「まぁ、当然か。」冷蔵庫の中の食材たちの悲惨な姿に彼女は1人ふぅ…と息を吐いてから腰に両手を当て、左右に身体を捻る「よし!!片付けるぞ!!」気合いを入れて、ゴミ袋を持ちテーブルの上に置かれた茶封筒を捨てようと真っ先に手に取ったしかし「……捨てれない」1ヶ月いや、もっとだろうか久しぶりに見た恋人の元気な姿に彼女は安堵する。例えそれが、他の女性と腕を組んで歩いている写真だとしても………つくしはもう一度封筒を...
「……帰りたい」レストルームの鏡に映る自分の顔を見てつくしが呟く。このパーティー、何時まで続くんだろう。道明寺は主催者だし最後までいるんだろうけどあたしも居なきゃダメなのかな。「…キモチワル」慣れないお酒を飲んだからか普段食べなれてない物を食べたから身体がびっくりしたのかは解らないが先程まで平気だったのに一気に吐き気が込み上げてきて何とか吐かずに個室から出たものの化粧台の前で動けなくなっていた。とう...
ドイツへ行ったきり連絡の取れない恋人への罪悪感が彼女の中で募っていく。ガヤガヤと周りの雑音だけが嫌に耳について目の前の会話が頭の中に入ってこない。「つくしちゃん、大丈夫?」つくしが顔を上げると目の前には自分を心配する椿が立っていて「あ……」と言葉に詰まる「腹でも減ってんだろ。昼から食ってねぇし」「あら、それはいけないわね」司の言葉に椿は近くにいたウェイターへドリンクと何か食べれるものをと指示をだすと...
椿に強引に連れ去れてからもう3日目になっていた。「……」「ねぇ、アタシ帰ったらダメなの?」「俺に聞くな。姉貴に言え。」今日は椿が朝から居らず、昨晩出張から戻った司が珍しく休みでイマイチ椿に強引に出れないつくしは当主席で英字新聞とブラックコーヒーを飲む司へと帰宅の許可を求めた。「……こんなにお世話になって、お姉さんには言いづらいのよ。それに」何度も帰ると伝えたが椿はまだダメよ!!そう言うばかりでつくしを...
「ねぇ、優斗。ちょっとはずかしいよ」彼を見送る為にやって来た空港搭乗の時刻が迫るなか優斗がつくしを抱き締めた。最初の2,3分は良かったのだがかれこれ10分はこうして居る気がする。余裕をもって確かに来たけれどやはり何だか落ち着かないと彼女は思う。「誰も気にしちゃないよ。俺達の事なんて」彼が腕の力を緩め、彼女の耳元で囁いた「つくし自意識過剰じゃない?」からかうように言われた彼女がカアッと顔を赤らめて「バカ...
───────「大変だね、優斗」つくしが目の前でコーヒーを飲む彼に言うと、「つくしも来る?」と聞き返される彼女はその問いに首を横にふった。「遊びで行くんじゃないでしょ?水元教授の研究が認められて海外でパーティーなんて本当に凄いよ」優斗の父親が長年調べ続けてきた研究が難病治療に役立つ事がこの度証明されドイツの企業がスポンサーについていた事からお祝いにパーティーが開かれることになり父親のお祝いという事で、母...
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