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  • 鎌倉殿の13人・「武士の武士による武士のための政治」を考える。

    「鎌倉殿の13人」は、鎌倉幕府の成立、つまり武士による政治の成立を描くドラマでしょう。たぶん。コミカルに。鎌倉幕府が成熟するにつれ「武士の武士のよる武士のための政治」が始まった。これは東大の本郷和人さんの決め台詞だと思われます。図式A荘園が成立する。荘園を守るために有力者(寺社、貴族、上皇)に荘園を寄進して対価を払い「守ってもらう」という現象が起きる。院政が発達する。しかし守ってもらえないことが多い。なら自分たちで守る。自己責任。そして「武士の武士による武士のための政治」が始まる。、、、なるほど。本郷和人さんは自分で「学会では少数派」と書いています。東国国家論を指すようです。または二つの王権論。「歴論」というTV番組では、近藤成一さん、佐伯智広さんを迎え、面白い議論をしています。MCが本郷さんですが、女性陣は必...鎌倉殿の13人・「武士の武士による武士のための政治」を考える。

  • 何か書かないと。

    これは「広告よけ」のための投稿です。何か書かないと。

  • 麒麟がくる・第29回「摂津晴門の計略」感想

    後半になってから視聴率がなかなか戻らないようですが「当然」でしょう。話がもたもたしていて「じれったい」のです。描くべきものを描かないで、どうでもいいことを描いている。第30回でやっと「越前朝倉攻め」です。そもそも戦を描くつもりはないようですが、それでも姉川、比叡山、本願寺、一向一揆、信玄上洛、毛利攻め、武田攻めなんかを全く描かないわけにはいかないでしょう。どうしてもナレーションになります。「古い大河ファン」はついてこないと思います。私なども「なんかつまらないな」と思うようになっています。「絵」だけは綺麗です。そもそも主人公の十兵衛にそんなに魅力がありません。私は男ですので俳優に惚れるなんてこともないのです。この間まで義輝将軍を神の如く仰いでいた。今度は正親町帝を神の如く仰ぐようです。将軍はともかく、正親町帝あた...麒麟がくる・第29回「摂津晴門の計略」感想

  • 麒麟がくる・第24回「将軍の器」・見えてきた本能寺の要因設定

    どうして「武士の誇り」なのか。実に不思議です。武士一般のほこりにこだわる?ほこりは、家もしくは個人に付随するものです。江戸武士ではないのだから。光秀のビジュアルも「武士の誇りを忘れぬ男」だったはず。それがそのまま本能寺の要因として「設定」されるでしょう。信長が根底的に「武士の誇りを否定する」ような方向に動く。それで光秀は本能寺を起こすのです。では信長は何をするのか。将軍を追放したことはみな知っています。将軍の子を将軍にしなかったことも知っています。自分も将軍になりません。それで「武士の棟梁がいなくなる」、、、と個人的には全く思いませんが、光秀は思う。それならば自分が将軍になるしかない。土岐源氏だし。別に源氏でなくとも将軍になれますが。うーん。いかにも無理があります。こういう流れだとしたら無理がある。まあこれは私...麒麟がくる・第24回「将軍の器」・見えてきた本能寺の要因設定

  • テスト

    これはテストです。テスト

  • TVドラマ「Nのために」・湊かなえ原作・いまさらの感想

    TVドラマ「Nのために」、2014年放送、のいまさらながらの感想です。配信で見ました。湊かなえさんの原作は読んでいません。事件は二つあって、商事会社勤務の資産家男性とその妻の殺人、それと島の料亭の放火です。ただ、この二つに事件、ある意味「犯人がいない」のです。資産家男性を殺したのは、DVを受けていた妻で、妻は自殺します。料亭の放火に死者はなく、放火したのは料亭の主人です。「未来ある若者」が四人でてきます。杉下希美、成瀬慎司、安藤望、西崎真人、杉下だけが女性で、榮倉奈々さん。成瀬が窪田正孝さん。安藤が賀来賢人さん。西崎が小出恵介さんです。この四人が、殺人事件に関与するのですが、本当に「かかわった程度」で、犯人でもないし、犯意もありません。むしろ殺人は「事故に近い」ものです。なぜか西崎が自首します。その理由が奇妙で...TVドラマ「Nのために」・湊かなえ原作・いまさらの感想

  • 安定感のある谷口広克さんの「織田信長論」

    六月になってから17冊ほどの「織田信長関連本」を「読みなおしたり」、「初めて読んだり」しました。そのうちの10冊ぐらいは「みんな同じことを言っている」という印象でした。TVにも出ている学者さんの本で、一次史料を駆使して信長がいかに「革命児でも天才でもないか」「信長のイメージがいかに虚像か」を書いているだけです。あまり生産性というものを感じませんでした。ダメ出しみたいな感じの本です。つまらない、と思いました。そのなかで谷口克広さんの本は、「さすがだな」と感じさせてくれました。読み直したのは「信長の政略」、初めて読んだのは「織田信長の外交」です。ここでは「織田信長の外交」の「はじめに」から、「共感した部分」を引用します。(2014年)中世近世の各分野で顕著な実績のある研究者が、あえて信長を取り上げ、一般の読者向けに...安定感のある谷口広克さんの「織田信長論」

  • 麒麟がくる・第十九回「信長を暗殺せよ」の感想

    なるほどー。光秀はまだ本当に「世を変える」って思想に気が付いてもいなかったわけか。第一回で「このままでは美濃にも京にも麒麟はこない」って言ったときに気が付いていたのかと思いました。今頃になって信長の「我らも変わらねば」という言葉をかみしめています。麒麟の斎藤道三にはそういう改革思想ってのはほとんどなかったから、まして叔父上はああいう一所懸命の方だし、本当にノンポリで「誇り高く」だけを目標に生きていたわけか。だからどうも光秀の今までの行動が分からなかったのです。天下国家に全然関心を持たないのです。さて帰京した将軍、足利義輝、随分と気弱になっています。斎藤義輝も気弱で、とうとうナレーション死になってしまいました。すると時代は桶狭間から一気に美濃盗りへの飛ぶのかも知れません。感想にもなってませんが、三好長慶、松永久秀...麒麟がくる・第十九回「信長を暗殺せよ」の感想

  • 麒麟がくる・信長と足利義昭・殿中御掟追加5か条

    足利義昭さん。向井さんじゃないですよ。弟です。滝藤さん。織田信長がこの義昭さんを奉じて上洛するのは、1568年の末です。10月。そしてその翌年の1月には殿中御掟というのを義昭さんに認めさせています。ここで「信長は初期から義昭を傀儡にしようとしていた」とか書くと、間違いだと言われます。「信長の心は分からないから間違いじゃなくてもいい気もします」が、将軍として守るべき心構えのようなものだと言われれば、そう読めるのも確かです。信長は幕府に対して「こうあるべきだという理想」があったことにいつの間にかなってます。しかし、そもそも足利幕府の中に信長は入っていきません。そんなに高い理想があるなら、内部から改革すればいい。でも「実際の行動では」やってません。建前と実際は違います。さて問題はその一年後に出した殿中御掟追加5か条①...麒麟がくる・信長と足利義昭・殿中御掟追加5か条

  • ここまでの感想・麒麟がくる・13回目まで

    麒麟がくる、放映前からギャーギャーと騒がしくブログを書いていたのに、コロナ騒動で、更新を怠っていました。たまには「文章」を書いてみます。織田信長「保守的な信長なんて見たくない」と放映前に書きました。それなのに、保守的とか革新的とかいう次元とは隔絶したような信長です。母の愛にめぐまれず精神不安定、「人が喜ぶと嬉しい、人に承認されると嬉しい信長」作家というのは見事だと思います。全く想像もしなかった次元から作ってきます。参りましたというところです。なるほどね、「人が喜ぶから天下を統一しようとした。すると批判する人間が沢山でてきて、混乱。帰蝶が心を落ち着かせようとするも結局は暴走、光秀は討たざるえなくなる」ということか。今はそう予想していますが「きっと外れます」。NHKが保守的とか最新の研究とか言うから身構えましたが、...ここまでの感想・麒麟がくる・13回目まで

  • 水無月の夜 井上陽水 写経

    蛍狩りから帰った君は足も洗わず籐椅子に川向うには一杯いたと浴衣の裾を濡らして水無月の夜送り火の前夏帯解いて浴衣を着替え丈の長さを気にして君の作った砂糖水にはかげろう揺れて動いた水無月の夜迎え火の前蚊帳をくぐって蛍籠あけ笹の葉を持ちとまれと明かりを消せば蛍もみえる夜具と浴衣のふれ音水無月の夜蛍火の中水無月の夜井上陽水写経

  • 根雪 中島みゆき 写経

    中島みゆきを聴くのは久々です。なんだか写経をしたくなりました。根雪誰も気にしないで泣いてなんかいるのじゃないわ哀しそうに見えるのは街に流れる唄のせいよいやね古い歌は優し過ぎて慰め過ぎて余計なこと思い出す誰かあの唄を誰かやめさせていつか時がたてば忘れられるあんたなんか根雪中島みゆき写経

  • 大河ドラマ「麒麟がくる」・第三回「美濃の国」・感想

    ・とにかく帰蝶がかわいいな。川口春奈で大正解だ。駒の麦さんもだんだん可愛く思えてきた。・今回は、中休みか。色々伏線をはる回になっていた。・菊丸の正体が全然わからない。・駒を救った大きな手の人は美濃の人。じゃああの人の父親しか考えられない。・深芳野、、はるか昔の「薄幸の」三田佳子さんのイメージしかなかった。がらりと変えてきた。・道三は権力はあるが、やはり土岐氏がいないと成り立たないという設定。じゃあ権力がないということだ。権門体制論みたいな感じがした。旧権威を必要以上に重くみている。・光秀の今後よくある設定では越前朝倉に行く。でもNHKは繰り返し「前半生は分からない」と言ってきた。「信長に仕えるまでの前半生は分からない」ということだろう。プラスなぜか「斎藤義龍とクラスメイト」と設定になっている。しかも親友だ。とす...大河ドラマ「麒麟がくる」・第三回「美濃の国」・感想

  • 大河ドラマ「麒麟がくる」 第二回「道三の罠」・感想

    天文16年です。織田信秀の「美濃侵攻」から始まります。信秀の晩年ということになります。織田信秀はさかんに戦をしかけていました。史実としては今川や松平にも。・加納口の戦いが描かれていた。5千人の美濃兵が死んだという伝承があるやつだ。美濃崩れ。・光秀が孫子を暗唱していた。教養人であることが示されている。・「貸した金を返せないなら、侍大将の首を二つとれ」と道三が光秀に言う。こんなセリフ、今までの大河では聞いたことがない。面白い。「光秀が戦う動機づくり」にもなっている。・帰蝶、川口春奈がかわいい。帰蝶は信長とほど同じ年。おそらく15歳ぐらいの設定である。光秀は19歳。光秀とは「いとこ」だが、ずっと会っていなかった設定。「光秀と帰蝶の淡い恋はない」ということが分かった。帰蝶はずっと立て膝だ。・尾張は美濃を攻めるが、美濃か...大河ドラマ「麒麟がくる」第二回「道三の罠」・感想

  • 大河ドラマ「麒麟がくる」 第一回「光秀、西へ」・感想・素晴らしかったと思う。

    麒麟がくる初回「光秀、西へ」の最初の感想です。ビデオを見返したら、また書くと思います。ツイッターのように、短文を連ねます。・画面が綺麗だ。カラフルだ。・音楽もよい・初回を見て、特に大きな不満がない大河ドラマは珍しい・斎藤道三が槍を振るっていた。良い演出だ。・経済にこだわる道三対武士のほこりの光秀、という構図は、やがて崩れていくと思う。光秀も軍団を動かせば、経済について学んでいくはず。・それでも光秀のキーワードは「誇り」なのであろう。本能寺の変の原因も「誇り」ということになろう。・「人買い」「奴隷商人」が描かれていた。・関所の理不尽、夜盗の姿も描かれていた。・帰蝶が「すでに結婚して」いた。一応史実に近いけど。・あれだけ駒に心を開きながら、結局はヒロ子と結婚する。どう整合性をつけるのか。つけないのか。・駒を救った「...大河ドラマ「麒麟がくる」第一回「光秀、西へ」・感想・素晴らしかったと思う。

