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じゅくせんのつぶやき
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https://blog.goo.ne.jp/jukusenmasaya
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日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。
更新頻度(1年)

367回 / 365日(平均7.0回/週)

ブログ村参加:2017/09/03

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じゅくせんのつぶやきさんの新着記事

1件〜30件

  • 映画「ストロベリーナイト」

    ★2回目になるだろうか、映画「ストロベリーナイト」(2013年)を観た。★連続殺人事件。組織暴力対策課はヤクザ組織の跡目争いでケリをつけようとした。一方、捜査一課、姫川玲子班はある人物を追い始めた。しかし、その人物に触れてはならないと、上からの圧力がかかる。どうやら、警察の隠蔽捜査があったようだ。★ストロベリーナイトの魅力は何と言っても竹内結子さん演じる姫川刑事だ。★それだけに、彼女の死は残念だ。映画「ストロベリーナイト」

  • ドラマ「盤上のアルファ」

    ★将棋つながりで、NHKドラマ「盤上のアルファ」(2019年)を観た。原作は塩田武士さんだ。★チームワークを乱すと上司から疎まれ、社会部から文化部それも将棋担当へと配置換えになった秋葉隼介、恋人からも「距離を置く」と告げられ、やけを起こして居酒屋で飲んでいると、そこで元奨励会3段だったという真田信繁と出会う。彼は、もはや33歳。しかし将棋をあきらめきれず、プロを目指し3段編入試験に挑戦するという。★どうもとってつけたようなシチュエーションだが、白熱した将棋と記者役の玉木宏さん、プロを目指す棋士役の上地雄輔さんの熱いぶつかり合いにひきつけられる。記者の恋人役、比嘉愛未さんの美しさも魅力だ。★「盤上の向日葵」のような殺人や刑事同士の葛藤はないが、ヒューマンドラマとしてひきつけるのは脚本のうまさだろうか。ドラマ「盤上のアルファ」

  • 片岡義男「甘く優しい短篇小説」

    ★反りの合わない2人の女性が同じ部屋で一夜を過ごしたら大変なことになった。片岡義男さんの「甘く優しい短篇小説」(新潮文庫)から表題作を読んだ。★ある作家、写真家の女性編集者から紀行文を依頼される。連載の予行演習ということで小旅行を計画。同じとき、この作家にかねてから長編小説を依頼していた別の女性編集者から、構想を話し合いたいと連絡がある。ちょうど良い機会なのでと、作家は二人の女性と旅先で食事をすることに。★初体面。食事中は和やかに鶏鍋をつついていたが、一夜が明けて、同じ部屋に宿泊した2人の女性編集者はお互いに罵り合いを始める。★短い作品ながら、全体は4部構成。最後の第4部が面白い。いやぁ、女性は恐ろしい。この顛末、件の作家は、甘く優しい恋愛小説にまとめることができるのやら・・・。片岡義男「甘く優しい短篇小説」

  • ドラマ「盤上の向日葵」

    ★柚木裕子さんの「盤上の向日葵」(中公文庫)が文庫になったので買った。上下2巻。さっそく読もうかと思ったが、待ちきれず、昨年,NHKで放映されたドラマ(4回シリーズ)を観た。★彗星のごとく現れたプロ棋士。東大卒、IT企業の社長という華々しい肩書を捨て、奨励会を経ず、特例でプロ入りが認められた。まずは彼の生い立ちと、名工の手による将棋の駒を抱いた白骨死体の捜査という、二つのストーリーが並行して進む。★白骨死体は誰なのか。なぜ将棋の駒を抱いていたのか。棋士との関係は。★大友康平さんが演じるベテラン刑事と蓮佛美沙子さんが演じるかつてプロ棋士を目指した地域課の新米刑事が真相に迫る。★ベテラン刑事と新米刑事とのペアというのは男女の差こそあれ「孤狼の血」のパターンだ。最初新米刑事(それも女警察官)と組むのを煩わしく思ってい...ドラマ「盤上の向日葵」

