心筋梗塞(MI)後の患者ケアでは、心機能や再梗塞予防に注目が集まりますが、「便秘」の存在が予後に影響する可能性があることをご存知でしょうか?今回ご紹介するのは、心筋梗塞後の患者における便秘と心不全による再入院の関連性を後ろ向きに検討し、退…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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急性薬物過剰使用の有無にかかわらず慢性片頭痛におけるアトゲパントは有効?(DB-RCT; PROGRESS試験; Neurology. 2024)
急性の薬物過剰使用は、しばしば慢性片頭痛と関連し、痛みの強さ、障害の大きさ、24時間鎮痛アウトカムの悪化と関連していることが報告されています。また、エピソード性片頭痛(episodic migraine, EM)から慢性片頭痛(chron…
高尿酸血症と心血管疾患リスクとの関連性はどのくらい?(前向き研究; Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases 2024)
危険因子の修飾は心血管疾患(CVD)のリスクを低下させる可能性があります。しかし、高尿酸血症がCVDに及ぼす影響を危険因子の修飾によって軽減できるかどうかは不明です。そこで今回は、高尿酸血症を有する人のCVDリスクを、高尿酸血症を有さない…
フレイル(虚弱)は30日死亡率と関連する?(観察研究; Emerg Med J. 2024)
フレイル(虚弱)と死亡リスクとの関連性は? 虚弱を有する高齢患者は有害事象のリスクが高いことが報告されています。 Clinical Frailty Scale(CFS)は9段階の虚弱度評価尺度であり、有害転帰のリスクが高い虚弱な救急外来(E
経口抗生物質と重篤な皮膚有害反応リスクとの関連性は?(コホート内症例対照研究; JAMA. 2024)
重篤な皮膚薬物有害反応(cutaneous adverse drug reactions, cADR)は、皮膚や内臓を巻き込んだ生命を脅かす可能性のある薬物過敏反応です。抗生物質はこれらの反応の原因として認識されていますが、抗生物質のクラ…
内視鏡的止血成功後の高リスク消化性潰瘍再出血予防におけるPPI静脈内投与 vs. ボノプラザン(RCT; Gastroenterology. 2024)
高リスク消化性潰瘍(PU)の止血後の再出血を予防するために、高用量のプロトンポンプ阻害薬(PPI)療法が推奨されています。ボノプラザンは様々な酸関連疾患においてPPIに劣らないことが証明されていますが、高リスクPU患者における再出血予防に…
2型糖尿病の血糖コントロール、体重、脂質プロファイルに対するGLP-1受容体作動薬の比較有効性(SR&NWM; BMJ. 2024)
GLP-1受容体作動薬の中で優れているものはどれか? 成人2型糖尿病患者において、血糖コントロール、体重、脂質プロファイルに対するグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)の有効性と安全性については、充分に比較検討されていません
コロナ後遺症(long-COVID)発症後に対するワクチン接種の有効性は?(前向きコホート研究; Int J Infect Dis. 2023)
ワクチン接種はCOVID-19の重篤な症状を予防することが多くの研究結果から示されています。COVID-19罹患後状態(PCC)またはlong-COVIDの患者については、COVID-19ワクチン接種が症状の進展、免疫応答、ウイルスの持続…
孤立性下肢表在静脈血栓症の治療に対する抗凝固薬の効果どのくらい?(RCTのベイジアンネットワークメタ解析; Thromb Res. 2024)
孤立性表在静脈血栓症(isolated superficial vein thrombosis、iSVT)は、体内の他の血管や深部静脈に影響を及ぼさない、限局した表在静脈に発生する血栓症を指します。通常、表在静脈血栓症は、深部静脈血栓症(…
