時は幕末。徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みるなか、大奥にとどまった『残り者』がいた。天璋院付きの呉服の間の『りつ』御膳所の『お蛸』御三の間の『ちか』御中臈の『ふき』静寛院付きの呉服の間の『もみぢ』身分も
時は幕末。徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みるなか、大奥にとどまった『残り者』がいた。天璋院付きの呉服の間の『りつ』御膳所の『お蛸』御三の間の『ちか』御中臈の『ふき』静寛院付きの呉服の間の『もみぢ』身分も
前回の『篤姫』に引き続き、こちらも大河ドラマ『光る君へ』をより楽しむために読んだ。私には現代語訳でも読むのに苦労しそうなので、コミック版のこちらの作品を購入したのだけれど、これが大正解だった。絵で分かりやすくユーモラスに説明されているうえに、『紫式部日記
毎週楽しみに観ている、再放送中の大河ドラマ『篤姫』をより楽しむために、原作本となる本作品を読んだ。島津家分家に生まれ育った篤姫は、18歳で藩主斉彬の養女となる。学問好きで才覚・器量を斉彬に見込まれた篤姫は、斉彬の画策により近衛家へ更に養子縁組し、13代将
2018年に放送された大河ドラマ『西郷どん!』のドラマ原作本。昨年から大河ドラマを観るようになり、現在再放送中の『篤姫』も毎週楽しみに視聴している影響で購入した。ちょうど『篤姫』と同じ時代背景で、主要登場人物もほぼ一緒なので、スルスルと読み進めることが出
身分としきたりに縛られた下級武士たちの暮らしを描いた、時代小説短編集。8作品が編まれている。短編の一つに、大石内蔵助の妻・りくを描いた作品があると知り、本書を手に取った。先日読んだ『花影の花』とは、全く異なったりくの姿が描かれていたけれど、語り手に趣向が
こちらの4冊は楽天ブックスで購入しました。コミックスは、テレビで『光る君へ』に関係するコミックスを紹介していたのを観て、購入しました。柚月裕子さんの初エッセイは、最初図書館で借りて読んでいたのだけれど、何度も読み返したいと思い最後まで読まずに購入しました
スープ屋しずくの謎解き朝ご飯 巡る季節のミネストローネ 友井羊奇巌城 ルブラン女帝エカテリーナ 全3巻 池田理代子しあわせは食べて寝て 2〜4巻 水凪トリヨルガオ殺人事件 上・下 アンソニー・ホロヴィッツはなとゆめ 冲方丁花影の花 大石内蔵助の妻 平岩弓
大石内蔵助の妻・りくの生涯を描いた作品。赤穂浪士討ち入りから30年余り経っても、なぜ浅野内匠頭が『松の廊下事件』を起こしたのか理解できないりく。それは討ち入りを果たした内蔵助含む赤穂藩士たち全てが同じ気持ちだっただろう。しかし討ち入りせざるを得なかった。
大河ドラマ『光る君へ』をより楽しむため、長期積読本だった本書をようやく手に取った。恐らく『光る君へ』を観る前に読んでいたら、人物相関図が分からずに四苦八苦しただろう。基礎知識がある今、読んで本当に良かった。清少納言がいかにして中宮定子に仕えることになった
『カササギ殺人事件』から2年後。パートナーのアンドレアスと共にロンドンを離れ、クレタ島でホテル経営に四苦八苦しているスーザンのもとに、イギリスから裕福な夫妻が訪ねて来た。『8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた。』と、電話をかけてきた直後に謎の失
持病のために、週4回のパートで生計をたてている麦巻さとこ。家賃を抑えるために引っ越した団地の大家・鈴さんや、鈴さん家の居候・司と触れ合ううちに、他人の都合に振り回されない、自分自身を大切にする生活を手に入れていく。団地内での知り合いも増え、さとこの世界は
ドイツの田舎貴族出身のエカテリーナが、ロシアに嫁ぎロシアの皇太子妃となり、クーデターを経て女帝までのぼり詰め、その死までを描いている。本作品に登場する主人公のエカテリーナも、彼女の駄目夫・ピョートル3世も全く知らなかったけれど、最初から最後までとても面白
深夜の伯爵邸を襲った怪事件。秘書が刺殺され、秘密裏に絵画が盗まれていた。逃亡中に、伯爵邸に住んでいたレイモンド嬢により重傷を負わされたはずのルパンは、忽然と姿を消した。そしてルパンの手下により、レイモンド嬢が誘拐される。残された暗号の謎と、レイモンド嬢と
スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 巡る季節のミネストローネ 友井羊
スープ屋しずくシリーズ第8作品目。早朝にひっそりと営業しているスープ屋『しずく』の店主・麻野に想いを寄せている常連客の理恵が、とうとう麻野に告白するシーンから物語が始まるという、驚きの展開だ。麻野から返事を『待ってほしい』と言われた理恵。春から冬へと季節
アンの青春 モンゴメリ空飛ぶ馬 北村薫本陣殺人事件 横溝正史応天の門 灰原薬 17・18巻武田百合子 天衣無縫の文章家しあわせは食べて寝て 水凪トリおまえさん 上・下 宮部みゆき以上7作品9冊でした。(コミックス2作品3冊含む)2月の1冊は『空飛ぶ馬』で
今月は、出先でフラッと立ち寄ったブックオフの品揃えが素晴らしくて、たくさん購入してしまいました。積読専用本棚に収まりきれずに床に積んでしまっているけれど、欲しかった本がたくさん手に入ったことが嬉しくて、本を見ながらニヤニヤする日々を過ごしています。先月は
