夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
2024年8月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1まっすぐまがっている國の新札2神奈川民蒲団の中の都知事選3蕎麦湯待つ梅雨明け4無口の人陽炎したたる5陽射しの切取線猫昼寝6トタン屋根熱さに負けぬ猫の恋7売れ残り3人句会へ茄子届く8整理した鶏頭の花墓に挿す9熱さの急流をのりきり笑うぞ10熱さの急流まっ赤な鶏頭を活け11踏み外す事なく去りしはたた神12米寿旅吊橋大揺れ運、不運13独り居の日高き夕餉明日へ生く14確かなる西瓜の旨さ自作自賞15顔作るしわ知る暇日里の盆16庫は炎暑コップ酒飲む唇甘し17暑中見舞癖ある友の文字弱し18人の世の常をまっすぐ鶏頭立つ19初茄子や紫紺つやつや人も尚20背を曲げてこぼれし種を白鶏...2024年8月京都童心の会通信句会作品
デカダンスの名を持つ句集金澤ひろあきデカダンスという言葉に現代の私達はあまり価値を見いだしていないように思われる。「退廃」「腐敗」というニュアンスを含んでいる。しかし、デカダンスは、世の中をよく映し出す鏡でもある。デカダンスは、社会の秩序や常識を笑うものでもあるからだ。秩序や常識は私達に強制する力が働くが、それらは支配する側に都合がよいものが多い。支配する側に都合がよいものに抵抗する所まで行かないにしても、それから逸脱するデカダンスは、秩序や常識に囚われている私達の姿を映し出す。川口外狼氏の句集「ダブルデカダンス」は、そういう意味で「囚われている自分」を見ているかのようであった。川口氏の句の作り方は、句集の第一章の小題にもあるように「写生」から入っているようだ。川口氏は、デカダンスを昔の無頼派のように「演...デカダンスの名を持つ句集
川柳の日金澤ひろあき色々な○○の日がありますね。2月22日は「猫の日」とか。「川柳の日」があることを初めて知りました。8月25日が「川柳の日」だそうです。宝暦年間、初代柄井川柳が初めて川柳の入選集を出したのが8月25日で、それを記念して決めたそれです。その時集まった句が二百ぐらい。川柳も小さくはじまって、大きく広がって行ったのですね。記念碑が、初代川柳がいた蔵前にあるそうです。赤とんぼ川柳の日の空遊ぼひろあき川柳の日
熱中症アラートぼんやりついているテレビひろあき打ち水や演歌流れる商店街病院の椅子の固さ時間が止まるオリンピック運営本場のケセラセラ熱中症アラート(3句)
2024年7月京都童心の会通信句会結果【選評】○金澤ひろあき選特選天58朝起きて心臓に触れるありがとう佐久間照三自分の命の危うさ、有限性に気づいた時、当たり前と思い深く意識しないことが、どんなに大切なのかと実感します。たとえば、心臓が休まずに動いてくれることなども。地68七月は産み月ゆったりと待つ三村須美子新しい生命がやって来る。その喜びをかみしめているひととき。暑い中ですが、無事お産がすみますように。人7くちなしの花医師の無用の聴診器塩見すず子大切な人を亡くされたのでしょうか。亡くなったその時の情景を伝えているように思えます。私も今夏、大切な友人を亡くしました。亡くなる際には会えませんでした。心に響きます。今月は共感する句が多くて、好きな句も落としてしまいました。特に好きな句を見て参ります。1あふれ出す...2024年7月京都童心の会通信句会結果
