chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 吉村昭「闇にひらめく」

    ★昨日は土用の丑で、スーパーには多くの鰻惣菜が並んでいた。よくここまで薄く切れるものだと感心させられる蒲焼をトッピングした鰻めし。鰻の海苔巻き等。★廉価なものはそれなりの理由があるのだろうが、縁起物と思い鰻巻きを1つ買った。(午後2時を過ぎてまだ大量の商品が残っていた。他人事ながら多くの売れ残りができてしまうのではと心配になった)★近くの川魚専門店では、物価高にもかかわらず商売繁盛。年に1度の贅沢を楽しむ人々は多そうだ。★さて、「うなぎ」つながりで、吉村昭さんの短篇集「海馬」(新潮文庫)から「闇にひらめく」を読んだ。今村昌平監督の映画「うなぎ」の原作だという。★小説では、かつて妻の不倫を許せず、妻とその愛人にけがをさせて、服役をした男が主人公。出所後、ウナギ漁を修行し、その後捕獲したウナギを自ら料理する店...吉村昭「闇にひらめく」

  • 山本一力「あかね空」

    ★ゆったりとした2日間はあっという間に終わった。明日からはまた慌ただしい日々が待っている。★映画「人間の証明」と「夜の大捜査線」を観た。「人間の証明」は数十年前に観て以来。ストーリーも松田優作さんもいいなぁ。ニューヨーク・ロケもふんだんに盛り込み、制作者の息吹を感じた。★「夜の大捜査線」はアカデミー賞作品賞受賞作。1960年代、まだ根強く人種差別が残る南部に、たまたま立ち寄った北部の黒人刑事。偏見の眼にさらされながら、白人の警察署長と殺人事件を解決するというもの。面白かった。★山本一力さんの「あかね空」(文春文庫)を読み終えた。京で修業を積み、江戸に下った豆腐職人・永吉。深川の長屋に落ち着き、周りの人々に助けられながら店を構える。★最初、京風の柔らかい食感が下町の人々に受け入れなかったが、世話になった桶屋...山本一力「あかね空」

  • 横関大「再会」

    ★夏期講座5週間の内の第1週が終わった。中学校は夏季大会で小学生が中心だったが、この暑さのせいで、さすがにバテた。土日の2日間で回復しなければ。★高校野球も地域大会は大詰め。京都府大会は、京都翔英VS立命館宇治の宇治対決。9回の興亡までどっちに転ぶかわからない熱戦の末、立命館宇治が勝った。塾生のお父さんが立命館宇治の関係者だということで、これから忙しくなりそうだとのこと。選手はもちろんのこと、彼らを応援する家族、教職員、在校生も大変だ。★さて、横関大さんの「再会」(講談社文庫)を読み終えた。ことの発端は小学生の万引き事件。それを発見したのが素行の良くないスーパーの店長ということで、万引きをネタに強請りを始める。★子どもの将来を考えた母親は一旦は店長の要求に応じたのだが、悪い人間がつかんだ獲物をそう簡単に逃...横関大「再会」

  • 映画「野性の証明」

    ★夏期講座4日目。朝7時起きの生活にも慣れてきた。★さて、映画「野性の証明」を久々に観た。自衛隊・特殊工作隊に属する自衛官が決死の訓練中に、一家惨殺の場面に遭遇し、少女の命を救うために犯人(錯乱した少女の父親)を殺害してしまう。これは訓練中に民間人との接触を固く禁じた規則の大きく違反するものであった。★まして、理由はどうあれ民間人の殺害ということで、自衛隊の幹部は隠蔽を画策する。民間人を殺害した自衛官は除隊し、その後も自衛隊の監視下に置かれていた。★男は生き残った娘を引き取り親子のような生活を送る。彼女は衝撃のために記憶を失っていた。そして平穏な生活を送れるかに見えたのだが・・・。★国民を守るはずの自衛隊が反体制の人間を暗殺する組織をもっているというショッキングな設定。政界、財界、それに警察組織までの癒着...映画「野性の証明」

  • 森村誠一「悪魔の飽食」

    ★日曜劇場「VIVANT」の第2話を観た。制作費のわりに視聴率が稼げていないとの見方もあるが、低予算の内向きのドラマが多い中では異色の力作だと思う。★第2話で、早くも「VIVANT」の謎が一応明かされる。日本に存在する極秘の集団、他国やテロ組織から国を守っている「別班」と呼ばれる精鋭集団が存在するという。★昔の忍者集団のような感じだが、そう言えば映画「野性の証明」には、自衛隊に極秘に設置されているという「特殊工作隊」が登場している。★この映画は、高倉健さんと薬師丸ひろ子さんが印象的だった。「人間の証明」と合わせて、角川映画が元気な時代だったなぁ。両作品の原作は先日お亡くなりになった森村誠一さん。★森村作品で忘れられないのが、日本陸軍第731部隊を取り上げた「悪魔の飽食」だ。昭和56年発行で、手元には昭和5...森村誠一「悪魔の飽食」

