『親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』(2022/12/20・マイケル・E・マカロー著)、図書館の新館コーナにあった本です。本書は、人間の利他行動の列挙から始まる。埋解を深めるため、チンパンジーにできないことを列挙してみよう。もっとも近縁の霊長類とは対照的に、米国では毎年。150人以上、英国でも100人近くが、赤の他人に腎臓を提供している。エルサレムにある世界ホロコースト記念顫は、ホロコーストの惨禍の中、死や投獄のリスクを侵してまでユダヤの人々を助けた、27.362人もの非ユダヤ人の栄誉を称えている。力-ネギー財団は、他人の命を救うため、覚悟の上で自ら重大な危機のなかに身を投じた米国の一般市民を、これまでに1万人以上も表象している。。カーネギーメダル受賞者の五人に一人は、死後に賞を授かっ...親切の人類史①