2024年7月京都童心の会通信句会結果青葉祭金澤ひろあき6月15日。京阪七条を東へ行き、智積院へ。今日は青葉祭。空海と興教大師の誕生日。キリスト教のクリスマスみたいな日で、真言宗では大切な日。ゴマを焚いたり、お練りをしたりでお祝いをしています。6月なのに30度を越え、ゴマの火は暑いでしょう。お寺の紋は桔梗。参道にも桔梗の花。参道の白きに桔梗の影落とすひろあき金堂、不動堂に参り、友のことで強い願い事。名勝の庭園が無料公開。ここも人が多い。堂本印象が復元した金地の襖絵が輝く。輝きの中に桜や楓、松が浮かび上がる。また、庭を見てぼんやりと過ごし、心安らぐ。名園の風の馳走をいただきぬひろあき力みを抜くと涼風起こる足元ぶらぶらもとの襖絵は長谷川等伯一門の筆で、宝物館にある。桃山期の迫力に驚く。等伯の筆に金の日の光ひろ...2024年7月京都童心の会通信句会結果
愛も死も同じ素直なリズムの蝉金澤ひろあき都会の蝉夜半まで鳴く過労死するなよ弁解は鳴かない蝉のがマシだった素直なリズム
鳴かぬ蝉忖度不祥事隠れんぼ金澤ひろあき忖度は一緒に黙る蝉でした鳴かない蝉一斉低頭記者会見居眠り議員僕は鳴かない蝉である蟻が引く蝉のむくろと税金も鳴かぬ蝉
秋の蝉金澤輝石山寺は千日会なのに、国宝多宝塔は事情あって閉ざすと。秋の蝉扉を閉ざす多宝塔秋の蝉念力絞りだし尽くす秋の蝉
「自由律の風」6を読んで金澤ひろあき関東を中心に、自由律をオープンな形で現代に生かし、広めようという有志によって起こされた会とうかがっている。京都童心の会も団体参加させていただいている。年一回、会誌を発行されている。表紙の風神の絵は洒落ていて、開かれた会のイメージとして好感が持てる。日本で自由律の活動をしている会の紹介もあり、開かれた広報の感じがする。会員の投句欄、SNS企画欄など、そして論考が3本。「山頭火が詠んだ七七(14音)句」石川聡「自由律連句」高松霞「自由律川柳小史」小池正博高松氏の自由律連句の紹介は新鮮であった。筆者も連句愛好家であるが、好感が持てる紹介記事である。小池氏の論考は、川柳界にも自由律が起こり、その後独自の展開をしていく過程が分かり易く提示されている。初めて読む人にも親切で、良い企...「自由律の風」6を読んで
石山寺千日会金澤輝「一つ一つコツコツ努力を重ねなさい」というのが立派に見えますが、「特定の日に来たら功徳一千倍」と言われると、私のようなずぼら人間はつい乗ってしまいます。今年8月9日は、石山寺の千日会。この日お詣りすると、千日分の功徳だそうです。石山寺は紫式部ゆかりのお寺。今年はNHK大河ドラマ「光君へ」が好評です。そのためか、心なしか人が多いみたいです。「源氏物語」の注釈書「河海抄」に、寛弘元年(1004年)、紫式部が石山寺に参籠し、琵琶湖に映る名月を見て着想し書き始めたと。紫式部が執筆した「源氏の間」、その時使ったという硯が残っています。「源氏の間」には、紫式部のお人形が。芭蕉も元禄三年(1690年)に、源氏の間を見て一句。曙はまだむらさきにほととぎす芭蕉「源氏物語紫式部御影」という刷り物を復刻版で出...石山寺千日会
蝉金澤ひろあき蝉ほどは人気がない蚊の愚痴を聞く求愛にしては能天気な蝉自分の声たぶん聞いてない蝉世論を蝉の鳴き声ぐらいに聞いている議員殿玉音放送蝉時雨で聞こえなかったと蝉のようにむきになって体震わす蝉
鎮めの日ナガサキの空あの時間ひろあき鎮めの日
残しておけばよかった金澤ひろあき亡くなった佐久間照三さんとは、お互い元気な頃は飲み友でもありました。二人とも日本酒の純米酒が好きでした。雑談が面白く、時があっという間に過ぎたものです。その中で、彼の祖父が一灯園に深く関わったということを話されたことがありました。国際的な活動もされていたらしく、ロシアのトルストイとも交流があり、トルストイの娘を助けた話もされたのです。もしかしたら表に出てこない秘められた歴史かもしれないので、「いつか詳しく書いてよ。」と頼んだのでした。それがこの7月、佐久間さんのまさかの逝去。人が亡くなると大切に記憶も消える。そんなことを思うとまた淋しくなります。逝った人と消えた記憶残されたからっぽひろあき※写真は関の地蔵堂の鐘楼。残しておけばよかった