  • 前川裕「クリーピー」

    ★日曜日。TBSの「日曜劇場」は「VIVANT」の第2話が放映される。第1話、砂漠のシーンから始まるドラマ。モンゴルでのロケにどれだけ費用が掛かっているのかと、それが気になった。制作サイドはかなりの気合が入っている様子。そもそも「VIVANT」という言葉の秘密は。★映画「レッド・ファミリー」(2013年)を再び観た。北朝鮮の工作員が偽装家族を装って韓国で主に脱北者の粛清を行うといったもの。シリアスなストーリーにコミカルな一面もあって面白かった。★偽装家族ということで、前川裕さんの「クリーピー」(光文社文庫)を読んだ。大学教授の身近で起こる不可解な事件。どうやら未解決の失踪家族、そして偽装家族が関わっているという話。★この小説は2016年、西島秀俊さん、竹内結子さん、香川照之さん出演で映画化されている。原作...前川裕「クリーピー」

  • 横溝正史「犬神家の一族」

    ★来週から夏期講座というのに、暑すぎて何もやる気が起こらない。グタッとしながら、映画「犬神家の一族」を観る。★横溝正史原作「犬神家の一族」は何度も映像化されている。中でも著名な市川崑監督の1976年版と同じく市川監督のセルフリメイク2006年版を比較しながら観た。★ほとんど同じ脚本らしく、大筋の設定、セリフは同じだった。役者は金田一耕助役の石坂浩二さん、神主役の大滝秀治さん、警察署長役の加藤武さんが同じだった。それぞれに重厚さを増したが、さすがに30年の歳月は感じた。★マドンナ役は、76年版は島田陽子さん、06年版は松嶋菜々子さん。どちらも美しい。コミカルな筋回しのホテル(旅館)の女中さん役、76年版は坂口良子さん、06年版は深田恭子さんだった。時代に合わせたキャスティングだと思った。★今さらながら、スト...横溝正史「犬神家の一族」

  • 宮部みゆき「理由」

    ★今期の芥川賞、直木賞が発表された。芥川賞を受賞された市川沙央さん、受賞インタビューの中で「どうして2023年にもなってこうした作品が芥川賞で初めてなのか、みんなに考えてもらいたい」という言葉が印象的だった。★芥川受賞作品を概観すると、昨今は時代性を反映している作品が受賞しているような気がする。★さて、これも直木賞受賞作。宮部みゆきさんの「理由」(新潮文庫)を読んだ。都心のタワーマンションの高層階で起こった一家惨殺事件。捜査が進むうちに、彼らが本当のマンション所有者ではなく、偽装家族であることがわかる。★なぜそんな不可解な出来事が起こったのか、そしてなぜ彼らは殺されたのか。多くの証言を通して真相が描かれていく。★本作は2004年、大林宣彦監督でドラマ化されている。映像化が難しい作品だけあって、証言を重ねる...宮部みゆき「理由」

  • 東野圭吾「さまよう刃」

    ★近隣の小中学校は明日が終業式。一足早く、明日から旅行に出かける生徒も。コロナ禍が一段落し、ハワイや沖縄など遠距離の旅行を計画している家族が目につくようになった。★塾の方は月曜から夏期講座。今年は卒塾生の助けも借りて、少々ゆとりをもって運営したい。★さて、東野圭吾さんの「さまよう刃」(角川文庫)を読んだ。ベストセラー作品だけあって、さすがに面白い。★女子中学生が不良少年たちに拉致され、性的暴行を加えられた上、薬物で死に追いやられ、遺体が無残に遺棄される。★虫唾が走るような事件。少年事案ということで逮捕されても極刑はない。想像以上に軽い刑が科される可能性もある。女子中学生の父親は自らの手で復讐に向かう。★終盤、刑事たちは自らの職について問う。「警察は市民を守っているわけじゃない。警察が守ろうとするのは法律の...東野圭吾「さまよう刃」

  • 三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

    ★梅雨末期の豪雨が各地を襲っているらしい。京都は祇園祭の宵々山に26万人の人出とか。そして宵山の今日は梅雨明けを思わせる快晴だ。暑すぎて酷暑の名にふさわしい。冷房の効いた部屋と暑い廊下の出入りが自律神経を乱しそうだ。★さて、夏期講座前の静けさか。のんびりとした週末を過ごしている。テレビで「名探偵ポワロ」を楽しむ。初期の作品(1989年放送開始)も良いが、最終シーズン(第13シーズン、2013年)では、ヘイスティング大尉、ジャップ警部(警視監)、ミス・レモンが再び顔を揃える。20余年の歳月を経たが、皆さん元気そうで良かった。★三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒」(文春文庫)を読んだ。表題の通り、まほろ駅前で便利屋を営む多田啓介という男。年末に犬の世話を頼まれる場面から物語は始まる。★1時間2000円。で...三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