スタチン系薬剤は中止したほうが良い?それとも継続した方が良い?(系統的レビュー; J Am Geriatr Soc. 2024)
臨床医と患者はしばしばスタチンを継続するか中止するか決断する場面に直面します。しかし、将来のリスクを的確に評価することは困難です。そこで今回は、スタチンの中止が臨床転帰(全死亡、心血管[CV]死亡、CVイベント、QOL)に及ぼす影響を継続…
高齢者の転倒と傷害を予防するための中枢神経系作用薬の減量は有効ですか?(クラスターRCT; JAMA Netw Open. 2024)
有害な健康転帰の一因となる高リスクの薬剤が高齢者に処方されることは多いことが報告されています。非処方介入はこれらの薬剤の使用を減少させますが、研究はしばしば患者に関連する健康転帰に対する効果を検討するようにはデザインされていません。そこで…
血液透析患者におけるプロトンポンプ阻害薬と赤血球造血刺激因子製剤の低反応性との関連性は?(J-DOPPS横断研究; Am J Nephrol. 2024)
ESA低反応性に関連する因子の一つにPPI使用? 赤血球造血刺激因子(ESA)に対する反応性低下は透析患者における重要な問題です。ESAの使用用量が増加すると、高血圧症や血栓塞栓症、赤芽球癆の発生リスク増加が懸念されます。 プロトンポンプ阻
SARS-CoV-2感染後の糖尿病発症率とCOVID-19ワクチン接種の意義は?(後向きコホート研究; Lancet Diabetes Endocrinol. 2024)
COVID-19後の2型糖尿病の発症リスクはワクチン接種でリスク低減できるのか? COVID-19の診断後に2型糖尿病の発症率が増加することを示した研究もありますが、決定的な証拠ではありません。また、この関連に対するCOVID-19ワクチン
成人気管支拡張症に対する吸入抗生物質の有効性と安全性(メタ解析; Chest. 2024)
気管支拡張症患者の治療において、吸入抗生物質は国際的な気管支拡張症ガイドラインで条件付きで推奨されていますが、個々の研究の結果は一貫していません。以前のメタ解析では、気管支拡張症における吸入抗生物質の有効性と安全性に関して有望な結果が示さ…
中等度から重度のアトピー性皮膚炎を有する青年および成人患者を対象としたネモリズマブと外用併用療法の効果はどのくらい?(DB-RCT; ARCADIA試験; Lancet. 2024)
インターロイキン(IL)-31受容体サブユニットα拮抗薬であるネモリズマブは、アトピー性皮膚炎におけるIL-31経路を阻害することでかゆみと皮膚炎症を鎮めます。今回ご紹介するのは、アトピー性皮膚炎におけるネモリズマブの有効性と安全性を評価…
肥満関連駆出率維持心不全におけるセマグルチドと利尿薬の使用が患者転帰に及ぼす影響は?(2試験の併合解析; Eur Heart J. 2024)
セマグルチド使用において、利尿薬の使用量で患者転帰は変化するのか? STEP-HFpEF試験プログラムにおいて、肥満に関連する駆出率維持心不全(HFpEF)患者でセマグルチドによる治療が複数の有益な効果をもたらしました。一方、この有効性はベ
いびきと認知症リスクとの関連性はどのくらい?(前向きコホートおよびメンデルランダム化研究; Sleep. 2024)
いびきは年齢や体格指数(BMI)とともに増加し、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)や心代謝性疾患と関連することが多いことが知られています。しかし、いびきと認知症との関連性に関する研究エビデンスは乏しく、議論の余地があります。メンデルランダ…
2型糖尿病患者におけるセマグルチドとタバコ使用障害との関連性はどのくらい?(標的試験エミュレーション研究; Ann Intern Med. 2024)
グルカゴン様ペプチド受容体作動薬(GLP-1RA)の2型糖尿病(T2DM)および肥満治療薬であるセマグルチド(semaglutide)を投与された患者において、喫煙欲求が減少したという報告があり、タバコ使用障害(tobacco use d…