別れの刻金澤ひろあき家族葬という名の小さな淋しい集まりのその真ん中に笑っている君の写真七夕の翌日雨の中を探しあぐねて何とかたどり着いた式場には遠いご親族と自己紹介された五人の方と私だけの参列の別れの刻別れの刻
79年核無き世界まだヒロシマひろあき79年
「今どこにいるの」金澤ひろあき「今どこにいるの」待ち合わせで地理がダメな私はよく君の携帯にきいたものだったそのたんびしょうがないなという感じで丁寧に教えてくれたあたたかな声「今どこにいるの」あの日からもう声はかえって来なくなったたった一人で七夕に君は逝ってしまった「今どこにいるの」
関の山金澤ひろあき三重県の関に行ってきました。旧東海道の街並みが残っています。関も7月に祗園祭の山車の巡行があるようです。「山車」と書いて「やま」と読むのです。「関の山」の語源とか。どうせ関の山手放してみるひろあき関の山
関の宿金澤ひろあき真夏日の寝静まりたる関の宿夕立を打ち水とする旧街道※写真は、旧東海道の関宿。関の宿
「さんしょ」187を読んで金澤ひろあき拝復暑中お見舞い申し上げます。「さんしょ」187ありがとうございます。毎年日本の何処かで、夏は40度を越える所が出ています。異常気象が当たり前になってしまい、30度ぐらいの日は、「今日は涼しいな」などというしまつ。一方、大雨災害で亡くなる人も増えていて、私達の子孫の時代には、どうなっているのだろう。大変な負の遺産を残していると悩みます。「さんしょ」187よりまちがいは熱い視線で感じとる小沢真知子「まちがいを感じとる」こと。問題の多い今の世界で、本当に大切だなと共感します。私達だけのためでなく、未来のために。晴れた日に蒔いておこう甘い種鈴木和枝明日(未来)を信じて生きている明るい気持ち(あるいは「願い」)が、「甘い種」という言葉から伝わって来るのです。本当に明日を信じて...「さんしょ」187を読んで
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夫婦の年輪刻んだ廃業した店の看板金澤ひろあき夫婦の年輪
廃業の看板金澤ひろあき梅雨空に高く掲げる廃業の看板梅雨なんかに負けへんカラスゴミあさり梅雨なんかに負けへんカラスの朝餉の歌熱帯夜ペットボトルきしんでるよ廃業の看板
青島巡紅氏遺作2024年分※2024年7月、心友青島巡紅(本名佐久間昭三)さんが亡くなりました。30年以上の長いおつきあいで、俳句・短詩文芸の同志でした。語りたいこと、大切な思い出はいっぱいあります。でも、遺された句以上が一番大切です。そう思い、遺句を読み返しました。ペダル漕ぐ青島巡紅(佐久間昭三)新年の鐘が鳴る時銃も止む膝をつき皆祈り出す大きな虹まだ翠残る銀杏のほっといて冬時雨笑顔濡れない傘となる逃げ水を追いかけ走る選手たち冷めた粥タッパから食うシンク前火の用心お巡りさんに舞妓さん斑鳩を旅する一人下弦の月藷を焼く皆んなの笑顔午後三時木枯らしや手にした札が飛んで行く車待つ半身沈むオリオン座蜜蝋の火に誘われて日記買う元旦や湯を抜き行くぞと頬叩く休みたしでもでもでもと手足動く橋揺らし川面を渡る月明かり木守柿雪...ペダル漕ぐ
泣いている笑顔もあるんだ紫陽花金澤ひろあき泣いている
星の声青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作大欠伸天頂の星輝けり川沿いの並ぶ灯誘う朧星狼の遠吠えいずこ朧月四年ぶりはねず踊りの随心院春雷やワクチンの是非再浮上自堕落の夢に親出て春彼岸湯煙や星まで届け酒交わす班ごとにカレーを作る春暑し群青の刹那の直線雉翔る春の海着艦歓声米無人機徳川の日の出と入りを大広間逃げる子を笑い追う親樹々の間を地蔵堂の花活ける人黙々と剪定の街路樹の笑む小雨かな語り種余さず使い春火鉢灯に浮かぶ白花水月紅仄か思い出は葡萄の皮の酵母菌薫風や新郎新婦入場す円山の葉桜の下で夢を見る顔洗う笑うか泣くか夜の酒頭寄せ寝過ごすことも旅のうち日が昇る歩く足止め手を合わす水田と東の空に日が浮かぶ冬の月夫婦二人で屋台から木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ雨季終わる朽ちた戦車の...星の声