『ぼんくら』シリーズ3作品目。上・下巻合わせて、1200頁超えの超大作だ。痒み止めの『王疹膏』で繁盛している瓶屋の主人・新兵衛が、寝間を襲われ斬り殺された。本所深川のぼんくら同心・平四郎は、将来を切望される若手同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってき
キャリアウーマンで、次に引っ越しをする時は「マンションを買うとき」と、思っていた麦巻さとこ。けれど一生付き合わなければならない免疫系の病気に罹り、週4回のパートへの転職を余儀なくされる。家賃のもっと安い物件を探している最中、小さな団地で大家の鈴さんと司に
武田百合子さんのムック本。弟さんが語る幼少期の記憶からして、後の「武田百合子」としての土台が既に出来上がっている気がしてならない。苦しい戦後を必死に生き抜き、若き日に神田神保町の「らんぼう」で働いていた頃の、若き日の文豪たちと過ごした日々は、彼女の逞しく
藤原良房が表舞台から遠ざかったことにより、突如として不審な動きをみせる、右大臣・藤原良相とその姉である太皇太后・藤原順子。恐るべき彼らの真の目的は?そして相変わらずひとり隠密に動き回る、伴善男。少しずつだけれど、確実に「応天門の変」に近づいているのだと思
アメリカから帰国した金田一耕助の、初登場作品となる表題作を含む中編3作品が収録されている。『本陣殺人事件』江戸時代からの宿場本陣の旧家・一柳家。その婚礼の夜に響き渡った悲鳴と琴の音。事件前に、周辺を彷徨いていた不審な三本指の男。雪に閉ざされた完全密室のト
『円紫さんと私』シリーズ第1作品目。19歳の女子大生『私』が、噺家春桜亭円紫師匠と日常の謎に迫る連作短編集。『磯部の霊』主人公の『私』が、文学部の加茂教授教授を通して春桜亭円紫と知り合う。実は円紫さんの大ファンだった『私』。円紫さんの類まれなる観察眼に圧
「赤毛のアン」シリーズ2作品目。前作でクイーン学園を卒業したアンは、自身も通っていたアボンリーの小学校の教師となる。慕ってくる子どもたちに喜びを感じつつも、アンに反発する生徒の扱いに悩み、自分自身も教師として、共に成長していく姿がとても逞しかった。隣に越
こちらの2冊は、楽天ブックスで購入しました。ようやく新刊に追いついたよ〜。もう読み終えているので、近いうちに感想書きます。以前ネットで購入し、希望の表紙が届かなかった経験から、新刊書店で購入しました。横溝正史の別作品を、まだ感想は書いてないけれど最近1冊
百鬼園事件帖 三上延父の詫び状 向田邦子向田邦子の青春 向田和子(編著)応天の門 灰原薬 8〜16巻隣の女 向田邦子古本屋台 Q.B.B亥子ころころ盤上の向日葵 上・下 柚月裕子宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本2015〜2019 宮部みゆき新・東海
自分自身や家族の「死」を描いた、7篇の連作短編集。何気ない日常が実は一番の幸せだったと気付かされるのは、その日常が脅かされたときが、殆どではないだろうか。この物語では、「死」=「その日」を齎す病は殆ど癌であるため、登場人物たちはいつ頃「その日」を迎えるのか
著者の亡き父について語られた1冊。父の生い立ちから、青春時代を戦争に奪われた日々。幾度となく徴兵されたこと。悲惨な戦争体験や、詳しく語ってはくれなかった、懲役免除されたこと。その後、自身のいた部隊が壮絶な最期を迎えたこと。主に、戦争体験について詳細に描か
まだ女性ドライバーが非常に珍しかった時代に、武田泰淳・百合子夫妻が車で巡る、新・東海道五十三次。妻の運転する車の助手席に悠然と座り、指示を出しているのかと思いきや、実は複雑な心中をエッセイで明かす泰淳さん。けれど、トラブルの対処はすべて妻任せ。警察もトラ
宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本2015〜2019 宮部みゆき
タイトルの通り、著者が読売新聞の書評欄に、2015年から2019年までの間に連載していた、128冊の書評をまとめた1冊。宮部さん自身が、『面白そうだ』『この本をぜひ紹介したい』と思ったものを選び、紹介していると書かれている。これは、宮部ファンには必読の1
平成6年、夏。埼玉県の山中で身元不明の白骨遺体が発見された。遺留品は名匠の将棋駒。ベテラン刑事の石破と、元プロ棋士を志していた新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地へと飛ぶ。物語は事件を追う刑事の章と、実業界から転身した異端の天才騎士・上条桂介の少
『南星屋シリーズ』2作品目。店の主・治兵衛が、諸国をめぐり見覚えた菓子を手頃な値段で売る『南星屋』。娘のお永と孫のお君と三人で、店を繁盛させていた治兵衛は、手首を痛めてしまう。納得のいくお菓子が作れずに、苛立ちを募らせる治兵衛。このままの状態が続いていた
夜ふけになるとどこからともなく現れる、幻のような古本屋台。いつ、どこに現れるかは、この屋台を一人で切り盛りしている、オヤジの気分次第。白波お湯割り一杯100円。おひとり様1杯限り。酔っ払い・騒がしい客には帰ってもらう。ウチは飲み屋じゃない、本屋だから。1
著者の絶筆となった『春が来た』を含む5篇の短篇集。『隣りの女』隣の家から聞こえる真っ昼間からの情事の声を、壁に張り付いて耳をすませる平凡な主婦・サチ子。「一生に一度でいい、恋っての、してみたかったの。」彼女が飛び込んだ先で気づいたこととは。『幸福』父が倒