  • 源頼朝は征夷大将軍を辞任していた・鎌倉殿=征夷大将軍ではない。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

    「いだてん」を見ていなくて、「書くこと」があまりなく、韓国史劇を見て書いたりしていたのですが、今年は「麒麟がくる」があるし、2022年は「鎌倉殿の13人」があって、一気に「学習意欲」が高まっています。「源頼朝は征夷大将軍を辞任していた」、割と有名なことのようですが、私は一年ぐらい前に知りました。辞任したのか、本人は辞任したけど朝廷は受理しなかったのか、判然とはしないようです。とにかく頼朝の意識としては「オレは征夷大将軍ではない。鎌倉殿だ。官位というなら、一応、前右大将ということでヨロシク」という感じだったのでしょう。官位なんていくら高くても「それで現実に御家人たちが自分に従う」なんてことはないわけです。官位に従うというなら平清盛なんて前太政大臣です。そんなことに関係もなく、反平氏の動きは高まっていきました。つま...源頼朝は征夷大将軍を辞任していた・鎌倉殿=征夷大将軍ではない。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

  • 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その3(三谷幸喜が好きな俳優を考慮しなければ)

    三谷組俳優(西田敏行さんとか)を配慮した、キャスト予想その2はここにあります。☆脚本は三谷幸喜さんです。☆「頼朝の挙兵あたりから、承久の乱あたりまでを描く」と三谷さんが言っています。☆ここでは、三谷幸喜組俳優を考慮しません。「1180年時点」とは「頼朝が挙兵した年の年齢」源頼朝(1147-1199)1180年時点33才・・・内野聖陽☆ここから「鎌倉殿の13人メンバー」ただし三浦義村を加えている。北条義時(1163-1224)1180年時点17才・13人の中で最年少・・・小栗旬(決定)北条時政(1138-1215)1180年時点42才・・・吉田鋼太郎大江広元(1148-1225)・おおえひろもと・・・高橋一生1180年時点32才・1199年時点51才大江姓は晩年・それまでは中原広元・中原親能は兄・嫡男大江親広は承...2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その3(三谷幸喜が好きな俳優を考慮しなければ)

  • トップナイフ 天才脳外科医の条件・第一回・今後はあまり見ないと思う。

    トップナイフ天才脳外科医の条件基本、批判しか書きませんから、面白いと思って見ている方は、腹が立つと思います。申し訳ない。「コードブルー」というドラマの脚本家みたいです。このドラマ見てません。医龍も書いているらしい。あれは見ました。面白かった。トップナイフ天才脳外科医の条件は正直、違和感が強すぎて、続きをみたいとは思いません。・リアルに描くというが、あのギスギス感がリアルとはとても思えない。・何より医者たちにヒューマニズムの精神が感じられない。医療ものは「滅茶苦茶な登場人物でも、一応はみんな根底にヒューマニズムの精神を持っている場合がほとんど」、米倉涼子だってそうだし、ブラックペアンの二宮くんだってよくよく見れば人間愛の塊みたいな人物。破天荒にみえて人間愛がある。でもこのドラマ、それをあまり感じない。天海にもあま...トップナイフ天才脳外科医の条件・第一回・今後はあまり見ないと思う。

  • 朝ドラ「スカーレット」・百合子(福田麻由子)・大野信作(林遣都)・松永三津(黒島結菜)・喜美子は何故TVを買わない?

    今週は「優しさが交差して」という題の週です。2020年の1月14日。百合子(福田麻由子)が「かわいいな」と思います。絶世の美女ではない。でも表情やしぐさや声の出し方がかわいい。福田麻由子さんですね。子供の頃より柔和な顔になりました。「百夜行」とか「日本沈没」で拝見したことがあります。まだ少女でした。信作は「ばあちゃんの死をきっかけに大きく変身」したはずですが、やっぱり子供の頃の気の弱さが残っているという設定みたいです。林遣都さんは主役もしている俳優さんなのですね。今回初めて見たわけじゃなさそうです。前も見ていた。しかし今回しっかりと名前と顔を認識しました。いい役をもらったのでは、と思います。百合子と幸福になっていただきたい。松永三津(黒島結菜)。ツイッターなどを見ると、今回初めて「見た」という方も多い。そして「...朝ドラ「スカーレット」・百合子(福田麻由子)・大野信作(林遣都)・松永三津(黒島結菜)・喜美子は何故TVを買わない?

  • 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その2

    キャスト予想その1はここにあります。☆脚本は三谷幸喜さんです。☆「13人のメンバー」には、いわゆる「三谷組」の役者を多く並べています。☆「頼朝の挙兵あたりから、承久の乱あたりまでを描く」と三谷さんが言っています。北条義時(1163-1224)・・・小栗旬(決定済)享年61才・1180年時点17才・1199年時点36才・鎌倉殿の13人の一人、13人の中で最年少源頼朝(1147-1199)享年52才1180年時点33才・1192年時点45才・・・妻夫木聡☆ここから「鎌倉殿の13人メンバー」北条時政(1138-1215)・・・中井貴一享年77才・1180年時点42才・1199年時点61才大江広元(1148-1225)・おおえひろもと・・・山本耕史享年77才・1180年時点32才・1199年時点51才大江姓は晩年・それ...2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・キャスト予想・その2

  • 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・13人の名前と年齢

    鎌倉殿の13人とは以下の13人・ただし三浦義澄に代わり子の三浦義村が描かれる可能性がある。大江広元公文所別当→政所別当三善康信問注所執事中原親能公文所寄人→政所公事奉行人。鎮西奉行二階堂行政政所家令→政所執事梶原景時侍所所司→侍所別当。播磨・美作守護正治元年(1199年)失脚(梶原景時の変)足立遠元公文所寄人安達盛長三河守護正治2年(1200年)病死八田知家常陸守護比企能員信濃・上野守護建仁3年(1203年)謀殺(比企能員の変)北条時政伊豆・駿河・遠江守護元久2年(1205年)追放(牧氏事件)北条義時寝所警護衆(家子)三浦義澄相模守護正治2年(1200年)病死和田義盛侍所別当建暦3年(1213年)滅亡(和田合戦)源頼朝(1147-1199)享年52才1180年時点33才・1192年時点45才大江広元(1148-...2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・13人の名前と年齢

  • 時効警察はじめました・吉岡里帆・感想

    今更ながら「時効警察はじめました」第3話ぐらいまではどうなることかと思っていましたが、その後はよかったと思います。吉岡里帆さん色々と心配する声がありましたが、終わってみればよく演じたと思います。壊れた感じの演技がよかったと思います。個人的好みとしては1、趣里さんの回2、ギバちゃんが出てくるプロレスの回3、最終回4、カトちゃんが出てくる部分が好きです。三日月「ババンババンバンバンっていうのは、いい湯だなという気持ちを表しているのよね」霧山「壁を叩いた音じゃないの」彩雲「じゃあ、あービバビバノンノというのは」三日月「そんなの知らないわよ。カトちゃんに聞きなさいよ」ババンババンバンバン・ビバノンノってどういう意味なのでしょうか。時効警察はじめました・吉岡里帆・感想

  • 2022大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・鎌倉幕府の成立を、どう考えたらいいのか。

    北条義時についての「説明」は、「北条義時は信長より凄い」で書いています。鎌倉幕府を語るにはどうしたって、後白河法皇から始めないといけません。時代は1167年ぐらいです。京都の政務は、以前から「治天の君」(ちてんのきみ)と言われた「上皇」が行っていました。そこに登場するのが後白河上皇です。平清盛とともに、まあ時々は喧嘩しながら、政務を行っていました。政務って、まあ土地の調停とか、治安の「そこそこ維持」といったものです。あとお祈りとか行事とか。いろいろ。彼はあまり品のよろしくない流行歌が大好きでした。「今様」(いまよう)と言います。「梁塵秘抄」(りょうじんひしょう)という歌集が今でも残っていて、彼の最大の文化的遺産です。いい歌が沢山あります。今でもAKBが大好きとかいう「くだけた知識人のおっさん」がいますが、そんな...2022大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・鎌倉幕府の成立を、どう考えたらいいのか。

  • 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・主人公の北条義時は織田信長より凄い。

    北条義時は、伊豆の在地領主(土豪)の次男です。1180年に17歳で、源頼朝の挙兵に父や兄と共に参加します。その時は江間小四郎という名でした。そののち源頼朝の小姓の頭になります。この小姓のことを「家子」と言います。姉は北条政子で、頼朝の正妻です。従って、三代将軍実朝は「おい」です。その後平氏討伐にも参加し、頼朝の側近として鎌倉幕府の安定化に尽くします。やがて頼朝が死に、二代将軍頼家の政治権がはく奪されます。政治は有力御家人13人の合議制となりますが、義時は最年少の36歳でメンバーに加わります。その後、北条氏は他の有力御家人を排除していきます。梶原景時、比企能員、畠山重忠、平賀朝雅などが排除されます。そして1205年には、父の北条時政も追放します。そして幕府の政所長官となり、やがて「執権」と呼ばれるようになります。...2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」・主人公の北条義時は織田信長より凄い。

  • 朝ドラ「スカーレット」・喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)は離婚しても良いのでは。

    生まれて初めて朝ドラを録画して「ちゃんと見て」います。喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)が離婚しても良いのでは、、私は本当は平和主義で、予定調和も大好きなので「離婚してほしくないな」と思っています。でも喜美子のモデルさんは離婚しているようです。松永三津(黒島結菜)という浮気相手適格者も登場しましたし、またなかなか魅力的な「当時の現代娘」なので、「離婚」かも知れません。ただしちょっと疑問も残るのです。あまりに「八郎さんを人格者として描き過ぎて」いるからです。道徳とか修身の教科書に出てきそうな人格です。だから「八郎苦手」という人もいるのです。また喜美子との関係もかなり「理想的」に描かれています。こんな描き方をしておいて、「夫婦すれ違い」という伏線もさほど強くない状態で、黒島さんと浮気して離婚というのは「急展開過...朝ドラ「スカーレット」・喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)は離婚しても良いのでは。

  • 2022年大河ドラマ「13人の鎌倉殿」・キャスト予想

    2022年の大河ドラマ・三谷幸喜さんの「13人の鎌倉殿」のキャスト予想です。キャスト予想をすると「歴史的事実を勉強できる」「若い俳優さんについて知ることができる」ので私は好きなのです。あんまり「この人に演じて欲しい」とかいう「ファン意識」は入っていません。・真田丸の出演者が出るだろう。・小栗旬が主演だから「信長協奏曲の出演者が出るだろう」。という前提があります。まず「13人の鎌倉殿」とは「誰のことか」。源頼朝死後、頼家の実権を取り上げて合議制にしたときの「13人のメンバー」です。大江広元公文所別当→政所別当三善康信問注所執事中原親能公文所寄人→政所公事奉行人。鎮西奉行二階堂行政政所家令→政所執事梶原景時侍所所司→侍所別当。播磨・美作守護正治元年(1199年)失脚(梶原景時の変)足立遠元公文所寄人安達盛長三河守護...2022年大河ドラマ「13人の鎌倉殿」・キャスト予想

  • みんなエスパーだよ・超能力者の運命・夏帆の魅力的な演技

    「みんなエスパーだよ」は6年前にテレビ東京から放送されました。配信で初めて見ました。驚いた。今の日本の地上波で「ここまでやっていいのか」と驚きました。内容をよく知らなかったので、夏帆のパンチラの連発にも驚きましたし、安田顕が急に助手役の女性の胸を触り始めた時も、何が起きたのかと思いました。本当に地上波放送なのかと、ネットで確かめたほどです。「エロくて、下らなくて、面白いドラマ」ということなのでしょう。でも私の感想はちょっと違います。「ちょっと」です。「エロくて、下らなくて、面白い」ことは全く否定しません。一つは夏帆がよくここまでやったなという感動です。昔の女優さんはよく「根性あるならヌードになれ」とか言われていましたが、ヌードより恥ずかしいかも知れない。それをよく演じています。実年齢は22歳ぐらいでしょうが、ヤ...みんなエスパーだよ・超能力者の運命・夏帆の魅力的な演技