タワマンの林金澤ひろあきタワマン次々に建つ地面陥没する国※いつも安全は後回し。事故が起きてから慌てる。雨音も蚊も届かないタワマンの林ドローンで宅配梅雨空のタワマンタワマンの林
桔梗が招く白い石畳のお寺金澤ひろあき※京都七条、真言宗智積院。去年の今頃、友の病気回復を願ってお参りしたのです。同じように桔梗が咲いていました。白い参道に落ちる桔梗の影も、今年は同じように。ただ、友と一緒に来ることはかなわなくなりました。2025年6月21日。空海の縁日にて。桔梗が招く
祭待つ大安売りの商店街金澤ひろあきシャッター街になるもんか祭待つ商店街祭待つ
亡母みたいな子犬松村芳子奈良町に墓だけ残し梅供う紅白梅枝しなやかに争わず梅の実や人のうわさも転びづめ梅粥やバターの堅き二月果つ老いてこそ遊び心を雛かざる雛かざり背なにねんねこ幼な児としなやかに滋賀の湖より嫁ぎ来し舞う雪にゴルフボールの吸われゆく道たづね上ガル下ガルに京余寒話す役聞く児のありて日向ぼっこ鳥翔ちて桜の小枝弾みけり真理春風邪や亡母みたいな子犬いてつばめ舞う空は自在の初舞台髪染めし亡母に似て来し花鏡電線はシャープフラット初つばめうす緑草餅送る文添えて近道は山椒のみどり敵のごと緑陰や悲しき事は傘の中緑立つ力抜ければ飛ぶボール母の日や白カーネーション詫びの色母の日にさくらんぼ着き子の個性紫の法衣に休みし黄金虫カーネーション又一鉢着き笑い合う母の日や今なら出来る親孝行ばらの刺みどりの先はとんがり帽会えば...亡母のような子犬(童心会員作品)
川端康成記念館にて金澤ひろあき2025年6月20日、休みを利用して訪問した。「眠れる美女」の原稿を見ることができた。鎌倉にあった書斎が再現されている。そこで原稿を書くという、作家になったような体験をさせて頂いた。毛筆のタッチの万年筆で、文豪気分になる。打ち水の柄杓の先に作る虹ひろあき踊り子の文書き写す熱さかな川端康成記念館
ゆっくりほどけて塩見すず子雨傘に梅の花びら客迎え客の雨傘梅の花びら一つ二つしなやかな指揮者の梅の花ざかり書き終えて雛の細い目に膝まづく歩いた休んだ梅のひらく音聴いた桜ふぶきに守られ人のお世話になりたくないさくらのスケッチに色をさすさくらの道ふいにかけ出すランドセルさくらさくらスケッチに色を差す上から見おろす桜異人たち桜の帯です同世代の話題ですしばらくはじっとして桜と青空と花見スポットゆっくりほどけてゆく私緑の陰マスクはずせばきれいな汗エプロンのカラーの白さ深まる夏無口なサイフ並べ緑の手づくり市エプロンで手を拭く母の小さな癖母のぬくもり好きな黄色のカーネーション遠くの電車今朝も死者により添ってくちなしの花医師の無用の聴診器宅急便です頭陀袋に入れる赤ワイン死に装束下草あたりで飛ぶホタル糸の雨降る三途の川のど真...ゆっくりほどけて(童心会員作品)
梅雨にもう真夏日たまげている蚕金澤ひろあき※まだ6月18日だというのに、京都ではもう36度を越え真夏日。蚕もびっくりだろう。真夏日の蚕