  • 綿矢りさ「憤死」

    ★近隣の中学校では、中間テストが終わった。彼らと共に束の間の解放感を味わう。★今日は、綿矢りささんの「憤死」(河出文庫)を読んだ。かわいい表紙。おじさんが手を出すにはちょっと抵抗を感じる。内容も若い女性向きかな。★幼なじみ(佳穂という名前)が自殺未遂をしたと聞き、病院へと見舞いに来た主人公。「興味本位で見舞いに行くことにした」というから、あまり心配はしていない様子。小学生時代の幼なじみとは言うが、二人の関係は複雑だ。クラスの女子たちからはみ出た二人が組んだって感じ。佳穂は金持ちのお姫様で主人公はそのおこぼれにあずかる取り巻きって感じかな。★佳穂はキレやすい子らしく、その片鱗は小学生時代のウサギ小屋のエピソードで紹介されている。年を経て、恋人に裏切られたのが今回の顛末の原因らしい。「ただひたすら純度の高いわがまま...綿矢りさ「憤死」

  • 映画「三蔵法師 玄奘の旅路」

    ★中間テスト対策の4日間。自分で計画したこととはいえ、1日12時間×4日間はさすがに厳しかった。何とか乗り越えたので、映画「三蔵法師玄奘の旅路」(2016年)を観た。孫悟空の物語で有名な三蔵法師の伝記映画だった。★中国は唐代。1人の僧が経典を求めて天竺へ旅立った。当時、天竺への渡航は禁止されており、国禁を犯しての旅路だった。★三蔵法師、玄奘の物語ではあるが中国西域や仏教の遺跡を巡る美しい描写は、まるで観光ガイドのようだった。★もしかしたら、玄奘のような僧は他にもいたかも知れない。困難な旅路に、ある者は命を失い、ある者は志半ばで挫折したのであろう。今の時代からは想像できないほど、それほど困難な旅路であったろう。★エンディングの「般若心経」が身に沁みる。★それにしても、イデオロギー的には共産主義の中国で、なぜ「三蔵...映画「三蔵法師玄奘の旅路」

  • 北方謙三「一日だけの狼」

    ★北方謙三さんの「一日だけの狼」(角川文庫)から表題作を読んだ。面白かった。★望月はカメラマン。彼が運転するアウディの前に男たちが飛び出してきた。3人が1人を殴り倒している。殴られたままの男は、暴行に堪えてはいるが、反撃の様子はない。望月は事の成り行きを見守っていたが、どういうわけかクラクションを鳴らしてしまった。★望月が学生時代の内ゲバ、白井という老いたヤクザ。殴られていた拓二という青年と殴っていた前田だという男。拓二が思いを寄せるリカという女の子。白井とシマを争う、岩下という男。それぞれが生き生きと描かれていた。★望月と前田の決闘シーンには息をのむ。★善悪とか、難しい理屈はいらない。ただ男たちがかっこよく、面白かった。もちろん、フィクションの世界だが。北方謙三「一日だけの狼」

  • 連城三紀彦「背中合わせ」

    ★連城三紀彦さんの「背中合わせ」(新潮文庫)から表題作を読んだ。★結婚6年目、夫が浮気をした。魔がさしたと言わんばかりの夫とそれが許せない妻。喫茶店が冷たい修羅場と化していた。★その時、妻は背中合わせの席に覚えのある声を聞く。元カレ。今は妻子もいるようだ。その男が若い女性と対面している。どうやら、女性から告白されたものの、不倫には踏み切れず、といった場面。★かつてあれほど女遊びをしていた男なのにと、自分の離婚騒動はそっちのけで聞き耳を立てる妻。★他人にとっては全くどうでもいいような風景だが、このシチュエーションがとてもスリリングだ。男女の心の機微を描けば、さすがに連城作品だ。連城三紀彦「背中合わせ」

