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  • 『マーズ』横山光輝 ④

    ガイアーの表紙かっこいいではないですか。 ネタバレしますのでご注意を。 大地震を引き起こすシンとの戦いで虫の息になってしまったマーズ。 その頃自衛艦は噴火が収まってきた新島に上陸し捜索を始めようとしていた。だがその時またも奇妙な物体が海面に出現し自衛艦はこの世界から消滅した。 その様子を知ったのはマーズの部屋にいる岩倉記者だった。解読を続けた彼は現れたものがウラエウスだとわかる。 ウラエウスはマーズの部屋を破壊するために現れたのだ。 マーズの部屋には部屋を守るための破壊光線の仕組みがあり今まで溶岩で動かせずにいたものがウラエウスの攻撃で溶岩が飛ばされ作動し始める。 ウラエウスと部屋の攻防で部屋…

  • 『マーズ』横山光輝 ③

    この表紙もかっこいいです。 ネタバレしますのでご注意を。 この造形 そしてこの アイディアである。小さく「トン」「トン」と書いてあるし。 しかもこの感想が ふつう。 横山魔術にかかったらもう抜け出せないんだと思う。 四体と見えたスフィンクスの実体はひとつだけで他三体はまぼろしだとマーズは気づく。海に逃げこんだマーズを追ってスフィンクスで煮えたぎらせてやろうとしたがそこにガイアーが登場した。 ガイアーが発する光の球にスフィンクスはあっけなく消滅した。 そしてここでフジツボに包まれていたガイアーの本来の姿が現れる。 ううむ。いったいこれは何からの発想なのか。 髭を見るとツタンカーメンを思わせるが。…

  • 『マーズ』横山光輝 ②

    ①の表紙は衝撃ですが②のマーズはなんかセクシーで素敵です。 ネタバレしますのでご注意を。 横山光輝マンガをずっと読み続けてきた方にはあまり感じられないものかもしれませんが長い時を経て読み始めた者にとっては(年齢は若くなくても)今の感覚ではちょっと(・・?的になる場合がちょこちょこあります。 (いやそれが楽しいのでしょうが) 例えば『三国志』だとそれは殆ど感じないのですが『マーズ』は特にそれが多くて読みづらかったのです。 再読して少しずつその(・・?感が薄れより深い所へ入りこめていく気がしています。 その一つが六神体メンバー。無性生殖人間というにはあまりにおじさんキャラなので奇妙にも思える。マー…

  • 『マーズ』横山光輝 ①

    『マーズ』再読します。再読の再読です。 この作品も私には凄く難しくてすぐにピンとこなかったのですが気になってしょうがないので再挑戦します。 ネタバレしますのでご注意を。 『マーズ』をとりあえず完読すればやはり『バビル2世』との類似点と相違点を考えてしまう。 似ているのは主人公が特別な能力を持った少年であること、その能力が宇宙由来のものであること、特殊能力を持つグループではなく個体の戦いだが補佐役がいること、戦う相手が同等の特殊能力者だということ、などだろうか。 違いは『バビル2世』がほぼバビル2世の視点であるが『マーズ』はむしろ社会に視点が置かれている。バビル2世も孤独感があったがマーズは心を…

  • 『闇におどる猫』横山光輝

    「冒険王」(秋田書店)昭和32年5月号付録 先日、ひらさんのⅩポストで知った『闇におどる猫』横山先生ご自身が登場するというのと猫が出てくるというので読みたさを抑えられず古本購入しました。 ネタバレしますのでご注意を。 36ページの短い作品ですが横山氏独特の不思議な味わいがあります。 ひらさん(と別の方のやり取り)ポストで横山先生が自殺する話だけどそれは最初からなのでネタバレではないと知っていたのですが確かに冒頭も冒頭に「ある漫画家の死」と書かれていてその下で横山先生が「ね、猫め!き、きえろ」と苦し気につぶやいている場面から始まります。 いつもながら読む者を引き込む力がすごいです。 気になるでは…