不器用ですから遠藤修司片付けを後回しする悪いクセこれを報告句会に出そうか昼食後薬がわりのコーヒーブレイクメタボに効いてよ目が見えぬ友が見抜くは私のずるさじいさんや右はキラキラ左は苦労どっちを選ぶ高倉健さんに私は学ぶ「不器用ですから」交差点会った女性スマホでウ・フ・フ今日は晴天足悪く会社に向かう背から見えたよ強力(ごうりき)が家族にあふれる笑み運ぶおっはようー交わすあいさつルーティーン元気よびこむファンファーレ酒に飲まれ記憶が飛んで約束忘れ信用失ふおもちゃを渡した御礼「電池が無いって」それを言わないで今の私「電池切れ」アサイチ自転車ギーコギーコ生きてくメロディー一声をかけ忘れ見事にケンカバクダンと生命をハカリにかける戦争なんてクソ食らえだカギかけてキーを無くして自転車のれず心のカギが外れてる朝日さす雪やなぎ...不器用ですから(童心の会会員作品)
花菖蒲水辺無数の銀河系金澤ひろあき花菖蒲
えみふる岡畠真理子もう梅雨明けだと伝えたいのか蝉の声この日だけは笑顔いっぱい球宴のベンチ台風も近づけない猛暑列島夏の風チリンと風鈴柄杓水石段上りほっとひといき木陰の涼風ススキたなびく城址青い空庭園一望城主の気分わかるかも初秋の陽射しどんぐりの木陰でひと休み赤とんぼに誘われ歩く城の道すごいなぁゴロゴロお供に城址巡りぜんざいとお抹茶アイス迷う季節通りすがりの金木犀に母想う金木犀を手土産に叔母の思い出靴下ろしそろそろ歩く踵に絆創膏初詣の長い列お願いごとをじっくり考えるおみくじをそっと結んで気を引き締める境内の屋台に混じりキッチンカー初売りスーパーお正月BGMでのんびりムードスーパー出てひんやり外気心地よく住宅街散歩小鳥の囀りに立ち止まる早咲きの桜揺らす小鳥一羽ぽかぽか陽気に雪やこんこんのメロディまだ要る日来るか...えみふる(童心の会会員作品)
河骨金澤ひろあき河骨は梅雨前ぐらいから、黄色いかわいらしい花をつけている。千利休が茶室では使ってはならない花にしたので、茶では使えないそうだ。利休さん、何が気に入らなかったのだろう。茶室には入れぬ河骨雨に侘びひろあき河骨
母の手野原加代子彼岸花生きてる印赤く染め赤とんぼ人恋しさと飛び回り尺取り虫やゆっくり歩く人生を秋の海故郷景色澄み渡り三日月に見惚れて歩く夜道かな故郷は冬景色かな目に浮かび母の手が大根洗い冷たかろ湯豆腐や家族を囲む湯けむりや毛糸編む孫の顔思い冬帽子赤く染め南天の実や亡き母に柚子風呂に孫と入りし冬の夜生きている歩けていると去年今年水仙や一輪挿しに背が高く寒椿寒さに堪えて群れ咲きてろう梅やクルザード色に咲きて光浴びバレンタインねぎらい言葉貰いして春うらら空見渡して気は晴れし春日和友の足追いウォーキング春の雪父の手見えプラットフォーム手の平にアリンコ歩き愛おしく春雨や袖通して衣替え食卓や新玉ねぎの香りして母の日や帽子かぶりし背丸め風薫る地蔵手合わせ微笑みし夏日和姉に会いして亡母似し青紅葉そよぐ風には雨しずくねむの...母の手野原加代子作品
水無月や祇園の祭動き初む金澤輝※大宮三条商店街に、祇園祭の提灯登場。京都の西のほうですが、祇園社の御旅所があるのです。水無月や祇園の
横になるああ極楽の四畳半ひろあき※写真は京町家。横になる
桔梗のお寺金澤輝季節的に美しい紫陽花の紹介が多いですが、桔梗も良いものです。京都で桔梗というと、東福寺の天得院や紫式部ゆかりの盧山寺が有名ですが、東山七条にある智積院も良いものです。白い参道沿いに沢山見ることができます。お寺の紋も桔梗です。参道の白きに桔梗の影落とす輝桔梗のお寺
木屋町高瀬川金澤ひろあき木屋町高瀬川というと、三条から四条間の繁華街のイメージが強いです。しかし、四条を下がり五条近くになると、ずいぶん景色が変わります。飛び石で渡れる所も設けてあり、生活の匂いもします。せせらぎを踏む飛び石を踏む半ズボンひろあき紫陽花の王国繁華街横目木屋町高瀬川