1巻1巻繰り広げられる事件が面白すぎて、夢中になり読み終えてしまった。9巻分もあるので、個々の事件については語りきれないので、内容については避けるけれど、今回大きな展開が2点あった。1つ目は道真の成長と苦悩。自身の未熟さに気付き、そして自分の本当にしたい
直木賞受賞の翌年1981年に、台湾旅行中の航空機事故により51歳の若さで亡くなった向田邦子さん。彼女が沢山残していた20代の頃の写真とともに、末妹の和子さんが姉・邦子さんとの思い出を語っている。凛とした瞳が印象的な、とても美しい人だ。どの写真を見ても、彼
向田邦子のエッセイ集。いま起きた出来事から、主に少女時代の出来事に記憶が遡っていく。厳しく威張り散らすけれど、家族を大切にしていた父。笑い上戸で、失敗しては父に怒鳴られてばかりの母。信心深いが、若い頃の業により息子である父とは不仲の祖母。そして弟に妹たち
昭和初期の神楽坂が舞台。目立たず地味な大学生・甘木が、自身の通う大学の教授であり、何事にも妙なこだわりを持ち、屁理屈で偏屈のうえに借金の大名人である内田先生と、ある出来事をきっかけに親しくなり、やがて巻き込めれていく怪異現象の謎を解き明かしていく、連作短
向田邦子関連本3冊。こちらはセールではなく、ブックオフオンラインにて購入しました。年末に向田邦子のエッセイを読んでいて、無性に以前図書館で借りて読んだ『向田邦子の本棚』を再読したくなり、購入しました。『向田邦子の本棚』は、届くと同時位の勢いで再読してしま
すべてがFになる 森博嗣黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続 宮部みゆき愛のゆくえ リチャード・ブローティガンシンプルな情熱 アニー・エルノーかもめ チェーホフキャロル パトリシア・ハイスミス月と六ペンス サマセット・モーム三四郎 夏目漱石それから 夏目
千年の時を超えてもなお読み続けれている長編古典小説『源氏物語』を、漫画にて現代語訳された作品。著者の大和和紀さんがあとがきで語られている通り、少女漫画の甘めの要素もあるとても面白く読みやすい物語だった。1〜5巻は第一部で、光源氏を中心とした物語。6、7巻
まずは楽天ブックスでの購入本。金田一シリーズの『人面瘡』が、復刻カバーではないデザインの方が届いて大ショック。復刻カバーが欲しいので、このシリーズは今後は書店で揃えようと思います。次はブックオフでの購入本。まずはコミックス。『動物のお医者さん』の愛蔵版は
幕末から明治へと時代が移り変わる激動の時を生きた、絶世の美貌を誇り絶大な人気を博した女形、三代目澤村田之助を描いた作品。壊疽という恐ろしい病に侵され、四肢を失ってもなお舞台に立ち続けた田之助の壮絶な人生を、市川三すじという実在した弟子の視点から語られてい
怪奇時代小説短編集。9編が収録されている。どの作品も、江戸の下町にあるお店や奉公人の身に起きた怪奇譚が描かれている。嫁姑関係のもつれから起きた恐ろしい出来事を描いた『影牢』が、私の中では色んな意味で一番怖かった。人間はここまで鬼になれるのかと、驚愕した。
三島屋変調百物語第7作品目。『火焔太鼓』あらゆる火災を防ぐという神器の太鼓を授けてくれる藩の守り神・ぬし様には、人には語られぬ恐ろしい秘密があった。武士はそこまでも、藩のために尽くさねばならなかったのだろうか。あまりの恐ろしさに背筋が寒くなった。『一途の
松山から上京し、東京大学予備門に進学した若かりし日の正岡子規から、結核からカリエスに侵され、寝たきりになってしまった晩年とその死までが、夏目漱石や高浜虚子ら多くの仲間との交友とともに描かれている。アメリカから伝わってきたばかりの『べーすぼーる』に熱中する
漱石初期三部作最後の作品。ひっそりと、まるで身を隠すかのように暮らす宗助とお米の若夫婦。慎ましやかに暮らす二人の生活に、宗助の弟の小六がやむを得ない事情により同居することになる。二人で暮らすだけで精一杯の宗助夫婦にとって、さらなる負担を担うことは困難であ
漱石初期三部作の2作品目。30歳になっても職につかず、実業家である親の仕送りで悠々自適に暮らしている代助。ある日、生活に困窮したかつての友人・平岡と、その妻・三千代と再会する。3年前に代助は、三千代を愛していながらも三千代への思いを自身の胸の中に封じ込め
漱石初期三部作の1作品目。熊本の高校を卒業し、大学進学のため上京した三四郎の、儚い恋と青春を描いている。上京の列車で一緒だった女性に、『あなたよっぽど度胸のない方ですね。』と、言わしめる程に女性に奥手の三四郎が恋をしたのは、美禰子という都会の女性。三四郎に
若き小説家の『私』は、夕食会で友人の夫で冴えない中年の、チャールズ・ストリックランドと出会う。ロンドンで証券取引所の仲買人として確固たる地位を持ち、妻と子に恵まれていた彼はある日、忽然と行方をくらませてしまう。パリで再会したストリックランドが、『私』に話
クリスマス商戦で賑わうデパートのおもちゃ売り場で、臨時雇いのアルバイトをする19歳の女性テレーズは、美しい人妻キャロルと出会う。恋人のリチャードに対して違和感を感じていたテレーズは、キャロルに恋心に近い感情を抱き始めていた。離婚調停中のキャロルに誘われ、
チェーホフの戯曲。『四幕の喜劇』とあるけれど、私には登場人物たちがそれぞれに、叶わぬ恋に苦しむ悲劇のように感じられた。作家志望のトレープレフと女優を志す女性ニーナ。若い二人を中心として、物語は進んでいく。愛しているニーナに去られ、作家としても芽が出ず苦し