カフェインとアデノシンを含むシャンプーの抗脱毛効果はどのくらい?(介入研究; J Cosmet Dermatol. 2024)
抜け毛は、多くの人に影響を及ぼす広範な健康問題であり、加齢、睡眠不足、ストレス、内分泌系の問題などと関連しています。カフェインは、特に摂取後に様々な薬理作用を発揮します。カフェインによるホスホジエステラーゼの阻害は、細胞内のcAMP濃度を…
ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬使用者と非使用者の腎予後の比較(日本のデータベース研究; Diabetes Obes Metab. 2024)
ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬(DPP-4is)は、日本では2型糖尿病患者の第一選択薬として広く処方されており、その使用率はアジア人の高い血糖降下作用により60%を超えています(PMID: 34309213)。しかし、DPP-4isに…
変形性膝関節症に対するメトトレキサート経口投与による疼痛軽減効果は?(RCT; Ann Intern Med. 2024)
変形性関節症(OA)の治療法は限られています。これまでの小規模な研究から、抗リウマチ薬であるメトトレキサートがOA疼痛の治療薬となりうる可能性が示唆されていますが、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、膝関節OA(KOA)…
蕁麻疹治療における抗ヒスタミン薬へのロイコトリエン受容体拮抗薬の追加は有効ですか?(RCTのメタ解析; J Allergy Clin Immunol. 2024)
蕁麻疹(じんましん、かゆみ、血管浮腫)の治療において、H1抗ヒスタミン薬(AH)に抗ロイコトリエン薬を追加することの有益性と有害性は、依然として不明です。そこで今回は、急性および慢性の蕁麻疹に対する抗ロイコトリエン薬とAHの併用療法とAH…
血液分布異常性ショック治療におけるアンギオテンシンIIの有効性は?(SR&MA; Shock. 2024)
ノルエピネフリン不応性ショックのレスキュー療法として非ノルエピネフリン系昇圧薬が使用されるようになってきているが、その有効性に関するデータは限られています。そこで今回は、血液分布異常性ショック(distributive shock)におけ…
軽症慢性高血圧の妊婦におけるニフェジピンとラベタロールの安全性比較(RCTの事後解析; CHAP試験; Obstet Gynecol. 2024)
妊婦そして新生児において、降圧薬による安全性評価のデータは限られています。そこで今回は、ランダム化比較試験CHAP(Chronic Hypertension in Pregnancy)試験参加者において、使用した降圧薬の種類別に母体および…
ポリファーマシーが心不全患者の3年死亡率に及ぼす影響は?(単施設の後向き研究; J Pharm Health Care Sci. 2024)
ガイドラインに沿った薬物療法(GDMT)は心不全管理において重要ですが、ポリファーマシー自体が心不全に影響を与える可能性があります。ポリファーマシーに対する対策は必要ですが、一方的な薬剤漸減(漸減すべき薬剤を含む)に関する現在の議論は不充…
2型糖尿病における週1回投与イコデックと1日投与インスリンアナログ製剤との比較(メタ解析; ONWARDS試験; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)患者の多くは、長期にわたってインスリンを必要とします。基礎インスリン治療を開始し、適切に漸増すれば血糖値を下げるのに有効ですが、基礎インスリン治療には低血糖に陥るリスクが内在しています。そのため、インスリンによる糖尿病…
小児呼吸器感染症の発症におけるSRウイルスと肺炎球菌の相互作用とは?(系統的レビュー; Lancet Respir Med. 2024)