【日記より】6月12日童心記念号発行金澤ひろあき6月12日、朝から晴れ。気温は30度を越える。四条河原町へ出る。完成した童心2024年記念号を受け取りに行く。寺町四条を下がった所、石之不動町にある田中プリントさんへ。町名の石不動は、空海が彫った石不動をお祀りするお堂があるため。例年、お詣りしてから受け取っている。今年一年の皆様の無事と健筆を祈願する。一年に一冊出しているが、その年々、いろんなことがあったなと感慨深い。支払いを終え、近くの郵便局より、遠方の会員の皆さんに郵送するのも、恒例。持ち帰って、改めて読み直す。こんな時にこんな句が出たなどと振り返り思い出す。参加の皆様の句より逝きし犬柚子の根元の黄の中に三村須美子蜜蠟の火に誘われて日記買う青島巡紅(佐久間照三)まっすぐな瞳が言った戦争のない国に行きたい...【日記より】6月12日童心記念号発行
フリー句(自由連句)「戦場は」の巻戦場はここかしこにあり頻尿佐久間照三予定表には未定の空白金澤輝ハローワーク経由病院で点滴照三長い雨期友回復の知らせ待つ輝友からのお守り握り頑張るぞ照三また共に紅葉を見ること信じて待つ輝生きるから生かされている心臓よ照三息に合わせて光放っている蛍輝合唱のアベマリアが涙腺緩める照三聖堂の扉開けば百合香る輝マリア様世界の子らに祝福を照三ミレー描く落ち穂拾いの農婦の祈り輝ゴッホが黒人農家に見た馬鈴薯照三驚きがあった無数のまなざしの向こう輝呆然と膝崩す間も無く小便糞漏れる照三悩み苦しみ書いてみると小さくなる輝同行二人と唱えて山谷行く老僧照三奥に歩めばブッポウソウが唱和して輝行く先に安らぎあること虹に願う照三日の入り月と一番星と輝月夜に浮かぶ海月浪任せ照三大きな力に流れて行く先皆同じ...フリー句(自由連句)「戦場は」の巻
蝶々の円舞門を開けようよ金澤ひろあき※つがいで飛んでいる蝶を撮ってみました。難しいですね。蝶々の円舞
5月句会選追加○松村芳子特選36葉桜や神籤の結び増えている佐久間照三神籤も神様からの賜物と思っても凶は嫌です。吉神籤がいただきたいです。並選28夕日落ち薄暗がりに蝶々とび蔭山辰子29黄砂イヤ花粉イヤイヤ風邪でした同33花の舞う遍路の境内握り飯佐久間照三38微風に柳と桜のデュエット同40背伸びする肩凝りほぐす朝日かな同42若者も負ける短パン老夫婦同45月見草夜輝きて道端に野原加代子54曇りなの黄砂なのかな頭なの三村須美子56芽出し良し年越しダリヤ掘り起こす同58筍や甘み歯応えうまし音同60隼人瓜初挑戦の畝作る同61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち同62草刈りの草の香りに身を浸す同71寝そべり人生もいいさ口下手な蛙金澤ひろあき72風船も迷子になりそう黄砂の空同73団地と花知人が去ってあいた穴同78青い目も担ぐ神輿...京都童心の会5月句会選追加
2024年6月京都童心の会通信句会作品この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。特選句の選評をいただけるとありがたいです。1緑の陰マスクはずせばきれいな汗2エプロンのカラーの白さ深まる夏3無口なサイフ並べ緑の手づくり市4エプロンで手を拭く母の小さな癖5母のぬくもり好きな黄色のカーネーション6うす緑草餅送る文添えて7近道は山椒のみどり敵のごと8緑陰や悲しき事は傘の中9緑立つ力抜ければ飛ぶボール10母の日や白カーネーション詫びの色11母の日にさくらんぼ着き子の個性12紫の法衣に休みし黄金虫13カーネーション又一鉢着き笑い合う14母の日や今なら出来る親孝行15ばらの刺みどりの先はとんがり帽16孤独ではない菜の花の天ぷら17夏隣食べたくなる雲ひとつ18漆黒の紅テント羽撃く唐十郎19いつもふ...2024年6月京都童心の会通信句会作品
