心筋梗塞(MI)後の患者ケアでは、心機能や再梗塞予防に注目が集まりますが、「便秘」の存在が予後に影響する可能性があることをご存知でしょうか?今回ご紹介するのは、心筋梗塞後の患者における便秘と心不全による再入院の関連性を後ろ向きに検討し、退…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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入院中に発見された心房細動、その後の脳卒中リスクは?(大規模コホート研究; Ann Intern Med. 2025)
心房細動(AF)は、さまざまな病態に伴って入院中に初めて診断されることがあり、その一部は誘因(感染症や手術など)の消失により自然に収束する場合もあります。しかし、こうした「入院中発見型AF」が、退院後にどれほど脳卒中リスクを有するのか、充…
川崎病にアスピリンは本当に必要か?高用量アスピリンの有無を比較(PROBE; JAMA Netw Open. 2025)
川崎病(Kawasaki disease:KD)は、小児に発症する血管炎であり、最も重大な合併症は冠動脈病変(Coronary Artery Lesions:CALs)の形成です。現在、標準治療は免疫グロブリン静注療法(IVIG)と高用量…
GLP-1作動薬は認知症リスクを下げる?(RCTのメタ解析; JAMA Neurology 2025)
糖尿病は心血管疾患のリスク要因であると同時に、認知症リスクを高める代謝疾患としても知られています。近年は、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)といった「心血管保護作用を持つ糖尿病治療薬」が注目されていますが、これらの…
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は心腎代謝リスク群でも突然死を防ぐ?(RCTのメタ解析; Eur J Heart Fail. 2025)
心血管疾患、慢性腎臓病、2型糖尿病といった心腎代謝疾患(Cardio-Kidney-Metabolic、CKM)は、互いに密接に関連しながら進展し、突然死(Sudden Cardiac Death:SCD)のリスクを著しく高めることが知ら…
GLP-1やSGLT2阻害薬に“アクセスできない”糖尿病患者は今も多い?(米国の横断研究; Ann Intern Med. 2025)
SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は、単なる血糖降下薬にとどまらず、心血管疾患や死亡リスクを低下させるエビデンスに基づいた治療薬として注目を集めています。にもかかわらず、アメリカの公的医療保険制度「Medicai…
「エビデンスの階層」は時代遅れ?複雑な医療にこそ必要な新しいモデルとは?
近年、医療や政策において「エビデンスに基づく医療(Evidence-Based Medicine:EBM)」の重要性が強調されています。EBMの中核となるのが、治療や介入の効果を検証する研究デザインの“信頼性の階層(エビデンスのピラミッド…
大動脈弁狭窄症でTAVIを受けた患者にSGLT2阻害薬は有効か?(RCT; DapaTAVI試験; N Engl J Med. 2025)
SGLT2阻害薬は、糖尿病や心不全に対する多面的な有用性が示され、心不全ハイリスク患者への投与が広がりつつあります。しかし、弁膜症、特に大動脈弁狭窄症に対してTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)を受けた患者は、これまで大規模RCTの対…
iPS細胞から作られた神経前駆細胞はパーキンソン病に効くのか?(第I/II相試験; Nature. 2025)
パーキンソン病は、ドーパミン神経の脱落により運動障害を引き起こす神経変性疾患です。これまで薬物療法が中心でしたが、病気の進行を止めることはできませんでした。胎児組織を使った細胞移植治療は一定の成果を上げたものの、倫理的・技術的な問題が残り…
急性疾患入院患者におけるVTE予防:抗凝固薬は延長投与した方が良い?(CDSR; Cochrane Database Syst Rev. 2024)
深部静脈血栓症(DVT)や肺血栓塞栓症(PE)を含む静脈血栓塞栓症(VTE)は、急性疾患で入院する患者にとって極めて重要な合併症です。VTEのリスクは入院中に限らず、退院後45~90日間にわたり持続することが知られており、入院中のみの抗凝…
カルシウムチャネル遮断薬は40歳以上の男性の夜間頻尿と関連している?(横断研究; J Clin Med. 2021)
夜間頻尿(nocturia)は、加齢に伴い増加する排尿症状のひとつで、生活の質(QOL)を大きく低下させる要因の一つです。高血圧は夜間頻尿としばしば併存し、降圧薬の中には利尿作用や血管拡張作用を通じて排尿に影響を及ぼすものもありますが、ど…
高リスク静脈血栓塞栓症の長期治療におけるDOAC減量は妥当か?(PROBE; RENOVE試験; Lancet 2025)