下気道感染症は、一般的に呼吸器合胞体ウイルス(RSV)または肺炎球菌(肺炎球菌)によって引き起こされ、特に5歳未満の小児において、世界的に大きな健康上の負担となっています。したがってRSVと肺炎球菌の関係をより深く理解することは、疾患の予…
公共空間における手術用フェイスマスク着用の効果はどのくらい?(実用的ランダム化優越性試験; BMJ 2024)
観察研究のシステマティックレビューでは、フェイスマスクの着用と呼吸器感染症のリスク低下との関連が報告されていまます(PMID: 32497510、PMID: 37186920)。しかし、最近のコクランレビューの著者は、10件のランダム化試…
ベンゾジアゼピン使用と長期認知症リスクおよび神経変性マーカーとの関連性はどのくらい?(集団ベース研究; BMC Med. 2024)
ベンゾジアゼピンの使用は、特に高齢者において一般的です。ベンゾジアゼピン系薬剤は認知機能に対する急性期の有害作用は確立されており適切なモニタリングや代替薬への変更等の対処法がありますが、神経変性や認知症リスクに対する長期的な影響は依然とし…
中等症から重症の慢性手湿疹に対するデルゴシチニブクリームの効果はどのくらい?(DB-RCT; DELTA 1/DELTA 2; Lancet. 2024)
デルゴシチニブは慢性手湿疹にも有効なのか? 慢性手湿疹は、変動性、炎症性、そう痒性、しばしば痛みを伴う手や手首の疾患であり、患者のQOLや職業能力に強く影響します。 慢性手湿疹に対して、汎ヤヌスキナーゼ阻害剤(pan-JAK kinase
ハーフタイム中の手と前腕の冷水浸漬は、暑熱下での間欠的運動パフォーマンスを改善する(クロスオーバ試験; Front Physiol. 2023)
温暖な環境と比較して、高温環境では体幹温度(Tc )と平均皮膚温度(Tsk)の上昇が速く、その結果、心血管系、代謝系、および熱知覚負荷が増加し、持久力と断続的な運動パフォーマンスが低下することが知られています。また、前腕を10~15分間水…
高齢老人ホーム入居者におけるCYP2D6代謝オピオイドと抗うつ薬の併用に関連する臨床結果と有害転帰(標的試験エミュレーション研究; Ann Intern Med. 2024)
高齢のナーシングホーム(NH)入居者における、チトクロームP450(CYP)2D6(CYP2D6)代謝オピオイドと抗うつ薬との薬物動態学的相互作用の安全性に関するエビデンスは限られています。そこで今回は、CYP2D6代謝オピオイドと抗うつ…
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心筋梗塞(MI)後の患者ケアでは、心機能や再梗塞予防に注目が集まりますが、「便秘」の存在が予後に影響する可能性があることをご存知でしょうか?今回ご紹介するのは、心筋梗塞後の患者における便秘と心不全による再入院の関連性を後ろ向きに検討し、退…
これまで高コレステロール血症の治療といえば「スタチン」が中心でした。しかし、近年注目されているのが、Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9(PCSK9)を標的としたRNA干渉療法「インク…
ベンゾジアゼピン系薬(BZ系)や類似の睡眠薬(Z薬など)は、不眠症の治療薬として長年使用されてきました。しかし、依存や転倒リスク、認知機能低下といった副作用から、長期使用のリスクが懸念されています。そこで今回は、BZ系・関連睡眠薬(BSH…
2型糖尿病を抱える方の多くが、同時に高血圧を発症しています。これは心筋梗塞や脳卒中といった重大な心血管イベントのリスクを大きく高めるため、血圧管理が極めて重要です。しかし、体重減少を伴わない純粋な食事介入のみでの血圧改善効果については、こ…
◆ はじめに肺炎は入院治療が必要となる代表的な感染症であり、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者においては重篤化することも少なくありません。その治療の中心に位置するのが、第3世代セフェム系抗菌薬「セフトリアキソン(Ceftriaxone)」です。...
