『日本文化は絶滅するのか』(新潮新書・2025/5/19・大嶋仁著)、先ず、著者が説く日本文化とは何か。以下転載します。日本人ひとりひとりの情操ふたたび西田幾多郎の哲学に戻ります。彼のいう「無の場所」とか「絶対矛盾的自己同一」とかが深い宗教情操に発していることに気づいてはしいと思います。仏教とか神道とかいうよりも、自分自身を超えた「聖なるもの」を感じ取る感受性が、彼の哲学を成り立たせているのです。そのような感受性はどのようにして彼に宿ったのでしょうか。私にははっきりとはわかりませんが、おそらく幼少のときから彼にはそうした感受性が備っていただろうと思います。私の教育改革の第二案は、聖なるものへの感受性を幼少期から育てることです。それがないと、内省ということを知らない子どもばかりが育ちます。西田のように「矛盾...日本文化は絶滅するのか④