静脈血栓塞栓症(VTE)を発症した患者において、再発リスクが高い場合は6〜24か月の初期治療後も延長抗凝固療法が必要となることがあります。ただし、その際に使用すべき直接経口抗凝固薬(DOAC)の最適用量については明らかではありません。そこ…
グレパグルチドは短腸症候群の在宅中心静脈栄養を減らせるか?(DB-RCT; Gastroenterology. 2025)
短腸症候群(Short Bowel Syndrome:SBS)は、腸切除などによって吸収不良をきたし、在宅での静脈栄養(Parenteral Support:PS)を必要とすることが多い重篤な疾患です。これに対して、GLP-2アナログ製剤…
デュラグルチド増量 vs チルゼパチド切替、2型糖尿病患者により効果的なのは?(Open-RCT; SURPASS-SWITCH試験; Ann Intern Med. 2025)
週1回投与のチルゼパチド(GLP-1/GIP受容体作動薬)は、SURPASS試験群においてHbA1cと体重の有意な改善を示し、2型糖尿病や肥満の治療薬として承認されました。一方で、すでにデュラグルチド(GLP-1受容体作動薬)を使用してい…
高齢者の聴力低下に看護師主導の介入は有効か?(小規模RCT; Int J Nurs Stud. 2025)
高齢者における聴力低下は、コミュニケーションの障害だけでなく、認知機能の低下、社会的孤立、うつ症状、さらには転倒リスクの増加など、さまざまな健康問題と関連しています。しかし、聴力低下への介入は専門職に限られ、アクセスの難しさやコストの問…
肥満合併HFpEF患者におけるチルゼパチドの効果はCKDの有無で異なるのか?(SUMMIT試験のサブ解析; J Am Coll Cardiol. 2025)
心不全患者の中でも、駆出率が保たれた心不全(HFpEF)と肥満を合併するケースは増加傾向にあります。さらに、慢性腎疾患(CKD)の併存は、これらの患者の予後や治療反応性に影響を及ぼす可能性があります。GLP-1/GIP受容体作動薬であるチ…
高齢者の慢性不眠にミルタザピンは効果があるのか?(DB-RCT; MIRAGE試験; Age Ageing. 2025)
高齢者に多くみられる慢性不眠症は、QOL(生活の質)や日中機能に重大な影響を及ぼします。しかし、ベンゾジアゼピン系薬剤の長期使用は転倒や認知機能低下のリスクがあり、非ベンゾジアゼピン系やその他の代替薬の選択が求められています。ミルタザピン…
心的外傷後ストレス障害におけるブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用治療の効果はどのくらい?(DB-RCT; JAMA Psychiatry. 2025)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する治療方法は限られており、新たな薬物療法の選択肢が必要とされています。そこで今回は、PTSDに対するブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用治療(ブレクスピプラゾール+セルトラリン)の有効性、安全性…
成人における有酸素運動と減量の効果は?(SR&MA; JAMA Netw Open. 2024)
既存の診療ガイドラインで推奨されている有酸素運動の持続時間に関する現在のガイダンスは、主に個々の試験から得られたものです。このため、有酸素運動と肥満指標の用量反応関係を調べるメタ分析の結果は不足しています。そこで今回は、有酸素運動と肥満指…
心房細動を伴う脳内出血の生存者における脳卒中予防のためのDOAC vs. 抗凝固薬なし(PROBE法; PRESTIGE-AF試験; Lancet. 2025)
直接経口抗凝固薬(DOAC)は心房細動患者の血栓塞栓症の発生率を低下させますが、脳内出血の生存者に対する利点とリスクは不明です。そこで今回は、DOACが脳内出血の再発リスクを大幅に増加させることなく虚血性脳卒中のリスクを低下させるかどうか…
心血管イベント発生率に対するアトルバスタチンの長期的有用性は?(ASCOT-Legacy 20年追跡調査; Heart. 2025)
Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial(ASCOT)試験は、19,342人のCV疾患の3つの付加的危険因子を有する高血圧被験者-ASCOT血圧降下群(BPLA)-を対象に2つの異なる血圧降下戦略…
診断における生成AI vs. 医師(SR&MA; NPJ Digit Med. 2025)
生成型人工知能(AI)は医療診断における可能性を示しているが、その診断性能の包括的な評価や医師との比較は、これまで広く検討されていません。そこで今回は、2018年6月~2024年6月に発表された”診断タスクに対する生成AIモデルの検証研究…
がん関連静脈血栓塞栓症に対するアピキサバンの減量延長療法の効果は?(DB-RCT; API-CAT試験; N Engl J Med. 2025)
活動性癌と静脈血栓塞栓症に対する最適な抗凝固療法とは?活動性癌と静脈血栓塞栓症において、経口抗凝固薬の減量による延長治療が血栓塞栓症の再発予防と出血の減少に有効であるかどうかは不明です。そこで今回は、活動性がんと近位深部静脈血栓症または肺塞...
