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【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】エピローグ
〜境界を進む船〜船が港を出るとき、3回汽笛を鳴らすのは後進する合図だそうだ。が、いままさに夜の和歌山港を出航するこの貨客船に至っては、もう一つ意味がある。それは音で魔を祓うこと。かつて陰陽師は密教の作法を取り入れ、親指と人差指を弾いて音を出
2023/03/06 14:14
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】幕間 あかり先生の最後の歴史講座 〜熊野三山のこと〜
はい!みなさんごきげんよう!そうです。やっぱり今日も教科書は使わないのです。このクラスでのわたしの授業はこれが最後ですね。今日は紀伊の神域、「熊野三山」についてお話ししましょう。よくご存じの通り、「熊野速玉大社」「熊野那智大社」「熊野本宮大
2023/03/06 14:06
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】第12章 紀伊のローレライと裏九鬼船団。新宮城のあらたなる丹鶴姫
裏九鬼船団いま、生まれてはじめてクルーザーというものに乗っている。青というよりは銀鼠ぎんねずに横たわる海面をかき分け、白い航跡をひいて船はひたすら南へと下っていた。広大な山地を抱く紀伊は「木の国」と例えられることがあるが、同時に長大な海岸線
2023/03/04 08:50
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】幕間 あやかし文化財レポート・その8
「……具合はどうですか?ユラさん」瀬乃神宮ご用達である東堂医院の病室で、わたしはおそるおそる彼女に声をかけた。白い浴衣のような療養着姿のユラさんはベッドに身を起こし、窓の向こうの紀ノ川を眺めている。長い髪を結ばずに垂らした様子は、初めて目に
2023/03/03 10:55
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】第11章 岩橋千塚と常世の仙果。龍追う人と幻の南葵楽譜
南葵なんき楽譜と音色の結界「コンサートって……あのコンサート?ですか?」差し出されたチケットを前に、きょとんとしたわたしはまた阿呆のような質問を繰り出す。「そっ。ええですよお。野外で聴くクラシック。紀伊といえば音楽、音楽といえば紀伊やさかい
2023/03/03 10:48
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】幕間 あやかし文化財レポート・その7
「ねえユラさん。このお店の名前とその本って、なにか関係あるんですか?」お客さんがはけた午後、わたしは久しぶりにcafe暦を手伝いながら前から気になっていたことを聞いてみた。ユラさんが目を落として指先で紙面をなぞっている、手づくりの和綴じ本。
2023/03/02 10:55
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】第10章 臨海学校と真白良媛の悲恋。蘇る西牟婁の牛鬼たち
真白良媛ましららひめ「このお店はね、私のおじいちゃん…橘宗月そうげつが始めたんよ。お神酒の振る舞いはあったけど、世の中があんまり日本酒飲めへんようになってったさかい。カクテルにしたらどうかって」bar暦のカウンターで、ユラさんはぽつぽつと家
2023/03/02 10:50
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】幕間 あやかし文化財レポート・その6
湯船に身を沈めると、ゆるゆると身体が溶け出していくかのようだ。思わずうめき声をもらしそうになるけど、隣のユラさんは傷の痛みに耐えつつ湯に身を浸している。ここは田辺市の“龍神村”。海辺の田辺市街と高野山の中間くらい、大和との境に沿った山中の村
2023/03/01 13:22
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】第9章 中辺路の河童、ゴウラの伝説。天地の松と永遠の狛犬
歪な結界「えっ、和歌山にもカッパっているんですか?」実に意外に思って、ユラさんに訪ねた声がつい大きくなる。「ちょっ、あかり先生、声」cafe暦のテラス席で、ユラさんがちょっとあわてて人目を気にするのがなんだかおかしい。まあまあ、これだけ聞か
2023/03/01 13:13
2023年3月 (1件〜100件)
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