  • 城山三郎「逃亡者」

    ★城山三郎さんの「逃亡者」(新潮文庫)から表題作を読んだ。★ある大工場に刑事がやってきた。戦前、その工場が軍の燃料廠であった時、徴用工として働いていた朝鮮人の男を探しているという。その男は、戦時中、窃盗と国家総動員法違反で逮捕、拘留中であったが、空襲に紛れて脱走したという。★戦後、その工場は払い下げられ、所有者が転々。かつての時代を知る者は、もはやいなかった。隻腕の守衛の男を除いては。★刑事、守衛の男、彼らの教師だった男と三者の話を通して、彼らにとっての戦争、そしてその状況下でのそれぞれの立場が話される。★「戦争というのは、男も女も血まみれになって、空へ吹き飛ぶことなんだよ。人間が生きながら燃えるということだよ。残った人間も、ぼろぼろになってしまうということなんだ。そして、中将だけが、馬に乗って颯爽と女の家へ通...城山三郎「逃亡者」

  • 菊池寛「形」

    ★中学3年生の国語、中間テストのテスト範囲に菊池寛の「形」が入っていたので読んだ。★時は戦国時代、覇権を争う畿内。摂津の国の侍大将、中村新兵衛は「槍中村」と誉れが高く、その猩々緋(しょうじょうひ)の羽織と唐冠のかぶとを見ただけで、敵兵は震えあがったという。★ある日、初陣を飾る若侍が、新兵衛の装束を借りて手柄を立てたいと懇願し、新兵衛は笑って許した。「槍中村」の姿に敵兵はかき乱され、若侍は手柄をあげた。一方の新兵衛は、黒革縅(おどし)の鎧に、南蛮鉄のかぶとという地味な姿。一武将と化したその姿に敵兵はひるむことなく、遂に敵の槍に射抜かれたという。★敵兵は新兵衛の実体ではなく、その姿、「形」を恐れていたのだ。それに気づかなかったことが新兵衛の悲劇だと言える。新兵衛老いたり。過去の栄光に自己を見失ったか。★「形」と言え...菊池寛「形」

  • 映画「蜜蜂と遠雷」

    ★4日連続の中間テスト対策。無事に半分が過ぎたので、自分へのご褒美として映画「蜜蜂と遠雷」(2019年)を観た。★恩田陸さんの原作は積読になっているので、まずは映画から。国際ピアノコンクールに挑む人々。第1次予選、第2次予選を経て、いよいよ本選へ。それぞれに技巧はすごい。コンクールである以上、順位が着く。技巧を超えたもの、聴衆をひきつける何かを発揮した人が栄冠を得る。★天賦の才に恵まれ、文字通り血の滲む努力を惜しまない人々にも悩みは尽きないようだ。いや、秀逸であるからこそ、その悩みも深そうだ。高みに登れば登るほどに、究めれば究めるほどに、道を究めることの難しさを実感するのであろう。これはピアニストに限ったことではない。どの世界でも、道を究めようとする者につきまとう試練かも知れない。★人の評価はさておき、自らの満...映画「蜜蜂と遠雷」

  • 阿川弘之「鮨」

    ★デジタル時代に押され気味の新聞。ニュースの速さ、リアリティはテレビやインターネットに席を譲った感がある。新聞の生き残り策があるとすれば、それはコラムの面白さだろう。政治関連の裏話になると、大新聞の記者の筆が冴える気がする。★今朝の新聞で面白かったのは、朝日新聞の「日曜に想う」。曽我豪編集委員の「『月』の首相本領を発揮するには」というコラム。菅新首相は政治家の中で一番電話が短いという。菅氏が師匠の梶山静六氏から受けた教えとは。平時ではありえない「月」の首相の誕生。その手法に注文をつけつつも、愛情を感じさせる原稿だった。★「天声人語」は「早い、安い、うまい、そして大盛」のなじみの料理店が閉店になってしまったという話。かつての「ぎょうさの王将」のキャッチフレーズのようだと思った。★京都新聞は物理学者、佐藤文隆さんの...阿川弘之「鮨」

  • 阿刀田高「消えた男」

    ★近隣の中学校は24日(木)、25日(金)が中間テスト。従来は10月中旬ごろだったが、昨年からなぜか(たぶん行事の関係)、この時期になった。★今年は4連休後という事で、塾では連日、テスト対策。朝10時から夜10時まで。塾泣かせの日程だ。★授業の合間を利用して、短い作品を一つ。阿刀田高さんの「消えた男」(角川文庫)から表題作を読んだ。★病院で知り合った変わった男。画家だと自称するが、どうもあやしい。うさん臭くはあったが、学生の主人公は別段失うものもないので親しくなった。★男と付き合ううちに、この男の「本業」が女ったらし(つまり女性に寄生し、その財力に頼る)であることを知る。★そして、その男が消えた。男はどこへ行ったのか。★この文章を書きながら睡魔が襲ってきた。阿刀田高「消えた男」

