『現代人を救うアンパンマンの哲学』(朝日新書・2025/3/13・物江潤著)、現在のアンパンマンが誕生する秘話が、色々と説かれています。以下転載です。しかしここで、やなせ先生は大変に重要なピントを得ます。このアンパンマンには、魅力的な悪役が足りないことに気付いたのです。アンパンは食品です。食品の敵といえば、ばいきんです。でも、アンパンはイースト菌がないと作ることができません。だから、パンは上手に菌と共生するしかないわけです。もちろん、それはばいきんの側から見ても同じでしょう。こうした考えがもとになり、互いに共生しなくてはならないという世にも珍しい悪役「ばいきんまん」が誕生しました。やなせ先生は、アンパンマンはばいきんまんを殺そうと思えば殺せるし、ばいきんまんもまた、アンパンマンを殺すことはできるだろうと述...アンパンマンの哲学③