離婚後、独身でパリで暮らす女性教師が、10歳近く年下の東欧の外交官と不倫にのめり込んだ束の間のときと、恋の終わった後を赤裸々に描いた物語。あまりにも赤裸々すぎて、著者自身の実体験に基づいて描かれているということに、驚きを隠せない。恋の最中には、自分自身の
一般人が丹精込めて書き上げた本を、保管するだけの図書館。市場に流通することもなく、閲覧することも出来ない。そんな一風変わった図書館に、住み込みで働く『私』。既に3年も図書館に引きこもり、外に出ていない。ところが、本を持ち込んできた完璧な美女、『ヴァイタ』
三島屋変調百物語シリーズ第6作品目。前作で嫁入りしたおちかから、三島屋の次男・富次郎に聞き手が引き継がれた。本作品から百物語シリーズの第二期が始まる。『泣きぼくろ』再会した友が語り始める、一家離散の恐ろしい運命。『姑の墓』かがり屋の女たちが、桜の時期に「
N大助教授・犀川創平と、お嬢様女子大生・西之園萌絵が難事件に挑む、S&Mシリーズ第1作品目。孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女はある事件をきっかけに、隔離生活を余儀なくされていた。その彼女の部屋から、
こちらは楽天ブックスでの購入本。皆川博子さんによるミステリー、エドワード・ターナー三部作のシリーズ1作品目。読み始めるのが楽しみでたまらない。ここからはブックオフでの購入本。森博嗣さんのGシリーズ。最近S&Mシリーズを読み始め、すっかり虜に。気になっていた他
愛の渇き 三島由紀夫日日雑記 武田百合子ずっとお城で暮らしてる シャーリイ・ジャクスンふがいない僕は空を見た 窪美澄輪舞曲 朝井まかて応天の門 灰原薬 5〜7巻 蒲公英草紙 常野物語 恩田陸赤毛のアン モンゴメリ銀の匙 中勘助以上9作品11冊でした。(コ
なかなか開かなかった古い茶箪笥の抽斗から見つけた銀の匙。大人になってからも大切に持ち続けてきたその銀の匙は、伯母さんの限りない愛情に包まれて過ごした幼き日々を回想させる。著者自身の少年時代を描いた自伝的小説。時代は明治。産まれた時から身体の弱かった『私』
内容に関しては、言わずと知れた世界的名作『赤毛のアン』。私も児童向けの小説とTVアニメには、幼い頃から何回も触れてきていたけれど、原作を読むのは実はこれが初めて。初版は昭和27年。カナダにある夢のように美しいプリンス・エドワード島のグリン・ゲイブルスの幼い
常野シリーズ第2作目。私は1作目を読んでいなかったけれど、不思議な能力を持つという常野の人たちについては、作中で丁寧に説明がされるので、全く問題なく作品世界に入ることが出来た。作品の舞台は、戦前の東北の農村。その地の旧家である槙村家の、末娘・聡子のお話相
1〜4の感想はこちら↓民を集めて、内裏内にて盛大な魂鎮めの祭りを開こうという突拍子もない案が、藤原基経から出される。門内に民が入るなど前代未聞のことだが、幼い清和帝はその案を認めてしまうのだ。絶対に何か企んでるよね、基経。5巻の表紙の顔が全てを物語ってい
松井須磨子の後を継ぐと目され大正時代を駆け抜けた、新劇女優・伊澤蘭奢を描いた作品。物語は蘭奢の死後、彼女に関わった4人の男性が集まるところから始まる。蘭奢の愛人兼パトロンの内藤。彼女が人妻だった頃からの恋人・徳川夢声。帝大の文学青年・福田。そして生き別れ
高校生の斎藤くんは、年上の主婦『あんず』との不倫コスプレセックスにのめり込んだ挙げ句に動画と写真をばら撒かれ、不登校になり自宅に引きこもってしまう。不倫相手のあんずは、姑に不妊治療を強要されていた。また夫は、どう見てもストーカーのヤバいやつで、あんずの不
主人公のメアリ・キャサリン・ブラックウッド、略してメリキャットという少女の目線で語られる物語。メリキャットは姉のコンスタンスと共に立派なお城に暮らしている。このお城では数年前に、メリキャットの両親、弟、伯母が砒素入り砂糖により毒殺されるという事件が起きて
武田百合子氏最後のエッセイ集、『ニチニチザッキ』帯にある通り、『富士日記』にも度々登場する武田夫妻の友人、大岡昇平さんや深沢七郎さんたちとの別れや、愛猫の死。そして天皇陛下の体調不良から、美空ひばりの伝説の復活コンサートへ行ったエピソードから、昭和の終わ
戦後の混乱がまだ残る大阪の農園が舞台。主人公の杉本悦子は、女性問題で彼女を悩ませ続けた夫が急逝すると、舅・弥吉の別荘兼農園に身を寄せ、やがて弥吉と肉体関係に陥る。勿論、弥吉に対して愛があるわけではない。生きていくためには、致し方なかったのだろう。まだ若き
楽天ブックスでの購入本。先日読んだ『関ケ原』が良すぎて、石田三成を描いた作品をもっと読みたいと思い、探してたどり着いたのが今村翔吾の『八本目の槍』横溝正史は、小学生の頃児童向けに出版されていた作品をかなり読んだのですが、内容は全く覚えておらず・・・専ら石
イッツ・オンリー・トーク 絲山秋子キッドナップ・ツアー 角田光代応天の門 灰原薬 1〜4巻ことばの食卓 武田百合子家康、江戸を建てる 門井慶喜お市の方 戦国の鳳 鈴木輝一郎関ケ原 上・中・下 司馬遼太郎光秀の定理 垣根涼介水曜の朝、午前三時 蓮見圭一以上
脳腫瘍のため45歳で亡くなった四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美の体験した、忘れがたい恋人との物語だった。この作品は、直実の娘・葉子が母の死後に結婚した幼馴染の夫が、テープを書