  • ドラマ「相棒」新世界より

    ★ドラマ「ST」では、とてもセクシーな役を演じた芦名星さんの訃報。「相棒」では、ジャーナリストを演じられていた。★「相棒」シーズン17最終回「新世界から」(2019年)を観た。学者の好奇心から遺伝子操作で開発された新型ウイルス。その情報を盗もうとする某国の陰謀。未来から来たという兄妹は新型ウイルスにより人類が危機に瀕したとして、開発に携わった研究者を襲う。杉下右京、冠城亘はバイオテロを防ぐことができるのか、といった内容だった。★新型ウイルスという発想は、まるで1年後の世界を予見したようだ。未来からの使者が歴史を変えようとするというのは「ターミネーター」や「ねらわれた学園」のようだ。★「未来」という異郷は、アーミッシュか原始共産制を志向するカルト集団のようだ。そのファッションは「勇者ヨシヒコ」か。★とにかく、盛り...ドラマ「相棒」新世界より

  • 映画「渇き。」

    ★深町秋生さんの「果てしない渇き」(宝島社)を読みながら、先に映画「渇き。」(2013年)を観た。★高校生の娘が失踪した。母親は娘の持ち物からドラッグを見つけ、離婚した夫に連絡した。夫は元刑事。妻の不倫相手を暴行し、警察を辞めていた。夫は必死で娘を探す。そこで見えてきたのは、娘の裏の顔であった。★親は娘のことを何も知らない。母親は家庭を顧みない夫に愛想が尽きたのか愛欲に溺れ、夫は妻と娘から疎まれ、ますます家庭から遠ざかっていった。もとはと言えば、この夫、かなりエキセントリックだ。暴力的だ。★異常な家庭環境が娘を悪魔に変えたのか。いじめ、警察の腐敗をからめながら、すべての秩序が狂いだす。善悪の境界さえもわからなくなる。★父親を演じる役所広司さんが印象的。最後まで救いのないドラマだった。映画「渇き。」

  • ドラマ「アクロイド殺人事件」

    ★昨日の朝日新聞「天声人語」でアガサ・クリスティーの代表作の一つ「アクロイド殺し」が紹介されていたので、ドラマ「名探偵ポアロ」で「アクロイド殺し」を観た。★探偵業を引退して、田舎で畑仕事をするポアロ。しかし、ポアロの行くところに殺人事件あり。村で一番の実業家アクロイド氏が殺された。数々の伏線。アナログ時代の時差トリック。★ドラマ化にあたって、犯人をどう描くか難しかったことだろう。★オープニングとエンディングも印象的だ。ドラマ「アクロイド殺人事件」

  • よしもとばなな「デッドエンドの思い出」

    ★少し時間ができたので、映画でも観ようとhuluやnetflixやamazonプライムを検索。★「草原の椅子」(宮本輝)、「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)、「マチネの終わりに」(平野啓一郎)、「アイネクライネナハトムジーク」(伊坂幸太郎)、「デッドエンドの思い出」(よしもとばなな)など文芸作品が映画化されていた。★予告編を観て、どれも面白そうだった。書庫に、よしもとばななさんの「デッドエンドの思い出」(文春文庫)があったので、表題作を読んだ。映画とは設定が変わっていたが、切ない物語だった。★主人公の女性には婚約中の彼がいる。仕事の関係で遠距離恋愛が続いていた。時間がたつと電話やメールも途絶えがち。それでも主人公は「死ぬほど忙しいのだろう」とプラス思考。しかし、それも限界。思い切って彼の住む街、彼の部屋を訪れたのだが、開...よしもとばなな「デッドエンドの思い出」

