シーンがあると、必ず「鯉口を切る」という動作が出てくるかと思います。よく目にする表現ではありますが、実際のところはどういったものなのでしょう。具体的には、左手で鞘と鍔の境目辺りを握り、親指でぐっと鍔を前に押し出すような動作を指しています。実は、きちんと手入れの行き届いた刀であれば、これをしないと即座に抜くことが出来ないようになっているのです。したがって、抜刀の際には必ず「鯉口を切る」プロセスを経なくてはなりません。 親指を鍔にかけて…… ぐっと押し出して「鯉口を切る」 鯉口はいわば安全装置(セーフティー) 「鯉口」とはそもそも、鞘の入り口のことを指しています。刀は鍔元に、鯉口の径よりやや大きい「鎺(はばき)」という部品が設けられており、この鎺が鯉口にキュッと押し込まれることで、容易には抜けないよう固定されます。いわば安全装置ともいえるものであり、鯉口から鎺を押し出していつでも抜刀できるようにすることを「鯉口を切る」といいます。通常であればしっかりと締まっているため、そのまま刀を鞘から引っこ抜くことは困難です。むしろ簡単に抜けてしまうくらいに鯉口が緩んでいると、とても危険です。予期せぬときに刀が鞘から飛び出たり、敵から容易に自身の刀を奪われる恐れもあるでしょう。したがって、セーフティーとしても重要な機能を担っているのです。 刀身の根元周りにある金具が「鎺(はばき)」。鞘の口より少し径が大きく、テンションをかけて刀を固定 鯉口を切る=戦闘態勢 そんな大切な部分ですので、「鯉口を切る」とはイコール「戦闘態勢」の準備が整ったことを示しています。一触即発の危険な状態でもあり、加えて柄に手掛けをすれば、銃でいうところの「セーフティーを外して撃鉄を下ろし、照準をつけた」ことと同様の意味をもちます。迎撃の技である「居合」でも、相手が鯉口を切る瞬間を見逃さずに応戦することが大事とされ、みだりに行っていい動作ではないことが戒められています。 鯉口を切る方法数種

  • 季節の味わい!たけのこご飯

    子供のころ、毎年たけのこ掘りをしていた たけのこ。えもいわれぬその姿 わたしが18歳まで育ったのは、携帯の電波も届かないような山奥の村でした。山菜がたくさんとれて、今思い返すとよかったなあ、と懐かしく感じてしまいます。春に楽しみにしていた恵みのひとつが、「たけのこ」でした。植林のスギ林を竹藪が侵食していくので、それを食い止める意味もあって一生懸命掘ったものです。孟宗竹がほとんどで、地面に埋まったままの朝堀りみたいな上品なものではなく、割と大きくなったものも掘りましたがそれはそれはおいしいものでした。『伊緒さんのお嫁ご飯』にも「たけのこご飯」の回がありますが、新鮮なたけのこって本当にどんな料理にも化けてくれます。 鮮度が大事!糠と煮てアクを抜く 田舎でたけのこを掘ったら、大釜を焚火にかけてたくさんのお湯を沸かし、糠と鷹の爪と一緒にグラグラ煮たてました。たけのこのアクの正体は「シュウ酸」というガラス質の一種で、糠がこのシュウ酸を吸着してくれるそうです。たけのこにはあらかじめ、包丁で縦に切れ目をいれておきます。湯であがったら切れ目から割くように皮をはがし、節の部分に残った甘皮は、皮の一枚をスクレーパー代わりにしてこそげ落としました。あとはどう料理したっておいしいのですが、わたしが好きだったのは鰹のアラと一緒に炊きつけたものでした。「土佐煮」という料理もあるように、たけのこと鰹ってほんとうに相性がいいんですよね。そしてやっぱり、「たけのこご飯」は一番の楽しみでした。 たけのこの煮物を転用、雑穀米で炊き込みご飯に 煮物の残りを再利用。雑穀米がいい味出してます 久々に掘りたてたけのこを頂き、さっそく煮物でいただきました。写真のたけのこご飯は家族の作品で、余ったたけのこ煮を転用し、雑穀米での炊き込みご飯にしてくれました。十分に味の染みたたけのこは、それでも新鮮な香りを失わず、雑穀のぷちぷちした食感と相まってとっても楽しい料理になりました。小説のエピソードのように、春を堪能する一皿でした!