若き兵法者の新九郎と辻賭博を行う破戒僧・愚息は、ある出来事をきっかけに牢人中の明智光秀と親しくなる。光秀が幕臣となった後も三人は交流を続ける。やがて織田信長に仕え、着々と出世していく光秀の姿を、光秀自身の心情と合わせて、友人である新九郎・愚息の視点から描
豊臣秀吉の死の直前から関ケ原の合戦の後、逃走した石田三成を捕縛し処刑するまでを描いている。秀吉の死後、天下を取るために策謀を駆使し、着々と確実に足元を固めていく家康に相反して、豊臣家への『義』で動く石田三成の融通の利かない考え方。『こうあるべきだ』と、自
織田信長の妹・お市の方の波乱の生涯を、著者による新たな解釈で描いた作品。お市の方といえば、信長の政治の道具として嫁いだ最初の夫・浅井長政は、後に信長に反旗を翻し、自害に追い込まれる。夫亡き後は茶々・初・お江の三人娘を静かに守り育て、最後は信長の重臣・柴田
天正18年(1590年)夏。徳川家康は豊臣秀吉より、自身の持つ豊穣な領地駿河・遠江・三河・甲斐・信濃と引き換えに、合わせて240万石あるとはいえ湿地ばかりが広がる関八州への国替えを言い渡される。それは小田原討伐の功に報いると見せかけて、家康を本領の地から
食べ物に関する昔の記憶や思い出を、淡々と描いたエッセイ集。全体的に、何処となく仄暗さを感じさせられるが、昭和の雰囲気をじんわりと味わっている様な不思議な感覚になる、エッセイ集だった。身体の弱かった幼き日の百合子さんのために、祖母が長火鉢に土鍋で温めてくれ
平安時代、藤原家が宮廷の権力を掌握しようと目論んでいた頃の話。平城帝の血を引き京随一の歌人であるが、無類の女好きが玉にキズの在原業平。エリートの彼は、検非違使を率いて都の安全を守っている。菅原道真は、学者を多く輩出する菅原家の三男。文章生という宮中で学問
小学5年生のハルは、夏休みの初日に父親に『ユウカイ』され、ひと夏を過ごす。2ヶ月前から別居か離婚かは不明だが家からいなくなっていた父親は、ハルを返すことの条件にお母さんに何か要求をしているのだけれど、その内容は最後まで不明だ。どう贔屓目に見ても毒親としか
中篇2作品が収録されている。『イッツ・オンリー・トーク』著者のデビュー作。躁鬱に悩まされている橘優子が、引っ越してきた蒲田の街で繰り返す、出会いと別れを描いている。大学の友人だったEDの議員に、鬱病のヤクザ、自殺未遂の未遂の居候いとこに、痴漢。どう考えても
まずは楽天ブックスと、実店舗での購入本。『それから』は新潮の古い版で持っているのですが、『三四郎』『門』を角川のかまわぬのてぬぐい表紙で購入していたので、揃えたくて書い直しました。こちらからはブックオフ実店舗で。時代小説たち。最近読んでいないけれど、中山
犬が星見た ロシア旅行 武田百合子好きになってしまいました。 三浦しをん富士日記の人びと 校條剛覇王の家 上・下 司馬遼太郎袋小路の男 絲山秋子以上5作品6冊でした。9月の1冊は司馬遼太郎の『覇王の家』実は初・司馬遼太郎でした。難しいかなと思いきや、とて
3編の短編集。『袋小路の男』高校の先輩で袋小路の家に住んでいる小田切孝に、高校生の頃からずっと想いを寄せている「わたし」。「わたし」の視点から、小田切との12年間を描いている。大学生になり社会人になっても、指さえ触れることもない。ただ一度だけ触れたのは、
司馬遼太郎の描く、家康とその家臣たちの物語。特に、三河家臣団たちについてはその成り立ちから性格まで事細かに記されており、とても面白かった。徳川300年の歴史を築き上げた礎は、三河家臣団と始めとした家康の家臣たちの結束の強さはもとより、意図的なのか性格なの
偶然にも『武田山荘』のあった場所の近くにセカンドハウスを所有した著者が、武田山荘の跡地を探すのに悪戦苦闘したり、『富士日記』に登場した『スタンドのおじさん』や『外川さん』など、お馴染みの人びとを探す『富士日記』聖地巡礼の1冊。武田夫妻が山荘で過ごしていた
2012年から2022年の間に、様々な雑誌・新聞に掲載されたエッセイを1冊にまとめた作品。掲載誌の依頼により内容が異なるために、著者の日常を描いたものから旅行記・読書と、バラエティ豊かな内容となっている。いつものエッセイより趣味の話(EXILE関係やBL漫
生涯最後の旅行と予感している夫・武田泰淳と、泰淳の長年の親友・竹内好と巡るロシア旅行記。『竹内と百合子と俺で旅行しておきたいと思ってたんだ。それに三人で行けるなんてことは、これから先、まあないだろうからな。』著者のあとがきによると、旅の支度をととのえなが
日暮らし 上・下 宮部みゆき風と共に去りぬ 全6巻 マーガレット・ミッチェルエヌ氏の遊園地 星新一以上3作品9冊でした。8月の1冊はマーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』この夏の課題図書と、自分自身に課して読み始めたものの、主人公スカーレットの凄ま
31編のショートショート。1話が数ページで完結しているので、とても読みやすい。にもかかわらず、話の展開にワクワクさせられながらのブラックユーモアの強いラストに、笑ってしまったり納得したりの、とても面白い作品だった。犯罪に関係する物語が多いのだけれど、人間
楽天ブックスでの購入本。『覇王の家』は、8月放送の『100分de名著』に備え購入。放送終了前までに読めるかなと思っていたのだけれど、想像以上にスカーレットに時間がかかり断念。自分のペースで読んでいきたいと思います。こちらからはブックオフでの購入本。『生のみ