  • 麒麟がくる・人物と戦国史の「新解釈」・放映前に予想すると

    たぶんこんな感じになります。放映前の予想です。1、織田信長の保守的(伝統・幕府・天皇を重んじる)性格も強調される。経済的能力も描かれる。(NHKが公式に発表している)2、明智光秀は最初は幕府を再興して乱世を収束させようとするが、それが挫折する。今度は信長を押し立てて乱世を収束しようとするがそれも挫折する。仕方なくて「泣く泣く本能寺を起こし」、乱世を収束しようとする。3、確実なのは「信長の覇道的暴走を止めるために泣く泣く本能寺を起こす」ということ。4、織田信長には天下統一構想など死ぬまでなかった。特に当初は、畿内を中心とした「畿内静謐」だけが政治目標であった。5、織田信長には天下統一の意思は死ぬ数年前になってもなかった。攻めてくるから戦っただけ。死ぬ年の四国攻めあたりで方針転換をした。6、今川義元は立派な武将であ...麒麟がくる・人物と戦国史の「新解釈」・放映前に予想すると

  • 麒麟がくる・斎藤道三・明智光秀・織田信長をいかに描くか

    「麒麟がくる」の話です。史実とは基本関係ありません。1、明智光秀乱世の収束を願う武士です。「武士の本当の使命とは何か」とか、大河の主人公らしからぬ観念的なことを考えているようです。悩める若者でしょう。脚本家は「太平記」の池端さん等です。つまりは「大河ドラマ太平記の足利尊氏のような若者」だと思います。光秀と尊氏、立場が似ています。最初は悩める若者、やがて成長ということです。脚本には前川さんという人もいて、この方はコメディ的要素担当だと予想します。池端さんだけだと、やや固いのです。「真田丸を意識した作品」となりそうです。2、織田信長既に「古い秩序つまり伝統、朝廷、幕府を重視する保守的側面も強調」とされています。そういう人物だということです。経済的能力も強調されるそうです。「光秀の盟友」とのことです。つまり途中までは...麒麟がくる・斎藤道三・明智光秀・織田信長をいかに描くか

  • 大河ドラマはフィクション・史実通りである必要はない・でも超えてはいけない一線はある気がする

    大河ドラマはフィクションです。史実通りである必要はありません。でも超えてはいけない一線はある気がします。「気がするだけ」です。それを普遍化して正論として主張する気はありません。「女信長」という「時代劇」がありました。天海祐希を起用し、視聴率20%を目論んだけど、10%にも行かなかった。「そりゃ見ないよな」と思います。信長を女にしても、何一つ面白い感じになる気がしません。さっき調べたら「斎藤道三が織田信長の処女を奪う」とか書いてありました。「地獄」です。見るわけありません。一方大河ドラマで「男色を描いたり」「奴隷商人を描いて」もらっても困ります。「そこまで史実を描かなくてもいいです」と言いたくなります。大河ドラマは「ある程度史実を基にしたフィクション」であって、それでいいと思います。この「ある程度」が「どの程度」...大河ドラマはフィクション・史実通りである必要はない・でも超えてはいけない一線はある気がする

  • 麒麟がくる・明智光秀の死をもって戦国時代は終わる

    小学生の頃、私は「明智光秀の死をもって戦国時代は終わる」という考えに「深く影響されて」いました。それから知識は多少増えました。しかし「この考え方」は「さほど間違っていないのではないか」と今でも考えています。「光秀の死とともに、ひとつの時代が終わる。戦国と呼ばれ、乱世と呼ばれた時代、一介の油商人山崎屋庄九朗が、美濃一国の主、斉藤道三となりえた時代、尾張のうつけと呼ばれた悪童が、天下の権を握りえた時代、人が力と知恵の限りを尽くし、国盗りの夢と野望を色鮮やかに織り成した時代は、ここに終わりをつげる。」「そして歴史は中世の破壊から近世の建設へと、新しき秩序を作る人々を迎え入れようとしていた」大河「国盗り物語」の「最後のナレーション」です。斎藤道三は二代で国盗りだよ、ぐらいの批判はできるかも知れません。でも「歴史認識」と...麒麟がくる・明智光秀の死をもって戦国時代は終わる

  • NHK「本能寺の変サミット2020」・光秀の細川への手紙を本心だと論じる不思議な人々

    本能寺の変の後の、明智光秀から細川家への手紙はあまりに有名です。1信長父子の死を悼んで髪を切られた由、私も一時は腹が立ちましたが、考えてみれば御思案あってのことと了解いたしました。この上は私にお味方され、大身の身になられるよう「こい願い」ます。1領地の事は、内々攝州(兵庫県)をと考えて上洛をお待ちします。但馬・若狭の事も色々考えております。ご相談致しましょう。1この度のことは、細川忠興などを取り立てるために起こしたことです。50日100日の内には近国も平定できると思いますので、娘婿の忠興等を取りたてて、十五郎(光秀の長男)・与一郎(細川忠興)等に譲る予定です。委細は両人に伝えます。光秀訳はだいぶ単純になりましたが「こんな感じ」です。この時、光秀は期待していた大名たちの与力(お味方)を得られずに、焦っていました。...NHK「本能寺の変サミット2020」・光秀の細川への手紙を本心だと論じる不思議な人々

  • 織田信長の天下布武の本当の意味・そもそも印章通りに行動しないといけないのか?

    織田信長の天下布武は「天下=畿内の武力闘争を止めること、天下を武力でもって統一するという意味じゃないのだよ。天下とは畿内、五畿内だよ」「ここでいう武とは七徳の武のこと、それは徳目であって武力という意味ではない。天下泰平の世を作りたいという信長の願いが込められているのだよ」「なお、考えたのは信長の師匠と言われる沢彦だよ。たくひこ、じゃないからね。たくげんだよ。」と書けば「少し物知り」という感じが出ます。が、こんなのネットで調べれば「どこにでも書いてあること」です。で「ネットリテラシー」、ネットを正しく使いこなすための知識や能力が問われてくるのです。簡単に言うと「ネットに多くの人が書いているからと言って正しい情報じゃない。しかし正しくないとも言えない。要するに自分の頭で考えることが大切」ということです。沢彦が考えた...織田信長の天下布武の本当の意味・そもそも印章通りに行動しないといけないのか?

  • 麒麟がくる・最終回のあらすじ

    正確には「最終回のあらすじの予想」です。NHKのハンドブックとかに基づいてはいませんし、現時点では最終回まで書いたハンドブックなど出版されていません。つまり「完全に私個人の予想」です。ただし私なりの根拠はあります。1、本能寺の変に至る道光秀は一貫して「乱世の収束」を目指しているわけです。「麒麟がくる世の実現」です。信長は設定上「光秀の盟友」ですから、途中までは光秀と信長の願いは一緒です。しかし本能寺の変の10年前ぐらいから、二人の道は分かれてきます。将軍義昭の追放。まあこれは「それも平和な世のため」なら光秀は受け入れ可能です。しかし「一向一揆の虐殺」、、、天正2年、1574年ころから始まるこの「虐殺」に光秀はついていけなくなる。もっとも「それから8年我慢する」だと長くなりすぎます。だから最終的には「天正伊賀の乱...麒麟がくる・最終回のあらすじ

  • 「麒麟がくる」・キャストの「ビジュアル画像」を分析する

    そもそも、歴史家でもなく、史学科出身でもない私が歴史ブログ(時代劇ブログ)を書いているのは、中学生の頃、司馬さんの「国盗り物語」を「繰り返し繰り返し読んだ」ためだと思います。何度読んだか分からないぐらい読みました。中学時代はその他の司馬さんの作品はさほど読んでいなかったと思いますが、とにかく「国盗り物語」だけは「暗記するぐらい」読んだと思います。いわゆるバイブルというやつです。だから「国盗り物語」のリメイク、たぶん内容的にはかなり違ったリメイクになると思いますが、「どう考えても国盗り物語がベースとなっている」作品である「麒麟がくる」に関しては、とにかく書かずにはいられません。さっきNHKの10分ほどの「作品紹介」を見ましたが、ちょっと「真田丸風」でした。西村まさ彦さんが「黙れこわっぱ的な演技」をしていました。私...「麒麟がくる」・キャストの「ビジュアル画像」を分析する

  • 上杉謙信のイメージ・戦国武将総選挙2位なのはなぜか

    戦国武将総選挙で「上杉謙信が2位」でした。武田信玄は7位です。謙信を主人公にして圧倒的に人気のあるマンガでもあるのかなと思ったのですが、そうでもないようです。ただし「雪花の虎」という作品はあるようです。謙信女性説に基づくみたいです。順位をみると「大河ドラマの影響が強い」ことが分かります。あまり描かれない島津とか長曾我部は20位以内に登場しません。一方、上杉景勝が20位です。真田丸の影響でしょう。上杉謙信は60年代に「天と地と」で、「一回だけ主人公に」なりました。これは映像がほぼ残っていないので、この作品の影響は大きくはないでしょう。ただし「天と地と」は小説としては読まれていますし、映画にもなりました。海音寺さんです。その後80年代の終わりに「武田信玄」で準主役となります。柴田恭兵さんでした。しかし「2位になった...上杉謙信のイメージ・戦国武将総選挙2位なのはなぜか

  • 本郷和人の本「天皇はなぜ万世一系なのか」

    この本は「天皇はなぜ万世一系なのか」という題名です。「天皇は万世一系なのか」ではありません。天皇は万世一系じゃない、、、と書いているわけではありません。一応「万世一系なのかも知れないが」という前提に立っています。天皇が「万世一系か、そうではないのか」というのは「むなしい議論になっていく」しかないところがあります。天皇が「天皇を名乗る」のは天武あたりからで、7世紀の終わりです。それから1300年の間、「男系で万世一系であったか」は「科学的には確かめようもない」ことです。「一人でも不倫の子がいたら終わりで、性におおらかな日本で、そういう子がいなかったとは思えない」のですが、それも「科学的に証明できる」わけでもありません。古代や中世の天皇の骨が見つかったというニュースは聞いたことがありません。仮にもしそういうものがあ...本郷和人の本「天皇はなぜ万世一系なのか」

  • 麒麟がくる・実際のキャスト・キャスト予想・生没年付き

    ☆印だけが「2019年12月末日時点」で分かっている「本当のキャスト」です。したがってその他は「予想キャスト」です。カッコ内の「人物解説」は「一般的な説明」です。「麒麟がくるの設定」ではありません。齋藤道三の死去は1556年・桶狭間の戦いは1560年・信長の上洛戦は1568年・義昭追放は1573年・本能寺の変は1582年・関ヶ原の戦いは1600年主人公・明智光秀関連☆明智光秀(1528-1582早くに両親を亡くし、祖父光継に育てられた、道三に仕え、道三死去後、信長と盟友となる、諸国を遍歴、乱世収拾の道を探る)・・・長谷川博己☆明智煕子(没1576あけちひろこ、光秀の妻)・・・木村文乃ちなみに煕子という名はおそらく史実とは違います妻木(実在未詳・明智煕子の妹か、信長側室とも言われる)・・・土屋大鳳☆明智牧(史実で...麒麟がくる・実際のキャスト・キャスト予想・生没年付き

  • 織田信長が「普通の武将じゃないと」、とっても「都合が悪い」のだ

    織田信長という武将に対して「やったことを見ずに」、あれこれといい加減なことを書いている「学者」がいて、どうして「やったこと」を見ないのか、不思議でなりませんでしたが、なるほどなと、徐々にそういう人々の陥った「思考停止状態の理由」が見えてきたような気がしています。一言でいうなら自説にとって「都合が悪い」わけです。以下は参考に中世日本を天皇を筆頭とする単一の国家と見る権門体制論に対し、佐藤進一を筆頭とする東国国家論からの有力な批判がある。この説は、鎌倉幕府を東国において朝廷から独立した独自の特質をもつ別個の中世国家と見なし、西日本を中心とする王朝国家と鎌倉幕府とは、相互規定的関係をもって、それぞれの道を切り開いたとする。両国家は、特に北条時頼が親王将軍を迎えてからは、西日本からの相互不干渉・自立を目指したというので...織田信長が「普通の武将じゃないと」、とっても「都合が悪い」のだ