  • 『伊緒さんのお嫁ご飯』のできるまで ③ ―メニュー編―

    一度はつくった家庭料理にこだわった 『伊緒さんのお嫁ご飯』で登場するメニューは、いずれもごくありふれた家庭料理ばかりです。グルメを描いた作品も大好きなのですが、やはり普段お家で口にするものこそ、一番大切だと思ったからです。メニューを選ぶのにこだわったことは、なるべく「自分自身か家族が一度はつくったことのあるもの」にすることでした。食べるシーンも大事なのですが、つくっている最中の手際やちょっとしたコツなどを描くためには、どうしても実体験が必要でした。小説では実際につくったものから少しアレンジを加えたりしていますが、後に作品中のレシピで現実に料理してみたりと、実生活と相互に補完しあう好例となりました。 18歳~の自炊生活の経験が活かせた わたしは高校を卒業してから一年間、進学費用を貯めるために住み込みで新聞配達をしていました。「新聞奨学生」と呼ばれる制度で、お給料のほかに返済不要の奨学金を新聞社が支給してくれるという、今思い返してもありがたいシステムでした。わたしが配属された店舗は賄いがなく、共用の台所で自炊をしなくてはならない生活でした。毎日のように折り込みチラシで特売品を調べて、なるべく安いお店で食材を調達できるかどうかは、大げさではなく死活問題だったのです。それに、限られた生活費でもやはりなるべくおいしいものを食べたいので、ずいぶんと色々な工夫をしたものです。初めてつくってみた料理がほとんどで、基本的なレシピの多くはこの時期に習得したものです。その時はもちろん、将来お料理をテーマにした小説を書くなどとは、思ってもみなかったものです。 学生時代、下宿でつくった料理がヒントに 一年間の新聞少年勤務を終え、無事に進学費用を貯めたわたしは大学生となりました。下宿先は平日のみ朝・夕の食事を出してくれるところでしたが、夏季と冬季の長期休暇の間はご飯もお休みになりました。ガスコンロと流し台は自由に使えたので、ここぞとばかりに自炊の技を発揮しました。新聞奨学生時代よりも気持ちにゆとりができていたので、少し凝った料理にもチャレンジしてみました。「豚の角煮(煮豚)」 やロシア風水餃子の「ペリメニ」などは、カセットコンロに古い登山調理具の「コッヘル」を使って、友人と一緒につくった思い出の味でもあります。

  • 『伊緒さんのお嫁ご飯』のできるまで ② ―執筆編―

    通勤電車の中、スマホで書いた 『伊緒さんのお嫁ご飯』で、初めてスマホで小説を書くという経験をしました。それまでは机に向かってPCで書く、というのが基本でしたが、これで空き時間の多くを執筆にあてることができるようになりました。フリック入力での執筆、というのに当初抵抗があったのですが、慣れるとむしろ感覚的に文章が生まれる際にレスポンスの速さを快適に感じました。このおかげで、通勤電車が完全に書斎代わりになってくれました。 出社前、喫茶店で書いた わたしは朝、早めに会社の近くに着いて喫茶店で本を読んだり、原稿書きをしたりするのが習慣でした。スマホで小説を書くようになってから、その朝のひと時を執筆にあてられるようになりました。もっとも書く分量がはかどったのが、この時間だったと思います。連作短編として発表していたお嫁ご飯ですが、ほぼ2~3日に一度程度の頻度で更新し続けられたのは、モーニングのおかげともいえるでしょう。 お昼休みや休憩時間にも書いた 会社員ですので、日中はまじめにお仕事をしています。しかし、ふとした拍子にアイディアが浮かんだり、または伊緒さんをはじめとしたキャラクターたちが動き出すのが見えたりします。以前の記事で触れましたが、わたしは「観察者型(オブザーバータイプ)」のようで、予期せぬ時にも目の前で物語が展開されることがよくあります。それを手帳に書き留めたり、覚えておいたりして、お昼休みや休憩時間に鮮明なイメージを保って書いていきました。思えば、書いている間は毎日とても楽しかったものです。 プロットはまったくなかった 『伊緒さんのお嫁ご飯』は全部で72話、20万文字弱の作品になりましたが、プロットは一切書かずに進行しました。1話3