喘息治療の根幹は「吸入薬の継続的な使用」です。しかし、日常診療では服薬アドヒアランス(服薬遵守)の低さが問題視されています。そこで近年注目されているのが「デジタル吸入器(スマートインヘラー)」です。今回ご紹介するのは、デジタル吸入器の1年…
近年、SNS・スマートフォン・ビデオゲームの利用が低年齢層にまで広がる中、その「依存的な使い方」が子どものメンタルヘルスや自殺リスクに与える影響が注目されています。これまでの研究では「総画面時間」の影響に焦点が当てられていましたが、実際に…
変形性膝関節症(knee osteoarthritis:OA)は、中高年に多く見られる関節疾患で、慢性的な痛みや運動制限の原因となります。近年では、関節液貯留や滑膜炎(effusion-synovitis)を伴う炎症性OAの存在が注目され…
関節リウマチ(RA)は関節の炎症や破壊を引き起こす疾患として知られていますが、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中といった心血管疾患(CVD)のリスクが高まることも近年注目されています。しかし、アジア人集団での具体的なリスクや、薬物治療がCVDに与…
直接経口抗凝固薬(DOAC)は、静脈血栓塞栓症(VTE)や心房細動(AF)の治療に広く使用されており、その利便性や安全性から臨床現場での使用が急速に拡大しています。しかしながら、消化管出血(GI bleeding)という重篤な出血イベント‥
心房細動を背景に脳梗塞を発症した患者では、脳卒中再発の予防として抗凝固療法の導入が必須です。しかし、脳出血リスクを踏まえた際、抗凝固薬であるDOAC(直接経口抗凝固薬)の開始タイミングは依然として議論の余地があります。特に、慢性腎臓病(C‥
高齢化が進む現代社会において、ポリファーマシー(多剤併用)や潜在的に不適切な薬物(PIMs)の問題はますます深刻になっています。薬剤が多ければ多いほど、有害事象のリスクは高まり、患者のQOLやアドヒアランスにも悪影響を及ぼすことが知られて…
心房細動(AF)や心房粗動(AFL)は、心血管・腎疾患や代謝異常(いわゆるCKMスペクトラム)における重篤な合併症のひとつです。こうした不整脈の発症は、心不全や腎機能悪化の予兆となりうるため、予防的介入が重要視されています。今回ご紹介する…
成人においては、β遮断薬(βブロッカー)が心不全の治療に有効であることが確立しています。中でもカルベジロール(商品名:アーチスト®)は、症状の改善や生命予後の延長に寄与する薬剤として知られています。しかし、小児や思春期の患者における有効性…
新生児の細菌性敗血症は、早期の診断と適切な抗菌薬治療が生存率に直結する疾患です。しかし、「何日間抗菌薬を投与すべきか」については、明確なエビデンスに乏しいのが実情でした。今回ご紹介する研究は、血液培養で細菌陽性となった新生児敗血症に対し、…
仕事のための通勤——多くの人が毎日繰り返すこの行為が、実は健康に悪影響を及ぼしている可能性があるとしたらどうでしょうか?都市化が進む現代、経済活動を支える日常的な移動は避けがたいものです。この日常的な移動の影響について、充分に検証されてい…
β遮断薬は、成人のうっ血性心不全(CHF)治療の柱とされており、死亡率低下や入院率減少などの有効性が確立しています。しかし、小児における心不全は、原因や病態、生理的特性が異なるため、成人のエビデンスをそのまま適用することはできません。そこ…
心房細動(AF)は虚血性脳卒中の主な原因とされており、抗凝固薬(OAC)による予防が推奨されています。しかし、近年の研究や臨床現場からは「抗凝固薬を服用していても再発する」というケースが一定数報告されています。そこで今回は、AFに起因する…
持続性高血圧には、朝晩の日内変動や飲み忘れによる達成度の低下が課題です。Zilebesiran(ジルべシラン、ジレべシラン)は、肝臓のアンジオテンシノーゲン産生を標的とするRNA干渉(RNAi)薬剤であり、半減期が長く、3~6か月に1回の…
心房細動は2型糖尿病患者で発症しやすいことが報告されています。また、2型糖尿病は認知症を発症しやすいことも報告されています。しかし、2型糖尿病患者における心房細動の新規発症と、認知症の発症リスクとの関連性については充分に検証されていません…
米国の成人の3人に1人がマルチビタミン(MV)を使用しており、その主な動機は疾病予防であることが報告されています。しかし、MVがヒトの予後に及ぼす影響については充分に検証されていません。2022年に米国の予防サービス専門委員会は、ランダム…
心血管アウトカム試験の結果から、フェノフィブラート療法が糖尿病網膜症の進行を抑制する可能性が示唆されています。しかし、実臨床における検証は充分に行われていません。そこで今回は、糖尿病網膜症の進行に対するフェノフィブラートの効果を検証したラ…