  • 麒麟がくる・すべての武将が英雄であってはいけない

    「葵徳川三代」、、、初放映時には「なんかコントみたいな大河」だと思っていました。「コントみたい」なのは再放送でみてもそうですが、評価できるのは、徳川家康を偉人として描いていない、秀忠も家光も偉人じゃない、という点です。その反面、石田三成や前田利家などは「そこそこの人物」として描いています。また徳川家康による朝廷の圧迫、その原因となった「朝廷や皇室の腐敗ぶり」もきちんと描いています。韓国に「大王世宗」という作品があります。ハングルを作ったイドを描きました。「出てくる人物がみんな英雄」で、間違った方向に流れた作品だと思います。つまらない。人間が描けていない。「麒麟がくる」も私の予想では「出てくる武将、全員英雄」となると思います。織田信長だけが「少し変人」で、あとは信秀も道三も義元も、松永も「みんな英雄」とされる可能...麒麟がくる・すべての武将が英雄であってはいけない

  • 麒麟がくる・帰蝶は大河ドラマにおいてどう描かれてきたか

    帰蝶は濃姫の名で有名です。織田信長に嫁いだ後のことは、ほぼ分かりません。生きていたのか、死んだのか。ただし時代劇においては超有名で、1973年の「国盗り物語」で大河ドラマに「本格的に登場」(太閤記でも登場)して以降、織田信長が登場する大河ドラマのほぼすべてに登場してきました。例外は大河「秀吉」で、帰蝶が登場せず、吉乃がメインだったと記憶しています。あるいは少しは登場したのかも知れません。大河「秀吉」は1996年の作品で、このころになると「帰蝶の人生はほぼ分からない」ということが定着していましたし、「信長が本当に愛したのは吉乃だ」ともされていました。このうち「愛したのは吉乃だ」は、今では「怪しい」ともされています。「麒麟がくる」では今のところ吉乃はキャスティングされていません。今後どうなるかは分かりません。さて帰...麒麟がくる・帰蝶は大河ドラマにおいてどう描かれてきたか

  • 麒麟がくる・人物がどう描かれるかを予想

    どうせ一か月後には放送されるわけですが、前もって、人物像を予想しておきます。ベースは間違いなく「国盗り物語」です。が、人物は相当違った感じで描くでしょう。もっともその大本はといえば、いうまでもなく「明智軍記」です。・斎藤道三親子二代で国盗りをしたことになります。これは六角氏の文書で示された新説です。でも親父については名前ぐらいしか分からず、個人的にはそう簡単に旧説を変えていいのかなとは思います。とにかく親父と二代で美濃をとったことにされます。もっとも「盗った」ことにされるかどうかも分かりません。斎藤道三は「明智光秀の師匠であり育ての親」です。それなりに「美化」されるでしょう。悪漢小説というものがあり、悪は魅力的なんですが、善人として美化されてしまうかも知れません。少なくとも外見は美化されます。「まむし」ではなく...麒麟がくる・人物がどう描かれるかを予想

  • 2021年のNHK大河ドラマ・日本資本主義の父・渋沢栄一・「青天を衝け」・コケるに決まっている

    2021年の大河ドラマが、渋沢栄一だと知り、腰がくだけそうになりました。「いだてん」と同じ運命をたどるのはすでに分かっているからです。官邸サイドの「強い意向」も感じられます。なんで新一万円札と連動するのでしょう。歪みきっています。大河は国威発揚のためにあるわけではないし、あってはなりません。安倍内閣で日本は本当に「ゆがんだ国」になり果ててしまいましたが、エンタメまで安倍が支配しようとしても無駄なことです。麒麟がくるの視聴率はたぶん15ぐらい。その次の青天を衝け、つまり渋沢栄一は7パーセントぐらいでしょう。私は見ません。見たくもありません。2021年のNHK大河ドラマ・日本資本主義の父・渋沢栄一・「青天を衝け」・コケるに決まっている

  • 夜警日誌と「もののけ姫」・チョン・イルと東方神起ユンホ

    夜警日誌という韓国ファンタジー史劇は、2015年の作品のようです。「なんでもあり」の作品で、ぶっ飛んだ感じが面白い作品です。「もののけ姫」のような、ジブリの登場人物みたいな少女が登場します。夜警隊の一員となる「ヨハ」です。写真のように完全なるへそ出しルックです。へそはでてませんが、胸はバンドのみです。この格好で朝鮮王朝の都を闊歩するのです。まあ普通なら捕まります。廃された世子が「妖怪ども、鬼神」と戦うというのがストーリーで、彼は最後の最後には「王」となります。そして「奴婢の解放」とか言い出します。これ、朝鮮王朝では絶対あり得ないことです。そもそも「ありえない話」なので、史実にこだわる必要はないのですが。奴婢がいた、のは民主韓国にとっては「恥そのもの」ですから、否定したがる気持ちは分かります。でも百年前まで奴婢が...夜警日誌と「もののけ姫」・チョン・イルと東方神起ユンホ

  • 「屋根裏のプリンス」とハンジミン

    韓国の女優さんの名前はほとんど覚えないのですが、シンセギョンだけは分かります。それとハンジミン。これは最近覚えました。ハンジミンは、お人形さんのような女優さんですが、調べてみると37歳。結構な年です。「イサン」は11年前の作品ですから、26歳だった計算になります。「イサン」のハンジミンはちょっと「お人形さん感が強すぎたかな」と思います。活動的ではない。トンイなどに比べると、あまり魅力的ではありませんでした。最近になって「屋根裏のプリンス」をザーと見ました。ザーと、とは早送りのことです。「配信」だと、日本語吹き替えがないので、ちゃんと見ると目が疲れます。この作品は7年前なので、30歳。それにしては若い。相変わらずの「お人形さん顔」ですが、非常に活動的な役で、タンカを切るようなセリフも多く、魅力的な人物となっていま...「屋根裏のプリンス」とハンジミン

  • 韓国ドラマ「根の深い木」「トンイ」「ヘチ王座への道」・イドについて

    主に「根の深い木」について書きます。韓国時代劇というのは「ギリギリ、イサンまで」かなという気がします。イサンは22代国王・正祖です。「イサン」は正祖の名前です。「イ」が名字で、「サン」が名前。治世は24年間で「1800年の夏」に亡くなります。これ以後は19世紀です。安東金氏が政治を壟断し、また日本をはじめとした外国の圧力も強まり、政局が混乱。「ろくな時代じゃない」ということになります。イサンの息子は純祖ですが、純祖でドラマは作りにくいと思います。イサンの「じいさん」が英祖で、「ヘチ王座への道」の主人公です。その英祖の母が「トンイ」です。トンイは歴史上は淑嬪崔氏(スクピンチェシ)です。1670年に生まれ、1718年に48歳で亡くなります。あまり史料がないようで名前は「トンイ」でもいいし、まあどうとでも設定できる人...韓国ドラマ「根の深い木」「トンイ」「ヘチ王座への道」・イドについて

  • 一次史料原理主義とナショナルヒストリー

    歴史と物語に関する私の立場は比較的はっきりとしています。ナショナリズムに寄与するようなナショナルヒストリーはいらない。ナショナリズムと関係ない偉人ヒストリーは許容する。「一次史料原理主義者」が、まっさきに「攻撃」すべきは天皇制を土台にしたナショナルヒストリーでしょう。万世一系とかばかばかしい考えです。ところが一次史料原理主義者の学者は「素朴なナショナリスト」が多いため、それをなしません。本郷和人氏はかなり「サヨク的」ですから、攻撃されます。しかし彼を攻撃している若い不満分子みたいな自称学者たちは「品の悪いネット右翼みたいな連中」が多いのです。呉座勇一のツイッターなどを見ればわかります。品もない、差別的。攻撃的。一時は凍結されていました。最近は見てません。「神武天皇などいるわけない」「天武の前の天皇は天皇とすら呼...一次史料原理主義とナショナルヒストリー

  • NHKBSドラマ「ヘチ・王座への道」感想・英祖について

    ヘチ王座への道、の主人公は朝鮮王朝21代国王・英祖です。ただし王になる前を描いていますから、英祖の名前はヨニン君です。ヨニングンと読みます。くんではなく、ぐんです。王の正室の息子だと「大君」(てぐん)ですが、側室の息子だとただの「君」です。在位は1724から1776年。日本では徳川吉宗・家重の時代です。ヨニン君ですから「ヘチ」ではない。ヘチとは司憲府(サホンブ)という治安のための役所です。「民を幸福にするのは名君とは言えない。法とその公正な執行機関が民を幸せにする」という発想が底を流れているのが分かります。韓国の今の社会を反映しているし、今の日本にも最も必要な「公正」が主人公ということです。さて主人公である英祖。「トンイの息子」です。父親は粛宗です。トンイではなかなかの王様であったこの粛宗、実際にも「王権を強化...NHKBSドラマ「ヘチ・王座への道」感想・英祖について

  • 本郷和人・「承久の乱」を読んで

    本郷和人「承久の乱」、、、いろんな意味で「おもしろい」のです。・筆者の「買ってくれ」アピールがおもしろい。・筆者の「構想20年」という意気込みの「空回り」がおもしろい。・内容もそれなりにはおもしろい。そもそも学会の異端児(師匠が大家で、自身も東大教授なのに、少数派)で、「口が滑る」ことも多そうな人です。「令和」問題では、「なんじゃ令和って」という本音をTVで話し、そして炎上し、「私みたいな無名の学者が炎上した」と言って喜んでいました。実際に喜んでいたのか、韜晦したのかは分かりません。同時進行で磯田道史氏の本なども読みましたが、「スキが多い」という点で本郷和人氏の本のほうが私にはおもしろかった。まして呉座氏の「やたらと細かいだけの」「応仁の乱」あたりとは比較にならないほど面白い。本郷さんは五味さんや石井さんの弟子...本郷和人・「承久の乱」を読んで

  • 麒麟がくる・尊王の織田信長なんて見たくない

    沢尻さんの降板とかいろいろありますが、それでも来年1月の終わりには「麒麟がくる」が放映されます。「保守的な信長」を描くそうです。最近の「史料の表面しか見ない浅はかな信長研究」の成果です。なにしろ「手紙」とか「相手がいるから相手に合わせて書いている」ものを、「そのまんま本音だと解釈」してしまうのです。そりゃ誰でも彼でも「保守的、尊王的」になるでしょう。「建て前表現」をそのまま真実と解釈したらそうなる。アホです。権門体制論とか実にばかばかしい。信長は天下=畿内の静謐を願っていた。足利家も天皇家にも尊崇の念を持っていた、らしいのですが、☆じゃあ、どうしていきなり越前の「朝倉」を攻めるのだ。畿内じゃないぞ。☆足利義昭と戦って「天皇のおひざ元である上京を焼き払い、計画では下京だって焼き払う」はずであった。どこが尊王だ!何...麒麟がくる・尊王の織田信長なんて見たくない

  • 豊臣は本姓か・源平藤橘・徳川次郎三郎源朝臣家康

    日本の本姓は源平藤橘の4つであると、私は「間違った知識」を持っていましたが、調べてみると色々あります。「菅原、紀、清原・小槻」、ほかにも色々あるようです。紀貫之が「きつらゆき」ではなく、「きのつらゆき」なのは紀が本姓だからということになりそうです。もっとも本姓など、すでに戦国期において「ほとんど意味のない」ものとなっていました。豊臣秀吉は本姓を政治的に利用し、豊臣という姓を源平藤橘を無視する形で、いろいろな人間に配ります。源だろうが藤原だろうが「とにかくお前は豊臣だ」というわけです。これは極めて変則的でしたから、その後、また意味を持たない本来の状態にもどります。ウィキペディアなどを見ると、司馬遼太郎さんさえ「秀吉が姓を羽柴から豊臣に変えた」と「間違ったことを書いている」などという記述があります。なんでもかんでも...豊臣は本姓か・源平藤橘・徳川次郎三郎源朝臣家康