  • とりあえずのビールと、コリコリ砂肝にんにく炒め

     ビールほど日本人に愛されているお酒はないかもしれない。 なぜなら「とりあえず」と言って注文するものなんて、ほかにはとんと聞かないから。「"生"でええやんな?」「"生"の人はー?」といえばもちろん生ビールのことで、最初の乾杯にはほぼこれ一択という雰囲気だ。 "ホット"といえばコーヒーを指すように、"生"といえばすなわちビール。「とりあえず生」の合言葉が、今夜も全国の酒場で繰り返されるだろう。 ぼくはあんまりお酒に強くなくって、大勢での飲み会なんかもどちらかというと苦手なほうだ。 それでも、お酒の味そのものは「おいしいなあ」と、心からしみじみ思うようになってきた。 まあ、年齢もあるのだろうけど、何より大きいのは結婚して家庭をもったことだと思う。 お家でくつろいで誰にも気兼ねせず、お嫁さんと差し向かいで飲むお酒の、なんと安らぐこと。 酔いつぶれたとしても自宅なので安心ですし。 ココン、コンコン、カリカリカリ、とドアをノックしたり引っかいたりするのが、ぼくが帰ってきた合図だ。 ほどなくお家の奥から、ぱたぱたぱたとかわいらしい足音が近づいてきて、かちゃこんとドアが開けられる。「おかえりなさい、晃くん」 いつものようににっこり笑って出迎えてくれるのは、お嫁さんの伊緒さんだ。 結婚した今でもぼくは、この人のことをさん付けで呼ぶのをやめられない。 かといって他人行儀なわけではなく、むしろたいへん仲良しだと自負するものである。「ただいま、伊緒さん」 やはりいつものように少し照れてしまいながら、ぼくは大事に持ってきた袋を掲げてみせる。 「今日はビールにしてみました」「おおっ!やったあ!」 ぱあっ、と伊緒さんが顔を輝かせ、ぴょこんと跳びはねた。 時あたかも金曜の夜。「花金」はもう死語かもしれないけれど、ぼくたちにとってもっともお酒が飲みたくなるタイミングには違いない。「よしよし、ではでは」「ええ。ではでは」 ガサゴソと袋を揺らしながら、いそいそとお家に入る。 ご飯はすぐに食べられるよう、いつも準備してくれているのだけど、お酒を飲むときにはその前にちょっとした習慣がある。 すばやく着替えて手を洗い、うでまくりをしたぼくは伊緒さんと台所に並び立った。「準備は?」「おーけー!」 それは、おつまみを二人でつくること。 おいしいご飯をつくってもらって、そのうえ酒の肴までつくらせるのもなんだかと思