起立性高血圧と集中的血圧治療との関連性は?(個人レベルのメタ解析; BMJ. 2025)
起立性高血圧は、立ち上がった後に血圧が上昇する病態であり、心血管疾患、脳卒中、腎臓病、認知障害など、さまざまな健康被害を引き起こす新たな危険因子です。また、起立性高血圧は、高齢者の全死亡率の重要な予測因子でもあるようです。個々のコホート研…
高齢心不全患者におけるトラセミドとフロセミドの有効性と安全性の比較(後向き研究; Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2025)
心不全に対して一般的に使用されているループ利尿薬の実臨床における有効性と安全性の比較に関するエビデンスはまちまちであり、特に有害転帰のリスクが高い高齢者においてはその傾向が顕著です。そこで今回は、トラセミド(トルセミド)とフロセミドの転帰…
高リスク2型糖尿病における経口セマグルチドと心血管アウトカムとの関連性は?(DB-RCT; SOUL試験; New Eng J Med 2025)
グルカゴン様ペプチド1受容体作動薬(GLP-1 RA)である経口セマグルチドの心血管安全性は、2型糖尿病で心血管リスクの高い患者において確立されています。しかし、2型糖尿病とアテローム性動脈硬化性心血管疾患、慢性腎臓病、またはその両方を有…
2型糖尿病患者におけるグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬と自殺リスクとの関連性(コホート研究; BMJ. 2025)
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬の使用と自殺念慮および自傷行為との関連を示す最近の報告は、大きな懸念を引き起こしています。この安全性の問題の可能性に関する最初のシグナルは、2023年7月にアイスランド医薬品庁から発せられ…
JAK阻害剤に関連する主要心血管有害事象はどのくらい?(不均衡分析; Drug Saf. 2025)
JAK阻害薬と心血管イベントとの関連性は?関節リウマチ(RA)の治療にはヤヌスキナーゼ阻害薬(JAKis)と抗腫瘍壊死因子α薬(抗TNFα薬)が一般的に使用されていますが、これらの薬剤の心血管安全性プロファイルは不明な点が多く、充分に検証さ...
血栓後症候群患者における静脈ステント血栓症予防のためのアスピリン+リバーロキサバン vs. リバーロキサバン単独(Open-RCT; ARIVA試験; Circulation. 2025)
血栓後症候群患者において、腸大腿静脈または下大静脈のステント再疎通は静脈の開存性を回復し、機能的転帰を改善します。一方、ステント血栓症のリスクはステント留置後6ヵ月間に特に増加することが知られています。このリスク低減のために二重抗血小板薬…
慢性不眠症に対する催眠薬の切り替えや処方中止のための診療ガイドライン(系統的レビュー; Sleep Med. 2025)
現在のガイドラインでは、慢性不眠症の第一選択治療として不眠症の認知行動療法(CBT-I)が推奨されています。欧州の不眠症治療ガイドラインで推奨されている薬理学的治療薬には、短・中作用ベンゾジアゼピンや「Z-drugs」(エスゾピクロン、ザ…
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心筋梗塞(MI)後の患者ケアでは、心機能や再梗塞予防に注目が集まりますが、「便秘」の存在が予後に影響する可能性があることをご存知でしょうか?今回ご紹介するのは、心筋梗塞後の患者における便秘と心不全による再入院の関連性を後ろ向きに検討し、退…
これまで高コレステロール血症の治療といえば「スタチン」が中心でした。しかし、近年注目されているのが、Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9(PCSK9)を標的としたRNA干渉療法「インク…
ベンゾジアゼピン系薬(BZ系)や類似の睡眠薬(Z薬など)は、不眠症の治療薬として長年使用されてきました。しかし、依存や転倒リスク、認知機能低下といった副作用から、長期使用のリスクが懸念されています。そこで今回は、BZ系・関連睡眠薬(BSH…
2型糖尿病を抱える方の多くが、同時に高血圧を発症しています。これは心筋梗塞や脳卒中といった重大な心血管イベントのリスクを大きく高めるため、血圧管理が極めて重要です。しかし、体重減少を伴わない純粋な食事介入のみでの血圧改善効果については、こ…
◆ はじめに肺炎は入院治療が必要となる代表的な感染症であり、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者においては重篤化することも少なくありません。その治療の中心に位置するのが、第3世代セフェム系抗菌薬「セフトリアキソン(Ceftriaxone)」です。...