  • 夏樹静子「雨に消えて」

    ★季節の変わり目、連日、にわか雨に驚かされる。雨にちなんで、夏樹静子さんの「雨に消えて」(光文社文庫)から表題作を読んだ。★ある雨の夜、ルリ子が寝室から消えた。ベビーベッドで眠っているからまだ「幼児」だろうか。母親の保江は動転するが、夫の伸正はそっけない。★「何か事情があるのか」と思っていると、2つ目の事件が起こった。近所で悪評判の女子高生が城址から転落し死地をさまよっているのだ。最近、頻繁に保江の家に出入りしていたというから、彼女が「誘拐犯」なのか。と思っていると、女子高生の担任教師が登場する。★どんどん話が複雑に重なり合っていく。作者のトリックに翻弄される。ぐるっと回ってエンディング。構成の妙と言うところか。夏樹静子「雨に消えて」

  • 映画「ビブリア古書堂の事件手帖」

    ★映画「ビブリア古書堂の事件手帖」(2018年)を観た。★「事件手帖」というからコナンくんのような殺人事件の犯人探しかと思って観たが、夏目漱石の「それから」のような恋愛モノだった。★五浦大輔にはトラウマがある。幼少の頃、祖母から「触れてはいけない」と言われていた夏目漱石全集を触って激怒されたのだ。いつもはやさしかった祖母だけに、大輔はショックを受けた。それ以来、彼は活字本が読めなくなったという。★祖母の死後、大輔は改めてその全集に触れてみた。「それから」の巻末に「夏目漱石」という謹呈のサインがあった。本物なら価値はどれほどか。大輔は「それから」に挟まれていた値札にあった「ビブリア古書堂」へ向かう。★そして古書堂の今の店主、栞子との出会い。太宰治の希少本をめぐる事件が描かれていた。★古書店というのは本好きにはたま...映画「ビブリア古書堂の事件手帖」

  • 石田衣良「約束」

    ★石田衣良さんの「約束」(角川文庫)から表題作を読んだ。★小学4年生のヨウジは勉強も運動もできるクラスのリーダー。幼稚園から幼なじみのカンタにとってあこがれの存在だった。この二人に悲劇が起こる。通り魔の凶刃に倒れヨウジは帰らぬ人に。その一部始終を見ていたカンタは心に大きな傷を負った。★普段は平常を装っても、繰り返す自傷行為。なぜヨウジが死に、自分は生き残ったのか。この思いにカンタはつぶれそうになる。そして遂にケリをつけようと家を飛び出した。★ヨウジとの思い出の場所を徘徊し、そこでカンタはある体験をする。★人は時として不条理な場面に直面する。現状を理解しようとしても体がそれを許さない。事実を認め、再生への道を歩むのは生易しいことではない。ましてや主人公は小学生だ。★通り魔への憤り、やり場のない無力感。衝撃的な作品...石田衣良「約束」

  • 石田衣良「スローグッドバイ」

    ★京都は台風の影響をほとんど受けなかった。今日、ツクツクボウシの声を初めて聴いた。秋が迫っている。★センチメンタルになったわけではないが、短い恋愛小説を読む気になった。石田衣良さんの「スローグッドバイ」(集英社文庫)から表題作を読んだ。石田さんが直木賞をとる少し前の作品だろうか。★2年間同棲した男女。分かれて10日目。今日は「最後のデート」をするという。何とも奇妙なイベントだが、彼らの仲間内ではよくあることのようだ。修羅場で別れたのではない。ただ「方向性が違っただけ」。ロックバンドの解散のように、彼らは表向きはサバサバと路線を変える。★はっきりいって、人の恋愛などどうでもよい。けれど読んでしまうのは、なぜなのだろうか。石田衣良「スローグッドバイ」