  • 「オクニョ 運命の女」の面白さ

    オクニョ、運命の人は韓国時代劇で、16世紀半ばを描いています。もっとも史実性は薄い作品です。明宗の時代ですから、1545-1567ですが、最終回でユンウォニョンという歴史上の人物が死にますから、最終回は1565年ということになります。この時オクニョは30才ぐらいの設定でしょうか。オクニョは刑務所で産まれますが、母親は囚人ではありません。たまたま逃げてきた女性です。実は女官で、王の子を身ごもっています。母は死にますが、女の子が生まれます。これがオクニョ。つまり王の娘ですから王女です。が、彼女はずっとそれを知らないし、知ってからも王女にはなりません。で、何になるかというと、最初は「商団の主」です。これをヘンスと言っています。で、最後に何になるかというと「弁護士」です。むろん弁護士という言葉はありません。が、弁護をす...「オクニョ運命の女」の面白さ

  • 自民党憲法改正草案(前文)を批判的に解説する。

    自民党改正草案日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。1、「長い歴史と固有の文化を持ち」...自民党憲法改正草案(前文)を批判的に解説する。

  • 血統主義の陥穽と「ボイス2」

    韓国ドラマ「ボイス2」は、なんとも嫌な終わり方をします。「ボイス1」は非常によい終わり方をするのに。ボイス1では、チャンヒョクもイハナも肉親を死を乗り越え「前を向く」と言って終わります。チャンヒョクは死んだ妻にこう言います。「いつまでお前を放してやれずに済まなかった」。死を乗り越えられないことを、放してやれなかったと表現するわけです。実にいいセリフだと思います。ところが、ボイス2になると、刑事役が変わり、その刑事そのものがサイコパスの遺伝子を持っていると設定されます。したがってボイス2は刑事の破滅を予感させて終わり、ボイス3では実際に破滅めいた方向に進むようです。「サイコパスの遺伝子を持っている」という設定は良くありません。人間がある程度遺伝子で決定するのは真実でしょうが、性格や社会性は主に後天的要素が強い。性...血統主義の陥穽と「ボイス2」

  • 「ボイス 110緊急指令室」・最終回感想・韓国版「ボイス」

    韓国版「ボイス」と題名をつけてますが、韓国版が「原作」で日本版がリメイクです。さて、最終回。真犯人に襲われて(原作では襲われるように仕向けて)、哀れみの目で犯人を見つめる女性警察官(真木よう子・イハナ)。ここで際立つのはイハナの美しさです。はかなさと可憐さを持っています。真木よう子には「儚さも可憐さ」もありません。滑舌以前に、彼女はミスキャストだと思います。もっとも、ほとんどがミスキャストで、唯一韓国版に匹敵するのは、犯人役の伊勢谷さんだけです。唐沢さんが名優なのは認めますが、50代後半では、体のキレが必要となるこの役は難しかったと思います。韓国版のチャン・ヒョクさんは42ですし、アクション時代劇にも出てますから、体のキレが違います。チャン・ヒョクさんは「根の深い木」の準主役で、つまり「ハンジ村のトルボク」で、...「ボイス110緊急指令室」・最終回感想・韓国版「ボイス」

  • 日本版「ボイス」と韓国版「ボイス」「ボイス2」

    日本版「ボイス」が韓国版「ボイス」より勝っているところは、「日本語だ」ぐらいでしょうか。韓国版は吹替がないので、ずっと画面(字幕)を見ていなくてはならず、疲れます。1、脚本は似ているのだが、緊迫感が全く違う。韓国版がはるかに上。2、唐沢さんでは年取り過ぎ。韓国版のチャン・ヒョクは若いし、アクション系だし、とにかく鬼気迫る演技で、これも韓国版が上。3、真木さんの役は韓国版ではイハナ。年齢は同じぐらいで30半ばだが、イハナは20代にも見える。身長がとても高く170以上ある。「滑舌」は韓国語だからわからないが、これも韓国版がはるかに上。ということで、脚本も俳優も韓国版が上。日本版は「なんちゃってボイス」という感じがします。真木よう子の「班長」は「はんつぉー」に聞こえます。それから「サ行に弱いようで」、容疑者も「ようぎ...日本版「ボイス」と韓国版「ボイス」「ボイス2」

  • 鎌倉幕府成立・1180年説は面白い

    かなり「常識化」していると思いますが、「政権を指す幕府」なんて名称は江戸中期以前にはほぼ存在しません。幕府は将軍の御座所を指しましたが、政権そのものを指す用語ではありませんでした。鎌倉時代、鎌倉幕府は「武家」「鎌倉殿」「関東」と呼ばれていたようです。で、その成立はいつかというと、1180年から1192年説まで「色々」です。教科書は1185年説を採用していますが、これを支持する学者は多くはないようです。もっとも、各説、それぞれに根拠はあります。その中で1180年説、これは面白い。源頼朝が挙兵した年です。鎌倉を根拠とした年でもある。当然行政文書も発行しています。小さな地方政権に過ぎない時代。これをあえて鎌倉幕府の成立年とするのは、初期鎌倉幕府を、朝廷から独立した東国政権とみなす場合です。1185年は「朝廷が」、守護...鎌倉幕府成立・1180年説は面白い

  • 麒麟がくる・実際のキャスト・キャスト予想・最新版2019年8月

    主人公は「明智光秀」、主人公並みの重要人物は「斎藤道三」「斎藤利三」「織田信長」「細川藤孝」「今川義元」「織田信秀」「松永久秀」「足利義昭」「今井宗久}と思われる。信長と光秀が「盟友である」という設定は、NHKが公表している。信長の親の世代を描く意図、主人公たちの青春時代を描く意図も発表している。齋藤道三の死去は1556年・桶狭間の戦いは1560年・信長の上洛戦は1568年・義昭追放は1573年・本能寺の変は1582年・関ヶ原の戦いは1600年☆印はNHK発表なので、予想ではなく、本当のキャストです。主人公・明智光秀関連☆明智光秀(1528-1582早くに両親を亡くし、祖父光継に育てられた、道三に仕え、道三死去後、信長と盟友となる、諸国を遍歴、乱世収拾の道を探る)・・・長谷川博己☆明智煕子(没1576あけちひろ...麒麟がくる・実際のキャスト・キャスト予想・最新版2019年8月

  • 麒麟がくる・あらすじ・第四回・予想

    第三回はここにあります。光秀一行は甲斐から戻り美濃に足を踏み入れる。そこへ見知らぬ農民が「足袋を買ってくれ」と言い寄ってくる。農民はいう「刺客が潜んでいるぜ」、そう言って立ち去る。後に菊丸(岡本)という男だと光秀は知るようになる。光秀は刺客の裏をかき討ち取る。多くは見知らぬ傭兵だが、逃げた者に見知った顔がいた。土岐頼芸の家来である。光秀はそのことを道三に報告する。道三は今は黙ってしばらく様子を見ると答える。1552年、尾張から織田信秀死去の報告が届く。道三は重臣と光秀を弔問の使者に送る。葬式が行われる、信長はいない。やがて異様な装束で乗り込んでくると、くわっと抹香を仏前に投げつけ、去った。みな呆れ顔であるが、帰蝶に動じた様子はない。帰蝶のもとに挨拶に行く光秀。そこに信長が入ってくる。「何か言うことがあるか、光秀...麒麟がくる・あらすじ・第四回・予想

  • 麒麟がくる・あらすじ・第三回・予想

    第二回までのあらすじ予想はコチラにあります駒は光秀を追いかける。前に回って立つが何も言わない。光秀は怪訝な顔であるが、ただの少女とも思えない。そこに東庵が追いつく。東庵は言う。「娘が失礼いたしました。私は町医者の望月東庵と申します。あなた様は、紋所を見るに、土岐家のお方でございますな」。光秀は言う。「紋がお分かりとは驚く。土岐家と申しましても支流です。明智光秀と申す。」「美濃の方でございますな」「今は奈良屋で用心棒のようなことをしております。」「奈良屋は斎藤山城様のお父上の実家でござりますな」「これは望月殿、よくご存じでありますな」「法蓮房、松波庄九郎様と言えばかつて京で知らぬ者はおりませんでした。知恵一番の法蓮房、実は若い頃、いささかつるんだこともございまして」「つるんだ?」「いやこれはお恥ずかしい。私は双六...麒麟がくる・あらすじ・第三回・予想

  • 織田信長・天下静謐論・わかりにくさ・徒然感想

    「織田信長天下静謐論」というのは金子拓氏が主張しているもので、同系列には神田千里氏や松下浩氏がいます。「天皇から足利将軍に委任された京都を中心とする五畿内の天下を静謐に保つことを理想とし、天下の外にいる大名とはゆるやかな連合を目指していた、将軍追放後は天皇から信長本人が委任されたという形をとった」とされます。本郷和人氏は神田氏の名を挙げて「資料の裏を読む作業がない」と批判しています。ちなみに本郷氏は金子氏とは同じ東京大学史料編纂所の同僚です。本郷さんが教授、金子さんが准教授。なんで金子氏の意見は読みにくいのだろうと考えてみると「ちょっと常識で考えればおかしい」ことが多いわけです。信長の「高邁な理想」と書かれている「天下静謐」ですが、信長が生まれた時、将軍はすでに京都を離れて朽木谷あたりに逃げている事が多く、「畿...織田信長・天下静謐論・わかりにくさ・徒然感想

  • 金ヶ崎の戦い・本郷和人氏の素朴な疑問・信長が特別じゃなければ「天下統一」はないでしょ?

    本郷和人氏は書いています。産経の歴史ナナメ読みです。いま学界の主流は「織田信長は、特別な戦国大名では『ない』」という評価です。それはおかしい、信長が特別じゃなければ「天下統一」はないでしょ?と反論すると、いや、彼にとっての「天下」とは近畿地方を意味するんだ、とくる。いやいや、天下が日本全体を指している用例は鎌倉時代から普通にあるじゃないか、と反論しても、戦国時代に限れば、天下=畿内ですよ、と返される。まあ、信長株はどう見ても下落しているわけですね。学界のつまはじきであるぼくは、それはおかしいでしょう、と言い続けています。分裂していた日本が一つにまとまる、という大きな変化に、ともかくも注目しようよ。その動きの中心にいた信長が、「特別でない」はずはないでしょ?と。引用終わり。学問的反論じゃなくて「素朴な疑問」です。...金ヶ崎の戦い・本郷和人氏の素朴な疑問・信長が特別じゃなければ「天下統一」はないでしょ?

  • 松下浩「織田信長その虚像と実像」・信長の敵はみんな朝敵という暴論

    松下浩「織田信長その虚像と実像」内容は「虚像と虚像」というべきものです。151ページ1、信長は将軍からの委任を受けて天皇の平和を実現するために、天皇の敵を敵を倒すために戦いを繰り広げているのである。2、信長にとって天下統一とは天皇のもとに信長自身を執政者とする政権を確立することにあった。3、天皇制を打倒して自らが名実ともに権力の頂点に上り詰めるような国家を構想することは論理的にありえない。1、信長は楠木正成なんでしょうか。そうすると浅井・朝倉・本願寺・延暦寺・武田信玄などは全部「朝敵」ということになります。延暦寺の当時の主は正親町天皇の弟で、延暦寺の寺領を返せという綸旨が信長にあったのですが「無視」しています。勝てば官軍という言葉がありますが、浅井・朝倉・武田に関して「信長は官軍だった」なんて言う人はいません。...松下浩「織田信長その虚像と実像」・信長の敵はみんな朝敵という暴論

  • 平山優氏のツイッターを見て、我が身を思う・批判は品よく

    平山優氏は、TVで拝見する限り常識人という感じでした。ところがツイッターを見ると、極めて戦闘的です。最近、わたしは歴史小説を読まず、論文系ばかり読んでいます。でも変なのが多い。論理が通らなかったり、学会の動向への忖度が見え過ぎたり。逆に戦闘的意識が見え過ぎたり。で、どうせわたしの意見なぞ少数の方しか読まないことをいいことに、筆者を批判ばかりしています。口汚く罵ったのは、呉座さんに対して「面を洗って出直してください」と書いたブログぐらいでしょうか。期待していたのに、論理展開がおかしく、また資料の名を間違えるという致命的なミスもしていて、腹が立ったのです。批判は生産性がない行為か、あるいはきちんと読んだ証拠としての意味ぐらいあるのかと考えていました。で、平山優氏のツイッターを見たら、とにかく戦闘的です。藤本正行氏と...平山優氏のツイッターを見て、我が身を思う・批判は品よく