血漿中のエイコサペンタエン酸(EPA, イコサペント酸エチル)濃度が低いことは心血管イベントと関連していますが、イコサペント酸エチルの補充により心血管イベントのリスクが低減するか否かについて充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈疾…
時間依存性的な抗菌薬であるβ-ラクタム系抗生物質は、最小発育阻止濃度(MIC)以上の血中濃度を維持できている時間が長ければ長いほど効果を発揮することが報告されています。したがって、持続投与が求められますが、β-ラクタム系抗生物質はMIC未…
コルヒチンによる抗炎症療法は、冠動脈疾患の血管再発を予防することが示されました。冠動脈疾患の典型的な原因が動脈硬化であるのとは異なり、虚血性脳卒中は動脈硬化や小血管疾患など多様な機序によって引き起こされるか、原因不明であることが多いことが…
冠動脈バイパス術後の臨床転帰に対するさまざまな抗血小板戦略について、いずれかの効果が優れているのかについては充分に評価されていません。そこで今回は、冠動脈バイパス術後の異なる抗血小板療法戦略(DACAB)試験を対象に、5年間の追跡調査の結…
便失禁の主原因として、経膣分娩に伴う肛門括約筋裂傷が重要視されています。1993年の報告では、産後6週間時点での便失禁は、初産婦の場合10%、経産婦の場合23%であることが明らかとなっています。肛門括約筋裂傷がある場合、分娩直後から肛門失…
現在または過去に妊娠糖尿病(GDM)を発症した女性において、産後に高血糖や2型糖尿病(T2DM)を予防または遅延させるための介入の有効性をよりよく理解するために、利用可能なエビデンスを統合することが求められています。そこで今回は、GDM後…
急性心筋梗塞後には心血管イベントの再発しやすさが報告されており、高比重リポ蛋白の主要蛋白であるアポリポ蛋白A1を介するコレステロール排出能の低下は、心血管イベントのリスク上昇と関連していることも報告されています。CSL112は血漿由来のヒ…
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害薬は2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病患者の転帰を改善しますが、臓器不全を有する重症患者の転帰に対する効果は不明です。そこで今回は、SGLT-2阻害薬であるダパグリフロジンを標準的な集中治療…
DOAC使用は認知症の発症リスクの低減と関連しているのか? 認知症の危険因子である心房細動(AF)の発生率および有病率は長期的に増加しています。経口抗凝固療法は、心房細動による脳卒中やその他の悪い転帰のリスクを減少させ、認知症の健康格差を縮
SARS-CoV-2ワクチン接種をためらう理由としては、副反応への懸念が一般的です。ワクチン接種後に発現する副反応は、免疫反応の一部として理解されており、中和抗体反応との関連性が示唆されています。発熱、疲労、筋肉痛、関節痛などの全身反応は…
観察的抗血栓療法の比較評価を行ったSTOP-CAD(Stroke Prevention in Cervical Artery Dissection:頸部動脈解離における脳卒中予防)試験では、世界16ヵ国63施設から得られたデータ(n=3,…
手袋着用時の手指衛生のゴールドスタンダードでは、手袋を外して手指衛生を行い、新しい手袋を着用する必要があるとされています(WHO:Five moments for hand hygiene)。アルコールをベースとした手指消毒剤(ABHR)…
ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)は心不全および腎臓関連の転帰を一貫して改善しますが、さまざまな患者集団における主要有害心血管イベント(MACE)に対する効果はあまり明らかとなっていません。そこで今回は、3つの患者集…
アンギオポエチン様3(ANGPTL3)は、リポ蛋白および内皮リパーゼを阻害し、トリグリセリドに富むリポ蛋白残渣の肝への取り込みを阻害します。ANGPTL3欠損機能保有者は、非保有者に比べて、トリグリセリド、低比重リポ蛋白(LDL)コレステ…
アテローム性動脈硬化症による急性軽症虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者における二次的脳卒中予防および神経保護に対する即時集中スタチン療法と遅延集中スタチン療法の比較は限られています。脳梗塞急性期のスタチン投与は、インターロイ…
高齢者の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)後の二重抗血小板療法(dual antiplatelet therapy, DAPT)の至適期間は不明です。そこで今回…
メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…