  • 映画「カンフーハッスル」

    ★目の見えにくさを感じたので3年ぶりに朝から眼科へ。眼圧は高めだが、眼底検査やOCT検査の結果、特に異常はないとのこと。土曜日には肺炎球菌ワクチン接種と特定検診。★さて、今日は映画「カンフハッスル」(2005年)を観た。「少林サッカー」の周星馳監督作品。貧者が住む共同住宅を斧頭会というヤクザ組織が襲う。迎え撃つはカンフーの達人たち。一度は追い返したが、斧頭会は新たな刺客を送ってい来る。★ワイヤーアクションの連続。理屈抜き、マンガチックな映像が飽きさせない。これなら「ワンピース」の実写版ができるかも。★作家の馳星周さんのペンネームが周星馳から来ていることを初めて知った。★京都は祇園祭。今年は宵々山、宵山、山鉾巡行が3連休とあって賑わいそうだ。小中学校は20日が終業式。今年も夏が訪れる。映画「カンフーハッスル」

  • 筒井康隆「万延元年のラグビー」

    ★筒井康隆さんの「最後の喫煙者」(新潮文庫)から「万延元年のラグビー」を読んだ。★作品名はもちろん大江健三郎さんの作品を意識したものだろう。内容は全く異なるが。★事件は1860年、3月3日に起こった桜田門外の変である。討ち取られた大老・井伊直弼の首をめぐって、井伊家側とたまたま首を確保した若年寄家の間で、忍者を介した争奪戦が繰り広げ荒れる。★首をラグビーボールにたとえて、両者に分かれて争うところから、表題が来ている。サッカーの起源は頭蓋骨の蹴り合いだというから、ありえないことでもない。ただ蹴られ、転がり、奪い合われた頭部がどんなありさまだったかは、想像に難くない。★結局、無事に胴体に縫合されたというのだが。★同書からもう一作。「ヤマザキ」を読んだ。これも歴史のエピソードから着想されたもの。中盤までは史実に...筒井康隆「万延元年のラグビー」

  • 坂口安吾「ラムネ氏のこと」

    ★市役所から介護保険証、日本年金機構から年金の請求書類が届いた。いよいよ高齢者の仲間入りだ。(といっても今の時代、個人差はあるものの65歳と言えばまだまだ若い。昔の65歳は今では75歳ぐらいかも知れない)★さて、高校生が期末テストの現代文を勉強していた。坂口安吾の「ラムネ氏のこと」が範囲というので読んでみた。★小林秀雄、島木健作、三好達治と文学史に名を刻む面々が鮎を肴に「ラムネ」の話に及ぶ。三好が、ラムネの玉を発明したのはラムネ―氏だというから議論は紛糾。解決編は後日に譲ることとなった。★坂口安吾は「ラムネ」の話で読者を喚起し、その後、フグ料理、茸の話題へと進む。死(毒)を恐れず食にチャレンジした人たち、彼らはラムネ氏に通じるものがあるという。★最終章でいったん話題が転換し、切支丹が渡来した当時、「愛」と...坂口安吾「ラムネ氏のこと」

  • 「モース オックスフォード事件簿」

    ★本棚から懐かしい文庫を取り出した。川副国基著「現代評論」(学燈社文庫)だ。発行年は書いていないがそこそこ古い。私が大学受験のときに利用したものだ。★阿部次郎「三太郎の日記」、安倍能成「日本人として」、土井光知「文学序説」、小泉信三「読書のすすめ」、和辻哲郎「面とペルソナ」「風土」、三木清「哲学入門」「人生論ノート」「構想力の論理」、小林秀雄「様々なる意匠」「私小説論」「ドストエフスキイの生活」「無常といふ事」「私の人生観」「考えるヒント」、丸山真男「日本の思想」、加藤周一「雑種文化」、そのほか唐木順三、吉川幸次郎、桑原武夫、伊藤整、亀井勝一郎、中村光夫と錚々たる論客の名文が解説されている。★昨日はドラマ「モースオックスフォード事件簿」のシーズン5まで観終わった。オックスフォード市警に配属された新米刑事モ...「モースオックスフォード事件簿」

  • 島田荘司「写楽 閉じられた国の幻」(上)