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半〇佐久間照三選特選77卯の花腐し原子炉腐りませんか金澤ひろあきオカラを炊いたもの(卯の花とも言う)は間を置けば当然腐臭を発する。原子炉がそうでないと言えるのか。言えませんね。人為的操作ミス、自然災害がいつそのトリガーになるか判らないのに、ありえませんと押し切れるのだろうか。電力需要とか事情とか言う観点からは必要悪。だからこそもっと建設運転には現実的で万が一の基準が低くてはいけないのです。この句は、理屈でなく感性に訴えているところがミソです。団欒の食卓という場面から一気に飛躍するのに不自然でないところが、いいですね。「卯の花」への着眼点がいいですね。並選5花見スポットゆっくりほどけてゆく私塩見すず子一番綺麗に見える場所に来て感動し、見ている自分が解体されて行...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】後半
2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半○金澤ひろあき選特選天61玉ねぎよ伸びよ丸まれ球児たち三村須美子「玉ねぎ」の様子から「球児たち」への連想、とても楽しいです。何かに打ち込む人を見ると、応援したくなりますね。「伸びよ丸まれ」の声による応援も、句の雰囲気を生き生きとさせています。地3桜の帯です同世代の話題です塩見すず子花を見に行って始まった会話。同世代に通じる話題は盛り上がりますね。時代や苦楽を共にしたからでしょうか。人44野球帽とペットボトルの忘れ物佐久間照三休日の翌日なのでしょうか。野球で遊んだ後の忘れ物から、前日の楽しさが余韻のように伝わって来ます。他、心に届く句です。8あと何回61段登り下り朝の出発足たたく遠藤修司マンションの階段なのか、駅の階段なのか。毎日通勤で通っている道。「あと何...2024年5月京都童心の会通信句会結果【選評】前半
2024年5月京都童心の会通信句会結果日記より4月9日ほどほど金澤ひろあき二条城のお堀の桜もそろそろ散り初め。散る姿も美しいのが、桜なのかな。散る桜を見て、いつも買っている丸太町通りのお弁当屋さんへ。行って驚いた。長い行列。三十人ぐらい。車も路上駐車。いつもはこんなに混んでいないのに。並んでいる人に聞くと、TVで紹介されたのでやってきたという。通りがかりの外国人が「famousrestaurant?」と訊いてきた。年輩のご夫婦がやっている店で、ご主人は以前、体調を崩して店を休みにしたことがある。お客さんが沢山になったのはいいが、こんなに忙しくなると、お体大丈夫だろうかと心配になる。いつもなら少しお話もできるのに、そんなゆとりもなかった。ほどほどがいいかも花も散りそめるひろあき皆さんの選です。選者真・・野谷...2024年5月京都童心の会通信句会結果
フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻みどり児へ燕がくるり風を切る金澤輝開けた手から逃げた希望追いかける佐久間照三豪雨が過ぎた街はまだ冷えたまま輝冷めた珈琲チンブランデー入れる照三朝焼けに輝いているゆで卵輝お祖父ちゃんの頭と同じだ照三くつろいだ五百羅漢が「よう来たな」輝地球に生かされている僕たちの日々照三東山滴る友の居る窓辺輝元気が一番青い空照三日帰りの温泉集合藤の棚輝風呂後のビール最高乾杯照三初優勝果たす若き小結が輝粘り腰僕にも欲しいそのパワー照三厄落とし今日の朝日によみがえる輝朝起きて心臓に触れるありがとう照三花の宴生きてるだけで儲けもの輝水田に映える山並み燕飛ぶ照三ローカル線旧街道と並走し輝昔から明日も見守る五重塔照三フリー句(自由連句)「みどり児へ」の巻
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