  • 『豊臣秀吉』横山光輝/原作:山岡荘八 その2

    読了しました。 ネタバレしますのでご注意を。 ふむふむ。横山光輝という方はほんと「かっこいい男」が大好きでかっこよければ物凄い力量で丹念に描いていくがかっこ悪いと思うと一ページも描く気がないのだろう。 その潔さに感心する。 秀吉というか藤吉郎の名前で織田信長に仕えている頃の藤吉郎はおおいに魅力があるけど(将来天下を取るという予感を含めて)後になっていくほどその爆発的な魅力が薄れてしまう。 本作は信長とのつながりが感じられるまでを描かれているように思える。 心に残ったエピソードとしては最初の頃の荒んだ社会。百年にわたって続く戦国の世において人々の心も荒み切っている。 馬を縛り付け生きたまま焼き殺…

  • 『豊臣秀吉』横山光輝/原作:山岡荘八

    秀吉の話はさすがにもうよく知ってるだろうと思っていたのですが本作の中身はまったく知らない話ばかりでした。 いや歴史もの知らないのでアタリマエなんですが。 信長様はいつ見てもかっこいいです。 ネタバレしますのでご注意を。 読み始めて半分ほどなのですが面白くて止まらなくなってしまいます。 中で寧々が「まるで禅問答を聞いてるみたい」という場面がありますがほんとうにその通りです。 藤吉郎・蜂須賀小六・信長・竹中半兵衛・大沢治郎左衛門、交わる台詞が丁々発止と研ぎ澄まされた小刀のようで読む者までが緊張を強いられます。 以前は秀吉が人気だったと思うのですが今の時代は秀吉の時代ではないと感じるのは何故なのでし…

  • 『元禄御畳奉行の日記』上その2&下 横山光輝/原作:神坂次郎

    上の途中から続きます。下まで行けるか。 ネタバレしますのでご注意を。 タイトルのとおりこの日記が書かれたのは元禄時代。元禄時代と言えば江戸時代でも最も文化華やかなりし頃というイメージと同時に綱吉の「生類憐みの令」という行き過ぎた悪法が人々を苦しめた、という評価もされますね。 本作でもこの法令の愚かさが描かれその法令にもかかわらず文左衛門は仲間を引き連れ川で網打ちによる魚取りを76回もやったというのです。これは文左衛門が江戸ではなく尾張に住んでいるからこそできたのかもしれません。 しかしこの「生類憐みの令」で日本人の動物への愛情が生まれたのではなかろうかと私は思ってもいます。現代においては犬猫を…

  • 『元禄御畳奉行の日記』横山光輝/原作:神坂次郎

    電子書籍で見つからなかった横山作品のタイトルをamazonで見つけてしまうと注文するしかないではないですか。 しかも本書の紹介文の冒頭が 武芸も役目もそっちのけ、本当の元禄武士は酒と艶の浮世三昧だった…!? とは昨日「横山光輝は武将を選択し名もなき人を選ばない王道の作家」的なことを書いたのが翌日覆されでしまいます。 いやいやそれだけでなく酒はいいとしても艶の方はそれこそ横山マンガではほぼ忌避されてきた事柄でそれを描いているとなれば気になってしまいます。 というわけでいってみましょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 まずは本当にまじで 武芸も役目もそっちのけ、本当の元禄武士は酒と艶の浮世三昧だ…

  • 『その名は101』横山光輝

    『バビル2世』のいわば続編ですね。 名作でありみんな大好き『バビル2世』と違い本作はその評価は低いようです。 私としても『バビル2世』の時のように一巻ずつ読んで感想というのではなく全体として感想を書いてみようと思っています。 ネタバレしますのでご注意を。 まずそのタイトルについて考えてみたいのですが「101」というコードネームの意味というのはどこかで説明もしくは分析されているのでしょうか。 「101」の意味を検索してみると入門編だとか素数だとか他にも様々な意味を含むようですがいまいちつながりを感じません。 そもそも『バビル2世』の時点で私はあの作品がSF忍者ものだと思いさらに白土三平の『カムイ…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑫

    最終巻です。 ネタバレしますのでご注意を。 理由は不明だが続けて男たちが「おねがいだ。助けてくれ。俺の言うことを聞いてくれ」と訴えながら自分で自分を撃ち抜く、市街で高速で車を走らせぶつかって死んでしまう、という出来事が描かれる。 バビル2世は保安庁の局長からの新聞広告(暗号)を見て訪れる。 数か月にわたって異様な自殺者が増えているというのだ。 調査によると自殺者の共通点は皆同じ日に事故などで片足や片腕をなくして同じ病院で手足の移植手術を受けたという。その日自分の体を切り刻んで不幸な人たちのために使ってくれという死体の提供者があったのだ。 その死体提供者の写真を見るとその顔はヨミの死体だったのだ…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑪ 外伝

    ネタバレしますのでご注意を。 バビル2世は登場しない外伝です。 9巻の冒頭、バビル2世がヨミからの攻撃の防御に疲弊し深い傷を負って意識を失い治療中となりバベルの塔のコンピューターも激しい損傷を受けて修理を急ぐもその力は半減していた時期偶然ひとりの男がバベルの塔にたどり着いた。 その男は飛行機に乗る前に占いで「乗客全員死亡」と出てその占い師に止められたのを振り切って事故にあったのだった。 ただ一人生き延びたものの砂漠を彷徨いバベルの塔へたどり着く。その塔の中では巨大なコンピューターが自分自身を修理していた。 そのために男は内部に入り込んでも何の攻撃を加えられることもなく再び外へ出られたのだ。 渇…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑪

    ヨミはF市の地下に作った基地へと戻り部下たちに総攻撃をかけるよう指示した。 サントスというロボットが大量に出動し次々と自衛隊の戦車を破壊していく。自衛隊が対抗したがまったく歯が立たない。 最終兵器的に投入されるロボットが巨大ロボットではなく人間大のものではあるがまったくこちら側の攻撃が効かず一つ目から発射されるビームであっという間に人間が焼失されてしまう、というのが恐ろしい。無論乗り物も簡単に破壊されてしまう。 局長はバビル2世に「なんとかならんか」と訊ねる。バビル2世の答えは「しもべたちを使えば戦えるが逆にヨミに操られてしまえば逆に襲われる」そして自衛隊隊長に空軍への救助を頼み自分に与えられ…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑩

    こういう襲い掛かる男たち、って構図が横山と覚えた。 ネタバレしますのでご注意を。 これはかっこいいっ ヨミはバビル2世に対し大勢のビールス超能力者と戦うことがお前の死を意味すると告げる。 バビル2世自身はその上でエネルギー衝撃波を使うしかない。 バビル2世はロプロスをガソリンスタンドに誘導しつっこませ大火を起こした。 ビールス超能力者も街もいっせいに燃え上がった。 ヨミ組織はバビル2世を見つけることはかなわぬまま町に着陸した。 その頃、伊賀野氏はバビル2世から与かったニンニクエキスを保安局へ持ち帰り大量生産を進めていた。 伊賀野すっかり変わったなって顔の局長 おっさんたちの呼び声を聞いて天女の…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑨

    さて問題の九巻である。読み返しをしているわけだがここで『バビル2世』が突如変わってしまうのだ、と私は感じてしまう。 ネタバレしますのでご注意を。 というのは本作はSFというジャンルを借りた忍者ものと言っていいと思うのだ。横山氏はたぶん白土三平『カムイ外伝』のようなクールな一匹狼的キャラクターの作品を生み出したくてバビル2世を描いたのだ。 それは以前自分で描いた忍者ものが組織に属したものであったため「抜け忍」のようなハードな戦いを強いられる主人公を作ってみたかったのではないか。 それはバベルの塔というコンピューターそして人間ではない三つのしもべという形にして大成功した。カムイも鳥や犬や熊を味方に…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑧

    なんかすごくかっこよくなってきたあ。 ネタバレしますのでご注意を。 ヨミはロボットでバビル2世を襲わせロプロスに救いを求めたところにミサイルを撃ち込むという作戦を決行した。 ロプロスは命じられた通りにバビル2世とロデムを庇って覆ったが山が崩れ三体はその下敷きとなる。 モニターでそれを確認したヨミはひとまず安堵したが部下たちには警戒を促した。(用心深いね) 一安心のヨミは人体研究所で成果を訊ねる。人体に宇宙ビールスを注射すると三分の二は死亡し残りは異常な力を持ち始めるという。 試しに一人の被験者に炎を出させた。さらにもうひとりと手をつながせ超能力を出させるとその力は二倍になるのだ。 ヨミはこの成…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑦

    おお!これはかっこいい。 シビレル。 ところで『バビル2世』の表紙。いつもバビル2世だねえ。ヨミ様がいっこうに使われない・・・少年誌に中年男はダメってことか。(三巻でビリビリされてた、顔は見えないけど。九巻でやっとバビル2世と同時撮影です) ネタバレしますのでご注意を。 海の中の戦い。再びしもべたちが命令を聞かなくなることでバビル2世はヨミが復活したと知る。 そしてヨミもまた水死したと思われたバビル2世のテレパシーを感じて彼の生存を知るのだ。このあたりはもうまるで恋人同士よ。 ヨミはバビル2世と相対して戦い超能力が以前より強くなったことを示す。バビル2世はこれまで感じたことない激烈な衝撃波を受…

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑥

    主人公は追い詰められるほど話は面白くなっていく。 ネタバレしますのでご注意を。 ヨミは超能力増幅器に座ることによってバビル2世の三つのしもべを以前より確実に操作できるようになった。 これによってバビル2世は次々としもべたちに襲われ傷つき流血しながら進まざるを得なくなる。しかもさらにヨミの基地にいる超能力者たちとも戦わなければならない。 弱っていくバビル2世。ふふふ。 ヨミ様親衛隊盛り上がる。(ヨミ「と」っていうのがちょっと気になる?「の」かなあ?「様」もつけたい気もするし「ヨミ様の忠実な部下である超能力者たちよ」って言うべき?「ヨミと忠実な部下」って何かのタイトルみたいでw)健気で良いねえ。 …

  • 『バビル2世』横山光輝 ⑤

    表紙が手抜きになってきた感がありますが中身は逆に凄いです。Ⅹで「(アニメ)バビル2世は学生服じゃなくなってからつまらなくなった。戦闘服の方が古臭い」と書かれている方がおられましたがたぶん観ていた世代ほとんどの意見でしょう。私もそうでした。なので後半はもう覚えていません。 今原作改変事件が話題になっていますが過去どんなに読者視聴者の心を傷つけてきたのか図り知れません。(良いものもあるけど) ネタバレしますのでご注意を。 この五巻、背景なども含め作画が物凄いことになっている。 まずは四巻からの「扉を開けて・・・どうなるっ??」のワクワクを引き受けてロボットバランと超能力者ダックは壮絶な光を浴びる。…

  • 『バビル2世』横山光輝 ④

    足の描き方、萩尾望都が影響受けているの感じる。三巻までに比べるとかなり急いで描いた感じだ。忙しかったのだろうな。 ネタバレしますのでご注意を。 局長命令で司令官の監視をしている男。後に出てくる伊賀野氏かと思ったがすぐ殺されるので違った。伊賀野氏がこの頃からバビル2世とバディ的に活躍する作品だったら、と悔やまれる。 それでは違う作品になってしまう、と怒られそうだが『バビル2世』が今流行らないのはそこに原因があると思ってしまうのだ。 とはいえこの4巻面白い(どっちなんだ) 伊賀野氏ほどではないが局長・副局長が良い感じだ。 バビル2世襲われる。足が萩尾望都『トーマの心臓』の頃。(しつこいが)(萩尾氏…