8月中、自分自身の中で勝手に『この夏の課題図書』と称し、超大作に挑んでいた。岩波の新訳で全6巻の本作品。学生の頃にレンタルビデオで映画を観た記憶があるのだけれど、南北戦争が描かれていたということと、ビビアン・リーが魅力的だったという印象。そして『私には
『ぼんくら』の続編。こちらの作品を読む前に、前作『ぼんくら』を読むことをお勧めします。鉄瓶長屋での騒動から一年後。鉄瓶長屋は取り壊され、跡地には湊屋総右衛門の新しいお屋敷が建ち、総右衛門の妻・おふじが暮らしていた。一年の間に佐吉はお恵と結婚し、植木職人に
17歳のうらら(芦田愛菜)は、内気で同級生のキラキラ女子をうつむき加減で見ている女子高生。唯一の楽しみはBL漫画を読むこと。けれど大事な漫画を自分の部屋でも、段ボール箱に入れてさらに押し入れの奥深くに隠すほど、徹底してBL漫画を読んでいることを隠している。も
夏の新潮100冊から2冊購入。『ティファニーで朝食を』は、映画でのヘップバーンのイメージが強いので、原作はどんな感じなのか楽しみ。暗くて分かりにくいけれど、栞が可愛い〜。楽天ブックスにて購入。随分前に読んだ桜庭一樹さんの読書エッセイで気になっていた、『ず
徳川家康 弱者の戦略 磯田道史掃除婦のための手引書 ルシアベルリンジーキル博士とハイド氏 スティーヴンスン夜果つるところ 恩田陸中庭の出来事 恩田陸春になったら苺を摘みに 梨木香歩東亰異聞 小野不由美カササギ殺人事件 上・下 アンソニー・ホロヴィッツぼん
江戸・本所深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人の久兵衛が姿を消し、3つの家族も次々と失踪してしまう。この長屋には、一体何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が、甥っ子で美少年の弓之助とともに調べていくと、思いもよらない
ベストセラー小説、名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の原稿を読んだことにより、多くのものを失い人生が一転してしまったという、編集者のスーザンの回顧から物語は始まる。この物語の語り手でもあるスーザンは、『カササギ殺人事件』の著者
明治元年、帝都・東亰。東京ではない。『東亰』という架空都市が舞台である。そして帝都・東亰誕生から29年。夜が人のものであった時代は終わり、街は魑魅魍魎の仕業としか思えない不可解な事件に満ち溢れていた。人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人。夜道で辻
学生時代、留学したイギリスの下宿先の女主人・ウェスト夫人や、そこで共に過ごした様々な人種や考え方の住人たちや、近所の人々と過ごした日々を回想していくエッセイ。さらに20年後、再びイギリスに半年間滞在することになった際の、ウェスト夫人との再会も描かれている
瀟洒なホテルの中庭で行われた小さなティーパーティーの最中、気鋭の脚本家・神谷が謎の死を遂げた。彼のティーカップには毒物が混入していたが、会場の何処にも毒物は見つからなかった。容疑は、パーティー会場で発表予定だった舞台『告白』の主演女優3人に掛けられた。『
『鈍色幻視行』の作中作で、幻の作家・飯合梓の唯一の著作として、多くの人々を魅了した作品。そして映像化しようとするたびに、不幸な事故が起き撮影が中止されてしまうという、曰く付きの作品でもある。昭和初期、山の中にひっそりと佇む『墜月荘』に、3人の母と暮らす『
高潔な紳士として名高いジーキル博士の家に出入りしている凶悪な男ハイド。なんとジーキル博士は、遺産をハイドに残すと遺言書まで作成していた。ハイドの存在を不審に思ったジーキルの友人であり弁護士のアタスンは、好奇心も相まって彼の身辺に目を光らせるが、ついにハイ
ルシア・ベルリンの短編集。作品の多くは、彼女の実人生に基づいている。24編が収録されているが、あまりの内容の重さと暗さに、読み始めてすぐに挫折しそうになった。けれどあまりにも悲惨な状況なのに、『私可愛そうでしょ?』といった押し付けがましさが一切なく、カラ
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時は幕末。徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みるなか、大奥にとどまった『残り者』がいた。天璋院付きの呉服の間の『りつ』御膳所の『お蛸』御三の間の『ちか』御中臈の『ふき』静寛院付きの呉服の間の『もみぢ』身分も
前回の『篤姫』に引き続き、こちらも大河ドラマ『光る君へ』をより楽しむために読んだ。私には現代語訳でも読むのに苦労しそうなので、コミック版のこちらの作品を購入したのだけれど、これが大正解だった。絵で分かりやすくユーモラスに説明されているうえに、『紫式部日記
毎週楽しみに観ている、再放送中の大河ドラマ『篤姫』をより楽しむために、原作本となる本作品を読んだ。島津家分家に生まれ育った篤姫は、18歳で藩主斉彬の養女となる。学問好きで才覚・器量を斉彬に見込まれた篤姫は、斉彬の画策により近衛家へ更に養子縁組し、13代将
2018年に放送された大河ドラマ『西郷どん!』のドラマ原作本。昨年から大河ドラマを観るようになり、現在再放送中の『篤姫』も毎週楽しみに視聴している影響で購入した。ちょうど『篤姫』と同じ時代背景で、主要登場人物もほぼ一緒なので、スルスルと読み進めることが出
