(GHQ焚書図書開封第180回)―孝の呼吸―和田豊治氏は、右の話を渋沢栄一氏から聴いたが、やはり深く感動して、自分が従来母に仕えている精神が、信州の孝行者と一致したといって、話されるのを聞くと、同氏の老婆は、当時87歳の高齢であったが、63歳の和田氏を、なお、赤ん坊のように、やれ、風邪にかかるな、やれ炬燵に入れのと注意されるそうだ。朝飯の時には、老母は氏のために、ゆで卵を細かにして、ご飯の上にかけてやられたそうで、氏はそれを喜んで食べたという。また、晩酌をやれといわれて、和田氏が僅かづつやられると、頗る老母の機嫌が悪く、そのため、小さな徳利を買ってきて、十分に酒を入れ、老母に酌をしてもらったという。親は子を愛するものだから、その愛情を満足させることが何よりも肝要である。孝行の呼吸は実にここにある。和田氏は...-孝の呼吸-(GHQ焚書図書開封第180回)
「ブログリーダー」を活用して、ぴーまんさんをフォローしませんか?