  • 『伊緒さんのお嫁ご飯』のできるまで ① ―構想編―

    『伊緒さんのお嫁ご飯』とは いつも拙文にお目通しくださり、本当にありがとうございます。このコラムでは、「三條すずしろ」としての代表作である『伊緒さんのお嫁ご飯』について、お話したいと思います。この小説は「伊緒さん」という女性が、夫のためにいろいろとおいしいご飯を作ってくれるというとってもシンプルなお話です。アルファポリスやエブリスタ、カクヨムなどの小説投稿サイトを発表の場にした初めての作品でもありました。ありがたいことに、アルファポリス主催の「第1回 ライト文芸大賞」では「大賞候補作」として選んで頂き、 読者の方々に多くの温かいコメントを頂戴した思い出深い作品です。そんな"お嫁ご飯"の構想・執筆・取材などなど、制作舞台裏のことを記してまいります。 「書きたいもの」から「読みたいもの」へ 三條が最初に書き上げた小説は、バリバリの歴史小説でした。それも奈良時代というニッチな舞台で、かつ「隼人」と呼ばれる南九州の先住民族を主人公にした、マニアックな作品です。それは自分自身が「書きたい」と思うこだわりを突き詰めた小説で、育鵬社主催の「第15回 歴史浪漫文学賞」では三次選考を通過することができました。『吠声(はいせい)』と名付けたこの作品は、ご縁があって電子書籍としてリリースしていただくことができました。以後わたしは、歴史小説を中心にWEB作家としての活動を始めました。ですが、自分の思うように小説を書いて、誰かがそれを読んでくれることに感動する反面、「これでいいのか」という疑問にも苛まれるようになりました。自分が書きたいものを書いた。では、読者としての自分が「読みたいもの」はなんだろう。それは小説のページをめくってくれる、見知らぬ誰かと同じ視点のはずではないか――。そういう思いが、歴史以外のジャンルに挑戦する原動力となったのです。 料理がテーマの、初めての「ライト文芸」ジャンル

  • 刀のココを描いてほしい! 「栗形」ってとっても大事!!

    大事な部品。でもあんまり描かれない 刀って、日本の精神文化においても重要な位置づけのものだと思います。様々なメディア作品でも、主要な武器として刀剣がテーマとなることが多く、それだけアイデンティティを込めやすい器物でもあるのでしょう。しかし、漫画等で刀身や鍔はきちんと描かれているのに、とっても大事な部品があまり描かれていないように思うのです。その名は「栗形(くりかた)」。たしかにちょっと目立ちにくくて、鞘の色に紛れて分からなくなってしまうのかもしれません。ですが刀を構成する大切なパーツのひとつですので、ぜひもっと知ってほしいのです。同時に、もしもイラストや漫画を描かれる人が刀の資料がほしいと思ったとき、資料としてお役に立てれば幸いです。 鞘の抜け落ちを防止 栗形は鞘外側、鍔寄りに付けられた突起状の部品です。文字通り、栗に似ているという意味とも、穴が開いていることから「刳り」の意味ともされています。栗形の役割のひとつには、鞘が帯から簡単に抜けてしまわないよう、ストッパーとしての面があります。動いている間に鞘はどんどんずり下がっていくため、もし栗形がなければそのうち下へすっぽ抜けてしまうでしょう。例外として「薩摩拵え」などのように、あえて小さく丸く作って鞘ごと即座に抜くことを前提とした栗形もあります。 真ん中のチョボが「栗形」です こういう形と位置とサイズ感です 帯刀したところ。最初は適正位置ですが・・・ 動いている間に鞘が下がってきます。そこで栗形がストッパーとなります。 無理に上から見るとこんな状態です 「下げ緒」を通す部品 栗形にはストッパーだけではなく、「下げ緒」を通す環としての機能が持たされています。下げ緒とは一般的に平打ちの組み紐で、様々な用途をもった便利なアイテムです。1.袴の紐に結束して、鞘の脱落・紛失を防止する2.戦闘時に、襷として用いる3.捕らえた敵を縛っておく、「捕り縄」として用いる4.止血に用いる5.長距離移動で刀を背に負うのに用いるこれらは一例で、流儀や作法によって異なる伝承があり、他にも様々な用途があるそうです。史実がどうであったかは不明な部分も多いそうですが、現代の居合道では必ず下げ緒を装着することになっています。 下げ緒。七尺~八尺ほどが一般的だそうです(もちろん流派・体格によります)

  • 「居合」ってよく聞くけど……何のこと??