身分としきたりに縛られた下級武士たちの暮らしを描いた、時代小説短編集。8作品が編まれている。短編の一つに、大石内蔵助の妻・りくを描いた作品があると知り、本書を手に取った。先日読んだ『花影の花』とは、全く異なったりくの姿が描かれていたけれど、語り手に趣向が
こちらの4冊は楽天ブックスで購入しました。コミックスは、テレビで『光る君へ』に関係するコミックスを紹介していたのを観て、購入しました。柚月裕子さんの初エッセイは、最初図書館で借りて読んでいたのだけれど、何度も読み返したいと思い最後まで読まずに購入しました
スープ屋しずくの謎解き朝ご飯 巡る季節のミネストローネ 友井羊奇巌城 ルブラン女帝エカテリーナ 全3巻 池田理代子しあわせは食べて寝て 2〜4巻 水凪トリヨルガオ殺人事件 上・下 アンソニー・ホロヴィッツはなとゆめ 冲方丁花影の花 大石内蔵助の妻 平岩弓
大石内蔵助の妻・りくの生涯を描いた作品。赤穂浪士討ち入りから30年余り経っても、なぜ浅野内匠頭が『松の廊下事件』を起こしたのか理解できないりく。それは討ち入りを果たした内蔵助含む赤穂藩士たち全てが同じ気持ちだっただろう。しかし討ち入りせざるを得なかった。
大河ドラマ『光る君へ』をより楽しむため、長期積読本だった本書をようやく手に取った。恐らく『光る君へ』を観る前に読んでいたら、人物相関図が分からずに四苦八苦しただろう。基礎知識がある今、読んで本当に良かった。清少納言がいかにして中宮定子に仕えることになった
『カササギ殺人事件』から2年後。パートナーのアンドレアスと共にロンドンを離れ、クレタ島でホテル経営に四苦八苦しているスーザンのもとに、イギリスから裕福な夫妻が訪ねて来た。『8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた。』と、電話をかけてきた直後に謎の失
持病のために、週4回のパートで生計をたてている麦巻さとこ。家賃を抑えるために引っ越した団地の大家・鈴さんや、鈴さん家の居候・司と触れ合ううちに、他人の都合に振り回されない、自分自身を大切にする生活を手に入れていく。団地内での知り合いも増え、さとこの世界は
ドイツの田舎貴族出身のエカテリーナが、ロシアに嫁ぎロシアの皇太子妃となり、クーデターを経て女帝までのぼり詰め、その死までを描いている。本作品に登場する主人公のエカテリーナも、彼女の駄目夫・ピョートル3世も全く知らなかったけれど、最初から最後までとても面白
深夜の伯爵邸を襲った怪事件。秘書が刺殺され、秘密裏に絵画が盗まれていた。逃亡中に、伯爵邸に住んでいたレイモンド嬢により重傷を負わされたはずのルパンは、忽然と姿を消した。そしてルパンの手下により、レイモンド嬢が誘拐される。残された暗号の謎と、レイモンド嬢と
スープ屋しずくシリーズ第8作品目。早朝にひっそりと営業しているスープ屋『しずく』の店主・麻野に想いを寄せている常連客の理恵が、とうとう麻野に告白するシーンから物語が始まるという、驚きの展開だ。麻野から返事を『待ってほしい』と言われた理恵。春から冬へと季節
アンの青春 モンゴメリ空飛ぶ馬 北村薫本陣殺人事件 横溝正史応天の門 灰原薬 17・18巻武田百合子 天衣無縫の文章家しあわせは食べて寝て 水凪トリおまえさん 上・下 宮部みゆき以上7作品9冊でした。(コミックス2作品3冊含む)2月の1冊は『空飛ぶ馬』で
今月は、出先でフラッと立ち寄ったブックオフの品揃えが素晴らしくて、たくさん購入してしまいました。積読専用本棚に収まりきれずに床に積んでしまっているけれど、欲しかった本がたくさん手に入ったことが嬉しくて、本を見ながらニヤニヤする日々を過ごしています。先月は
『ぼんくら』シリーズ3作品目。上・下巻合わせて、1200頁超えの超大作だ。痒み止めの『王疹膏』で繁盛している瓶屋の主人・新兵衛が、寝間を襲われ斬り殺された。本所深川のぼんくら同心・平四郎は、将来を切望される若手同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってき
キャリアウーマンで、次に引っ越しをする時は「マンションを買うとき」と、思っていた麦巻さとこ。けれど一生付き合わなければならない免疫系の病気に罹り、週4回のパートへの転職を余儀なくされる。家賃のもっと安い物件を探している最中、小さな団地で大家の鈴さんと司に
武田百合子さんのムック本。弟さんが語る幼少期の記憶からして、後の「武田百合子」としての土台が既に出来上がっている気がしてならない。苦しい戦後を必死に生き抜き、若き日に神田神保町の「らんぼう」で働いていた頃の、若き日の文豪たちと過ごした日々は、彼女の逞しく
藤原良房が表舞台から遠ざかったことにより、突如として不審な動きをみせる、右大臣・藤原良相とその姉である太皇太后・藤原順子。恐るべき彼らの真の目的は?そして相変わらずひとり隠密に動き回る、伴善男。少しずつだけれど、確実に「応天門の変」に近づいているのだと思
冒頭は、1995年4月矢野布美子の葬儀。かつて殺人罪で10年間服役した過去を持つ布美子が、死を目の前にしてノンフィクション作家・鳥飼に打ち明けた、今まで誰にも話さなかった大きな秘密と真実の物語が、時を遡って語られる。1970年。大学生だった布美子は、大学
柚木麻子さんによる名作案内。フランス文学・12作品日本文学・21作品イギリス文学・12作品アメリカ文学・12作品合計57作品、紹介されている。昨年読んだ、津村記久子さんの「やりなおし世界文学」から大きな影響を受け、ポツポツと世界文学を読んでおり、すっかり
