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  • 赤黒い左手

    これには正夫は驚いた。手術前には予期しなかった出来事である。左手はまるで棒のようである。曲がらないのである。移植した左手は突っ張って左手として使えないのである。火傷でしゃくちゃになった皮膚はなくなったが、移植した皮膚は赤黒くなっている。 皮膚の色が違うのである。これでは目立ちすぎてどうしょうもない。この赤黒くなった皮膚を見て人は驚くだろう。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.…

  • 硬直した左手

    8月23日 午前10時、若い医師が、と言っても年齢は40歳ぐらいの先生が診察に来た。先生の発するエネルギ―が青年のように若々しく純なものであり 力を感じたからである。 先生は正夫の左手を取って曲げようとするのだが曲がらないのである。移植した左手は突っ張ったままである。 「曲げなきゃだめだよ」と先生は言うけれど、左手は硬直したままである。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.com/novel…

  • 暗い日記

    8月21日 昨日からお尻がかゆくて痛くて眠られず、一日中、お尻を引っかいたり、叩いたりした。お尻につけている紙おむつが外れて 正夫の指に付着する。おしりが痒くてたまらないので薬局で薬をもらってくる。軟膏を塗っても痒みは取れない。 指の爪で皮膚を傷つけるのでお尻は血だらけである。痒いのみならず痛いので始末が悪い。その日の正夫の気分は最悪である。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmu…

  • 奇妙な青年

    屋上の出入り口まで青年は来ると、ドアを開け屋上から消えた。奇妙な青年の横歩きが消えると、正夫の視覚にその青年の悲しみと苦悩が強烈な残像として残った。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html">

  • 奇妙な青年

    すれ違う刹那、青年は必死でその左手を隠そうとする。その動作がぎこちないので、却って見ている者の視線はその左手にゆく。 青年はサービス精神でその奇怪な左手を隠そうとしているのだが、そのサービス精神は他人には理解できない。 その奇妙な歩き方ゆえに他人に嫌悪と怒りを呼ぶのである。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html">

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誰も読まなかった幻の小説、「片端者」
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