    「居合」とは刀を使った武術の一種 時代劇なんかでよく「居合」という言葉がでてきますよね。「居合の達人」などと聞くと強者感が醸し出されて、もう気を付けて闘わなければならいフラグも同然です。なんとなく、目にも止まらぬ速さで抜刀する術、のようなイメージがあるかと思いますが、実際にはどのような技なのでしょうか。時代物をもっと楽しむためにも、「居合」のことを改めて解説したいと思います。 居合は刀が鞘におさまった状態から"迎撃"する技 流派や団体ごとに考え方が異なる場合があるかもしれませんが、 すごくざっくり言うと日本刀を扱う術は「剣術」と「居合術」に二分することができます。これも大雑把ですが、「刀を抜いて・構えて・斬り結ぶ技」 が剣術。 「刀が鞘におさまった状態で・攻撃を受けたとき・対処する技」が居合術。このように捉えると概ね合っているかと思います。したがって、居合は刀を抜くと同時に斬る、あるいは受ける・受け流す、などの技法を駆使します。それゆえに、別名を「抜刀術」という場合もあり、関口流などでは抜刀術と書いて「いあい」と読ませるそうです。これも流派によるのかもしれませんが、私の学んでいる流儀と団体の居合には、自分から攻撃を仕掛ける技は一本もありません。つまり、突然危害を加えられた際に即座に"迎撃"するという、護身術的な要素が強い武道なのです。 「居ながらにして、急に合いする」「居合わせる」 というのが、居合の字義とされています。 稽古は一人形が中心 居合では、空手や拳法のように一人で行う形稽古が中心となります。流派によっては、さらに二人で向かい合う「組太刀」や「組居合」の稽古を行うこともあります。「仮想敵」といって、相手がどのように攻撃を仕掛けてくるかイメージし、いわばバーチャルな敵と闘うという稽古法をとっています。模擬刀や真剣を振るうため、精神を集中する必要があることと、危険防止のためにも有効な方法です。 居合の究極は「抜かない」こと

  • お正月でなくても!コスパ抜群の「伊達巻き」

    おせちの定番を手づくり 『伊緒さんのお嫁ご飯』には、けっこうな頻度でお正月の話題が出てきます。それというのも、伊緒さん夫婦はそれぞれの出身が北海道と和歌山で、なかなか食文化のギャップがあるためです。たとえば札幌では、おせち料理は大みそかの晩から食べますが、和歌山では元旦にお重を開けるのが一般的です。お正月行事って、地域の特色が如実に表れるのでおもしろいんですよねえ。なぜかお正月しか食べないような料理も多いのですが、なかでも「伊達巻き」が大好きです。でも、買うとなるとこれがけっこう高いんです。ああ、腹いっぱい伊達巻き食いてえ。そう思って、手づくりしたときのお話です。 材料 はんぺん…1/2枚 たまご…‥2コ 塩・砂糖…少々 酒‥‥……少々 フライパンで一回作る分として、材料はたったこれだけです。ものすごくコスパがいいです。これらをミキサーにかけてとろとろにします。調味料は味見をしながら目分量ですが、塩はアクセント程度に。お砂糖はほんのり甘い程度に。お酒は香りづけ程度に。を意識しました。はんぺんにも少し塩味がついていますので、使う銘柄によって加減は変わるかと思います。わたしは少し甘めが好きなのですが、お砂糖が多いほど焦げやすくなるので注意です。お酒はふんわり香るほどにして、これも多すぎると固まりにくくなることに気を付けましょう。 極弱火でじっくり、蒸し焼きに ごくごく弱火で、じっくり蒸し焼きに ミキサーにかけた材料を、よく熱しておいてから温度を下げたフライパンに流しいれます。温度の下げ方は、一度濡れふきんなどの上にジュッ、と音がするくらい置くとうまくいきます。ちょうど、ホットケーキを焼くときみたいな感じですね。流しいれた後は、極弱火でじっくり蒸し焼きにします。フタをして、焦げ付かせないようにじわじわ加熱するのがポイントです。途中でひっくり返すことはしませんので、表面を触ってもたまご液が付かなくなるまで、15~20分くらいを目処に気長に熱しましょう。 巻き簾がなくてもOK。アルミホイルで固定 わたしは、もうこのままでもいいと思います 両端をキャンディーみたいにねじります。伊達巻きっぽい凹凸はできませんが…… 十分に火が通ったら、焼き面を上にして