  • 『バビル2世』横山光輝 ③

    読み返しているとバビル2世の強さに惹かれるというより恐ろしくなっていきます。自分が年を取ってしまったから思うのでしょうが。 ネタバレしますのでご注意を。 まあ、wikiを見ても横山氏は『バビル2世』を短期でやめるつもりだったというのでとんでもない超能力少年を描いて終わりという感じだったのだろう。 それにしても彼はあまりにも孤独で可哀そうに思える。 前にも書いたが今『バビル2世』をそのままリメイクしても受けないだろう。 『チェンソーマン』にしても『進撃の巨人』にしても同じような意識と能力を持つヒーロー仲間が幾人もいる、という設定で守られている。この世にたったひとりしかいないという孤独なヒーローは…

  • 『バビル2世』横山光輝 ②

    何度も同じこと言ってしまうけどバビル2世のかっこよさは格別。しかし読めば読むほどカムイを意識していると確認できます。ううむ仕方ない。(だっていちばんかっこいいんだよカムイは) ネタバレしますのでご注意を。 正義の少年バビル2世はとにかくカッコいいけどその分あまりおもしろくはない。それは(私の勝手な憶測ですが)カムイ的なクールなヒーローを意識したためにバビル2世が孤高の存在になってしまって仲間とのやり取りがないからだ。 萩尾望都レッド・セイはバビル2世をイメージしたヒロインだけど萩尾氏はセイを孤独にはせず仲間を作ったのでセイはずっと誰かとの連携が生まれていく。 現在のマンガ作品を見れば極端に孤独…

  • 『バビル2世』横山光輝 ①

    去年2023年の6月17日(思えば横山光輝氏誕生日の前日)にこのバビル2世の一巻を買ってそこから横山沼潜行が始まりました。 正直に言うと私は『バビル2世』世界がそれほど共感できなくてバビル2世のかっこよさに頼る読書でしかなかったのですがこの8か月ほど横山作品にほぼ浸かりこんでいたので少しは世界を知ることができるのでは、と再読に挑戦してみます。 なにしろ一度目の読書記録は殆ど意味を成していません。今度はじっくりと読み進めてみたいものです。 ネタバレしますのでご注意を。 バビル2世のこのかっこよさはすぐわかる。少年期のエネルギーですよね。 ふむう。 とはいえ読み返しても『バビル2世』という物語がど…

  • 『四枚の女王(クイン)』横山光輝

    少女ブック1961年1月~7月号 やはり横山光輝描く女の子はかわいい。 60~70年代の荒んだ作品ばかり見ていると心がささくれてしまうのでちょいと癒しを。 しかしあらゆる分野を描いてしまう横山先生。ほんとマンガの達人だったのだと思わされる。 水木しげるマンガも今読んでいるのだけどこちらはほんとマンガ不器用だったのだと思う。可愛い女の子は描けなくてアシさんに描かせたという。そして正義の戦いが大嫌い。横山氏とは対照的だ。 ネタバレしますのでご注意を。 横山氏は導入部で引き込んでいくのがうまい。 シルクハットにマントといういで立ちの謎めいた男が説明を始める。 背が真っ白なトランプ、クインのカードを四…

  • 『影丸と胡蝶 ほか七編』横山光輝時代傑作選 「ムササビ」

    「ムササビ」週刊少年キング1969年 同じタイトルで三作品ある・・・・? 連載で三作品あった、ということなのかな。なのに目次では二作品・・・・? いろいろ謎である。と思ってたら2・3作目は末尾に「マンガ少年版①②」と書かれていた。そういうことだったのか。 ネタバレしますのでご注意を。 前も書いたことですが、私、横山作品の中で一番忍者ものが不得手です。 これはたぶん自分の中の忍者もの、というのが白土三平を基準にしているせいだと思えます。 白土三平の特に『カムイ外伝』を読み親しんできたので横山氏の忍者ものはどうにも生ぬるい気がしてなかなか受け付け難いのでした。 とはいえ横山氏自身主人公に影丸という…