「さんしょ」186号を読んで金澤ひろあき拝復御句集『離農』拝受。ありがとうございます。前回の『蛙の主張』に続き、人生の節目ごとに句集を出される。句と人生がリンクしています。だから、句を振り返ると人生を振り返るようになっています。あの頃こんな出来事があり、こんな心情で暮らしたなと思い出せるよすがにもなり、句が生活のインデックスにもなりますね。(鑑賞は後日になりますが)また、「さんしょ」186号にも、生活に即した心情があらわれ、口語俳句は「生活詩」ということを実感します。〇筍やそこまで厚着しなくても石神君子〇聖護院大根やっぱりお日さま独り占め鈴木和枝「筍」や「聖護院大根」は食べ物ですが、これらの句では、私が同じ目線で呼び掛けています。食べる者と食べられるものというよりも、同じ世界に生きている仲間という感じです...「さんしょ」186号を読んで
巡りあえた本金澤ひろあき金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版生きているうちに私達はいろいろな体験をする。他者の体験を伝えられることもある。辛い体験もある。辛い体験から学んだことは、私達の内面を強く揺さぶる。誤りを正す力にもなる。生きる力になる。瀬戸内寂聴さんと金子兜太さん。お二人とも、「戦争は悪」「戦争に向かう動きも悪」という立場を貫かれた。お二人とも戦争を体験されている。体験から出た言葉は重い。金子兜太さんのこの体験記には、戦場の体験もだが、日本全体が戦争に向かう中で体験したこともしっかり伝えようとされている。よく「戦前」と言われるが、対中国戦争ははじまっており、「戦中」が正確なのかもしれない昭和初期。表現の自由を奪い、1940年から特高による新興俳句弾圧事件が起こって...巡りあえた本金子兜太著『あの夏、兵士だった私』96歳、戦争体験者からの警鐘清流出版
フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻梅雨寒や何処にあるのか我が心佐久間照三ミニスカートの子ロングブーツで金澤輝子供達フェンス登って駆け抜ける照三ヒーロー達の握手会場輝往年のヒーローに親も歓声あげる照三同じ世代の懐メロ主題歌輝満月やススキたなびき仮面ライダー照三音なく台風近づく予感輝人には怖い台風も地球には欠かせない照三琵琶湖干上がり坂本城見え輝考古学者大喜びで駆け回る照三遺跡調査でみのる恋愛輝海底神殿でウエディング照三龍宮へ続く井戸湧く花の陰輝微風に紅の帯萌ゆ姫檜扇照三バックパーカー寄り道醍醐味輝川中島鴨の嘴揃って後ろ照三古戦場を照らす月影輝松風や酵母と麹のハーモニー照三*亀屋陸奥発祥。西本願寺の御用菓子。南蛮渡来の芥子の香りよ輝若い二人の笑顔が揺れる照三いないいないばあする入道雲輝フリー句(自由連句)「梅雨寒や」の巻
お米つやつや乗っている七福神輝※古い京町屋などにある七福神です。皆様に幸ありますように。お米つやつや
フリー句(自由連句)「草陰で」の巻草陰で燕気になる紋白蝶佐久間照三急に夏日で水遊びの声金澤輝植木剪定コート利用者背中丸くする照三空の玉虫サファイア輝く輝小満や手を合わせ言うありがとう照三海釣出会う鰯の大群輝歩く人皆に挨拶走りたい照三緑陰一息アイスコーヒー輝足取り軽くジャンプ若葉にタッチ照三いつ届く虹の根っ子に金の鍵輝夢から覚めてもう一息だったのに照三下書き完成寸前で止め輝デート前交差点で捕まって照三たまには休め双六の駒輝神様はいつお休みになるのだろうか照三日曜休日聖書が起源輝日本の神様は酒盛りの間にお仕事照三オーロラを呼ぶ太陽フレアー輝イヌイットの長は地球の唄声を黙して見守る照三昔の勇者今は語り部輝西陽受け菜の花の間の草抜く人照三晴耕雨読ひねもす麗らか輝フリー句(自由連句)「草陰で」の巻
追悼峰不二子バカボンのママ永遠に夏空へ金澤ひろあき追悼峰不二子