経営者の父を持つ亜紀は、愛する夫とともに裕福で幸せな生活を送っていた。永遠に続くと思っていたその穏やかな日々は、夫が巻き込まれた「ある事件」によって、あっけなく終わりを告げる。愛し合いながらもきちんと話し合うこともなく離婚した二人は、10年後運命的な再会
1847年3月、物語は椿姫と呼ばれていた美しい高級娼婦・マルグリットの死後、彼女の借金返済のために行われる遺品の競売から始まる。生前の彼女をときおり見かけただけだった「私」は、ことの成行により「マノン・レスコー」という書籍を落札するのだが、後日「マノン・
まずは勿論「ココ・アヴァン・シャネル」。映画が素敵だったので、原作も楽しみです。「真珠の耳飾りの少女」も、以前観た映画が印象深かったので原作本を購入。楽しみにしていたのだけれど、本を開いたら本当に驚くほど字のフォントが小さくて、目がチカチカしてしまった。
普仏戦争に敗れた直後のフランス。プロシャ軍の支配から逃れるためルアン市を出発した10人は、乗合馬車にて道中を共にすることになる。ブルジョア・貴族・修道女・革命家。様々な身分階級の人々に混ざり、「ブール・ド・シュイフ(脂肪のかたまり)」と渾名されている、よ
若き日のココ・シャネルを描いた伝記映画。姉とともに孤児院で育てられた孤児のガブリエル・シャネル。昼は洋裁店で縫い子として働き、夜はナイトクラブで姉と歌を歌うことで細々と暮らしていた。彼女らの歌う曲名から「ココ」と呼ばれていた彼女は、ナイトクラブで出会った
瓜二つの美しい双子の兄妹ヴァイオラとセバスチャンは、乗っていた船が難破し離れ離れになってしまう。お互いに相手は死んだものと思っていたが、実はそれぞれ助けられていた。理由は不明だけれど、身分を伏せ男装をすることで身の安全を図るヴァイオラは、セザーリオと名乗
夕映え天使 浅田次郎富士日記(上)武田百合子彼女のこんだて帖 角田光代八本脚の蝶 二階堂奥歯欲望 小池真理子予告殺人 アガサ・クリスティー夫婦善哉 織田作之助若きウェルテルの悩み ゲーテ以上8冊でした。3月のイチオシ本は武田百合子の「富士日記(上)」です
1774年、ゲーテ25歳の時の作品。ゲーテ自身の絶望的な恋の体験をもとにした、書簡体小説。婚約者のいる美しい女性ロッテに激しい恋心を抱いたウェルテルは、一時は叶うことのない恋心を諦めようとロッテから遠ざかる。けれど視野が狭く思い込みの激しい彼は、新しい土
2007年に発見された未発表原稿「続 夫婦善哉」を含めた、著者の代表的な短編小説7作品が収録されている。『夫婦善哉』『続 夫婦善哉』浮気者で金遣いの荒い駄目亭主・柳吉と、働かない柳吉の代わりに必死に働き尽くす妻・蝶子。商売を始めるために、欲しい着物も買わ
集めている「坂の上の雲」。もう5巻まで揃えられたので、そろそろ読み始めようか。磯田さんの作品は、映画「殿、利息でござる」の原作本。映画は先日アマプラで観たのだけれど、とても面白かったので原作も楽しみだ。「壬生義士伝」も映画がとても良かったので、上巻しか置
ミス・マープルシリーズ長編第4作品目。ある朝住民の殆どが読んでいる地元新聞の個人広告欄に、殺人予告が掲載された。「殺人予告お知らせ申し上げます。10月29日金曜日午後6時30分より、リトル・パドックスにて。お知り合いの方のお越しをお待ちします。」これは本
図書館司書の青田類子が、電車でとある場所に向かいながら、過去を回想していく。類子は中学生時代、豊満な身体から溢れ出る性的魅力ゆえに女子生徒に嫌われていた美少女・阿佐緒と、生徒会副会長を務めみんなの人気者で、成績優秀の美しい少年・正巳と親しくしていた。類子
25歳の若さで自らこの世を去った女性編集者・二階堂奥歯氏の最期の2年間の日記と、生前近しかった穂村弘さん他13人の文章が収録されている。この本を購入しすぐに読み始めたのは、恐らく3年ほど前のこと。読み始めてすぐ、彼女と同い年で偶然にも学生時代に過ごした街
美味しい料理が物語を繋いでいく連作短編集。登場人物たちはごく普通の人々。OLや主婦、大学生などなど平凡な人たちが、日常に抱いた後悔や躓きを、料理を作り食べることによって、心に変化が生まれ前向きに進んで行く。前作の登場人物が次作の主人公になりどんどん物語が繋
富士山麓に建てた山荘で過ごした夫・武田泰淳との13年間の日々の記録。上巻は昭和39年7月から41年9月まで収録されている。昭和39年当時、少なくとも現在と比べものにならないくらい女性ドライバーは少なかったのではないだろうかと想像するのだけれど、百合子さん
初・浅田次郎は短編集から。6篇が収録されている。どの作品も、じんわりと心に沁み込んでくる読了感。好みだった。それだけに、帯の「最多涙小説」云々は要らないだろうと、モヤモヤ感が残る。私はこの6篇をただの一度も泣かなかったけれど、とても感慨深く読んだぞ。「泣
天地明察 冲方丁美しい距離 山崎ナオコーラ潮騒 三島由紀夫おそろし 三島屋変調百物語事始 宮部みゆきちゃんちゃら 朝井まかてあんじゅう 三島屋変調百物語事続 宮部みゆき戻り川心中 連城三紀彦泣き童子 三島屋変調百物語 宮部みゆき友情 武者小路実篤以上9冊
主人公・野島は脚本家の卵。ある日友人・仲田の妹の杉子と出会い、瞬く間に恋に落ちる。(片思いね)けれど彼の中には、女の人=結婚という身勝手な考え方が出来上がっており、杉子もまた彼の妄想の中では、自身の従順な妻となることを勝手に確信されていた。正直、野島がキ