  • 本能寺の変・明智光秀の「新発見とされた」手紙・幕府再興と結びつかない

    2017年の9月にニュースが流れました。明智光秀の手紙が新発見され、幕府再興の狙いが見えてきたというものです。実は新発見ではありません。直筆だと藤田達夫さんが「鑑定した」というだけです。でこれを受けて☆藤田達生氏が示した材料から幕府再興の狙いという結論に結びつかないのは、論理的にものを考える能力があればありえないことは分かるはずだ。という意見が出ました。これで終わりでもいいのですが、本文と訳文を載せます。なおもって、急度御入洛義御馳走肝要に候、委細上意として、仰せ出さるべく候条、巨細にあたわず候、仰せのごとく未だ申し通ぜず候処に、上意馳走申し付けらるるにつきては、示し給い快然に候、然して御入洛の事、即ち御請け申し上げ候、其の意を得られ、御馳走肝要に候事、1、其の国の儀、御入魂あるべきの旨、珍重に候、いよいよ其の...本能寺の変・明智光秀の「新発見とされた」手紙・幕府再興と結びつかない

  • 金子拓「織田信長・不器用すぎた天下人」・臆病すぎる金子拓氏

    あとがきで金子氏はこう書いています。織田信長という存在はあまりに大きすぎる。本当にこんなことを書いていいのか。誰でも知っていることをいかにも自説のように書いてはいないか。あるいは間違い誤解だらけなのではないかという思いが執筆中頭を離れなかった。これはなかなか辛いことである。しばらくは信長について書きたくないとも書いています。その前の本「織田信長天下人の実像」という本が意外と評判になりました。司馬さんが描いた信長像はその後再生産され、「天才信長」のイメージは繰り返し描かれています。司馬さんという人は実は右の人にも左の人にも評判が悪い。そういう政治性が強い人たちは「天下など狙っていなかった信長像」が歴史学者によって示されたことに歓喜しました。また「司馬さんの信長はどこまで史実なんだろう」という「司馬ファン」もいて、...金子拓「織田信長・不器用すぎた天下人」・臆病すぎる金子拓氏

  • 天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった・一次資料の限界と論争

    「天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった:一次史料が伝える“通説を根底から覆す"真実とは」乃至正彦さんと高橋陽介さん。題名は「著者がつけたものではない」ようです。出版社が主導。まあ「気になる題名」ではあります。関ヶ原の合戦がなかったというのは、色々な理由に基づくようですが、もっとも最大の理由は、・そもそも毛利と徳川の戦いであり、その毛利と徳川は合戦の前日に講和がなっていた。関ヶ原で天下が決まったわけでない。戦場も関ヶ原ではなく山中という場所。・毛利が仕掛けた。家康の方から積極的に天下を狙ったわけではない。三成は主戦派でもなかったし、総大将でもない。さてどうなんだろというところです。関ヶ原新説のもう一人の立役者、白峰旬さんは「論の根拠となった一次資料が信用できない」としています。・「古今消息集」の「慶長五年九月十二日...天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった・一次資料の限界と論争

  • 磯田道史氏の書評を読んで・長篠の戦い・逆転の逆転

    「長篠合戦と武田勝頼」平山優氏の著作に対して磯田道史さんが書評を書いています。以下全文引用戦国画期の通説をくつがえす歴史家の挑戦本書は、戦国末期の日本史研究について、重要な問題をいくつも提起する書物である。1575年の長篠合戦は、織田信長・徳川家康連合軍三万人が、武田勝頼軍一万五千人を破った戦いだ。織田軍は鉄砲三千挺(ちょう)を交代々々「三段撃ち」し、圧倒的火力で武田軍の騎馬隊を破った、というのが「通説」だった。ところが、近年、在野の研究者もまじえて、これに疑義を唱える研究が多数出て、大方、支持を得ていた。(1)織田軍の鉄砲は三千挺でなく千挺である。(2)鉄砲「三段撃ち」は、信ぴょう性が低い小瀬甫庵(おぜぼあん)(1564~1640年)の『甫庵信長記(しんちょうき)』等の記述を、明治に参謀本部編『日本戦史・長篠...磯田道史氏の書評を読んで・長篠の戦い・逆転の逆転

  • 白峰旬氏「新関が原合戦論」の序を読んで・徳川史観について

    白峰旬氏の「新関ヶ原合戦論」の序を読んで。ここでは本書の内容については触れません。あくまで「序」のみに限定した書き方をします。徳川史観という言葉は見たことはあったのですが、ピンと来ませんでした。私は「徳川家康は立派だ」と思ったことはほとんどないからです。そういうドラマも山岡荘八の大河「徳川家康」ぐらいのものでしょう。ウソばかりでツッコミながら見ると面白いという作品です。何度か書きましたが、司馬さんなど「城塞」において「家康の行動はほとんど犯罪的」とまで書いています。ところが、白峰さんの「序」にも「日本人は徳川史観に騙されている」という記述があります。2011年の本です。・徳川家康は勝つべくして勝ったと思われている。・石田三成は人望がなく、毛利輝元は凡庸で、勝てるわけなかったと思われている。・徳川家康は善政を行い...白峰旬氏「新関が原合戦論」の序を読んで・徳川史観について

  • TBSドラマ「関ヶ原」の素晴らしさ・太閤の為に涙する徳川家康

    映画「関ヶ原」は悪夢ですが、同じ原作でありながら1981年TBSドラマ「関ヶ原」は史上最高の日本時代劇かも知れません。加藤剛さん演じる三成、三船敏郎さん演じる島左近、高橋幸治さん演じる大谷刑部、三國連太郎さん演じる本多正信、杉村春子さん演じる寧々、沢村貞子さん演じる前田まつ松坂慶子さん演じる初芽、そして森繁久彌さん演じる徳川家康文句のつけようがありません。まず「前田まつ」から。家康に謀反の濡れ衣を着せられた前田利長はうろたえます。しかし、利長の母であるまつ・芳春院はぴしゃりと言います。「家康殿のねらいも分からないのか。とにかく謝って徳川殿の手に乗らないことだ。あなたには徳川殿と天下を2つに割って争う器量はない。前田の家は利家と自分が作った。あなたはそれを守ればいい。それがあなたの器量です」次に島左近「この傷では...TBSドラマ「関ヶ原」の素晴らしさ・太閤の為に涙する徳川家康

  • 呉座勇一「陰謀の日本中世史」・三成は家康にはめられてはいない・司馬さんの「関ヶ原」は陰謀論だ

    呉座勇一「陰謀の日本中世史」・・・怪しげな記述が多いことはここで書きました。今回はそこまで批判しようとは思いません。関が原についてこう記述しています。・三成の挙兵と西軍の巨大化を家康にとって意外な事態だった・上杉征伐に出陣し「故意に三成を挙兵させた」わけではない。司馬さんの「関ヶ原」は陰謀論に過ぎない。・小山評定はなかった。直江状は「それに近いもの」があった可能性が高い。・家康を神格化する「徳川史観」にだまされたはならない。・三成と直江兼続が連携していたというが、史実ではない。俗説否定家の方々は、何かと言うと司馬さんを持ち出しますが、「小説と史実は違う」ことぐらい国民の半分以上は分かっているのではないでしょうか。特に一次資料原理主義者が幅を利かすようになってからは日曜歴史家までやたらと一次資料を信仰しています。...呉座勇一「陰謀の日本中世史」・三成は家康にはめられてはいない・司馬さんの「関ヶ原」は陰謀論だ

  • 呉座勇一「陰謀の日本中世史」・豊臣秀次の切腹・面を洗って出直してください

    呉座さんが立てている大テーマは「石田三成は徳川家康にはめられたのか」なのですが、ここではその序章部分にある「豊臣秀次事件」のみを扱います。私は学者でもないくせに金子拓氏とか藤田達夫氏に「噛み付いて」いますが、それはただ「本を読んでも論旨がたどれない。論理破綻、論理の飛躍が目立ちすぎる」からです。初めに結論ありきで、その結論に一次資料をあてはめていく。一般読者が読めない一次資料でウソくさいことを補強する。その姿勢が不誠実だと思うのです。本郷和人さんが「『信長は革命児にあらず』論の資料の読み方は、はっきり言って、あまりにも幼稚だと思う。先学が『ウラを読ん』で達成してきた成果を台無しにしてしまう暴論のような気がする」と書いていますが、私は「幼稚」というか「変だな、そういう風に結びつかないだろ」と思うのです。一読者とし...呉座勇一「陰謀の日本中世史」・豊臣秀次の切腹・面を洗って出直してください

  • 小和田哲男・信長の革新性・七つのキーポイントの目次

    <織田信長と戦国時代>信長の革新性・七つのキーポイント(歴史群像デジタルアーカイブス)の目次は以下の通りです。一専業武士団の創設二居城の前進移転三人材登用の新機軸四権威への挑戦五政教分離への指向六軍装改革七新発想生む知的好奇心織田信長を「普通の武将」として扱う場合、「前例があってオリジナルじゃない」という言い方がよく採用されます。楽市楽座は六角氏の模倣とかいう言い方です。上記の7つを考えてみると1、専業武士団の創設これについては「兵農分離はあったのか」という本が存在します。ただし「長期に渡って戦に専念できる兵」を信長・秀吉が持っていたことは史実なので、「専業武士」と言わず「長期雇用の兵」と言えば成立します。2、居城の前進移転居城を移したということです。清州城→小牧山城→岐阜城→安土城いわゆる大大名では極めて珍し...小和田哲男・信長の革新性・七つのキーポイントの目次

  • 楽市楽座を最初に行ったのは六角定頼という誤解

    楽市楽座を最初に行ったのは六角定頼という誤解そもそも六角氏が行ったとされるのは「楽市」です。今川氏も同じです。さらに六角氏や今川氏は文書上で楽市という「言葉」が確認できるだけであり、具体的内容は分かりません。「楽座」という言葉はないわけです。これが重要です。座は、平安時代から戦国時代まで存在した主に商工業者や芸能者による同業者組合のこと。幕府や貴族・寺社などに金銭など払う代わりに営業や販売の独占権などの特権を認められたわけです。しかし信長の時代、つまり16世紀なかばには「座の権威」は相当落ちていました。それでも例えば京にある大山崎油座などは畿内を中心に広範囲に勢力を有していました。「楽市」はフリーマーケットです。必ずしも「楽座」を前提にしなくてもできるのです。座は全ての商品を独占していたわけではありません。例え...楽市楽座を最初に行ったのは六角定頼という誤解

  • 麒麟がくる・あらすじ・第二回・予想

    麒麟がくる・あらすじ・第一回のおさらい・予想1540年、信長上洛の28年前。京はうち続く戦乱で荒れ果てており、御所も例外ではなかった。望月東庵(堺正章)はかつて御所・将軍家出入りの医師で、大名たちにもその名を知られていた。今は町医者として貧乏暮らしを送っている。ある日東庵は親王(後の正親町天皇)に呼び出される。親王の夢のお告げに従って羅城門に行くと、赤ん坊が泣いている。傍には母親らしい女性の遺体があった。戦乱に巻き込まれて死んだらしい。親王は言う。「その女子を大切に育てよ。その子は時代を変える。必ずや乱世を終わらせる英雄を京に呼び寄せる。その女子が無事に育てば、必ずや伝説の聖獣、麒麟がくる」東庵は女子を「駒」と名付け、手元で育てることにする。一方、美濃では斎藤道三(本木)の国盗りが最終段階を向かえていた。が、道...麒麟がくる・あらすじ・第二回・予想

  • 呉座勇一「陰謀の中世史」・序章

    呉座勇一「陰謀の中世史」題名が紛らわしいのです。「陰謀なんて基本的にはない中世史」が本書の内容です。陰謀否定論なのです。たしかに陰謀・策謀はあるが、世に流布している歴史陰謀論はだいたいは成り立たない、というのが筆者の立場です。扱われるのは「保元平治の乱」「平家と後白河法皇」「源頼朝・義経・北条氏」「足利尊氏」「日野富子」「本能寺の変」「徳川家康・豊臣秀吉・秀次・石田三成」です。ただ、どうも読んでいて分かりにくい部分もある。それは筆者が陰謀・策謀・謀反・反逆を全て含めて「陰謀」と表記するからです。例えば足利尊氏が後醍醐に対して「陰謀」をたくらんでいるという噂がたった、と筆者は書きますが、これは謀反と書くべきでしょう。題名が陰謀の中世史なので、なんでもかんでも陰謀という「文字」を使ってしまう。だから読みにくいのです...呉座勇一「陰謀の中世史」・序章