  • 紀伊国最大級の山城、「長藪城」の址に登ってきた

    山そのものが要塞! 中世山城の威容 みんな大好き日本のお城。歴史が好きな三條も、もちろんお城が大好きです。県庁所在地などには特に、旧藩時代の城郭が残っていて(あるいは再建されて)、街の象徴として愛されていますね。天守閣を備えた、いわゆる「近世城郭」もかっこいいのですが、最近激しく心揺さぶられているのが「山城」です。文字通り、山の自然地形そのものを要塞化した中世のお城のことです。天守のような派手な構造物はありませんが、敵の侵入を阻む様々な防御機構の痕跡を見ることができます。とはいえ、そのほとんどは今や木々が生えこんで、見た目は「山」そのものです。したがって遺跡を見るためには、登山の準備をしなくてはならない所も多いのです。そんな中世山城のひとつ、「長藪城(ながやぶじょう)」の址を訪れました! 長藪城とは 長藪城とは和歌山県の北東端に位置する、橋本市に所在する山城です。大和と河内の国境にあり、すぐ北を金剛山に連なる嶺が塞ぐという、交通の要衝に立地しています。正確な年代は詳らかではありませんが、文明(1469~87)の頃に在地の「 牲川(にえかわ)筑後守義春 」が築城したものとされています。牲川氏は義春の祖父・頼俊の代には楠木正成に仕えていたといいます。 正成の敗北と千早城の陥落によって頼俊は一時、十津川村へと待避していましたが、義春の代で 紀伊国守護の畠山氏に従い、 紀北地方へと戻ってきたそうです。牲川氏はこの地で以降数代を経て、やがて織田信長の配下に属しますが、難攻不落の堅城も天正十三年(1585)、羽柴秀吉の紀州攻めによって落城するのでした。 住宅街を抜けて、小山の尾根伝いを行く 長藪城の登山道へは、「城山台」という市内最古の住宅街を抜けて至ります。文字通り背後に長藪城を背負う恰好ですので、「城山」。北に向けて逆U字状に連なる山を利用した長藪城には「東の城」「西の城」「出城」があり、現在3つの登山口があります。今回は東の城から取り付いて、尾根伝いに西の城へと縦走し、もっとも標高の低い出城方面の登山口へと降りるコースを行きました。長藪城を周回するなら、これがもっとも行きやすいルートだと思います。 東の城登山口の目印、三丁目の給水塔。遠くからでもよく見えるので、ランドマークになっています