喘息治療の根幹は「吸入薬の継続的な使用」です。しかし、日常診療では服薬アドヒアランス(服薬遵守)の低さが問題視されています。そこで近年注目されているのが「デジタル吸入器(スマートインヘラー)」です。今回ご紹介するのは、デジタル吸入器の1年…
近年、SNS・スマートフォン・ビデオゲームの利用が低年齢層にまで広がる中、その「依存的な使い方」が子どものメンタルヘルスや自殺リスクに与える影響が注目されています。これまでの研究では「総画面時間」の影響に焦点が当てられていましたが、実際に…
変形性膝関節症(knee osteoarthritis:OA)は、中高年に多く見られる関節疾患で、慢性的な痛みや運動制限の原因となります。近年では、関節液貯留や滑膜炎(effusion-synovitis)を伴う炎症性OAの存在が注目され…
関節リウマチ(RA)は関節の炎症や破壊を引き起こす疾患として知られていますが、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中といった心血管疾患(CVD)のリスクが高まることも近年注目されています。しかし、アジア人集団での具体的なリスクや、薬物治療がCVDに与…
直接経口抗凝固薬(DOAC)は、静脈血栓塞栓症(VTE)や心房細動(AF)の治療に広く使用されており、その利便性や安全性から臨床現場での使用が急速に拡大しています。しかしながら、消化管出血(GI bleeding)という重篤な出血イベント‥
心房細動を背景に脳梗塞を発症した患者では、脳卒中再発の予防として抗凝固療法の導入が必須です。しかし、脳出血リスクを踏まえた際、抗凝固薬であるDOAC(直接経口抗凝固薬)の開始タイミングは依然として議論の余地があります。特に、慢性腎臓病(C‥
高齢化が進む現代社会において、ポリファーマシー(多剤併用)や潜在的に不適切な薬物(PIMs)の問題はますます深刻になっています。薬剤が多ければ多いほど、有害事象のリスクは高まり、患者のQOLやアドヒアランスにも悪影響を及ぼすことが知られて…
心房細動(AF)や心房粗動(AFL)は、心血管・腎疾患や代謝異常(いわゆるCKMスペクトラム)における重篤な合併症のひとつです。こうした不整脈の発症は、心不全や腎機能悪化の予兆となりうるため、予防的介入が重要視されています。今回ご紹介する…
成人においては、β遮断薬(βブロッカー)が心不全の治療に有効であることが確立しています。中でもカルベジロール(商品名:アーチスト®)は、症状の改善や生命予後の延長に寄与する薬剤として知られています。しかし、小児や思春期の患者における有効性…
新生児の細菌性敗血症は、早期の診断と適切な抗菌薬治療が生存率に直結する疾患です。しかし、「何日間抗菌薬を投与すべきか」については、明確なエビデンスに乏しいのが実情でした。今回ご紹介する研究は、血液培養で細菌陽性となった新生児敗血症に対し、…
仕事のための通勤——多くの人が毎日繰り返すこの行為が、実は健康に悪影響を及ぼしている可能性があるとしたらどうでしょうか?都市化が進む現代、経済活動を支える日常的な移動は避けがたいものです。この日常的な移動の影響について、充分に検証されてい…
β遮断薬は、成人のうっ血性心不全(CHF)治療の柱とされており、死亡率低下や入院率減少などの有効性が確立しています。しかし、小児における心不全は、原因や病態、生理的特性が異なるため、成人のエビデンスをそのまま適用することはできません。そこ…
心房細動(AF)は虚血性脳卒中の主な原因とされており、抗凝固薬(OAC)による予防が推奨されています。しかし、近年の研究や臨床現場からは「抗凝固薬を服用していても再発する」というケースが一定数報告されています。そこで今回は、AFに起因する…
持続性高血圧には、朝晩の日内変動や飲み忘れによる達成度の低下が課題です。Zilebesiran(ジルべシラン、ジレべシラン)は、肝臓のアンジオテンシノーゲン産生を標的とするRNA干渉(RNAi)薬剤であり、半減期が長く、3~6か月に1回の…
心房細動は2型糖尿病患者で発症しやすいことが報告されています。また、2型糖尿病は認知症を発症しやすいことも報告されています。しかし、2型糖尿病患者における心房細動の新規発症と、認知症の発症リスクとの関連性については充分に検証されていません…
米国の成人の3人に1人がマルチビタミン(MV)を使用しており、その主な動機は疾病予防であることが報告されています。しかし、MVがヒトの予後に及ぼす影響については充分に検証されていません。2022年に米国の予防サービス専門委員会は、ランダム…
心血管アウトカム試験の結果から、フェノフィブラート療法が糖尿病網膜症の進行を抑制する可能性が示唆されています。しかし、実臨床における検証は充分に行われていません。そこで今回は、糖尿病網膜症の進行に対するフェノフィブラートの効果を検証したラ…