  • 英雄たちの選択・「新視点!信長はなぜ本能寺に泊まったのか?」

    信長はなぜ本能寺に泊まったのか・本能寺には四回程度しか泊まっていない。定宿は妙覚寺であった。・しかし当日妙覚寺には織田信忠が泊まっていたので、本能寺を選んだ。というだけのお話でした。信忠に注目したのが「新視点」らしいのですが、わたしをも含めて、歴史ブログを書く人間なら「なんで信忠まで京都にいたのか」を考えたことはない人間は少ないと思います。その答えが微秒です。・信長は自分の官位を信忠に譲ろうとしていたんじゃないか。というもの、官位は右大将です。「なんじゃないか」という感じです。磯田道史さんの言い方も「そうかも知れない」という感じでした。この「右大将を譲る」というのは「兼見卿記」にあるわけです。しかしこれは本能寺の変があった天正10年の6月までの記述を、正月から遡って「まるまる書き直した」代物ですから、これを資料...英雄たちの選択・「新視点!信長はなぜ本能寺に泊まったのか?」

  • 織田信長は騙されやすい武将であったのか・金ヶ崎の戦い・畿内ではない越前に侵攻

    織田信長は実の弟を殺して、尾張を平定しました。弟とは織田信行(信勝)です。一度は許しましたが、二度目は許さず謀殺しています。尾張平定の過程において「人は裏切る」ということを信長は深く学びました。その後各大名や将軍を相手に「騙し合い」とでもいうべき戦いを展開します。尾張美濃以来の重臣で、信長を騙したり裏切ったりした家臣はいません。彼を裏切った松永久秀・荒木村重・明智光秀はいずれも「新参者」です。信長が武田信玄・上杉謙信・毛利に裏切られた、騙されたという人がいますが、そもそも同盟していないので、成り立ちません。たとえ同盟していても、今川・北条・武田の関係を見れば分かる通り、同盟の解消などいとも簡単に大名たちは行っていました。基本的に大名間では「騙した」という言葉は使えないでしょう。騙し合いが基本だからです。それに比...織田信長は騙されやすい武将であったのか・金ヶ崎の戦い・畿内ではない越前に侵攻

  • 本能寺四国説は要因の一つに過ぎない・計画性のない明智光秀・本能寺の変は突発的出来事

    藤田達生「資料でよむ戦国史・明智光秀」は「論理が飛躍しすぎてついていけない本」だとわたしは思います。1、光秀と家臣である斎藤利三は四国の長曾我部と関係が深かった。2、光秀たち(これを光秀派閥というそうです)は、長曾我部氏を介して(介してって何?)、西国支配への影響力を行使しようとしていた。(どうやら長曾我部・毛利→毛利にいた義昭ラインというのがあるという前提みたいです)3、とにかく光秀派閥は四国の長曾我部と関係が深かった。しかも長宗我部元親の正室は斎藤利三の妹(異母?)なので特に関係が深かった。4、最初信長は長曾我部は殲滅しないつもりだった。光秀派閥は長曾我部とともに四国に勢力を伸ばし、西国へ影響力を行使しようとした。5、ところが「子供たちへの土地分配=相続問題」に悩んでいた信長?は、四国を殲滅しようとした。6...本能寺四国説は要因の一つに過ぎない・計画性のない明智光秀・本能寺の変は突発的出来事

  • 最高の大河ドラマ goo調べ・わたしの感想

    独眼竜政宗(1987年)4,805票葵徳川三代(2000年)3,336票・・・なるほど、分かりやすいしなにより登場人物が沢山いて勉強になります草燃える(1979年)2,480票・・・素晴らしい作品なんだが、こんなに上位にくるとは驚く。おんな城主直虎(2017年)1,976票功名が辻(2006年)1,251票・・・司馬さんの作品ではこれがトップか。よくできた作品であることは確か。真田丸(2016年)656票・・・見直してみるとなかなかいい作品。草刈さんのファンでもあるし。平清盛(2012年)491票新選組!(2004年)311票・・・真田丸は好きだが、同じ三谷作品でもこれはいい出来とは言えなかった。毛利元就(1997年)308票・・・中国地方を描いた唯一の作品龍馬伝(2010年)241票篤姫(2008年)224票...最高の大河ドラマgoo調べ・わたしの感想

  • 2015年のトンデモ本大賞・文部省の道徳教材・江戸しぐさ

    「トンデモ本大賞2015」投票総数76で過半数の47票を集め『私たちの道徳小学五・六年生』が大賞を受賞しました。著作権者は文部科学省です。傘かしげ雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うこと肩引き道を歩いて、人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩くこと時泥棒断りなく相手を訪問し、または、約束の時間に遅れるなどで相手の時間を奪うのは重い罪(十両の罪)にあたるうかつあやまりたとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと七三の道道の真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の3割にして、残りの7割は緊急時などに備え他の人のためにあけておくことこぶし腰浮かせ乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること逆らいしぐ...2015年のトンデモ本大賞・文部省の道徳教材・江戸しぐさ

  • 歴史秘話ヒストリア・三好長慶は最初の天下人か

    歴史秘話ヒストリア「信長より20年早かった男最初の「天下人」三好長慶」天下は戦国時代は京都周辺・畿内のこと、なんでしょうかね。源頼朝は「天下の草創」という言葉を使っていますが、これは全国を指します。「将軍が支配する地域が天下」とすると、足利義輝が近江朽木谷に避難していた時期は「朽木谷が天下」ということになります。信長が天下という言葉を京都という意味で使った例は知っています。しかし「いつも二重の意味があった」と考えるべきでしょう。狭義には畿内・広義には日本全土。それを強引に「畿内だけだ」と言う人がいるから、「はいそうですか」とは言いたくないわけです。三好長慶が最初の天下人という場合、1553年から1558年まで将軍不在の京都を支配したからということが根拠となります。どれだけ実質が伴っていたのかによりますね。例えば...歴史秘話ヒストリア・三好長慶は最初の天下人か

  • 「いだてん」「西郷どん」の陰謀説・本能寺の陰謀説

    陰謀論が嫌いです。世の中に陰謀はあると思いますが、簡単にバレるようなものは陰謀とも言えないでしょう。坂本龍馬暗殺、大久保示唆説、、、大久保が幕府見廻組に龍馬の居所を教えた?龍馬の居所なんて見廻組の探索力でも十分に見つけられるというのが定説です。大久保なら悪者にしても構わないというドラマ製作者の甘い考えが露呈しています。本能寺陰謀説、、、あの光秀に起こせるかという論です。織田家に四人しかしない地域方面司令官なのに、失礼です。でも陰謀論が「大嫌いなわたしが」ふと考えるのは、大河「いだてん」と「西郷どん」は陰謀なんじゃないかということです。むろん真剣には言ってません。「西郷どん」はなんであんなにつまらなかったのだろう。籾井会長時代に決まったかと思います。現総理のゴリ押しで「薩長もの」になったのかも知れません。なら「つ...「いだてん」「西郷どん」の陰謀説・本能寺の陰謀説

  • 本能寺四国説は所詮はトンデモ説

    藤田達生「資料でよむ戦国史・明智光秀」は「実に馬鹿馬鹿しい本」だとわたしは思います。1、光秀と家臣である斎藤利三は四国の長曾我部と関係が深かった。2、光秀たち(これを光秀派閥というそうです)は、長曾我部氏を介して(介してって何?)、西国支配への影響力を行使しようとしていた。(どうやら長曾我部・毛利→毛利にいた義昭ラインというのがあるという前提みたいです)3、とにかく光秀派閥は四国の長曾我部と関係が深かった。しかも長宗我部元親の正室は斎藤利三の妹(異母?)なので特に関係が深かった。4、最初信長は長曾我部は殲滅しないつもりだった。光秀派閥は長曾我部とともに四国に勢力を伸ばし、西国へ影響力を行使しようとした。5、ところが「子供たちへの土地分配=相続問題」に悩んでいた信長?は、四国を殲滅しようとした。6、そこで光秀派閥...本能寺四国説は所詮はトンデモ説

  • 金子拓氏の信長像の怪しさ・本郷和人の批判

    金子拓氏は東京大学史料編纂所准教授です。専門家だからトンデモを書かないかというと、そうでもないのです。学者さんですから、「一級資料」を多用します。一級資料とは「たまたま残っていた」、当時の手紙とか日記とか書類とかです。たまたま残っていた資料を使っているからトンデモ、とは言いません。☆その資料の遣い方に問題を感じるからです。筆者は「近世を開いた革命児信長像」を否定しようとします。まあこれはブームみたいなもんで、「いまさら同じこと書いても仕方ない」と考える人が全員とる方法です。だから「それだけでは売りがない」と思ったのでしょう。「信長はそもそも天下統一なんか狙っていなかった」ことにしようと思いつきます。あとは「簡単」です。当時の一級資料を駆使して、自分の信長像(というか筆者が売りにしようとする信長像)を構築していけ...金子拓氏の信長像の怪しさ・本郷和人の批判

  • 保守的な信長・矮小化された信長像への本郷和人氏の反論

    姫「信長についての資料も、字面だけではない、『ウラを読め』ってことなのね」本郷「そのとおり。たとえば信長は将軍や天皇に従順な姿勢を見せている、文書からはそう読み取れるから、信長は旧弊な権威に逆らうつもりはまるでないんだ、って神田さんは説く。だけれどね、それを言うなら、源頼朝も足利尊氏も、『私は朝廷のやり方が気に入りませんから、あなた方をやっつけます。新しく武士の政権を作りますよ』なんて全くもって言ってない。『私は後白河上皇のお心に従います』とか『私は後醍醐天皇が大好きです』と言っているんだ。まあ尊氏は本当に後醍醐天皇が大好きだったみたいだけれど、それはあくまで心の中。大きな視野で見たときに、頼朝も尊氏も武士の勢力の伸張をはかり、朝廷の力を大きく削っている。世の中の仕組みを変えているわけだね」姫「なるほど。文書の...保守的な信長・矮小化された信長像への本郷和人氏の反論

  • 大河ドラマにおける織田信長・麒麟がくる・国盗り物語

    織田信長という武将に興味を持ったのは大昔、小学生のころのことです。「国盗り物語」を読み込みました。たぶん大河「国盗り物語」の放送と同時に読んでいたんだと思います。叡山焼き討ちの場面で「光秀、仏像とは、木とかねで作ったものぞ」という場面などをよく覚えています。むろん大河も見ましたが、なにせ大昔なのでよく覚えていません。DVDの時代になって、総集編がでて、それでしっかり見直しました。しかし当時はビデオテープを使いまわしていたため、総集編しか残っていません。各話の断片でも覚えているかと言われれば、全く覚えていません。しかしとりあえずはあの信長。高橋英樹さんの信長と、松坂慶子さんの帰蝶がわたしの中での「基準」となりました。カッコ良かったですね。信長も光秀も。その後信長は「黄金の日々」に登場します。ただし主役でもなく、比...大河ドラマにおける織田信長・麒麟がくる・国盗り物語

  • 麒麟がくる・第一回ストーリー・予想

    勝手にストーリー予想です。第一回。第一回分しか書くつもりはありませんが。1540年、信長上洛の28年前。京はうち続く戦乱で荒れ果てており、御所も例外ではなかった。望月東庵(堺正章)はかつて御所・将軍家出入りの医師で、大名たちにもその名を知られていた。今は町医者として貧乏暮らしを送っている。ある日東庵は親王(後の正親町天皇)に呼び出される。親王の夢のお告げに従って羅城門に行くと、赤ん坊が泣いている。傍には母親らしい女性の遺体があった。戦乱に巻き込まれて死んだらしい。親王は言う。「その女子を大切に育てよ。その子は時代を変える。必ずや乱世を終わらせる英雄を京に呼び寄せる。その女子が無事に育てば、必ずや伝説の聖獣、麒麟がくる」東庵は女子を「駒」と名付け、手元で育てることにする。一方、美濃では斎藤道三(本木)の国盗りが最...麒麟がくる・第一回ストーリー・予想