  • 『影丸と胡蝶 ほか七編』横山光輝時代傑作選「仇討ち始末」「ほらふき陣左」「恋と十手とお銀ちゃん」

    さてネタバレしますのでご注意を。 「仇討ち始末」増刊漫画サンデー掲載1968年 腕は立つが道場破りをしてはその日の糧にしているだけの貧乏浪人である主人公。 仇討の助太刀をする報酬を受け取るが・・・・という物語。 横山氏はこういうみみっちく生きている男の話は不得手なのではないだろうか。顔を赤らめたりして可愛すぎる。 「ほらふき陣左」原作:辻真先 別冊漫画アクション1972年 表紙の陣左衛門は自分の武勇伝を長屋の子どもたちに語って聞かせる。子どもたちはそれを楽しみにしているのだが実際の陣左は武士の間では臆病者として嘲られていた。 このキャラは辻真先氏によるものだからだろうか。横山オリジナルではなか…

  • 『影丸と胡蝶 ほか七編』横山光輝時代傑作選 「影丸と胡蝶」

    さて本編より先に外伝を読むシリーズ。 ネタバレしますのでご注意を。 別冊マーガレット掲載1964年 おおっと。少女マンガでしたか。だからこんなにヒロインかわいいんだな。 影丸が葉山の里を通る時に必ずある墓に立ち寄るという。その墓には捧げられる花のきれたことがない。わたしと同じようにこの里の人々も彼女のことが忘れられないのだろう。 という出だしで始まる。 その彼女というのがタイトルにある「胡蝶」であり胡蝶はその村の名主の娘なのだ。村は凶作なのにもかかわらず領主から例年通りの年貢を取り立てられ人々は飢えて死ぬ者が絶えない。胡蝶の父である名主は領主に惨状を訴えに行ったもののそのまま帰らぬという。 胡…

  • 『横山光輝セレクション』「伊賀の影丸」「魔界地帯」「飛猿斬り」

    あの『伊賀の影丸』に幻の読み切り作品があった! これはすごく気になる惹句ですなあ。早速中に入りましょうか。 ネタバレしますのでご注意を。 「伊賀の影丸」 などと言って、す、すみません。横山光輝の代表作の一つなのに私はまだ未読了です。『鉄人28号』読めたのになぜなんだ。心の中の白土三平が立ちはだかるのだろうか。(ものすごい白土ファンなのです。幼い時は白土アニメばかり観てた気がする) ものの本によると『伊賀の影丸』は1961年~66年の作品と記されていますがこれは番外的読み切り企画として別冊少年マガジン1970年7月号掲載のようですが横山氏の作品年表に記されていなくて「?」となりました。「その後の…

  • 『捨て童子 松平忠輝』横山光輝/原作:隆慶一郎 その2

    魅力的な人物を描いてくれたものだと思う。 ネタバレしますのでご注意を。 まだすべて知ったわけではないのだけどここまで読んできた作品でおおまかにいえば横山光輝は戦いの歴史を描いてきた。そしてそれが大きな人気を呼んだと思う。『鉄人28号』しかり『バビル二世』しかり『三国志』しかり多くの忍者もの、そして戦国時代の武将たち。それらは胸躍る男たちの戦争のドラマだ。 が晩年、年表を見ると90年代に入ってからになるが『史記』『殷周伝説』などが並んでいる。 横山氏の作品の中でも非常に面白く読んだのだがやはり人気という点では低いのではないだろうか。(思っただけなので事実はわからない) 本作『捨て童子』もその時期…

  • 『捨て童子 松平忠輝』横山光輝/原作:隆慶一郎 その1

    読了してから書いています。同じく横山光輝著『徳川家康』を先に読んでいたのはとても良かった。 ネタバレしますのでご注意を。 これはいわば「もうひとつの徳川家康と忠輝と秀忠」ともいうべき作品なのだ。 ドラマ『如懿伝』を観て『瓔珞』と比較したことがあるならその妙味がわかるだろう。 とりあえず(諸説あるだろうが)史実的な『瓔珞』で悪女とされた嫻妃=如懿が『如懿伝』ではなぜ彼女が「悪」と皇帝から退けられたのかがわかる。 本作も山岡荘八『徳川家康』で「悪」とされ父親・家康から退けられた忠輝の物語の真実とは、という仕掛けになっている。 『如懿伝』が面白かった人は本作もきっと興味深いに違いない。私がそうなのだ…

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