    ★梅雨明け前だというのにこの猛暑。次の日曜日は英検の2次試験。天気も悪そうだし、受験生たちは大変だね。★さて、今日は島田荘司さんの「写楽閉じた国の幻」(上)(新潮文庫)を読み終えた。物語の形だが要は「写楽は誰か」という謎に迫る。★すい星のごとく現れ、個性的な作品を残し、わずか10か月で姿を消した東洲斎写楽。有力な版元が強気で出版を請け負っていることや浮世絵定番のスターを描いた作品とは一線を画していることから、名のある作家が別名義で制作したという説、ある能楽師が描いたという説など諸説あるものの、決め手に欠ける。★作品の主人公は平賀源内に目を向けるのだが、上巻では確信を得るまでには至らない。★小説というよりかは新書を読むような感覚で読めた。物語は下巻に続く。★果たして写楽の正体は。邪馬台国と並ぶ、日本史のミス...島田荘司「写楽閉じられた国の幻」(上)

  • 原尞「私が殺した少女」

    ★ほとんどの高校で期末テストが終わったが、いわゆる難関校は今が真っ盛り。期末テストが終われば即夏休みに入るが、そうした学校は形ばかりの終業式をして、引き続き補習授業が行われる。★昔、教員と言えば長期休暇があって、それが魅力の一つだったが(この間に研修を受けたり、教材研究をしたり、体を休めたり)、いつの頃からか、そんな働き方が批判され、随分と教員の働き方が窮屈になった気がする。昨今の教員不足の背景にはそんな一面があるのかも。★さて、原尞さんの「私が殺した少女」(早川書房)を読み終えた。西新宿の探偵事務所に仕事の依頼が入った。探偵・沢崎は依頼通りある住宅を訪れるが、どういうわけか、少女誘拐の身代金を運ぶことに。★ところが受け渡しの途中で見知らぬ男たちに襲われ、身代金を奪われてしまう。沢崎は警察にマークされなが...原尞「私が殺した少女」

  • 大葉の漬け

    ★京都は猛暑日。37℃の予報も。汗びっしょりで、生徒たちは塾に来てくれます。★スーパーの火曜市。大葉(青ジソ)が安売りだったので、たくさん買って麺つゆ漬けにしました。★大葉を洗って、よく水をふき取り、麺つゆ、みりん、ゴマ油、すりゴマ、そしてチューブのニンニクを混ぜ合わせたタレに漬けました。★冷蔵庫で1時間保存すると良い感じに。同じく安売りのみょうがの刻んだものを添えました。★試食すると想像以上のうまさ。食欲不振が一気に吹っ飛びました(笑)大葉の漬け

  • 「オトナブルー」

    ★昨日は炎天下の中、山城運動公園「太陽が丘」で恒例のロックフェスが行われた。2日間で4万人とコロナ前に戻ったか。★暑さのせいで読書のペースは遅れ気味。何もしたくないのでダラーとテレビにかじりつく。「ゴールデンカムイ」の放映が再開した。「モースオックスフォードの事件簿」は第3シーズン第3話まで観た。イギリスの作品はアメリカの作品のような派手さはないが、じわじわと真相に迫っていく。★新しい学校のリーダーズの「オトナブルー」の首振りダンスに魅せられた。この曲、どこか懐かしい。山本リンダさんの「どうにもとまらない」、和田アキ子さんの「古い日記」。ステージでのパフォーマンスは世良公則さんとツイストを思い起こした。曲が何度も頭の中を駆け巡る。★読書は、原尞さんの「私が殺した少女」(早川書房)があと100ページ。身代金...「オトナブルー」

  • 辺見庸「月」から

    ★問題作、辺見庸さんの「月」(角川文庫)を読んだ。★障がい者施設での大量殺傷事件。被害者、加害者それぞれの内面にこれでもかと迫る。★特に第35章「決行の夜」から第37章「エピローグ」が凄まじい。「これでもか、これでもか」と世の中の、そして一人ひとりの人間の欺瞞、偽善性を糾弾する。★加害者の身勝手な言い訳(あるいは偏った思想、信念)と思い込みたい。その方が心が安らぐ。しかし、あまりに心を深くえぐられるから、「でもね」と思い返してしまう。☆人間は見て見ぬふりをして、時には正義を声高に叫び、でも大勢が変われば何もなかったように知らん顔をする。そうやって生きていくものだ、と開き直って何とか平衡を保とうとする。☆政治家が嫌われ役なのは仕方ない。天下のNHKや朝日新聞など大マスメディアが「正義」を装うのは商売だから仕...辺見庸「月」から

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、じゅくせんのつぶやきさんをフォローしませんか?

ハンドル名
じゅくせんのつぶやきさん
ブログタイトル
じゅくせんのつぶやき
フォロー
じゅくせんのつぶやき

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用