  • 4つのタイプ別!「小説の書き方」について考えた

    「小説の書き方」って、どうしてますか? 「小説を書きたいんですけど、なかなか上手くいかなくて……。どうやって書いてるんですか?」 という相談を受けることがよくあります。 「えーっ? もうそんなの、好きなようにどんどん書いちゃってください! わははは」 などと、お茶を濁してきたのですがそういえば、「どうやって書いているか」って、ほとんど意識したことがありませんでした。書きたいけどなかなか書けない、という方のお悩みをよくよく聞いてみると、 1. 途中でよく分からなくなる 2. 完結にまでもっていけない 概ねこの二つが、課題として挙げられるように感じました。正直、わたしがどうこう言えることではなく、偉そうにコメントするのを避けていたのですが、改めて自分自身はどうなのか? と考え直すきっかけを頂いたと思っています。そこで、このことをきちんと整理してみることにしました。 あなたはどのタイプ? 4つの作家タイプ まず、「書く」ことそのものは単純な作業でも、その工程にはいくつものアプローチがあることが重要です。物語を書きたいと考える人の頭の中には、すでにある程度の像が出来上がっているはずです。でも、実際にそれを文字に起こそうとすると手が止まってしまう、ということを耳にします。つまりそれは、イメージとアウトプットがうまく繋がっていない状態といえるでしょう。そこで、どのような方法であればスムーズに文章を起こすことができるのか、自分自身の「タイプ」を知ることが第一歩となります。多くの場合、わたしも含めてそれを無意識に行っていると思うのですが、改めて意識してみることで執筆のルーティンが、より明瞭になるのではないでしょうか。以下に、仮に4つの作家タイプを分類してみました。それぞれどのような人が該当するのか、また各自の強みと注意点とを挙げていきましょう。 設計者型(デザイナータイプ)

  • 伊緒さんのスクランブルエッグ

    シンプルだけど深い! 大好きなたまご料理 『伊緒さんのお嫁ご飯』第七椀で登場した「とろふわ朝食たまご」。スクランブルエッグです。三條もこれが大好きでよく作るのですが……。かんたんなようで難しいのですよねえ。 そんな奥深さも魅力なたまご料理。いつものレシピをご紹介します。 たまごは常温にもどしておく 3個で2人前くらい 冷蔵庫のたまごはとっても冷たいので、常温にもどしておきます。冷たいままフライパンに流すと一気に温度が下がるため、鍋肌にくっついたりしてうまくいきません。ちょっとした温度の違いで鍋離れもよくなるので、作る前にはたまごを冷蔵庫から出しておきましょう。 隠し味はマヨネーズ! いつもは目分量 伊緒さんも使っていましたが、ふんわりと仕上げるのにマヨネーズを使います。ホイップ状の油分のおかげでたまごが固くならず、口あたりがよくなりますよ。 マヨは天ぷらの衣に入れても、さっくりした食感になるのでお試しあれ。 今回はたまご3個に対して大さじ1杯ほどにしましたが、思い切って2杯くらい入れたほうがふわっとします。カロリーが気になるところですが、その分フライパンに引く油は少なめですみますよ。マヨにも塩気があるため、味付けは控えめに。三條の好きなハーブソルトを少し振ります。 ハーブソルトが好き たまごは白身を切るように、さっくり混ぜる お箸を白身につっこんで… 持ち上げるようにして白身をほぐします。20回くらい。 たまごは白身と黄身との食感の違いがあったほうが好きなので、いつもさっくり混ぜ合わせます。お箸をつっこんで何度も上に持ち上げるようにしながら、白身をほぐしていきます。大方白身がほぐれたところで、黄身とともにかき混ぜます。 フライパンはようく熱する ほのかに煙。オリーブ油の甘い香りが。 フライパンは火にかけて、オリーブオイルを少したらして鍋肌全体になじませます。このとき、少しこわいですがほのかに煙が立つくらいによく熱します。たまごを入れると急速に温度が下がるため、それに負けずに加熱し続けられるようにです。 一気に焼く! じゅわあっ、ていう音が好き

  • 登山用ガスバーナーを手に入れた!