  • 大河ドラマで主人公となった女性

    大河ドラマで主人公となった女性を並べるとこうなります。現代劇は除きます。北条政子・草燃えるねね・おんな太閤記春日局・春日局日野富子・花の乱前田まつ・利家とまつ山内千代・功名が辻篤姫・篤姫徳川江・江新島八重・八重の桜杉文・花燃ゆ井伊直虎・おんな城主直虎篤姫以下四人は無理があるなとは思いますが、篤姫は視聴率的には成功した作品です。「江」は私の中では「悪夢」です。功名が辻の千代まではなんというか「シャキシャキした女性」です。活動もかなり自由にできるという設定です。直虎もそうですね。春日局は「おしん」みたいでしたが。篤姫・八重・杉文なんぞは「封建的秩序」の中を生きた女性ですから、そうシャキシャキもしていられません。でも八重は鉄砲ぶっ放したしたりしてかなり自由でした。篤姫は徳川に嫁いでから、江戸城退去まで「ずっと城の中に...大河ドラマで主人公となった女性

  • 葵徳川三代の軽さ・個人的感覚と皆様の意見のズレ

    まず写真に触れますが、浅井三姉妹です。葵徳川三代です。圧倒的というか妖怪的迫力です。特に小川さんの淀殿の妖怪感が半端ありません。岡田茉莉子さんと並ぶ妖怪淀殿です。さて本題この作品、2000年ですね。私の感覚からするとエンタメ大河なのです。中村梅雀さんの語りの軽妙さといい他の人の演技といい、セリフ回しといい、「コント一歩手前」という感じがするわけです。ところが重厚という評価が目立ちます。「皆様の感覚」とわたしの感覚はだいぶズレています。わたしが正しいとか言う気はありません。では「重厚な大河」とは「翔ぶが如く」「太平記」「花の乱」「国盗り物語」「くすりとも笑えるシーンがない」のです。葵徳川三代、再放送で見てますし、つまらないという気もありません。でも重厚ではないし、なんかコントみたいです。きっと私の感覚の方がおかし...葵徳川三代の軽さ・個人的感覚と皆様の意見のズレ

  • 麒麟がくる・実際のキャスト・キャスト予想・最新版2019年6月

    主人公は「明智光秀」、主人公並みの重要人物は「斎藤道三」「斎藤利三」「織田信長」「細川藤孝」「今川義元」「織田信秀」「松永久秀」「足利義昭」「今井宗久}と思われる。信長と光秀が「盟友である」という設定は、NHKが公表している。信長の親の世代を描く意図、主人公たちの青春時代を描く意図も発表している。従って全体に俳優の年齢が若くなっている。齋藤道三の死去は1556年・桶狭間の戦いは1560年・信長の上洛戦は1568年・義昭追放は1573年・本能寺の変は1582年・関ヶ原の戦いは1600年☆印はNHK発表なので、予想ではなく、本当のキャストです。主人公・明智光秀関連☆明智光秀(1528-1582早くに両親を亡くし、祖父光継に育てられた、道三に仕え、道三死去後、信長と盟友となる、諸国を遍歴、乱世収拾の道を探る)・・・長...麒麟がくる・実際のキャスト・キャスト予想・最新版2019年6月

  • 2019年6月・麒麟がくる・新キャスト11名・キャストをみての感想

    NHKは17日、主演の長谷川博己(42)が戦国武将・明智光秀を演じる2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」(来年1月スタート、日曜後8・00)の新キャストを発表。片岡愛之助(47)、檀れい(47)、佐々木蔵之介(51)らの出演が決まった。片岡は今川義元役、檀は信長の母・土田御前役、佐々木は藤吉郎(秀吉)役を演じる。新キャストは片岡、檀のほか、煕子役の木村文乃、深芳野役の南果歩、稲葉義道役の村田雄浩、藤田伝吾役の徳重聡、足利義明役の滝藤賢一、三淵藤英役の谷原章介、細川藤孝役の真島秀和、松永秀久役の吉田鋼太郎の11人。まとめますと今川義元・片岡愛之助木下藤吉郎・佐々木蔵之介土田御前・檀れい明智煕子・木村文乃深芳野・南果歩稲葉一鉄・村田雄浩藤田伝五・徳重聡足利義昭・滝藤憲一三淵藤英・谷原章介細川藤孝・真島秀和松永秀久・...2019年6月・麒麟がくる・新キャスト11名・キャストをみての感想

  • イランのハメネイ師が語ったこと・アメリカ福音派・イスラエル

    イランのハメネイ師が語ったことは、日本の報道とは随分イメージが違う内容です。「核兵器には反対する。そのような兵器を製造することは我々の宗教令がそれを禁じている」「しかし、一旦核兵器を製造するようになると米国はそれに反対しても何もできなくなる、そしてそれが禁止されても我々にとって障害にはならない」と述べてイランの断固たる姿勢を安倍首相の前に披露した。(参照:「ElPais」、「HispanTV」)一方、安倍首相は米国はイランの政治体制を変えようとする意向のないことをトランプ大統領のメッセージとしてハメネイ師に伝えた。しかし、同師はそのような米国の意向は「偽りだ」と指摘した。そして、「仮にそれをやったとしても、達成できないだろう。この40年米国政府はイスラム共和国を打倒しようと試みたが失敗に終わっている」と断言した...イランのハメネイ師が語ったこと・アメリカ福音派・イスラエル

  • ドラマJIN-仁-の魅力・坂本龍馬について

    いまさらながらドラマ仁をきちんと見ました。配信されているからです。憎まれ役のように見えて素敵な人物が登場します。例えば橘栄・麻生祐未さん。多紀元琰・相島一之さんです。このうち多紀元琰は実在の漢方医で、上野戦争の際、官軍の中を「当時朝敵徳川慶喜家来多紀養春院」と名乗って突破したという逸話が残っています。訳すると「いまの段階では朝敵である徳川慶喜の家来」ということです。本当だとしたら山岡鉄舟と同じような気骨です。憎まれ役ではないが、街の茶屋の娘、橋本真実さんなどもきっぷがよくていい感じです。さて坂本龍馬は内野聖陽さんで、非常によい感じです。かっこよすぎない所がいい。それでいて時々眼光が光ります。いつもはふざけていますが、時折真顔になります。その使い分けのうまさ。内野聖陽さんは凄い役者なのだと改めて感じます。龍馬暗殺...ドラマJIN-仁-の魅力・坂本龍馬について

  • 坂の上の雲・リアリズム・天気晴朗なれども

    司馬さんが亡くなってから22年です。坂の上の雲についてちょっと調べたら「児玉源太郎の行動」について「史実とは違う」という指摘があるようです。そうなのかも知れません。なにせ「児玉源太郎のくだり」は面白すぎます。全体に戦記的記述が多いこの作品にあって、児玉源太郎の言動は際立って「小説的」です。乃木から指揮権を奪い、しかし乃木はそれと気が付かず、児玉は作戦の変更を求め、旅順を攻略する。児玉対硬化した軍事官僚の戦い。一番好きな場面です。あれは「史実とは違う」のかも知れません。しかし小説としてはよくできています。司馬さんがあのシーンで何を描きたかったのかもよく理解できます。ちなみに史実か否かはまだ「論争あり」の段階のようです。日露戦争の勝利によって、日本軍はかなりオカシクなっていきます。不敗神話に洗脳され、現実を直視でき...坂の上の雲・リアリズム・天気晴朗なれども

  • 男系天皇論議を傍観する

    学問的には、つまりほぼ全ての歴史学者は、神武天皇は実在しないとしています。ほぼ全てですから例外もいます。安本さんとか。古田さんもそうかな。元号が変わった時、神武とか男系天皇を巡る論議とかを「傍観」しながら、いろいろ面倒だなーと思っていました。わたしの感覚だと、・実在した天皇が6世紀の継体天皇からでも、何も困らない。・神武天皇など実在するわけないし、実在しなくても何も困らない。・万世一系じゃなくても別に何も問題はない。・男系神話もありえないし、男系じゃなくても何も困らない。わけです。天皇制というのは法治国家上の役割であって、そこに何も神秘的なものは感じないからです。象徴天皇制に限定するならその歴史はまだ70年程度です。それなのに「女系天皇が誕生すると日本が滅びる」的な感じで熱くなる方がいます。そういう人に対して「...男系天皇論議を傍観する

  • 明治維新後、残念な有名人・薩長土肥

    明治維新後、残念な人々は沢山います。特に薩摩は西南戦争がありますから、西郷や村田新八など沢山います。ここでは西南戦争関係ははずします。土佐土佐は簡単で後藤象二郎です。大政奉還を進言したり、龍馬と組んであらゆる重要場面に登場します。明治維新の功により賞典禄1,000石。ところが維新後が散々です。それなりに高い地位につきますが、西郷の政変で下野。事業に失敗。その後また大臣となりますが、わいろで辞職。明治後のドラマで後藤が登場しないのはそのためです。薩摩立派な人だったのに、死んでしまって残念なのが小松帯刀です。西郷、大久保の仲間としては別格で身分が高く殿様階級です。しかし幕末、大きな仕事は沢山しました。もともと病弱で明治三年に亡くなります。彼が生きていたら、大久保、西郷の上に立ったでしょうし、西南戦争もなかった可能性...明治維新後、残念な有名人・薩長土肥

  • もし、維新というものが正義であるとしたら

    一人の男がいる。歴史が彼を必要としたとき忽然と現れ、その使命が終わると大急ぎで去った。もし、維新というものが正義であるとしたら、彼の役割は津々浦々の枯木にその花を咲かせてまわることであった。中国では花咲爺のことを花神という。彼は花神の仕事を背負ったのかもしれない。彼、村田蔵六、後の大村益次郎である。大河ドラマ「花神」の冒頭です。「もし、維新というものが正義であるとしたら」という「条件づけ」が印象的です。この作品、きちんと敗者も描くのです。特に河井継之助を描きます。それによって明治維新というものの「価値」が多少相対化されます。明治維新は絶対的な正義であった、、、という描き方はしません。そういう疑義のない歴史観は浅いものとなりがちです。例えば西洋化をしたから明治政府は悪いとか、薩長史観で教育は毒されているとか、そう...もし、維新というものが正義であるとしたら

  • ドラマJIN-仁-の面白さを2つほど

    ドラマJIN-仁-の面白さを2つほど1、歴史の変更に臆病なタイムトラベラー主人公の南方仁先生は幕末にタイムスリップした外科医です。面白いのは、既に第一話段階で「歴史を変更していいのだろうか」と悩むことです。コレラが細菌に由来することも最初は隠します。コレラ細菌説を江戸期に持ち込むことに躊躇するのです。が橘咲という女性に励まされ、結局は医学で人を救う道を選びます。それでも毎回毎回、歴史の改変に対して異常なぐらい悩みます。設定としては未来に恋人がおり、彼女に何か影響を与えないか迷うわけですが、それにしてもこれほど歴史の改変に臆病なタイムスリップものは珍しいかも知れません。最終的にはパラレルワールドを採用することで、歴史の改変との調和が図られます。2、西洋医学と東洋医学の調和南方先生は結局現代に戻りますが、ほぼ同じ世...ドラマJIN-仁-の面白さを2つほど

  • ドラマ「仁」・橘咲(綾瀬はるか)とシーボルトイネ

    ドラマ仁を初めてしっかりと見ました。綾瀬はるかさん演じる橘咲が魅力的で、シーボルトイネみたいだなと思ってみていました。でもドラマにシーボルトイネは登場しません。しかし原作では登場するし、橘咲に大きな影響を与えるようです。そりゃそうです。ドラマで描かれる彼女の一生はシーボルトイネにそっくりです。では相方の南方仁先生はイネの恋人である村田蔵六、大村益次郎かなと思いましたが、これは違っているようです。まあ似てもいません。「無私」な点が似ているのみです。そもそも村田蔵六は途中で医者をやめて軍学家に転向しますし。この橘咲さんという武士の娘は非常に謙虚でありながら「ものすごい強い女性」として描かれています。一方思い人の南方仁先生は、江戸では神のような医師とされながら、そもそも現代人なので、さらにトラウマを持った人なので、い...ドラマ「仁」・橘咲(綾瀬はるか)とシーボルトイネ

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