  • 司馬遼太郎「侍はこわい」、色川武大「百」

    ★司馬遼太郎さんの「侍はこわい」(光文社文庫)、色川武大さんの「百」(新潮文庫)からそれぞれ表題作を読んだ。★「侍はこわい」は、明治維新間近の大阪が舞台。京では池田屋騒動があり、大阪も物騒になっていた。ある唐物問屋の娘、侍の嫁になるのが夢。身分制度が厳しい時代ながら、そこはなんとか唐物(輸入品を取り締まる)同心の妻におさまった。★町人、武家と何かとしきたりが異なっていたが、彼女は侍の妻として努めていた。同心の夫も優しかったが、最近どうも様子がおかしい。もしや浮気でもと勘繰るのだが、夫にはある理由があった。★長編の司馬作品に比べると物足りないが、変革期に生きる姿(そしていつの世も変わらない男女の関係)は感じることができた。★続いて、色川武大さんの「百」。作家自らの経験をベースにした私小説。90代も半ばを超えた父親...司馬遼太郎「侍はこわい」、色川武大「百」

  • 杉本圭司「小林秀雄 最後の音楽会」

    ★杉本圭司さんの「小林秀雄最後の音楽会」(新潮社)を読んだ。★試験に出るとどうも難解で困る小林秀雄だが、本書で彼の普段着の姿が垣間見えたような気がした。彼もまた若い時代には紆余曲折があったようだ。★女優・長谷川泰子をめぐる中原中也との三角関係。彼女との同棲の後の関西への逃避行。彼の周りには文学史に出てきそうな人々があふれているから、文人、芸術家のサロンのような集まりがあったのだろう。★小林は音楽を愛したようだ。それもクラシック。私は音楽に詳しくないので、そのあたりは飛ばしながら読み進めた。「契りのストラディヴァリウス」「「小林秀雄の『時』或る冬の夜のモーツァルト」「ブラームスの勇気」の三編が収められているが、私には「小林秀雄の『時』・・・」の中の「母」の章が面白かった。★小林は母思いだったらしく、その気持ちが蛍...杉本圭司「小林秀雄最後の音楽会」

  • ドラマ「ザ・ボーイズ」

    ★アマゾン・オリジナルドラマ「ザ・ボーイズ」(2019年)の第1話を観た。★暴走する車、それを止めたのは「ヒーロー」達だった。ここまでは、まるで「僕のヒーローアカデミア」だ。ところが、話が進むにつれて、どうも雲行きが怪しくなってくる。★「ヒーロー」達は「ヴォート」という企業に雇用され、「ヴォート」はヒーローの派遣、テーマパークの運営といったヒーロービジネスで莫大な利益を上げていた。★「ヒーロー」達の活躍の裏で、企業の腐敗、ヒーロー達の暴走が始まっていた。しかし、企業は不都合な事実は隠蔽し、不都合な人々を排除していった。★そんな彼らに対して、人々は不都合な事実を見ないようにしていると、ある登場人物は皮肉を込めて語っている。「ヒーロー」も彼らを利用する企業も悪だが、その事実に目を閉じている人々こそ問題なのではと。★...ドラマ「ザ・ボーイズ」

  • 伊集院静「乳房」

    ★伊集院静さんの「乳房」(講談社文庫)から表題作を読んだ。★ちょっとやんちゃな中年オヤジ。芸能関係の仕事をしていて、女性遍歴も数あまた。そんな中、仕事関係で出会った随分と年下の女性。彼女からのアプローチに最初は遊びのつもりでつきあったが、健気な気持ちに完敗し結婚。しかし、幸せも半ばにして、彼女が不治の病に冒される。献身的に寄り添う男だったが・・・。★作品を読んでいて、どうしても夏目雅子さんのクリっとした瞳が思い浮かんできた。作品自体はフィクションだろうが、その中で夏目さんが生きているように感じた。★巻末に久世光彦さんが太宰治を引いて、伊集院さんとその作品を評していたが、面白い視点だと思った。伊集院静「乳房」

  • 映画「スーパー・チューズデー」

    ★映画「スーパー・チューズデー~正義を売った日~」(2011年)を観た。アメリカ大統領選挙、ドロドロとした裏舞台を描いていた。★オハイオ州では民主党、大統領候補の予備選が白熱していた。有力な候補の一人、マイク・モリス知事の陣営ではポール・ザラー、スティーヴン・マイヤーズといった選挙参謀(ブレーン)が、情勢分析や選挙戦術に奔走していた。特に若手のスティーブンは対立陣営からもその手腕が評価されていた。そんな彼にある誘惑が。そして次々と歯車が狂い始める。★2020年のアメリカ大統領選はすでに共和、民主両党の大統領候補が決まり、本選に走り出している。日本では突然の首相退陣で後継戦の火ぶたが切られた。敵の敵は味方、数は力なり。岸田vs石破、麻生vs菅、岸田vs二階など、政策論争ではなく、仁侠映画さながらの仁義なき戦い。総...映画「スーパー・チューズデー」

