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平日と休日 https://sunnyweekend.hatenablog.com/

気が付いたら、つくり話のような、創作のような筆致になっていました。衝かれるように書いています。

ささら
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2018/07/08

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  • 個人の判断による人身事故

    今日も人身事故があった。 その報せに胸を痛ませながら、たった今乗り込んだ車両を降り迂回路の検索をかけている。 でも、仕事終わりに急ぐ場所も約束もない。スマホを仕舞い、どうしよっかな、と考える。 ************************* こればかりはどうしようもないのだが、 線路に飛び込む人の気持ちはよく分かる。 毎日、その気持ちが分かる瞬間がある。 かつ、考えることと実行することには、明確で強い一線を確かに引いている。 自分自身の生に見切りを付けたがる瞬間は、人によって大きなばらつきがある。 自分の場合は、1日に2度、やってくる。 氷山のクレバスのように足下を掬われる瞬間が。 落ちる…

  • 『アリッサのこと』土井政司・著

    変わらない日々が何遍も続くと、いつだったか、誰かから約束されていたはずだった。それは毎秒ごとに褪色を重ねる「生」から目を背けるための対処療法でしかなかったというのに。『アリッサのこと』は表題作と『市街地の犬』の2作が収録されている。サッと読む分には、両作とも平易かつ抽象的な書き口で展開されているが、読んで字の如く読み進めてしまっては、こんな感想をもつだろう。 「で、何がいいたかったの?」 いったい、何を主題に何を書いたものなのか。わからない。どういうこと? しかし、 ほんとうは、読んだ人、みんな感じ取っているんじゃないか。日本語を読めて、義務教育を終え、ある人は高等教育も受けたり、専門知識を豊…

  • 敬虔

    もともと、キリスト教系の大学に通っていた。 そこに本格も嘘もないんだが、あの大学は実際本格的で、敷地の中心に新築のチャペルが擁してあった。中に足を踏み入れると、その足音の一つひとつがチャペル内によく反響する。学生の頃にはちゃんと気づかなかったが、その足音ですら反響音がなんと美しかったろう。たまたまそう綺麗に聞こえた、というより、どんな音からも美しい音色のみを摘み取ってから、室内に注ぎ返している印象だった。音響の意匠に凝ったのではないだろうか。薄くて柔らかで上質で、いつでも少しひんやりとする聖書の頁をめくる音と、言葉を紡ぐように静かに語りかける牧師の声。主の祈りを捧げたあとの、分厚い音が重なり合…

  • 次の季節に行けるか

    桜の花が散りつつある。地面に敷かれた花びらが風に吹き上げられ、やがて洗われる。淡い色の隙間から若葉が顔を出し、新しい季節へとぐんぐん進んでいく気概がある。日差しも強くなり、長袖をたくし上げる。日焼け止めを塗らないと。 いつもより早く電車に乗った。車窓に見える一軒家の瓦がキラキラと反射して視界から消える。遠くの背の高いマンションが青空に屹立している。あのピンを軸にして街がぐるぐる回転して毎日が過ぎていく。 JRに乗り換えると、朝から電車が遅れていた。一本早い電車に乗っていてよかった。いつもよりすし詰めの車内に充満する少しすえた臭いが初夏を覚悟しろと圧をかける。視線の先では、キャリア風の女性がずり…

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