血漿中のエイコサペンタエン酸(EPA, イコサペント酸エチル)濃度が低いことは心血管イベントと関連していますが、イコサペント酸エチルの補充により心血管イベントのリスクが低減するか否かについて充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈疾…
時間依存性的な抗菌薬であるβ-ラクタム系抗生物質は、最小発育阻止濃度(MIC)以上の血中濃度を維持できている時間が長ければ長いほど効果を発揮することが報告されています。したがって、持続投与が求められますが、β-ラクタム系抗生物質はMIC未…
コルヒチンによる抗炎症療法は、冠動脈疾患の血管再発を予防することが示されました。冠動脈疾患の典型的な原因が動脈硬化であるのとは異なり、虚血性脳卒中は動脈硬化や小血管疾患など多様な機序によって引き起こされるか、原因不明であることが多いことが…
冠動脈バイパス術後の臨床転帰に対するさまざまな抗血小板戦略について、いずれかの効果が優れているのかについては充分に評価されていません。そこで今回は、冠動脈バイパス術後の異なる抗血小板療法戦略(DACAB)試験を対象に、5年間の追跡調査の結…
便失禁の主原因として、経膣分娩に伴う肛門括約筋裂傷が重要視されています。1993年の報告では、産後6週間時点での便失禁は、初産婦の場合10%、経産婦の場合23%であることが明らかとなっています。肛門括約筋裂傷がある場合、分娩直後から肛門失…
現在または過去に妊娠糖尿病(GDM)を発症した女性において、産後に高血糖や2型糖尿病(T2DM)を予防または遅延させるための介入の有効性をよりよく理解するために、利用可能なエビデンスを統合することが求められています。そこで今回は、GDM後…
急性心筋梗塞後には心血管イベントの再発しやすさが報告されており、高比重リポ蛋白の主要蛋白であるアポリポ蛋白A1を介するコレステロール排出能の低下は、心血管イベントのリスク上昇と関連していることも報告されています。CSL112は血漿由来のヒ…
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害薬は2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病患者の転帰を改善しますが、臓器不全を有する重症患者の転帰に対する効果は不明です。そこで今回は、SGLT-2阻害薬であるダパグリフロジンを標準的な集中治療…
DOAC使用は認知症の発症リスクの低減と関連しているのか? 認知症の危険因子である心房細動(AF)の発生率および有病率は長期的に増加しています。経口抗凝固療法は、心房細動による脳卒中やその他の悪い転帰のリスクを減少させ、認知症の健康格差を縮
SARS-CoV-2ワクチン接種をためらう理由としては、副反応への懸念が一般的です。ワクチン接種後に発現する副反応は、免疫反応の一部として理解されており、中和抗体反応との関連性が示唆されています。発熱、疲労、筋肉痛、関節痛などの全身反応は…
観察的抗血栓療法の比較評価を行ったSTOP-CAD(Stroke Prevention in Cervical Artery Dissection:頸部動脈解離における脳卒中予防)試験では、世界16ヵ国63施設から得られたデータ(n=3,…
手袋着用時の手指衛生のゴールドスタンダードでは、手袋を外して手指衛生を行い、新しい手袋を着用する必要があるとされています(WHO:Five moments for hand hygiene)。アルコールをベースとした手指消毒剤(ABHR)…
ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)は心不全および腎臓関連の転帰を一貫して改善しますが、さまざまな患者集団における主要有害心血管イベント(MACE)に対する効果はあまり明らかとなっていません。そこで今回は、3つの患者集…
アンギオポエチン様3(ANGPTL3)は、リポ蛋白および内皮リパーゼを阻害し、トリグリセリドに富むリポ蛋白残渣の肝への取り込みを阻害します。ANGPTL3欠損機能保有者は、非保有者に比べて、トリグリセリド、低比重リポ蛋白(LDL)コレステ…
アテローム性動脈硬化症による急性軽症虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者における二次的脳卒中予防および神経保護に対する即時集中スタチン療法と遅延集中スタチン療法の比較は限られています。脳梗塞急性期のスタチン投与は、インターロイ…
高齢者の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)後の二重抗血小板療法(dual antiplatelet therapy, DAPT)の至適期間は不明です。そこで今回…
メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…