    実はすごく欲しかった 登山がなんだかブームだそうですね。わたしは携帯の電波が届かないような山奥で育ちましたので、お山に登るととても安心します。そして何やら、山頂でみなさんおいしそうなものを調理して召し上がっているではありませんか!そのための熱源として必要なのが「バーナー」です。小さくても一人前!これさえあれば、どんな場所でもお湯をわかしたり、ちくわを焙ったりすることができてしまうのです!ずっと前から欲しかった! ついに手に入れた! わくわく というわけで、相方と入念な協議の末とうとう手に入れました。わたしが欲しかったのは、イワタニさんの「カセットガス ジュニアコンパクトバーナー」というもの。こういうアウトドア用のバーナーは、初めてなのです。 コンパクト! 安い! そして市販のカセットガスが使える クローズド状態。ここから上記のように変形します どうして三條はこれにこだわったのかというと、値段の安さもさることながら、市販のカセットガスを使えるというメリットがあったからです。山行やそと遊びだけではなく、万が一の災害時などにも汎用性を発揮してくれるのではないかと思います。 なかなか強力! 使い方の注意 お父さんのコッヘルについてた。多分40年以上前のアンティーク お山に持っていくのを待ちきれず、庭でさっそく実験です。父の形見の古いコッヘルについていた、アルミやかんでお湯をわかします。 思っていたより火力調節のツマミが繊細なので、最初はじわーっとガスを出して点火するのがよいでしょう。開けすぎるとボワッ!と炎が上がって危険ですので、注意してくださいね。あと、明るいところでは火の色がたいへん見にくくなります。うっかり燃えやすいものを近づけたりしないよう、これにも気を付けなくてはなりませんね。 明るいとほんとに火色がわかりませんね 早くこれを持ってお山に登って、棒状のラーメンとかつくって食べたい!

  • 一番人気!「小松菜のオリポンびたし」

    一番人気の小説メニュー 『伊緒さんのお嫁ご飯』「第四椀 「副菜」と呼ばれる小鉢には、伊緒さんの愛があふれていました」で登場した、小松菜を使った副菜。数あるメニューの中でも、これが一番反響があったのです。実際に作ってみました!というコメントをたくさんいただき、小松菜嫌いな旦那さんが喜んで食べてくれた、なんて嬉しいお知らせを寄せてもらった思い出の章です。とってもカンタンなので、レシピというのもおこがましいですがさっくりご紹介します! 小松菜のおひたしにポン酢とオリーブオイルをかけるだけ ポン酢もオリーブ油も、お好きな銘柄でどうぞ はい。もう見出しの通りでございます。味がちゃんと染みるように、1.ポン酢2.オリーブオイルの順番で回しかけるだけです。分量はお好みですが、湯通しした小松菜をしっかりしぼって水けをきり、全体になじむ程度の少なめな方がわたしは好きです。ポン酢には、お好みでレモンや柚子の果汁をたらしてもおいしいですよ! 仕上げにハーブソルトがおすすめ この小鉢にインパクトを与えるには、仕上げに「ハーブソルト」をひと振りすることです。伊緒さんはクレイジーソルトを使っていましたが、なんだって構いません。もちろん、お好みのスパイスを色々試してみるのも楽しいですね! これが最近のブーム 注意!必ず食べきれる分だけ作ってね 一点だけ注意です。このお料理はすぐに色が変わって茶色くなってしまいますので、一回の食事で食べきれる分だけ作ってくださいね。冷蔵庫でも一晩置くともう茶色くなってしまい、味も食感も残念な感じになってしまいます。副菜としてちょっとだけ、というのがおススメです♪

  • 伊緒さんのお嫁ご飯 ―目次―

    貴女がいるから、まっすぐ家に帰ります――。 伊緒さんが作ってくれる、おいしい「お嫁ご飯」が楽しみな僕。子供のころから憧れていた小さな幸せに、ほっと心が癒されていきます。 ちょっぴり歴女な伊緒さんの、とっても温かい料理のお話。 「第1回ライト文芸大賞」大賞候補作品。「エブリスタ」「カクヨム」「マグネット!」にも掲載中です! 目次

ブログリーダー」を活用して、三條すずしろさんをフォローしませんか?

ハンドル名
三條すずしろさん
ブログタイトル
すずしろブログ
フォロー
すずしろブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用

フォローできる上限に達しました。

新規登録/ログインすることで
フォロー上限を増やすことができます。

フォローしました

リーダーで読む

フォロー