  • ★小林秀雄は「モーツァルト」の題字の横に「母上の霊に捧ぐ」の文字を添えた。論文発表直前に世を去った母を思いやってのことらしい。★この当時の小林の心境を物語るエピソードがあるという。鎌倉の家の近くで見た大きな蛍。蛍などありきたりな風物だったが、小林はその時、「おっかさんは、今は蛍になっている」と思ったという。言葉にすればありきたりなものに堕してしまうその「直観」に小林はとらわれた。(東京新聞のコラム「大波小波」に詳しい)★このエピソードに触発されて「無常という事」(「無常という事」角川文庫、「モールァルト」集英社文庫所収)を改めて読んだ。一言芳談抄にある「なま女房」の話から筆をおこし、「生と死」や「歴史」そして「美」について論じている。★本居宣長を回顧し、「解釈を拒絶して動じないものだけが美しい」と言い、また川端...蛍

  • 原田マハ「誕生日の夜」

    ★学校が始まって初めての週末。塾業界は束の間の休息。9月になれば、模試、中間テスト、10月になれば、受験対策の日曜特訓、放課後ゼミと例年通りのスケジュールが始まる。★長編を何冊か読み進め、短編では乙一さんの「ZOO1」(集英社文庫)から「ZOO」、そして「1日10分のごほうび」(双葉文庫)から、原田マハさんの「誕生日の夜」を読んだ。★「ZOO」は、彼女を殺してしまった男の独白。おぞましい描写が続くが、冒頭の「写真と映画の違い」「俳句と小説の関係」の解説は興味深かった。確かに小説を微分すれば俳句や詩になり、物語を微分すると描写になるのかも知れない。一方で写真を積分すれば映画になるのかも。★私たちの生涯も一瞬一瞬の積み重ねに違いない。★かなりドギツイ「ZOO」の後は、原田マハさんのほっこりする物語。女友達の話。幼い...原田マハ「誕生日の夜」

  • 伊坂幸太郎「終末のフール」

    ★死を受け入れるプロセスに5段階あると聞いたことがある。①否認と孤立、②怒り、③取り引き、④抑うつ、⑤受容と言ったものだったか。(E・キューブラー・ロス「死ぬ瞬間」中公文庫)★伊坂幸太郎さんの「終末のフール」(集英社文庫)から表題作を読んだ。小惑星が8年後に地球と衝突するという。人類は絶滅するであろう。すでに3年が経過した。最初は、略奪、暴動、犯罪と混乱していた社会も、もう落ち着いたようだ。死の受容の5段階の最終段階に到達したのかも知れない。★表題作ではある家族の日常の風景が描かれている。終焉までのタイムリミットがなければ、よくある家族の物語だ。しかし、何をしようと、どうあがこうと、残された時間は3年しかない。★隕石であれ、疫病であれ、自然災害であれ、有限の時間を前にして人はどう生きればよいのか、考えさせられた...伊坂幸太郎「終末のフール」

  • 森浩美「最後のお便り」

    ★NHK国際放送が選んだ日本の名作「1日10分のごほうび」(双葉文庫)から、森浩美さんの「最後のお便り」を読んだ。★ベテランの局アナ。報道番組のメインキャスターも2年ほど務めたが、今は若手にその座を譲り、肩書は副部長だが閑職に追いやられている。大手企業の経営陣となった旧友の計らいでラジオ番組をやらせてもらったが、それもいよいよ打ち切りとなった。★彼の一つの楽しみは自らの番組を母に聴かせること。いよいよ最終回というとき、母が急変したという連絡が。★最後は予想通り泣かされる。★森浩美さんという方についてよく知らなかったが、著名な作詞家だという。家族をテーマとした小説を何本か書かれているそうだ。そちらも読んでみたくなった。森浩美「最後のお便り」

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