今回珍しく日本人の方の論文を紹介させていただきます。関係者の方(に限らず)間違いなどございましたらご指摘いただけると幸いです。 ---- 性別をきちんと決定することは種の生存及び進化に非常に重要である。 これまで哺乳類のオス化を決定する遺伝子としてY染色体上のSryという遺伝子が同定されてきた。 Sryはその発見以来、単一のエクソンからなる遺伝子だと考えられてきた。 今回、Sryにこれまで未知であった第2エクソンが存在し、オス化に重要であることを示した論文を紹介する。 ----- まず、筆者らはRNAシーケンスを行うことで、Sry遺伝子座近傍で発現しているRNAを解析した。 このとき、通常であ…
遺伝子の発現がいかに制御されるか、という疑問は生物学において最も根源的な問題の一つである。 多くの遺伝子はRNAポリメラーゼII(以下PolII)によって転写されるため、PolIIの制御機構を知ることが遺伝子発現制御メカニズムを知るうえで大きなカギとなる。 この重要性から、これまでにPolIIの活性を制御する因子が数多く報告されてきた。 この中でもNELF(negative elongation factor)という因子は1999年、東工大の山口先生、半田先生らによって、in vitroにおいてPolIIの転写を抑制する因子として細胞抽出液から同定された。 NELFは構造解析などからin vi…
2020年のノーベル医学生理学賞は「C型肝炎ウイルスの発見」でHarvey J. Alter, Michael Houghton, Charles M. Riceの3氏に授与されます。 今回受賞する3氏 Biostationでは、受賞対象となった研究についてまとめてみようと思います。内容は概ねノーベル財団の公式発表に基づいております。科学未来館のページも参考にしました。管理人はウイルスの研究者ではないので念のため。 ---- 肝炎は主にウイルス感染によって引き起こされます(アルコール摂取や環境要因、自己免疫疾患によっても引き起こされます)。 1940年代には既に感染性の肝炎には2つのタイプがあ…
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